So-net無料ブログ作成
  • ブログをはじめる
  • ログイン
歴史・哲学等 ブログトップ
前の10件 | -

ユング心理学入門 [歴史・哲学等]

 「ユング心理学入門」 河合隼雄 (岩波現代文庫)


 日本におけるユング心理学の第一人者による、とても分かりやすい入門書です。
 今月(2018年7月)の「100分de名著」河合隼雄スペシャルで紹介されました。


ユング心理学入門―“心理療法”コレクション〈1〉 (岩波現代文庫)

ユング心理学入門―“心理療法”コレクション〈1〉 (岩波現代文庫)

  • 作者: 河合 隼雄
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2009/05/15
  • メディア: 文庫



 岩波現代文庫版の構成は、以下のとおりです。
 全7章を読み通すことで、ユング心理学の概要を知ることができます。

 第1章 タイプ
 西洋では外交的タイプが肯定され、日本では内向的タイプが肯定されて・・・

 第2章 コンプレックス
 我々の心には、抑圧された感情の集合体であるコンプレックスが潜んでいて・・・

 第3章 個人的無意識と普遍的無意識
 人類全体には普遍的無意識があり、神話など共通のイメージとして現れ・・・

 第4章 心像と象徴
 意識と無意識を仲介する心像は、さまざまな意識の状態を象徴していて・・・

 第5章 夢分析
 夢には意識と無意識が表れ、自己の未来やコンプレックスの理解に役立ち・・・

 第6章 アニマ・アニムス
 男性の夢に現れる女性をアニマ、女性の夢に現れる男性をアニムスと言い・・・

 第7章 自己
 自我が意識の中心であるのに対し、自己は意識と無意識全体の中心で・・・

 中でも特に興味深かったのは、普遍的無意識の渦巻きと地母神のイメージです。
 原始時代の人間の、穀物の生成への驚きが、地母神のイメージとなり・・・

 渦巻きは、地母神の子宮の象徴として、多くの国の神話で語られていて・・・
 渦巻きは全てを生み出す豊穣の地であり、全てを呑み尽くす死の国であり・・・

 人類には共通のイメージがあり、それは原始時代の人類の体験に基づいていて、
 各民族の神話の中に見出すことができる、というところにロマンを感じました。

 これを初めて読んだ30代の頃、神話のマイ・ブームがありました。
 当時、ギリシア神話や日本神話や聖書の解説などを読み漁りました。

 本書の姉妹編として、岩波新書から出ている「コンプレックス」があります。
 コンプレックスに重点を置いていますが、ユング心理学全般を紹介しています。


コンプレックス (岩波新書)

コンプレックス (岩波新書)

  • 作者: 河合 隼雄
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1971/12/20
  • メディア: 新書



 さいごに。(図形の問題)

 小学校6年生にもなると、算数の問題はちょっと難しいですね。
 娘に教えようとして見てあげた問題が、難しくて分からないこともあります。

 特に図形は、意表を突くような問題があって、たじろぐこともしばしば。
 頭が硬くなったんだなあと、つくづく感じる今日このごろです。

nice!(2)  コメント(1) 
共通テーマ:

ナポレオン(ルートヴィヒ)2 [歴史・哲学等]

 「ナポレオン 下」 エミール・ルートヴィヒ著 北澤真木訳 (講談社学術文庫)


 揺れ動く心情とともに、英雄の全生涯を克明に描いた、ナポレオン伝の名著です。
 1929年の刊行後世界中で読まれています。2004年に新訳が出るも現在は絶版です。


ナポレオン(下) (講談社学術文庫)

ナポレオン(下) (講談社学術文庫)

  • 作者: エミール・ルートヴィヒ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2004/06/10
  • メディア: 文庫



 有名なナポレオン伝の下巻です。ナポレオンの後半生を記しています。
 上巻については→ https://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2018-07-12

 この本を読んだ30代の頃は、上り坂を駆け登ってゆく上巻に心を躍らせました。
 しかし50代の今読み返すと、下り坂を転がり落ちていく下巻に心が打たれます。

 落ち目になった皇帝が、家族や親友に次々と裏切られていく場面は痛切です。
 「余は、運命ではなく、戦友のエゴイズムと陰謀に負けた。」(P157)

 しかし、セントヘレナでの日々が、皇帝に内省を促しました。
 次のような告白を読むと、剥落の皇帝にこそ、真の英雄を見た気がしました。

 「余の失墜の原因は、余自身に他ならない。余が、自らの主たる敵であり、自
 らに不幸をもたらした張本人である」(P381)

 ところで、皇帝はエルバ島を出たとき、自身の破滅を予感していたのではないか。
 少なくとも、母のレティツィアは、皇帝の破滅を予感していました。

 「あなたの母親であることは忘れましょう! 天は、あなたが剣を手に死ぬこと
 しかお許しにならないのだろうから。」(P185)

 百日天下に終わった復活劇も、皇帝は想定していたような気がしてなりません。
 もう一度天下が取れるとは、皇帝自身もあまり信じていなかったのではないか。

 さて、ナポレオンが歴史に果たした役割は、ヨーロッパ統一を構想したことです。
 さらに、自分の持てる力を総動員して、それを実現させようとしたことです。

 「遠からず、ヨーロッパは、正真正銘の統一国家となり、誰もがどこを旅しても
 共通の祖国にいると実感するようになるだろう・・・(中略)余の失墜とこれに
 伴う体制の消滅後、この体制に代わる均衡を全ヨーロッパにもたらし得るのは、
 諸国民の集合体、すなわちヨーロッパ諸国連合以外にない」(P320)

 ナポレオンの登場は早すぎた。ヨーロッパ連合が成立したのは、約200年後でした。
 しかし、ナポレオンの構想が、EUの遠い伏線となったのは間違いありません。

 余談ですが、ナポレオン関連で、いつか読みたい本がこれです。
 「怪帝ナポレオン三世 第二帝政全史」。老後の楽しみとなるか。


怪帝ナポレオン三世 第二帝政全史 (講談社学術文庫)

怪帝ナポレオン三世 第二帝政全史 (講談社学術文庫)

  • 作者: 鹿島 茂
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/10/13
  • メディア: 文庫



 さいごに。(INFOBAR復活か)

 「初代の再現」をテーマに、生誕15周年の今秋「INFOBARxv」が発売されます。
 写真を見て、「絶対欲しい」と思ってしまいました。

 問題は、「ガラケー」なのか「ガラホ」なのか、記事によってまちまちな点です。
 「ガラケー」だったら買い。「ガラホ」だったら料金が跳ね上がるので保留です。

20180712-00089059-roupeiro-000-5-view.jpg
 

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:

ナポレオン(ルートヴィヒ)1 [歴史・哲学等]

 「ナポレオン 上」 エミール・ルートヴィヒ著 北澤真木訳 (講談社学術文庫)


 揺れ動く心情とともに、英雄の全生涯を克明に描いた、ナポレオン伝の名著です。
 1929年の刊行後世界中で読まれています。2004年に新訳が出るも現在は絶版です。


ナポレオン(上) (講談社学術文庫)

ナポレオン(上) (講談社学術文庫)

  • 作者: エミール・ルートヴィヒ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2004/05/11
  • メディア: 文庫



 人生の途上で遭遇する様々な場面での、英雄ナポレオンの心情をたどりながら、
 最後にセントヘレナにおいて到達する、魂の昇華の過程を詳細に描いています。

 全体(上下巻)の章立ては、以下のとおりです。
 孤島→奔流→大河→海洋→岩礁と、詩的で簡潔な言葉で人生を象徴しています。

 第一章「孤島」(誕生からジョゼフィーヌとの結婚まで)
 第二章「奔流」(イタリア遠征から霧月一八日のクーデタまで)
 第三章「大河」(マレンゴの戦いからナポレオン二世誕生まで)
 第四章「海洋」(ロシア遠征から逮捕宣告まで)
 第五章「岩礁」(セントヘレナ到着から死まで)

 本書の特徴は、ナポレオンの内面が、非常に克明に描写されていることです。
 時によっては、「あんたはナポレオンか!」とツッコミたくなるほどです。

 「スフィンクス同様、沈黙を守る術を心得ているボナパルトは、黙考する。
 ーーアレクサンドロスも、カエサルも、ここに来た・・・。あの頃でさえ、
 スフィンクスはすでに老いており、2000年の歳月を経ていた・・・。それ
 からさらに2000年の歳月が流れた・・・。」(上P175)

 このあと、ナポレオンは閲兵し、ピラミッドを指しながら叫びます。
 「兵士諸君、4000年の歳月が諸君を見つめている!」

 このように、著者がナポレオンに成り代わり、名場面における心境を語ります。
 時を越えてナポレオンと一緒に行軍している錯覚を、楽しむことができます。

 さて、英雄の人生で最も輝かしかったのは、何といっても戴冠式でしょう。
 この場面も、著者はまるで見てきたように、臨場感あふれる記述をしています。

 「いよいよだ。満場が固唾を吞んで待ち構える。未だかつて頭を垂れる姿を誰にも
 見せたことのない男が、ついに跪く時が来た。と、男は、やおら冠を摑み、立った
 ままこれを手ずから頭上に載せたのである。驚愕の眼差しを注ぐ何千という会衆の
 前で、教皇に背を向け、神の前で、自らの人民の見守る中で。・・・」(P311)

 しかし、私にとって最も興味深かったのは、1808年のゲーテとの会見の場面です。
 ナポレオンは「ウェルテル」を戦地に持参し、7回読み返したと言われています。

 「『ウェルテル』を称賛することから会話を起こしたナポレオンだが、『この物語
 の結末は好きではない』と付け加える。
 ーー物語が終わってしまうことが、陛下にはお気に召さないのだと存じます。
  直言を咎め立てせず、皇帝は、ウェルテルの自殺の動機に野心を介入させたこと
 に文句を付けた。詩人は声を立てて笑いー(中略)ー御批判はもっともだが大目に
 見て戴きたい、作家は皆それなりの効果を見いだそうと大いに努力しているのだか
 ら、と答える。」(P439)

 ナポレオンがゲーテを見て、「これこそが人だ」と言ったエピソードは有名です。
 ちなみに、皇帝には、作家を利用したいという思惑があったようです。

 さて、この伝記は上下合わせて900ページ超。文章は決して読みやすくありません。
 他の本と並行して読み、二冊終わるまでに約2か月かかったように記憶しています。

 しかし、その2か月は、いつもナポレオンがすぐ近くにいるように感じていました。
 ナポレオンのファンには、ぜひ一度読むことをオススメします。

 さいごに。(アリーナで公演)

 今年の9月、地元のアリーナに、Hey!Say!JUMP!が来ることになったそうです。
 うちの娘は、今からテンションが高いです。

 「チケットが取れやすいように、ジャニーズのファンクラブに入る。」と言います。
 そんな必要あるのでしょうか? 同じ場所で三公演やるらしいんですよ。

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:

ナポレオン(鶴見祐輔) [歴史・哲学等]

 「ナポレオン」 鶴見祐輔 (潮文庫)


 フランス革命の英雄ナポレオンの生涯を名文でつづった、血沸き肉躍る伝記です。
 政治家兼著述家の鶴見が1931年に出した作品。のちに潮文庫に入るも現在は絶版。


ナポレオン (潮文庫 黄 1A)

ナポレオン (潮文庫 黄 1A)

  • 作者: 鶴見 祐輔
  • 出版社/メーカー: 潮出版社
  • メディア: 文庫



 「太平洋時代は日本民族が、全世界的に活躍する時代なのだ。
 その日のためにわれわれは英雄的修養をしなければならない。」

 冒頭「序にかえて」の言葉から、政治家でもあった鶴見の意気込みが見られます。 
 これが書かれたのは1931年、昭和6年で、世界が戦争に向かって行く時代でした。

 ちなみにそれより3年前の1928年に、鶴見は代表作「英雄待望論」を著しました。
 日本に英雄を待望する気持ちから、この世界の英雄の一代記を書いたのでしょう。

 その気持ちが、文章に表れています。非常に美しく格調高い文章です。
 たとえば次のようなちょっとした部分もすばらしい。名文と言っていいでしょう。

 「ツーロンの一戦は、二十三歳のナポレオンを陸軍少将とした。
 彼の声名は一夜の春雨、満山の花あしたに開くがごとく急騰した。」(P61)

 「一夜の春雨、満山の花あしたに開く・・・」 全体がこのような感じです。
 それゆえ、やや読みにくいです。加えて、文庫本の活字の小さいこと!

 なかなかページが進みません。私の場合は、一時間に30ページほどでした。
 しかし、このような凝った表現が、少しずつ心地よくなっていくのです。

 コルシカ島脱出、ツーロンでの武勲、ボンデミエール13日、ジョセフィーヌ、
 イタリア遠征、エジプト遠征、プリュメール18日、ナポレオン法典、戴冠式・・・

 鶴見は、まるで見てきたように、これらの出来事を描写しています。
 時にナポレオンに成り代わって、その心境を語るので、とても臨場感があります。

 ただし、ナポレオンに寄り添いすぎているため、客観性を欠く表現もあります。
 ライバルであるタレーランとフーシェの記述は・・・二人が知ったら怒りますよ。

 「タレーランは、ナポレオンという獅子王の背後に隠れて、恐ろしく知恵を働かし
 てうまい汁を吸った一匹の狐である。フーシェはいつも草むらに隠れて人を噛んだ
 マムシである。」(P141)

 その中で興味深かったのは、ジョゼフィーヌに関する評価です。
 「善きジョセフィン」とあだ名されて、ナポレオンよりずっと人望があった?

 気さくで愛嬌のあるジョセフィンは、全フランスから愛されていたと言います。
 そして、ナポレオンの強烈な人格を、世間に向かって緩和していたのだそうです。

 それを知っていたナポレオンは、彼女に惜しみもなく金を与え、夜宴を開かせた。
 「彼の豪奢もじつは死金ではなかったのだ。」(P255) なるほどねえ。

 さて、終盤に入っても、鶴見の筆は鈍りません。むしろますます冴えています。
 ナポレオンの晩年について、こんなふうに詩的に記しています。

 「巨人の晩年は、秋の日の沈みゆくがごとく荘厳である。みよ、一団の火焔、
 赤きこと紅のごとし、悠々として地平線上に沈んでゆく。」(P435)

 そして、「おれも昔は、ナポレオンだったことがあるのだな」(P462)の一言。
 セントヘレナにおける、この一言に泣けました!

 なお、ナポレオン伝の最高峰が、エミール・ルートヴィヒの「ナポレオン」。
 2004年に講談社学術文庫から出ると同時に、私は購入して読みました。

 英雄の心理描写が克明で、「お前はナポレオンか」とツッコミたくなるほど。
 上下二冊で2700円。合わせて900ページ超。読むのに時間がかかりました。


ナポレオン(上) (講談社学術文庫)

ナポレオン(上) (講談社学術文庫)

  • 作者: エミール・ルートヴィヒ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2004/05/11
  • メディア: 文庫



ナポレオン(下) (講談社学術文庫)

ナポレオン(下) (講談社学術文庫)

  • 作者: エミール・ルートヴィヒ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2004/06/10
  • メディア: 文庫



 さいごに。(話に入れない)

 最近、奥さんと娘は、「〇〇君がどうの、△△君がどうの、」と話しています。
 「何の話?」と聞くと、すぐに「パパには関係ない」と言われてしまいます。

 実は二人は、ジャニーズの話をしているのです。確かに私には関係ない。
 ここ1~2年で、私が入れない話題が、どんどん増えてしまって困ります。

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:

清貧の思想 [歴史・哲学等]

 「清貧の思想」 中野孝次 (文春文庫)


 日々の生活を簡素にして心を風雅の世界に遊ばせる、清貧の思想を紹介した本です。
 「清貧」という日本の文化伝統を見出し、バブル崩壊後の日本で注目されました。


清貧の思想 (文春文庫)

清貧の思想 (文春文庫)

  • 作者: 中野 孝次
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 1996/11/01
  • メディア: 文庫



 欲望の支配する現世のほかに、もっと大事な魂の救済に関わる世界がある。
 そのような形而上学的な価値観は、仏教によって日本にもたらされました。

 以来、多くの先人たちが、現世的欲望を捨て、風雅の世界を追求しました。
 本阿弥光悦、鴨長明、良寛、池大雅、与謝蕪村、松尾芭蕉、吉田兼好、西行・・・

 多くのエピソード中、私の一番のお気に入りは、「発心集」にある話です。
 堀河院が、笙の名人を召したところ、音楽に夢中で聞こうともしない・・・

 使いの者が、どんなお叱りがあるかと震えながら、院に報告すると・・・
 「さても風雅なる者たちかな」 堀河院が涙ぐみながら言った言葉は・・・

 第十五章には、風雅の世界に関する興味深い指摘がなされています。
 和歌、絵画、茶道、この国の風雅の道には、同じものが貫いていると言います。
 
 「それは、一言でいえば、身を塵外に放って、宇宙自然の運行に身を任せること
 にほかならない。わが身の小さな我を放棄して大自然大宇宙に偏界する理に身を
 ゆだねること・・・」

 なんと、宇宙に身を任せる、というような壮大な話になりました。
 さらに、第十七章では、古代インド哲学にまで話が及びます。

 「地上の生を最も簡素なミニマムなものにすることによって初めて宇宙の原理た
 るものに通ずる可能性がひらかれる・・・」

 この本が出たのは、バブル崩壊期で、シンプルな生き方が大ブームになりました。
 そして、この時期からスピリチュアルな本も、ブームになったような気がします。

 今回、久しぶりに飛ばし読みで読み直して、新たに様々な気づきがありました。
 たとえば、まえがきを読むと、著者の熱い思いが伝わってきます。

 大量生産・大量消費による地球破壊は、別の文明の原理がもたらした結果である、
 新しい文明社会の原理は、我々の先人が作った「清貧の思想」から生まれる、と。

 さて、中野孝次にはほかに、講談社現代新書の「自分らしく生きる」があります。
 バブル期以前の1983年に出ていますが、「清貧の思想」の萌芽が見られます。


自分らしく生きる (講談社現代新書 (705))

自分らしく生きる (講談社現代新書 (705))

  • 作者: 中野 孝次
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1983/09
  • メディア: 新書



 さいごに。(イケメン付箋)

 うちの娘がイケメン付箋なるものを使っていました。
 ネーミングそのまま、イケメンの男子がイラストされている付箋です。

 頼みにくいことを女友達に頼む時に、威力を発揮するツールだといいます。
 でもうちの娘は「朝、爪を切る」とか、どうでもいいことに使っています。

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:

もう牛を食べても安心か [歴史・哲学等]

 「もう牛を食べても安心か」 福岡伸一 (文春新書)


 2000年代前半の狂牛病問題を分析した上で、新しい生命観を提示しています。
 福岡伸一の最初の新書であり、第1回科学ジャーナリスト賞を受賞しました。


もう牛を食べても安心か (文春新書)

もう牛を食べても安心か (文春新書)

  • 作者: 福岡 伸一
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2004/12/01
  • メディア: 新書



 私はこの本を、宮城哲弥の「新書365冊」(朝日新書)で知りました。
 「新書365冊」は新書本の宝庫ですが、最も印象に残ったのがこの本でした。

 この本は狂牛病の本ではありません。生命観を捉え直す本です!
 宮城の解説がすばらしいので、「新書365冊」から引用させてもらいます。

 心身の造りや働きを分子レヴェルに還元してはじめて、「生命が『流れ』の
 中にある」ことがみえてくる。「全く比喩ではなく」、生の営みは「流れ」
 そのものなのである。/ 狂牛病はその「流れ」に乗して広がった。

 「食べる」とは、分子以下の微視的レヴェルにおいては、私達の体を入れ換
 える行為に他ならないのだ。「私たちの身体は数日間のうちに入れ換わって
 おり、『実態』と呼べるものは何もない。そこにあるのは流れだけなのである。

 というように、生命の本質を「流れ」(!)の中でとらえています。
 そして、この生のメカニズムが「動的平衡」です。

 特に面白いのが、第二章「私たちはなぜ食べ続けるのか」、第三章「消化する
 とき何が起こっているのか」、第五章「動的平衡論から導かれること」です。

 第五章では、「自分自身の身体の所有権」も「自己決定」も危うい、と言う。
 生命が流れだとしたら身体はどこにあるのかと、恐ろしい方向に論は展開する。

 まさに、瞠目の書です。ここで描かれた生命観は、全く予想外のすごさでした。
 「生物と無生物のあいだ」で紹介した通り、この本は私にとって衝撃的でした。
 「生物と無生物のあいだ」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2018-04-27

 さて、福岡が提示する生命観は、西田幾多郎が描いたものと類似しているという。
 大学時代に哲学を専攻し、西田哲学に少しだけ接した私としては、実に興味深い。

 「福岡伸一、西田哲学を読む」は、単行本ですが、私は買って読んでいます。
 対談形式なので話が分かりやすく、内容は非常にスリリングです。


福岡伸一、西田哲学を読む――生命をめぐる思索の旅 動的平衡と絶対矛盾的自己同一

福岡伸一、西田哲学を読む――生命をめぐる思索の旅 動的平衡と絶対矛盾的自己同一

  • 作者: 池田善昭
  • 出版社/メーカー: 明石書店
  • 発売日: 2017/07/07
  • メディア: 単行本



 さいごに。(徒競走なし?)

 娘に走り方を教えたのですが、今年は徒競走が無いのだという。
 残念です! 小学校最後の運動会で、徒競走の応援ができないとは!

 しかし、その日(土曜日)、私の仕事が入ってしまいました。
 残念です! 小学校最後の運動会で、応援に行けないとは!

nice!(4)  コメント(4) 
共通テーマ:

生物と無生物のあいだ [歴史・哲学等]

 「生物と無生物のあいだ」 福岡伸一 (講談社現代新書)


 分子生物学者が生命とは何かを考察しながら、動的平衡について解説しています。
 2007年に出るや大ベストセラーとなり、2008年第1回新書大賞に輝いた本です。


生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

  • 作者: 福岡 伸一
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/05/18
  • メディア: 新書



 本書を終始貫いているのは、「生命とは何か」という問いです。
 生物と無生物を分けているものは、いったい何なのか?

 この問いの出発点となるのが、ウィルスです。
 「ウィルスは生物と無生物のあいだをたゆたう何者かである。」(P37)

 ウィルスは確かに自己複製を行います。しかし、生命特有の律動がありません。
 ウィルスを生物ではないと判断した著者は、改めて問います。生命とは何か?

 著者はこの問いに、「動的平衡」という概念を使って答えます。
 「生命とは、動的平衡にある流れである」(P167)と・・・

 さて、本書は「動的平衡」について分かりやすく述べられているのはもちろん、
 分子生物学の歴史や、研究者の事情や裏話なども描かれていて、とても面白い。

 エイブリー、キャリー・マリス、シュレディーガー、シェーンハイマーらは、
 愛情たっぷりに生き生きと描かれていて、彼らに会いたくなってしまいます。

 また、ポスドクの仕事や、死んだ鳥症候群など、メインでない話もまた面白い。
 ロックフェラー大学の図書館は24時間開いていると知って、感動したり・・・

 しかも、文章が良い。特に比喩を使って分かり やすくイメージさせるのがうまい。
 たとえば、次のような文章で、読者をどんどん引き込ませてくれます。(P8)

 「つまり私たち生命体の身体はプラモデルのような静的なパーツから成り立って
 いる分子機械ではなく、パーツ自体のダイナミックな流れの中に成り立っている。」

 という具合で、この本全体が、読み物としてとてもよくできています。
 著者福岡伸一は、非常に文章のセンスがある方だと思いました。

 なお、本書では、シュレディーガーがとても印象的に描かれていました。
 シュレディーがーの「生命とは何か」(岩波文庫)も読みたくなりました。


生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波文庫)

生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波文庫)

  • 作者: シュレーディンガー
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2008/05/16
  • メディア: 文庫



 福岡伸一の「もう牛を食べても安心か」(文春新書・絶版)もオススメです。
 私は「動的平衡」について、この本で初めて知ったので、本書以上に衝撃的でした。


もう牛を食べても安心か (文春新書)

もう牛を食べても安心か (文春新書)

  • 作者: 福岡 伸一
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2004/12/01
  • メディア: 新書



 さいごに。(ディズニーの代わりにキッザニア?)

 娘の小学校の修学旅行は、ディズニーランドの代わりにキッザニアになりました。
 職業体験施設です。子供たちは失望していると思いきや、みな歓迎している様子。

 「ディズニーは家族で行くけど、キッザニアは行かないから」という理由らしい。
 うちは、ディズニーに行かせたかったです。家族でディズニーには行かないので。

nice!(4)  コメント(2) 
共通テーマ:

中国文学について [歴史・哲学等]

 中国文学について


 今年は中国の古典文学を読み進めようと思っています。
 しかし愚かにも、私は四大奇書を読めばそれでOKだと思っていました。

 「中国文学入門」と「中国文学講話」を読み、読むべき作品の多さに驚きました。
 「詩経」「遊仙窟」「捜神記」「西廂記」「儒林外史」「聊斎志異」・・・・・


中国文学入門 (講談社学術文庫)

中国文学入門 (講談社学術文庫)

  • 作者: 吉川 幸次郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1976/06/07
  • メディア: 文庫



中国文学講話 (岩波新書)

中国文学講話 (岩波新書)

  • 作者: 倉石武四郎
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2013/06/01
  • メディア: 新書



 高校の漢文の授業で学んだのは、論語と史記と唐詩だけだったような気がします。
 だから、中国の小説といっても、四大奇書ぐらいしか思い浮かびませんでした。
 (中国四大奇書=「水滸伝」「三国志演義」「西遊記」「金瓶梅」)

 しかし、それは私が知らなかっただけ。本当は、読むべき作品が非常に多いです。
 その中でも、今年ぜひ読みたい作品を、時代順に挙げてみました。

 【先秦】 =「詩経」、「論語」、「春秋左氏伝」
 【漢】  =「史記」(あと「世家編のみ」)
 【南北朝】=「文選」、「捜神記」
 【唐】  =「唐詩選」(編集は明時代)、「遊仙窟」
 【元】  =「十八史略」、「西廂記」
 【明】  =「水滸伝」、「三国志演義」、「西遊記」、「金瓶梅」、「封神演義」
 【清】  =「儒林外史」、「紅楼夢」、「聊斎志異」
 【近代】 =魯迅の作品

 問題は、これらの作品をどの本で読むか、です。
 新訳で読むか、あえて旧訳で読むか。全訳で読むか、あえて抄訳で読むか。

 訳が色々あり過ぎて、どの本でよむべきか迷うものもあります。
 しかし困るのは、現在絶版で手に入らない作品たちです。

 「捜神記」は、岡本綺堂の「中国怪奇小説集」で読める範囲で読むしかないです。
 「遊仙窟」は絶版。いかにして手に入れるかが問題。

 「西廂記」は、絶望的です。「儒林外史」も、絶望的です。ああ・・・
 これらは、図書館で読むか、ネットで要約でがまんするか。

 さて、岩波新書の「中国の五大小説(上・下)」も、気になっています。
 五大小説とは、「三国志演義」「西遊記」「水滸伝」「金瓶梅」「紅楼夢」。


中国の五大小説〈上〉三国志演義・西遊記 (岩波新書)

中国の五大小説〈上〉三国志演義・西遊記 (岩波新書)

  • 作者: 井波 律子
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2008/04/22
  • メディア: 新書



 さいごに。(最大のアクシデント)

 沖縄旅行の最大のアクシデントは、4日目、知念岬で画像が全て失われたことです。
 あれは悪夢だった! カメラの操作法を誤って、全画像消去をしてしまったのです。

 肩を落として斎場御嶽(せーふぁうたき)という霊場へ・・・
 そこで娘が何か祈っていました。

 あとで聞くと、「パパの画像が戻りますように」と祈っていたとのこと。(涙)
 そのおかげか、帰宅してから復元ソフトを試したら、6割ほどが回復しました。

#SCF3336-2.jpg

(中城城跡=なかぐすくじょうせき)この画像も一度は消去されたものです。

nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:

中国文学入門 [歴史・哲学等]

 「中国文学入門」 吉川幸次郎 (講談社学術文庫)


 表題作は、世界文学史の視点から、中国文学を平易に解説した入門書です。
 1951年(昭和26年)に出て、現在まで読まれ続けている名著です。


中国文学入門 (講談社学術文庫)

中国文学入門 (講談社学術文庫)

  • 作者: 吉川 幸次郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1976/06/07
  • メディア: 文庫



 西洋において発展した叙事詩は、中国においてはあまり発展しませんでした。
 叙事詩に代わって、叙情詩が重視されたことが、中国文学の大きな特徴です。

 紀元前5世紀に、孔子が中国最古の詩編「詩経」を教科書として使いました。
 その後、詩に親しむのは紳士のたしなみと、考えられるようになりました。

 隋の時代に始まった科挙では、詩賦が試験科目に入るようにさえなりました。
 唐の時代に、国力が最盛期に入ると同時に、唐詩も最盛期を迎えました・・・

 というように、中国文学の歴史を、ざっくりと分かりやすく解説しています。
 また、世界文学との比較から、中国文学の特徴を浮き彫りにしています。

 「西洋の考えかたは、その源となりますヘブライズムにしましても、ギリシャに
 しましても、それぞれ人間に対立する世界として、神の世界なりイデアの世界と
 いうふうなものを設定して、そこに人間の理想を求める。」

 「しかし、中国人の考え方はそうではありません。少なくともその最も有力な思想
 は、無神論の立場にあります。(中略)人間そのものの中に、人間の道理はある。」

 なるほど。とても刺激的な指摘が、随所に散らばっています。
 このような指摘ができるのは、よほど多くの著作を読んだからでしょう。

 この本には表題作「中国文学入門」のほか、6本の短い論文が収録されています。
 中でも「一つの中国文学史」と「中国文学の四時期」は、表題作を補っています。

 ただし、大きな流れをとらえていますが、個々の作品に対する言及は少ないです。
 それを補ってくれるのが、岩波新書「中国文学講話」です。


中国文学講話 (岩波新書)

中国文学講話 (岩波新書)

  • 作者: 倉石武四郎
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2013/06/01
  • メディア: 新書



 この本も古く、初版が1968年に出ましたが、現在も読まれ続けています。
 講話の形式なので、著者が語りかけてくるようで、親しみやすい本です。

 9章「奇をつたえる」では、「柳毅伝」や「鶯鶯伝」などマイナーな作品の
 内容が、とても詳細に語られています。こういう部分は貴重だと思います。

 できれば、「中国文学史概説」みたいな本が、文庫本で出るといいのだけど。
 今年は中国と日本の古典を読み進めていく予定なので。

 さいごに。(斎場御嶽)

 沖縄最大のパワースポットが、斎場御嶽(せーふぁうたき)です。
 このような霊場が、いたるところにあって、興味深かったです。

DSCF8012-2.jpg

nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:

怖い絵(泣く女篇・死と乙女篇) [歴史・哲学等]

 「怖い絵 泣く女篇・死と乙女篇」 中野京子 (角川文庫)


 怖い絵を通して、その背景にある歴史的事実等を解説したエッセイです。
 好評だった「怖い絵」の第二巻と第三巻です。
 「怖い絵」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2015-11-19

 「怖い絵」はシリーズ化されて、角川文庫から全3巻が出ています。
 図版が豊富ですが、絵が小さいところが玉に瑕です。


怖い絵 泣く女篇 (角川文庫)

怖い絵 泣く女篇 (角川文庫)

  • 作者: 中野 京子
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2011/07/23
  • メディア: 文庫



 「怖い絵」第二巻にも、22人の作家が登場します。
 ベラスケス、ボッティチェリ、ルーベンス、レンブラント、ピカソ等々。

 この本の中で、最も刺激的だったのは、ミレーの「晩鐘」です。
 このしみじみと寂しげな名画の、いったいどこが怖いのか?

晩鐘.jpg

 女の足元にある籠は、実は本当は・・・
 男が帽子で前を隠している理由は・・・

 「そんなバカな」と言いたくなりますが、この仮説を立てたのは画家のダリ。
 そんなことを考えてしまう、ダリの頭の中が一番怖い。

 また、未詳の画家の「ガブリエル・デストレとその妹」も、印象的でした。
 あのイミシンなポーズには、実際に深い意味が隠されていて・・・

 さて、この本には他にも、印象に残るエピソードが、たくさんありました。
 例えば、ブリューゲルの「嬰児虐殺」の絵に、嬰児の姿がほとんど無い・・・

 「巨大なレッド・ドラゴン」を描いたブレイクには、予知能力があり・・・
 「キリストの洗礼」のあと、ヴェロッキオが筆を折った理由は・・・


怖い絵  死と乙女篇 (角川文庫)

怖い絵 死と乙女篇 (角川文庫)

  • 作者: 中野 京子
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2012/08/25
  • メディア: 文庫



 「怖い絵」第三巻にも、22人の作家が登場します。
 ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ドラクロワ、ゴヤ、ブリューゲル等々。

 この中で、最も刺激的だったのは、ダ・ヴィンチの「聖アンナと聖母子」です。
 「モナ・リザ」とともに生涯手放さなかったこの名画の、どこが怖いのか?

b0063958_6484087.jpg

 この不自然なポーズに隠されたあるものとは・・・
 ダ・ヴィンチの幼少期の夢から読み説かれたことは・・・

 これまた「そんなバカな」ですが、この仮説を立てたのは心理学者のフロイト。
 そんなことを大真面目で論じてしまう、フロイトの頭の中もまた怖い。

 他にも多くの興味深いエピソードがありましたが、中でも一番は「夢魔」です。
 これを描いたフュースリと詩人シェリーは、意外な所でつながっていて・・・

 また、アミゴーニの「ファリネッリと友人たち」も面白いです。
 オペラのスターのファリネッリが、愛人と決して結婚できない理由は・・・

 著者中野京子の解説がすばらしいだけでなく、文章がとてもうまいです。
 美術愛好家と歴女には、たまらない本です。

 さいごに。(参観会)

 先の土曜日、娘の学校の参観会がありました。小学生はみんな元気ですね。
 昼休みに、友達と仲良く遊んでいる娘を見て、とても安心しました。

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:
前の10件 | - 歴史・哲学等 ブログトップ