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世界文学の流れをざっくりとつかむ1(序章ー1文学的なもののきざし) [世界文学の流れをざっくりとつかむ]

 【世界文学の流れをざっくりとつかむ1】

≪はじめに≫

 このブログを始めてから、8年ほどたちました。記事はいつのまにか1000を超え、自分でもよくここまで続いたと驚いています。

 このブログは、世界の文学作品を幅広く読みながら、文庫本だけで自分の文学全集をそろえるという目的でやってきました。そして、毎年少しずつ私の文学全集に収録する本を決定してきました。おそらく、すでに半分以上の作業が終わっているのではないかと思います。

 さて、こうして世界の文学をいろいろ漁ってきますと、自分の読んできた作品を、もう一度系統立てて整理したいと思うようになりました。たとえば、この作品は世界文学の流れの中でどういう位置を占めているのか、この作品とこの作品はどのようにつながっているのか、ということが気になってきたのです。

 そこで、世界文学の流れについて解説した本を探したのですが、意外と少ないようです。たとえば、フランス文学史とか、ルネサンス文学とか、地域や時代を絞り込んだ本は見かけます。しかし、世界文学の長い歴史を簡潔に分かりやすく解説したものは、あまり無いようなのです。

 それならば自分で少しずつまとめてみよう。そう考えて、「世界文学の流れをざっくりとつかむ」の連載を始めることにしました。時間的・空間的にとても広い範囲を扱いますが、その全体の流れや傾向を「ざっくりと」わしづかみにすることを目的としています。

 そのため、細かい部分には目をつぶっています。たとえば、18世紀のドイツ文学の章では、「ドイツ古典主義などというものは無い」と述べると思います。ドイツ文学者からは「何をバカなことを」と思われるかもしれません。しかしそれは、ひとつの考え方を提示しただけですので、ご理解いただけたらと願っています。

 私は文学の研究者などではなく、ただの本好きにすぎません。ここに述べる内容は、専門的な知識の裏付けがあるわけではありません。所々で勝手なことを述べていますが、素人ゆえの大胆さだと思ってお笑いください。

 では、今回は人類がいつから文学を持っていたかという問題について、私の思うところを述べてみたいと思います。

ラスコー展.jpg

≪序章≫ 文字誕生以前

1 文学的なものの兆し(ラスコーの壁画)

 私たちの先祖であるホモサピエンスは、数万年前にはアフリカからユーラシア大陸に進出し、その中の一団はさらにアメリカ大陸へ渡っていきました。今から1万年以上前までに、彼らは大陸の隅々にまで到達していたと言われています。その間、どれだけの危険に遭遇し、どれだけの困難を乗り越えてきたでしょうか。それは、彼らにとって大きな挑戦であり、命がけの冒険であったはずです。もし、彼らにそれを表現する手段があったのなら、壮大な叙事詩を作り、後の世に残してくれたに違いありません。

 今から1万5000年ほど前のヨーロッパには、ホモサピエンスに属するクロマニョン人がいて、フランスのラスコー洞窟に壁画を残しました。そこには多くの牛、馬、イノシシ、ヤギなどが、壁一面に描かれています。どの絵も生命力に満ちていて、生き生きとしています。これは、人類の残した最古のそして最高の芸術のひとつです。

 赤土や木炭で描かれた動物たちは、今にも動き出しそうな迫力があります。この絵は、命がけで動物たちと格闘し、毎日を全力で生きていた当時の人だからこそ、描けたものだと思います。そこには、強い感情が表れています。それは、多くの動物たちをもたらしてほしいという願いだったかもしれません。または多くの動物たちを与えられたことへの感謝の念だったかもしれません。いずれにしても、命の尊さをよく知っている人々の思いが表れています。描かれた動物たちからは、雄たけびや足音が聞こえるようです。そしてその背後からは、人々のさまざまな思いが声となって聞こえてくるようです。

 私には、ここに文学的なものの萌芽が現れているように感じられます。もちろん、ラスコーの洞窟壁画は絵であって、文学ではありません。しかし、文字として残されなかった物語らしきものを、この絵から感じ取ることができます。

 2016年の冬、東京国立科学博物館で「ラスコー展」が開かれ、現在では公開されていない壁画が、実物大のレプリカとなって展示されました。壁画を前にして私の目には、動物たちとの戦いを物語る語り部の姿や、多くの獲物を願うために祈りの歌を歌う呪術者の姿が浮かんできました。語り部たちが語り始め、呪術師たちが祈り始めたら、そこから物語や歌が生じ、口承文学が生まれます。ラスコーの洞窟壁画は、古代の口承文学の姿について、私の想像をかきたててくれました。

 この展覧会を見てから私は、ラスコーの壁画を描いた者たちは、文学らしきものを持っていたと確信するようになりました。

 「ラスコー展」では、もうひとつ興味深い事実を知ることができました。それは、鹿の絵の下に謎めいた記号があることです。これを、最古の文字ではないかと考えている研究者もいるようです。もしそうであるならば、今後どこかの洞窟でまとまった数の文字が発見され、人類最古の叙事詩が解読されてもおかしくないということになります。1万年前の叙事詩など、考えただけでもワクワクしてしまいます。

 次回は、口承文学についてもう少し述べていきたいと思います。
 月に1回ぐらいのペースで「世界文学の流れをざっくりとつかむ」の回を設けていきたいと思います。

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TUGUMI [日本の現代文学]

 「TUGUMI」 吉本ばなな (中公文庫)


 まりあが、従妹のつぐみと過ごした、ひと夏の出来事を描いた青春小説です。
 1989年の売り上げ第1位、センター試験出題と、何かと話題の多い作品です。


TUGUMI(つぐみ) (中公文庫)

TUGUMI(つぐみ) (中公文庫)

  • 作者: 吉本 ばなな
  • 出版社/メーカー: 中央公論社
  • 発売日: 1992/03/01
  • メディア: 文庫



 東京で家族3人で暮らす、大学生まりあのもとに、ある夜電話がありました。
 「来年の春、うちは旅館をたたむんだって」と、従妹のつぐみの声。

 その夏、まりあは少女時代を過ごした海辺の町に、最後の帰省をしました。
 つぐみやその姉の陽子ちゃんとの再会、ホテルの御曹司の恭一との出会い・・・

 「TUGUMI」が大ブームになった1989年、大学4年の私はすぐ読みました。
 とても新鮮な驚きがあったことを覚えています。「こんな文学もあるんだ」と。

 当時この作品は、良い意味でも悪い意味でも、少女漫画的と言われていました。
 あまりにもすらすらといっきに読めて、あまりにも面白過ぎたからです。

 やや軽い文章でありながら、時々ぐっとくるフレーズが、突然飛び出してきます。
 毎日の生活の幸せを表現した、次のような文章は、本当にうまいと思います。

 「そのくりかえしの平凡をぼんやりと思い出してみるとき、いつのまにかそこに、
 ほんのりあたたかく、さらさらした清い砂みたいな何かが残る。」(P68)

 なんでもなかった日常、しかしそれが、かけがえのない時間だったことに気付く。
 二度と戻らない日々。いつまでもきらきらと心に残る青春。切ない余韻・・・

 約30年ぶりでしたが、全く色褪せていません。これは、青春小説の傑作でしょう。
 とはいえ、私が50代になったせいでしょうか、つぐみに違和感を覚えました。

 「おまえ」と呼び、「くそばばあ」と言い、返事の代わりにコップを投げる・・・
 いくら町一番の美人と言ったって、これではただの下品な子どもにすぎません。

 当時大学生だった私に、つぐみという少女は、とても魅力的に見えたはずですが。
 年をとって、細かいことが気にかかるようになったせいでしょうか。

 大学時代の私は、つぐみの生き方にけなげさと愛おしさを感じながら読みました。
 50を過ぎた私は、時々つぐみに本気で腹を立てながら読んでいました・・・

 さいごに。(100%でもだめ?)

 スーパーに行って、迷った末に、果汁100%のジュースを買いました。
 本当はコーラを飲みたかったのですが、健康志向の妻が怒るので、妥協しました。

 ところが、「100%のジュースでも、濃縮還元は体に悪い」と言われてしまった。
 おいおい、これだけ気を遣っているのに・・・

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デッドエンドの思い出 [日本の現代文学]

 「デッドエンドの思い出」 よしもとばなな (文春文庫)


 タイトル作は、婚約を破棄された私が、不幸と幸福を同時に味わう物語です。
 2003年に刊行され、よしもとファンの間で、とても人気の高い短編です。


デッドエンドの思い出 (文春文庫)

デッドエンドの思い出 (文春文庫)

  • 作者: よしもと ばなな
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2006/07/01
  • メディア: 文庫



 「デッドエンドの思い出」は、刊行時、作者自身が最も好きな作品だったそうです。
 あとがきに「これが書けたので、小説家になってよかった」と書いているほどです。

 私(ミミ)は、恋人に婚約を破棄され、絶望のどん底に落ちてしまいました。
 傷心のミミを癒してくれたのが、叔父の店の雇われ店長をしている西山君でした。

 ミミと西山君が過ごした時間は、ほんのわずかな時間にすぎません。
 しかし、それは二人にとって、かけがえのない時間となったのでした・・・

 「その時の設定や状況とは全く関係なく、無慈悲なくらいに無関係に、幸せとい
 うものは急に訪れる。」(P188)

 「あの日々は、どうしようもない気持ちだった私に神様がふわっとかけてくれた
 毛布のように、たまたま訪れたものだった」(P238)

 文章に漂う甘酸っぱさといい、ラストの切ない余韻といい、本当にすばらしい。
 多くの人にとって、悲しいときに読み返すような、大事な作品となっています。

 「デッドエンドの思い出」と並んで忘れがたい作品が、冒頭の「幽霊の家」です。
 私(せっちゃん)と岩倉くんの、紆余曲折の愛を描いた、心に残る小説です。

 せっちゃんは、隣町の有名な洋食屋の娘で、その店を継ぎたいと思っています。
 岩倉くんは、有名なロールケーキ店の一人息子で、店を継ぐ気がないようです。

 せっちゃんは岩倉くんに、部屋に大家さんの幽霊が出ると知らされました。
 老夫婦の二人は、死んだことに気づかずに、今までどおり生活しているという。

 死後も、永遠の時間の中で暮らし続ける老夫婦。
 そういう彼らを垣間見てしまった、私と岩倉くん。二人が再会したとき・・・

 「ただふわんと広がってどんどん拡張していったのだ。光の中で、天まで届くか
 のような広がりで、ふたりを包んだままで時間が永遠になった。」(P58)

 この作品も、ちょっと神秘的でばななさんらしい作品です。
 最後はほっとしました。甘いと言われそうですが、結末がいいです。

 「おかあさーん!」も、夢に癒される展開が、ばななさんらしいです。
 全5編どの作品も、本当の幸せって何なのか、考え直させられる作品です。

 ただし「あったかくなんかない」「ともちゃんの幸せ」は、習作っぽい。
 この2編は、読み飛ばしてもいいかもしれません。

 さて、ばななさんといえば、私的には「TUGUMI」と「キッチン」です。
 特に「TUGUMI」は大ヒットした青春小説です。ぜひ読み直したい。


TUGUMI(つぐみ) (中公文庫)

TUGUMI(つぐみ) (中公文庫)

  • 作者: 吉本 ばなな
  • 出版社/メーカー: 中央公論社
  • 発売日: 1992/03/01
  • メディア: 文庫



 さいごに。(ジャニランド)

 娘が名古屋に行きたいという。なぜかというとジャニランドがあるからです。
 そのお店は、色んなジャニーズグッズを売っているといいます。

 そんなお店のため(失礼)に、名古屋まで行きたいとは・・・
 理解できないなあ・・・(絶対行かない)

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全世界史1 [歴史・哲学等]

 「全世界史(上)」 出口治明 (新潮文庫)


 西洋史と東洋史を総合し、人類5000年の歴史を縦横無尽に語った新しい試みです。
 以前「全世界史講義Ⅰ」として出ていた単行本の文庫化です。


全世界史 上巻 (新潮文庫)

全世界史 上巻 (新潮文庫)

  • 作者: 出口 治明
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2018/06/28
  • メディア: 文庫



 人類5000年の歴史を「一本の流れとして見つめて」いるところに、特徴があります。
 上巻では、第五千年紀前半(15世紀ぐらいまで)の流れを解説しています。

 目から鱗が落ちるような指摘が、次から次に出て来て、読んでいてワクワクします。
 たとえば以下のような部分に、私ははっとさせられました。(ネタバレが多いです)

 ペルシャ戦争は、ダレイオスにしてみれば、大帝国の片隅で血気盛んな若者が騒いで
 いるから、ちょっと叩いておこうという程度のものだった。

 キュロスがバビロン捕囚を終わらせたとき、バビロンに残ったユダヤ人も多かった。
 ユダヤ人は、自分たちのアイデンティティを自覚するために、民族の歴史を作った。

 アレクサンドロスはダレイオスの版図を再征服しただけ。王位簒奪にすぎない。

 中華思想とは、結局、漢字の魔力だった。漢字が広まり、中華思想も広まった。

 西ローマ帝国というのは、ローマ帝国の一つの出先機関である。
 西ローマ帝国皇帝というのは、その代官にすぎない。

 日本の国風文化は、唐からのプレッシャーから解放されてようやく本音が出たもの。
 古事記の天照大神のモデルは、まちがいなく持統天皇。

 クビライは、南宋の官僚の失業対策として、古今東西の書物の出版を命じた。

 ほか、いろいろありますが、さらに面白かったのは、文学の流れが分かる解説です。
 たとえば、以下のような部分に、私は「おー」と叫びそうになりました。

 サーサーン朝には、「世界帝国には知を集積するべきだ」という、アッシリア以来
 の伝統が受け継がれていたから、ローマ帝国を追われた学者たちを受け入れた。

 イスラム軍がサーサーン朝を滅ぼした時、ギリシアとローマのあらゆる古典を発見し
 た。唐から製紙技術を学んでいたイスラムは、それをアラビア語に翻訳して残した。

 アラビア語に翻訳された書物は、トレドの図書館にも多く収められていた。
 アルフォンソ六世がトレドを攻略したとき、その蔵書を今度はラテン語に翻訳した。

 十字軍遠征によって、ヨーロッパはイスラム世界の文化と接触した。「デカメロン」
 などに書かれている説話の多くは、「千夜一夜物語」などから借りてきている。

 これらの蘊蓄が横のつながりとともに語られていて、大きな流れを形作っています。
 世界史マニアの方々にとっては、とても興味深い内容だと思います。

 しかしながら、世界史の素人の私にとっては、全体像をつかむのが難しかったです。
 頭の中に世界地図がしっかり入っていないと難しいですね。

 「全世界史(下)」は、近世・近代編です。
 さらにごちゃごちゃしてくるので、世界地図や図録を見ながら読まなければ。


全世界史 下巻 (新潮文庫)

全世界史 下巻 (新潮文庫)

  • 作者: 出口 治明
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2018/06/28
  • メディア: 文庫



 さいごに。(ワッフルメーカー、ゲット)

 町内の夏祭りで、恒例のビンゴ大会がありました。
 今年は珍しくどんどん揃って、なんと、ワッフルメーカーを手に入れました。

 ホテルの朝のバイキングによく置いてある、ワッフルを自分で作る機械です。
 お盆休みには出かける予定が無いので、家族でワッフル大会をやりたいです。

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女のいない男たち [日本の現代文学]

 「女のいない男たち」 村上春樹 (文春文庫)


 女に去られてしまった(去られようとしている)男たちをテーマにした短編集です。
 全6編収録しています。2014年に、短編集としては9年ぶりに出しました。


女のいない男たち (文春文庫 む 5-14)

女のいない男たち (文春文庫 む 5-14)

  • 作者: 村上 春樹
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2016/10/07
  • メディア: 文庫



 1 ドライブ・マイ・カー
 俳優の家福(かふく=僕)が、死んだ妻について友人(?)と語り合う物語です。

 「彼女が死んでしまった今、おそらくそれは永遠に理解されないままに終わって
 しまうだろう。深い海の底に沈められた小さな堅い金庫みたいに。」(P58)

 2 イエスタデイ
 大学年の谷村(=僕)と、木樽(きたる)と、その幼馴染みの彼女との物語です。

 アルバイトで知り合った木樽は、幼なじみの彼女と付き合えと、僕に言いました。
 そして1日だけ僕は奇妙なデートをして・・・6編中のマイ・ベストです。

 「あれは月に見えるけど、実は氷でできていて・・・だから朝になって太陽が出て
 きたら、溶けてしまう。こうして見られるうちによく見ておくといいよ。」(P107)

 3 独立器官
 52歳のプレイボーイ渡会医師の身に起こった、少し奇妙で切ない物語です。

 4 シェエラザード
 羽原(はばら)という男と、会うたびに話を聞かせてくれる中年女との物語です。

 「私の前世はやつめうなぎだったのよ」・・・彼女が語る高校時代の出来事は・・・
 「ハウス」とは何か? 「連絡員」とは? 村上春樹らしい少し不思議な作品です。

 5 木野
 妻と別れてバーを始めた木野が、何かによって、自分の世界を失っていく物語です。

 猫はどこへ行ったのか? 蛇の出現は何の予兆なのか? 「カミタ」は何者か? 
 そして、木野の身に何が起こったのか? 結末の場面の意味は?

 村上春樹ワールド全開の作品です。しかし、終わり方にはとても不満が残りました。
 お気に入りの作品なので、長編化してほしいです。木野のその後が知りたいです。

 6 女のいない男たち
 死んだ幼なじみについて語った作品で、この短編集の締めくくりとなっています。

 タイトル作であり、この作品によって本書は、コンセプトアルバムとなっています。
 ただし、私にとってこの作品は、蛇足以外の何物でもありませんでした。

 「木野」の余韻に浸りながら、その謎のヒントを探して読んだのがいけなかった。
 そこに見出したのは、いつものヘンタイ趣味。ああ、ほかのすばらしい作品が・・・
 
 「彼女は昼下がりのベッドの上で、よく僕のペニスを鑑賞したものだ。」(P292)
 ・・・もう勝手にしてくれ!

 さいごに。(「世界を救うパンの缶詰」)

 以前紹介したように、「世界を救うパンの缶詰」を、娘と一緒に読んでいます。
 世界にパンを届ける「救缶鳥プロジェクト」は、本当にすばらしいです。

 他の国の困っている人のためにできることをする、という姿勢に感動しました。
 自分自身のために宝くじを買っている自分が、とてもさもしく感じられました。


世界を救うパンの缶詰

世界を救うパンの缶詰

  • 作者: 菅聖子
  • 出版社/メーカー: ほるぷ出版
  • 発売日: 2017/10/30
  • メディア: 大型本



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封神演義 [中世文学]

 「封神演義」 許仲琳作 八木原一恵編訳 (集英社文庫)


 殷から周に変わる混乱期に、人界と仙界が入り乱れて戦う、荒唐無稽な物語です。
 漫画にアレンジされて、週刊少年ジャンプに連載され、とても評判になりました。

 集英社文庫から、八木原の編訳が上下二分冊で出ています。
 抄訳で読みやすくなっています。巻頭に登場人物の紹介があって便利です。


封神演義 前編 (集英社文庫)

封神演義 前編 (集英社文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2017/12/14
  • メディア: 文庫



 殷の末期、紂王(ちゅうおう)は妲己(だっき)に溺れ、暴政を行っていました。
 実は妲己は、女媧(じょか)が紂王を破滅させるために遣わした、千年の狐でした。

 周の武王は姜子牙(きょうしが=太公望)の助けを得て、紂王征伐に向かいました。
 実は姜子牙は、崑崙山(こんろんざん)の道士で、元始天尊の命を受けていました。

 一方、殷の太師の聞仲(ぶんちゅう)もまた道士で、殷のために周と戦います。
 姜子牙と聞仲の戦いは、道教の二大派閥の戦いとなり、仙界を巻き込んでいき・・・

 コミック版や安能版が評判になっていた頃から、この作品が気になっていました。
 また、「封神演義」は四大奇書に並ぶ傑作だ、ということをどこかで聞きました。

 実際、妲己によって人間界が翻弄されていく場面までは、とても面白かったです。
 妲己は一種のヒロインであり、彼女を中心に展開する間は、話が分かりやすかった。

 ところが、周と殷の戦いになってからは、次から次に登場人物が現れては消えます。
 人物の名前や武器の名前を覚えることに必死で、筋道をたどることに精一杯でした。

 姜子牙は、ピンチになると元始天尊の所へ助けを求め、助っ人を遣わされるし・・・
 求めなくとも勝手に助っ人が現れるし・・・助っ人は色んな武器を持ってるし・・・

 似たような名前があるから、敵か味方か分からなくなるし・・・
 死んだと思ったら生き返るので、誰が死んでしまったのか分からなくなるし・・・

 途中から内容は、道士たちの技比べになりました。まるで、出し物大会です。
 結局私は、前編だけで投げ出してしまいました。後編も買ってあるのですが。

 しかし、読まないのももったいないから、結末だけこっそり盗み見をしました。
 ・・・そうか・・・なるほど・・・


封神演義 後編 (集英社文庫)

封神演義 後編 (集英社文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2018/01/19
  • メディア: 文庫



 ところで、この作品がもしコミックなら、確かに面白く読めるのかもしれません。
 コミックのネタとなった、安能務の「封神演義」も買ったまま、積読状態です。


封神演義(上) (講談社文庫)

封神演義(上) (講談社文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1988/11/08
  • メディア: 文庫



 さいごに。(娘の話ばかり)

 前の職場の仲間と、久しぶりに飲み会がありました。
 「娘さんはどう?」と、なぜか娘のことばかり聞かれました。どうして?

 「だって昔から、娘さんのことしか話さなかったじゃないですか」とのこと。
 そうか。昔も今も、私の話題はいつも、娘のことばかりだったのか・・・

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2018年8月発売の気になる文庫本 [来月発売の気になる文庫本]

 2018年8月発売予定の文庫本で、気になるものを独断で紹介します。
 データは、出版社やamazonの、HPやメルマガを参考にしています。


・8/8 「ロビンソン・クルーソー」 デフォー (光文社古典新訳文庫)
  → 以前、中古文庫版の完訳を読んだ。読み比べたい。気になる。

・8/8 「西洋古典学入門」 久保正彰 (ちくま学芸文庫)
  → 副題は「叙事詩から演劇詩へ」。興味深い内容。気になる。

・8/24 「新訳 お気に召すまま」 シェイクスピア (KADOKAWA)
  → 評判の河合訳。シェイクスピア喜劇の代表作。買い。


◎ おまけ(上野駅で売っている、本屋限定の・・・)

 上野と言えばパンダ。上野駅の書店限定で、パンダのバッグが売られているとか。
 これが、なかなかかわいい。白いのを欲しいです。

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◎ さいごに。(読書感想画・読書感想文)

 うちの娘は、この夏休みに、「読書感想画」にチャレンジするつもりでいます。
 課題図書の「世界を救うパンの缶詰」を、すでに購入しました。

 娘と一緒に、毎日少しずつ読んでいますが、夢のある話で良いですね。
 パンの缶詰を、若田さんが宇宙に持って行ったなんて、知りませんでした。


世界を救うパンの缶詰

世界を救うパンの缶詰

  • 作者: 菅聖子
  • 出版社/メーカー: ほるぷ出版
  • 発売日: 2017/10/30
  • メディア: 大型本



 また、この本で「読書感想文」も書くつもりでいます。
 なるほど。そうすれば一石二鳥ですね。

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コンプレックス [歴史・哲学等]

 「コンプレックス」 河合隼雄 (岩波新書)


 「コンプレックス」という概念を中心に、ユング心理学について解説した著書です。
 1971年に出た岩波新書青版ですが、いまだに増刷され続けている名著です。


コンプレックス (岩波新書)

コンプレックス (岩波新書)

  • 作者: 河合 隼雄
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1971/12/20
  • メディア: 新書



 私はこの本を、1988年頃、大学の臨床心理学の授業で勧められて読みました。
 コンプレックスを糸口に、「ユング心理学入門」を語り直したような内容です。

 第1章 コンプレックスとは何か
 主体性をおびやかすもの、言語連想検査、自我、コンプレックスの構造・・・

 第2章 もう一人の私
 二重人格、ドッペルゲンガー、劣等感コンプレックス、心の相補性・・・

 第3章 コンプレックスの現象
 自我とコンプレックス、ノイローゼ、人間関係とコンプレックス・・・

 第4章 コンプレックスの解消
 コンプレックスとの対決、トリックスター、死の体験、儀式の意味・・・

 第5章 夢とコンプレックス
 コンプレックスの人格化、夢の意味、男性像と女性像、夢の中の「私」・・・

 第6章 コンプレックスと元型
 エディプスコンプレックス、文化差の問題、元型、自己表現・・・

 私はこの本で初めてユング心理学を知ったので、書かれた内容全てが新鮮でした。
 その中でも特に面白かったのが、第4章と第6章でした。

 第4章では、神と向き合うための「儀式」の話が、とても興味深かったです。
 命を失うことなく、神に接しようとする最善の方法として、儀式が生み出され・・・

 しかし第6章の、人類共通の無意識の中にある「原型」の話が、最も衝撃的でした。
 全ての人間の無意識の奥底には、「太母」という母なるもののの原型があって・・・

 全てを生み出し全てを吞みこむ土の不思議さから、地母神を祭る宗教が生まれ・・・
 地母神は死の神でもあり、例えば国生みのイザナミはのちに黄泉の国に降った・・・

 30を過ぎて2000年頃に、河合隼雄のマイ・ブームが来て、この本を読み直しました。
 そのとき同時に読んだ、岩波新書の「子どもの宇宙」もとても印象に残っています。

 構成は・・・Ⅰ子どもと家族 Ⅱ子どもと秘密 Ⅲ子どもと動物 Ⅳ子どもと時空
       Ⅴ子どもと老人 Ⅵ子どもと死  Ⅶ子どもと異性

 以上のとおり、「子ども」の内面にある宇宙を、様々な観点から探求しています。
 娘が生まれたあと、もう一度読み直して、とても参考になりました。

 特にⅣ章の「子どもと時空」での、子どもが時空を超えるという指摘はすごいです。
 子どもには、あちらの世界とこちらの世界をつなぐ通路が開かれていて・・・

 さて、この本の最大の魅力は、多くの素敵な児童文学が紹介されているところです。
 「ふたりのロッテ」「秘密の花園」「トムは真夜中の庭で」はこの本で知りました。

 「ふたりのロッテ」→ https://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2014-01-22
 「秘密の花園」→ https://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2014-08-23
 「トムは真夜中の庭で」→ https://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-11-21

 ほか、「クローディアの秘密」「ラモーナとおかあさん」「まぼろしの小さい犬」
 「時の旅人」「ジョコンダ夫人の肖像」「あのころはフリードリヒがいた」・・・

 「ジョコンダ夫人の肖像」は、ダ・ヴィンチとモナ・リザにまつわる物語です。
 現在単行本で出ています。文庫化希望。又は岩波少年文庫で出してもらえないか。

 さいごに。(久々の終電)

 高校時代の陸上部の仲間で飲み会をしました。本当に久しぶりのことです。
 青春を共にした仲間も、今では皆50代。中には30年ぶりで会う仲間もいました。

 話しているうちに、次から次に話題が出て来て、思い出話は絶えませんでした。
 高校時代の仲間って、特別ですね。この夜、何年かぶりに終電で帰りました。

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ペスト2 [20世紀フランス文学]

 「ペスト」 カミュ作 宮崎嶺雄訳 (新潮文庫)


 突如ペストに襲われたオラン市で、人々が不条理と向き合う姿を描いた小説です。
 新潮文庫から1969年に出ています。訳は古いですが、不都合はありませんでした。


ペスト (新潮文庫)

ペスト (新潮文庫)

  • 作者: カミュ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1969/10/30
  • メディア: ペーパーバック



 前回の記事「ペスト1」で、リウーとランベールの友情について書きました。
 そしたら今回は、リウーとタルーの友情について、どうしても書きたくなりました。

 「僕は今度の疫病に出くわすずっと前から、すでにペストに苦しめられていたんだ。」
 「誰でもめいめい自分のうちにペストをもっているんだ。」(P376)

 何か月か一緒に働いてきたあと、初めてタルーはリウーに思いを打ち明けました。
 この告白のあと二人に真の友情が芽生え、記念に海水浴をします。この場面が良い!

 「何分かの間、同じ調子で、同じ強さで、ただ二人、世間から遠く離れ、市とペスト
 からついに解放されて、彼らは進んで行った。」(P383)

 「100分de名著」最終回で、内田樹が「カミュの書く身体感覚は絶品」と言いました。
 まさにその通りで、私自身も二人と一緒に遊泳している、幸せな気分になりました。

 この海水浴の印象的な場面は、物語において大事な転換点となっています。
 というのも、このあとペストは、なぜか収束に向かっていくからです。

 ようやくペストの終焉を人々が感じるようになった頃、タルーの体に異変が・・・
 そして、リウーのもとにもたらされた一通の電報は・・・

 さて「ペスト」はリウーを中心に描きながら、時々タルーの覚え書きも紹介されます。
 物語は二人の視点で進行しています。解説によると、二人は表裏一体の分身だという。

 すると、二人が「共感」しあった海水浴の場面には、象徴的な意味があったのか?
 タルーは言っていました。心の平和に達するために取るべき道は、「共感」だと。

 人間同士の「共感」が、「ペスト」というえたいの知れない巨悪を消滅させる・・・
 さまざまな読み取り方ができる点も、この小説の大きな魅力となっています。

 ところで、カミュに「ペスト」を思い立たせたのは、メルヴィルの「白鯨」だという。
 「ペスト」も「白鯨」も、さまざまな象徴的意味が込められています。

 「白鯨1」→ https://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2014-03-20
 「白鯨2」→ https://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2014-03-29

 さいごに。(「ジェラシック・ワールド」見たい)

 娘が学校から、「ジェラシック・ワールド 炎の王国」のちらしをもらってきました。
 さっそくネットで、予告編を見たら、「絶対見たい」と思ってしまいました。

 娘に、「一緒に見に行かない?」と聞いたら、「どっちでもいい」と気のない返事。
 ああ、昔だったら、飛び上がって喜んでくれたものだが・・・一人で行くのもね・・・

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ペスト1 [20世紀フランス文学]

 「ペスト」 カミュ作 宮崎嶺雄訳 (新潮文庫)


 突如ペストに襲われたオラン市で、人々が不条理と向き合う姿を描いた小説です。
 戦後まもなく出版されたカミュの代表作。ペストはナチス占領下の隠喩だとか。

 新潮文庫から1969年に出ています。訳は古いですが、不都合はありませんでした。
 2004年に改版されて、活字が大きく読みやすくなっています。


ペスト (新潮文庫)

ペスト (新潮文庫)

  • 作者: カミュ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1969/10/30
  • メディア: ペーパーバック



 アルジェリアのオラン市において、ある日から、ネズミが大量に死に始めました。
 その後多くの死者が出るに及び、医師リウーはそれがペストだと気付きました。

 やがてオラン市は、外部から遮断され、多くの人が家族と離れ離れとなりました。
 死者の数は日ごとに増し、街は異様な雰囲気に包まれ、人々は疲弊していきます。

 街の外で療養中の妻を案じながら、必死に人々の治療にあたる医師リウー・・・
 リウーに協力し保健隊を組織したタルー・・・保険隊で献身的に働くグラン・・・

 パリに残した恋人のもとへ行くため、街からの脱出を企むランベール・・・
 なぜか元気になったコタール・・・悔い改めよと説教する神父パヌルー・・・

 私が読んだ本は、平成20年版。ということは、10年ほど積ん読状態にあったのか。
 先月「100分de名著」で取り上げられて、ようやく読む機会を得ました。

 難しくて読みにくい部分はありましたが、紹介されていた通りのすごい作品でした。
 妻の病状を案じながらも、自分の職務に全力を尽くすリウーの姿に心打たれます。

 リウー:「これは誠実さの問題なんです。こんな考え方はあるいは笑われるかもし
   れませんが、しかしペストと戦う唯一の方法は、誠実さということです」
 ランベール:「どういうことです、誠実さっていうのは?」
 リウー:「僕の場合には、つまり自分の職務を果たすことだと心得ています」
 (P245)

 すばらしいです。こんなことがさらりと言えるリウーは、カッコ良すぎです。
 リウーの生きざまは、やがてランベールの気持ちを変えていきます。

 ランベール:「僕はこれまでずっと、自分はこの町には無縁の人間だ、自分には、
  あなたがたはなんのかかわりもないと、そう思っていました。ところが、現に見
  たとおりのものを見てしまった今では、もう確かに僕はこの町の人間です、自分
  でそれを望もうと望むまいと。この事件はわれわれみんなに関係のあることなん
  です」(P307)

 愛する者のもとへ走ろうとするランベールは、私が最も親しみを覚えた人物です。
 しかし彼は、リウーが止めるのも聞かず、町に残り保健隊を続けることにしました。

 「自分一人が幸福になるということは、恥ずべきことかもしれないんです」(P307)
 リウーとランベールの友情は、私がもっとも感動した場面です。

 やがて、何の前触れもなく、ペストは終息の気配を見せて・・・
 ペストの去ったオランの町を、リウーはただひとり歩いてゆき・・・

 終盤は、涙無しには読めませんでした。
 この本は、確実に今年読んだ本のベスト5に入ります。

 さて、カミュの「ペスト」を読んだら、デフォーの「ペスト」も読んでおきたい。
 こちらは、ペストのルポルタージュ的な作品らしいです。とても気になります。


ペスト (中公文庫)

ペスト (中公文庫)

  • 作者: ダニエル デフォー
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2009/07/25
  • メディア: 文庫



 さいごに。(やっぱりガラホ)

 「infobar xv」はガラホのようです。AUはガラケーをやめたのだから当然か。
 ということで、「もう一度 infobar 」の夢はついえてしまいました。

 現在使っている sportio は、ポケットに楽々入る優れもの。もちろんガラケー。
 毎月の料金は1300円ほど。この料金の魅力には「inforbar xv 」も勝てません。

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