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中国怪奇小説集 [中世文学]

 「中国怪奇小説集」 岡本綺堂 (光文社文庫)


 六朝、唐、五代、宋、元、明、清の小説から、二百二十の怪奇談を集めたものです。
 中国の怪奇小説は、特に室町と江戸時代の日本の小説に、大きな影響を与えました。


中国怪奇小説集 新装版 (光文社文庫)

中国怪奇小説集 新装版 (光文社文庫)

  • 作者: 岡本 綺堂
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2006/08/10
  • メディア: 文庫



 「捜神記」「酉陽雑俎(ゆうようざっそ)」「輟耕録(てっこうろく)」・・・
 二十種ほどの怪奇小説から、選び抜かれた怪奇談が収録されています。

 「秦の時代に、南方に落頭民(らくとうみん)という人種があった。
 その頭がよく飛ぶのである。・・・」(P25)

 落頭民? 頭が飛ぶ? しかも、耳を翼にして、窓から飛んで出てゆくと言う。
 とんでもないことが、まことしやかに書かれていて、冒頭から度肝を抜かれました。

 この本は、怖くて面白い話の宝庫です。どれも短いので読みやすいです。
 中でも、マイ・ベスト10は、以下のとおりです。(時代順)

 1 「首の飛ぶ女」(捜神記) 先の、落頭民の話です。
 2 「武陵桃林」(捜神後記) 桃の林の先の、小さな洞穴に入ってみると・・・
 3 「離魂病」(捜神後記) 起きて出たはずの夫が、まだそこに眠っていて・・・
 4 「画中の人」(酉陽雑俎) 絵に筆を着けずに、精彩を加えると言うが・・・
 5 「人面瘡」(酉陽雑俎) 二の腕にできた腫物は、人の顔をしていて・・・

 6 「鬼国」(稽神録) その国の人たちには、我々の姿が見えないようで・・・
 7 「亡妻」(異聞総録) 門に立っていた女は、自分の死んだ妻であって・・・
 8 「牡丹燈記」(剪燈新話) 美しい女は実は、おしろいをつけた骸骨で・・・
 9 「名画の鷹」(池北偶談) 嫁が狐に見込まれたが、鷹の掛物をかけると・・・
10 「金鉱の妖怪」(子不語) 金鉱で生き埋めになった者の形骸はそのまま・・・

 私は、特に「捜神記」と「捜神後記」を読みたくて、この本を購入しました。
 「捜神記」25編、「捜神後記」27編。一話が短いので、もっと採録してほしかった。

 六朝時代のこの素朴な二編は、柳田國男の「遠野物語」を連想させました。
 唐時代の「酉陽雑俎」になると、洗練されている分、作り話っぽくなりました。

 そして、この手の怪談が完成するのが、清の時代でしょう。
 清の時代には、なんといっても「聊斎志異(りょうさいしい)」があります。

 この「中国怪奇小説集」の特徴は、語り手が時代の概要を説明するところです。
 語り手の説明によって、中国怪奇小説の歴史をたどっていくことができました。

 ただ、怪奇小説集の最高峰である「聊斎志異」が、なぜか入っていません。
 岩波文庫から出ているので、ぜひ読んでおきたいです。


聊斎志異〈上〉 (岩波文庫)

聊斎志異〈上〉 (岩波文庫)

  • 作者: 蒲 松齢
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1997/01/16
  • メディア: 文庫




 さいごに。(クロール克服)

 水泳の授業が始まる前に、クロールを50メートル泳げるようにしておきたいです。
 娘は息継ぎがうまくいかず、昨年の5年の時は25メートルしか泳げませんでした。

 そこで、先日の日曜日に、市民プールに連れていき、クロールの練習をしました。
 息継ぎのタイミングを少し修正しただけで、すぐに50m泳げるようになりました!

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十八史略1 [中世文学]

 「十八史略1・2」 曾先之著 丸山松幸・西野広祥訳 (徳間文庫)


 伝説時代から南宋までの18の史書を、簡潔にまとめた中国歴史の入門書です。
 14世紀前半に曾先之によって作られ、明の陳殷によって注釈が施されました。

 私が読んだのは、徳間文庫版です。全6巻ありますが、抄訳だそうです。
 読みやすいように、小見出しや註や補説が付いています。


十八史略〈1〉覇道の原点 (徳間文庫)

十八史略〈1〉覇道の原点 (徳間文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2006/10
  • メディア: 文庫



 「史記」「漢書」「三国志」「晋書」「宋書」「魏書」「隋書」「新唐書」・・・
 ほか、全18の中国史書の膨大な内容を、略して分かりやすく記述しています。

 中国歴史のポイントを押さえ、ほとんどの故事や名言も採録してあります
 ひと通り読めば、中国歴史の基礎知識が得られるようになっています。

 第一巻は、神々の時代から、夏、殷、周、春秋、戦国までを収録しています。
 この巻では、高校の教科書 で学んだ有名な逸話が、次から次に登場します。

 「鼓腹撃壌」「臥薪嘗胆」「太公望」「管鮑の交わり」「晏子の御」
 「鶏鳴狗盗」「鶏口牛後」「刎頚の交わり」「隗より始めよ」・・・

 印象的だったのは、呉の夫差と伍子胥、越の句践と范蠡の、熱い復讐の物語!
 それから、蘇秦の合従策と、張儀の連衡策。かつての旧友同士の友情と戦い!

 春秋時代の国々、戦国の七雄と、多くの国があって、頭が整理できません。
 取り上げられる人物も多く、誰がどこの国の人なのか、すぐ忘れてしまいます。

 第二巻は、秦の統一から、項羽と劉邦を経て、漢の時代までを収録しています。
 基本は秦と漢だけなので、第一巻に比べて、歴史の流れが整理しやすいです。

 始皇帝、趙高、陳勝と呉広、項羽と劉邦、韓信、呂后、文帝、武帝、王莽・・・
 中国の雄大な歴史を、お手軽に振り返ることができるという意味は大きい。

 しかし、あまりにも簡略化されているので、物足りなさを感じてしまいます。
 そこで、つい何度も「史記」を開いて、同じ場面を読み返してしまいました。

 ところで、私が読んだ徳間文庫版は、1975年に出た本の文庫化で全6冊です。
 講談社学術文庫版とちくま学芸文庫版は、なんと、一巻に圧縮しています。


十八史略 (講談社学術文庫)

十八史略 (講談社学術文庫)

  • 作者: 竹内 弘行
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/10/10
  • メディア: 文庫



十八史略 (ちくま学芸文庫)

十八史略 (ちくま学芸文庫)

  • 作者: 曾 先之
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2014/07/09
  • メディア: 文庫



 さいごに。(走ることにキョーミ?)

 娘が珍しく、「走り方を教えて」と言ったので、公園で2回ほど教えました。
 少し教えただけで、見違えるようにフォームが大きくなり、良くなりました。

 娘も手ごたえがあったようで、教えを意識してリレーを走ると言っています。
 ああ、それなのに、小学校最後の運動会が、仕事と重なってしまうとは・・・

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水滸伝2 [中世文学]

 「水滸伝(中・下)」 施耐庵作 松枝茂夫編訳 (岩波少年文庫)


 梁山泊に集まった108人の英雄が、様々な活躍する姿を描いた伝奇歴史小説です。
 講談として広まった多くの話を、明代に施耐庵が集大成して出来上がりました。


水滸伝 中 (岩波少年文庫 542)

水滸伝 中 (岩波少年文庫 542)

  • 作者: 施 耐庵
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2001/06/18
  • メディア: 単行本



水滸伝 下 新版 (岩波少年文庫 543)

水滸伝 下 新版 (岩波少年文庫 543)

  • 作者: 施 耐庵
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2001/06/18
  • メディア: 単行本



 「水滸伝」上巻では、主役が次から次に、めまぐるしく交代してきました。
 しかし中巻に入ってからは、「宋江」を中心にして物語が進んでいきます。

 特に、宋江が九天玄女から天書を授かる場面は、とても印象に残りました。
 宋江は特別な存在で、彼こそ「水滸伝」の主人公であることが分かります。

 ちなみに宋江は実在の人物で、北宋時代末に反乱を起こしたのだそうです。
 なるほど。宋江の伝承から「水滸伝」は生まれたのでしょうか。

 ところが、「水滸伝」で描かれる宋江は、意外にもカッコ悪いです。
 体は小さく太っていて、色が黒い。武芸は弱くて、簡単にやられてしまう。

 それなのに主役となれたのは、義侠心に篤くて弱者を助ける人柄ゆえです。
 「及時雨宋江」といえば、誰でも畏まって土下座します。まるで黄門さま。

 「わたしとして、上は天の理にさからい、下は父の教えにそむいて、不忠不孝
 の人間となってしまったのでは、生きていたとて何になりましょう?」

 そう言って梁山泊入りを拒んだ男を、その首領とするところに、物語の皮肉と
 面白さがあります。そしてこの逆説的な展開に、水滸伝の核心があると思う。

 ところで私は、宋江が九天玄女に会う辺りから、物語に少し飽き始めました。
 生け捕った敵の大将に平伏し、相手を感激させて味方にする、その繰り返し。

 しかも、梁山泊の連中はしだいに無茶をするようになるし・・・
 秦明や朱ドウや蘆俊義らを仲間に引き入れるため、どんな卑怯なことをしたか!

 サイテーなのは、「白状すれば命を助けないこともない」と言っておきながら、
 白状した相手を、あっさり斬り殺すところでしょう。この手を何度使ったか!

 だから、彼らが悲劇的な結末を迎えた時に、素直に泣けないのです。
 そりゃあ、仕方がないよなあ、と私は思ってしまいました。

 横山光輝の漫画「水滸伝」は、少年向けに美しくカッコよく描かれていて良い。
 また、北方謙三の「水滸伝」は、全19巻と長いが、非常に評価の高い小説です。


水滸伝6巻セット 漫画文庫

水滸伝6巻セット 漫画文庫

  • 作者: 横山 光輝
  • 出版社/メーカー: 潮出版社
  • 発売日: 2005/04/01
  • メディア: 文庫



水滸伝 文庫版 全19巻+読本 完結BOXセット (集英社文庫)

水滸伝 文庫版 全19巻+読本 完結BOXセット (集英社文庫)

  • 作者: 北方 謙三
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2008/04/23
  • メディア: 文庫



 さいごに。(最近は気難しくて)

 小学6年生になってから、娘は気難しい日が多いです。
 妻と娘の会話に、私が入ろうとすると、「パパは黙っていて」と言うことが多い。

 妻と娘がTVを見ている所に、私が入っていくと、「パパは来ないで」と言うし。
 そういうお年頃なのでしょうか。

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水滸伝1 [中世文学]

 「水滸伝(上)」 施耐庵作 松枝茂夫編訳 (岩波少年文庫)


 梁山泊に集まった108人の英雄が、様々な活躍する姿を描いた伝奇歴史小説です。
 講談として広まった多くの話を、明代に施耐庵が集大成して出来上がりました。

 現在、井波律子訳の講談社学術文庫版が定番ですが、全5冊で1万円になります。
 岩波少年文庫は、5分の1に圧縮された抄訳で、テンポよく読めました。


水滸伝 (一) (講談社学術文庫)

水滸伝 (一) (講談社学術文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/09/12
  • メディア: 文庫



水滸伝 上 (岩波少年文庫 541)

水滸伝 上 (岩波少年文庫 541)

  • 作者: 施 耐庵
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2001/06/18
  • メディア: 単行本



 水滸伝の予備知識なしで読んだため、最初は少し戸惑いました。
 話はあっちこっちに飛ぶし、梁山泊はいつまでたっても出てこないし。

 主人公が次々にバトンタッチされて、誰が誰なのか分からなくなります。
 ネタバレになってしまいますが、物語を簡単に整理してみましょう。

 高俅(こうきゅう)が王進を迫害する → 逃げる王進が史進に武芸を教える →
 史進が旅で魯提轄(ろていかつ)らに会う → 魯提轄が林沖と義兄弟になる →
 林沖が梁山泊で楊志に会う → 楊志が宝を晁蓋(ちょうがい)らに奪われる →
 楊志が魯提轄と一緒に二竜山をのっとる → 宋江が晁蓋にことの急を告げる →
 晁蓋らが林沖と出会い梁山泊をのっとる・・・

 主人公が次々に移り変わるのは、もともと独立した英雄談だったからでしょう。
 編者(?)の施耐庵が、それぞれの英雄談を、ゆるやかにつなげています。

 上巻の最後の方で、ばらばらだった英雄たちが、梁山泊にまとまり始めました。
 しかしこの時点では、冒頭の108の妖魔を逃がす場面の意味が、分かりません。

 さて、上巻ラストでは武松(ぶしょう)が登場し、虎を退治しました。
 潘金蓮と西門慶の運命は、「水滸伝」と「金瓶梅」では全く違います。

 この岩波少年文庫の「水滸伝」初版は、1959年。言い回しが古い所もあります。
 挿絵も渋い。少年向けと言うより、大人向けです。そのまま文庫化してほしい。

 さいごに。(担任が変わる)

 娘のクラス担任が変わりました。娘は昨年と同じ先生が良かったのだそうです。
 新しい先生も、なかなか評判のよい先生です。父親参観は、ぜひ行きたいです。

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金瓶梅4 [中世文学]

 「金瓶梅4」 蘭陵笑笑生作 村上知行訳 (ちくま文庫)


 悪徳の限りを尽くす富豪「西門慶」を中心に、腐敗した社会を描いた小説です。
 村上訳第4巻は、第66回~第100回(全体の三分の一ほど)を収録しています。


金瓶梅〈4〉情炎の果てに (ちくま文庫)

金瓶梅〈4〉情炎の果てに (ちくま文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2000/03
  • メディア: 文庫



 西門慶は、副典獄から典獄に昇進し、その権勢は絶頂に達しました。
 しかし潘金蓮が、眠っている西門慶に丸薬を多量に与えてしまって・・・

 死を覚悟した西門慶は、月娘に最後の忠告を与えます。
 「けっして散り散りになり、世間の笑いものにはなってくれるな」(P172)

 ところが、西門慶亡きあとは、一門の転落の勢いはすさまじく・・・
 「大官人が死んでからは、風が砂にとぶように、みんなばらばら」(P269)

 主人公の西門慶が亡くなるのが第79回で、さらにあと21回も続きます。
 この間、西門一家の転落が、これでもかこれでもかと描かれています。

 この西門一門の破滅の過程に、「人の無情」と「世の無常」を感じました。
 ろくでなしの西門慶も、いなくなるととても寂しい。

 だが、西門慶は物語から、完全に退場したわけではありませんでした。
 ラストの第100回で、西門慶に関わるとても意外な展開が!

 さて、第3巻まで存在感が薄かった春梅ですが、第4巻でブレイクします。
 李瓶児はすでに亡く、潘金蓮の非業の死のあと、春梅の時代が来ますが・・・

 この物語に登場するのは、女も男も、カネに縛られた者ばかりです。
 この物語が官能小説でありながら、悲哀を感じさせる理由がここにあります。

 「金瓶梅」を読み終えたら、次はぜひ「水滸伝」を読みたいです。
 「水滸伝」も「金瓶梅」同様、冗長な部分を省いた抄訳で読みたいです。


水滸伝 上 (岩波少年文庫 541)

水滸伝 上 (岩波少年文庫 541)

  • 作者: 施 耐庵
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2001/06/18
  • メディア: 単行本



 さいごに。(娘は小学6年生)

 4月から、うちの娘は、とうとう小学6年生になります。
 上級生に連れられて登校していたのが、ついこのあいだのように感じます。

 今では、1年生や2年生を連れて登校しています。頼もしくなったものだ。
 一年後には中学生か、と今からもう来年のことを、考えてしまっています。

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金瓶梅3 [中世文学]

 「金瓶梅3」 蘭陵笑笑生作 村上知行訳 (ちくま文庫)


 悪徳の限りを尽くす富豪「西門慶」を中心に、腐敗した社会を描いた小説です。
 ちくま文庫から村上知行による抄訳が4巻で出ていましたが、現在は絶版です。


金瓶梅〈3〉色道無残 (ちくま文庫)

金瓶梅〈3〉色道無残 (ちくま文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2000/02
  • メディア: 文庫



 ちくま文庫版の第3巻に入ると、西門慶はますます好調です。
 塩の専売で儲け、悪党から賄賂を取り、贈り物で蔡大師の義子になってしまう。

 財産は増え、権力は増し、その勢いはとどまることを知りません。
 やりたい放題、し放題で、面白おかしく、愉快に暮らしています。

 特に、遍歴の怪僧からもらった強精剤の威力は見逃せません。
 「この薬を用いたなら、天上の不老不死の世界、永遠の春の世界に遊べる」!

 この丸薬を得て、西門慶は精力絶倫。化け物めいた雰囲気さえ漂ってきます。
 そしてこの丸薬が、彼ら一門の運命を、大きく変えてしまうのですが・・・

 また、正妻の呉月娘(ごげつじょう)も、怪しげな尼僧と接触しています。
 初産の赤子の胞衣(えな)を使えば、子供が授かると言われて・・・

 一方、潘金蓮は、飼っている大きな猫に、絹で包んだ生肉を与えています。
 なぜわざわざ絹に包むのか? そこには、とんでもない計略が・・・

 李瓶児はとうとう病気になり、死に際に男の姿を目にするようになります。
 死んだ我が子を抱え、「一緒に暮らそう」と言うその男は・・・

 潘金蓮のような毒婦を、さっさと追い出せないのが、西門慶の運の尽きです。
 巻末までいくと、西門慶の運が少しずつ傾き出したのを感じるようになります。

 タイトルの「金瓶梅」は、潘金蓮・李瓶児・春梅の名前を取ったものです。
 李瓶児は亡く、春梅は出番が少なく、潘金蓮だけが、圧倒的な存在感です。

 さいごに。(UNO)

 UNOを買ってきたので、時々家族3人でやっています。
 UNOは、子供でもすぐにルールを覚えられるところがいいですね。


ウノ UNO カードゲーム B7696

ウノ UNO カードゲーム B7696

  • 出版社/メーカー: マテル(MATTEL)
  • メディア: おもちゃ&ホビー



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金瓶梅2 [中世文学]

 「金瓶梅2」 蘭陵笑笑生作 村上知行訳 (ちくま文庫)


 悪徳の限りを尽くす富豪の「西門慶」を中心に、腐敗した社会を描いた小説です。
 ちくま文庫から村上知行による抄訳が出ていました。オススメですが絶版です。


金瓶梅〈1〉奸婦潘金蓮 (ちくま文庫)

金瓶梅〈1〉奸婦潘金蓮 (ちくま文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1999/12
  • メディア: 文庫



 「金瓶梅」は、北宋末期、1112年から1127年までの15年間が描かれています。
 この間に、西門慶が情欲の限りを尽くし、最後には死んでしまうらしい。

 しかし、第2巻の時点では、西門慶(せいもんけい)は絶好調です。
 李瓶児(りへいじ)を第六夫人とし、6人の夫人がそろいしました。

 西門慶は、さらに蕙蓮(けいれん)にも御執心です。
 蕙蓮は、使用人の来旺(らいおう)の妻で、気が利いて美しい女です。

 なんとかして、蕙蓮を我がものにしたい。西門慶が考え付いた手段は・・・
 今後も、蕙蓮をずっとそばに置いておきたい。 西門慶がとった計略は・・・

 西門慶は自分の欲望のために、平気で人を陥れ、破滅させてしまいます。
 そして、その裏にはいつも、潘金蓮(はんきんれん)の姿が見え隠れします。

 女の魅力で人を操り、他人を不幸にして喜ぶ。そして自分は決して表に出ない。
 こういう女が、最もタチが悪い。

 また西門慶は、潘金蓮ら女たちに言われるがままに行動しています。
 こういう男が、一番しょうもない。

 「九尾の狐がのさばりかえり、ばかとのさまをだまくらかして勝手放題、仕放題。」
 「世の中の仕組みは複雑、怪奇、そして愚劣なものである。」

 さて、「金瓶梅」は、1582年から1602年には、写本が伝わっていたそうです。
 書かれたのはおそらく16世紀の終わり頃なので、中世文学に分類しておきます。

 これほど有名な作品でありながら、作者について、ほとんど分かっていません。
 発禁処分を受けた猥書です。処分をおそれて、作者は名前を隠したようです。

 「金瓶梅」は、作者について、内容について、世界中で研究がされています。
 その研究を「金学」というのだそうです。(土屋英明「中国艶本大全」より)

 土屋英明が同書で説明している「西門慶の七つ道具」も、金学の一端か。
 私的には、男たちが纏足の小さな足に欲情する場面などが、興味深かったです。


中国艶本大全 (文春新書)

中国艶本大全 (文春新書)

  • 作者: 土屋 英明
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2005/06/20
  • メディア: 新書



 さいごに。(現状認識)

 右ひざを治すために、最近リハビリを始めました。
 先生に、片足で30秒立っているように言われて、衝撃を受けました。

 30秒も立っていられないのです。10秒でフラフラして倒れてしまうのです。
 若い頃、片足立ちなど屁でもなかった。それが、今では・・・

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金瓶梅 [中世文学]

 「金瓶梅」 蘭陵笑笑生作 村上知行訳 (ちくま文庫)


 悪徳の限りを尽くす富豪の「西門慶」を中心に、腐敗した社会を描いた小説です。
 中国四大奇書のひとつで、官能小説として扱われています。

 ちくま文庫から村上知行による抄訳が出ていました。オススメですが絶版です。
 冗長な部分は削除され、ストーリーの矛盾は訂正されていて、読みやすいです。


金瓶梅〈1〉奸婦潘金蓮 (ちくま文庫)

金瓶梅〈1〉奸婦潘金蓮 (ちくま文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1999/12
  • メディア: 文庫



 時は、北宋の政和時代(1111年~1118年)。所は、山東省清河県。
 主人公は、薬屋を営む大富豪の西門慶(せいもんけい)、二十七歳。

 街で並ぶことのない権勢を振るい、人々から大官人と呼ばれ恐れられている男。
 情欲を満たすためなら、カネの力でなりふり構わず行動する男。

 その西門慶が、美しい人妻に一目ぼれしました。潘金蓮(はんきんれん)です。
 隣家の老婆に仲介させ、夫の武大の目を盗んで、二人は情事にふけりました。

 とうとう武大に見つかったとき、西門慶と潘金蓮が選んだ手段は・・・
 しかし武大には、武松(ぶしょう)という「虎殺し」で有名な弟がいて・・・

 「金瓶梅」は、「水滸伝」に登場する武松の物語をもとにした二次創作です。
 「水滸伝」でみじめに殺された西門慶が、「金瓶梅」では悪のヒーロー?です。

 情欲の限りを尽くす西門慶の数々の悪徳が、「金瓶梅」の最大の読みどころ。
 しかし、それと並んで面白いのが、西門慶にたかる蝿のような連中です。

 たとえば、潘金蓮を周旋した王婆。取り持ちババア!
 彼女の「拍子合い」の語り(P68~)は、なんと生き生きしていることか。

 たとえば、カネのために孟玉楼の周旋に協力した張おばさん。強欲ババア!
 彼女と甥の張四とのやり取り(P145)は、なんと生き生きしていることか。

 「お前は前の世からのおんぼろ乞食だよ。・・・今にみてな、くたばるときに
 はくそ甕におっこってくたばるから」「な、な、なにを言いやがる、胴欲のば
 けものめ」「言ったね、こいつ男淫売め」

 こういうたわいのない会話部分が、実に面白く書かれています。
 作者が描きたかったのも、当時の人間の腐敗した部分だったのではないか?

 その一方で拍子抜けだったのは、官能的な部分です。あまりにも少ないです。
 噂ほどエロい作品ではありません。それとも、訳者が省略したのでしょうか。

 エロい場面を完訳したという土屋英明訳「金瓶梅」が、少し気になります。
 ただし、徳間文庫のこの本も、現在絶版です。



金瓶梅〈上〉 (徳間文庫)

金瓶梅〈上〉 (徳間文庫)

  • 作者: 笑笑生
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2007/07
  • メディア: 文庫



 さいごに。(起きていられない)

 最近、寒いせいか疲れます。家に帰り、風呂に入ると、もうグッタリ。
 夕飯を食べてお腹がいっぱいになると、もう起きていられません。

 週末などは、9時頃、娘より先に寝てしまいます。
 それなのに、朝起きるのはいつもと同じ6時。時間がもったいない。

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西遊記2 [中世文学]

 「西遊記(下)」 村上知行訳 (光文社文庫)

 全訳はよほどの閑人が辛抱して読まなければ通読できない、と訳者は言います。
 「西遊記」を面白くしたのは、それを軽妙な口調で語った講談師だと言います。

 そういう考えによって、退屈な部分を叩き切り、講談師の口調に戻しました。
 それが、村上訳「西遊記」です。小気味よいリズムで、軽快に物語が進みます。


西遊記(下) (光文社文庫)

西遊記(下) (光文社文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2003/10/10
  • メディア: 文庫



 下巻の冒頭の「烏鶏国(うけいこく)」の物語は、印象的なエピソードです。
 井戸の底から国王の魂が現れ、恨みを晴らすために悟空の助けを求めて・・・

 井戸の底にも龍王が住み、水晶宮があって・・・
 返された王の体は、死後5年たっても崩れることがなく・・・

 ほか下巻には「紅孩児(こうがいじ)」「牛魔王(ぎゅうまおう)」らも登場。
 火焔山における、孫悟空と牛魔王との戦いは、有名な場面のひとつです。

 中でも最も面白かったエピソードは、西梁女国(さいりょうじょこく)でした。
 三蔵と八戒が川の水を飲むと、腹痛がおこり腹がどんどん膨れ上がって・・・

 西梁女国の都では、女たちから「種人(たねびと )がきた」と歓迎され・・・
 三蔵は、西梁女国女王からじきじきに、天子になってほしいと懇願されるが・・・

 ところが、下巻も後半に入ると、似たような物語が続いて退屈します。
 悟空が怪物の体内に入り・・・という話は何度も繰り返されて、お腹いっぱい。

 正直に言うと、私は下巻のかなりのページを読み飛ばしました。
 抄訳でさえ読み飛ばすのですから、岩波文庫の全訳など到底読み通せません。

 しかし終盤の、天竺に着いた場面からは、意味深で何度も読み返しました。
 「底なしの舟」に乗って河を渡ると、なぜか三蔵の死骸が流れてきて・・・?

 自分の死と向き合ったのち向こう岸に着く。この場面には深い意味がありそう。
 天竺で川を渡るというところに、死が暗示されているのではないか?

 14年かけてたどり着いた天竺なのに、帰るのは一瞬だし。(霊魂となった?)
 帰還後の法要中、「西方浄土へ急げ」と天の声があるし。(死んでいるから?)

 しかも、最後に書かれた言葉は、「空 空 空 嘘だ・まぼろし・泡沫だ!」。
 この言葉は、人の一生のむなしさを、伝えているように思うのですが・・・

 さいごに。(詰将棋)

 日曜の新聞に、詰将棋が掲載されていて、娘と一緒に楽しみにしています。
 少しずつ難易度が上がっていて、今回は難しくてまだ答えが分かりません。

 もう木曜日です。なんとか娘よりも早く答えを出したいです。
 前回は、娘に先を越されたので。

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遊仙窟 [中世文学]

 「中国艶妖譚」 土屋英明編訳 (徳間文庫)


 「遊仙窟」は、唐代に遣唐使の誰かが持ち帰った、中国の古典艶本(えんぽん)です。
 作者は張鷟(ちょうさく)ですが、中国では散逸し、日本でのみ完全に残されました。

 徳間文庫の「中国艶妖譚」で、「遊仙窟」と「灯草和尚」を読むことができます。
 岩波文庫の「遊仙窟」では、付録で醍醐寺本「遊仙窟」の影印を見ることができます。


中国艶妖譚―『灯草和尚』・新訳『遊仙窟』 (徳間文庫)

中国艶妖譚―『灯草和尚』・新訳『遊仙窟』 (徳間文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2005/12
  • メディア: 文庫



遊仙窟 (岩波文庫)

遊仙窟 (岩波文庫)

  • 作者: 張 文成
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1990/01/16
  • メディア: 文庫



 張生は、使命を帯びた旅の途中、積石山に仙人が住む洞窟があると聞きました。
 なんとかして仙人に会おうと、川を遡り谷間に出ると、大きな屋敷がありました。

 侍女は、そこは崔家の住まいで、その十娘は天上界で並ぶ者がいないと言います。
 張生はさっそく十娘に詩を贈り、自分の思いを伝えます。

 「またとない美貌はいつまでも続かず 最後は一握りの砂になってしまう
  生きている間にその日その日を楽しんだらいい・・・」(P180 )

 十娘はなびき、やがて兄嫁も仲間に入って、3人で詩のやり取りを始めます。
 その、微妙にエロい詩の数々が、この物語の最大の読みどころとなっています。

 ところが性的表現が、他の語の背後に隠されているため、今ひとつ分かりにくい。
 「矢」とか「臍の下」の意味は分かっても、次のフレーズの意味は分からない。

 「矢の根元が縮んだら届かないが 頭を持ち上げたら遠くまで飛ぶ
  もし臍の下に入れさせてくれたら 百回放つからたくさん当たる」(P244)

 この手のよく分からない詩が、次々と現れて、もやもやが募ります。
 そして肝心な場面は、冗談のようにあっけなく終わってしまうのです。

 また、結末部分も納得できません。張生は俗界に戻る必要があったのでしょうか?
 仙女と出会った今、宮仕えなど関係ないだろ、と私は思うのですが。

 もっと遊仙窟に浸りきる物語かと、期待していたのですが、少し違っていました。
 唐の時代にはそのようなことが、大っぴらに表現できなかったのかもしれません。

 さて、「中国艶妖譚」には、もうひとつ「灯草和尚」が収録されています。
 こちらは17世紀の明時代に成立した、非常に分かりやすい怪奇ポルノ小説です。

 ランプの灯心から出て来た三寸法師は、陰門の中に住み、淫水を飲んで生き・・・
 日本に伝来すると、豆男物として、江戸時代の作家たちに影響を与えました。

 さいごに。(ルートビア)

 沖縄でファストフードと言ったら、A&Wです。
 その看板メニューは、サロンパスの香りのするルートビア。なぜか今、懐かしい。

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