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不機嫌な果実 [日本の現代文学]

 「不機嫌な果実」 林真理子 (文春文庫)


 32歳の美しき人妻が、結婚6年目にして不倫に走り、人生を転換する物語です。
 「不倫小説の最高傑作」として有名で、石田ゆりこ主演でドラマ化されました。


不機嫌な果実 (文春文庫)

不機嫌な果実 (文春文庫)

  • 作者: 林 真理子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2001/01/10
  • メディア: 文庫



 水越麻也子は、32歳の美しい人妻です。結婚6年目で、まだ子供がいません。
 夫に対する不満から、ある日かつての恋人の野村に連絡を取りました。

 野村は、広告代理店に勤める中年の男で、すでに結婚しています。
 彼との不倫なら、いつでも引き返すことができる。

 しかし、独身の若き音楽評論家の通彦(みちひこ)と出会ってしまいました。
 彼との不倫は、野村とはまったく違う・・・

 あのみずみずしい青春小説「葡萄が目にしみる」と、なんと違うことか。
 「葡萄が目にしみる」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-11-24

 しかし、内容は違うものの、文章はやはりうまい、と思いました。
 次のような名文が、数ページおきに、さりげなく登場します。

 「可能性というのは、違う道もあり得るのだというやさしい示唆だ。が、それが
 失くなってしまった今、麻也子の前にあるのはのっぺりとした一本の日常である。」

 また、女性から見た男性観察が、とても鋭くて面白いです。
 次のような文は、男にはなかなか書けないと思います。

 「過去について、具体的なことを口にし始めるのは、男が欲情している証拠である。」
 「買い被りは、男の気持ちが既に愛情すれすれのところまで来ている何よりの証だ。」

 さて、この物語の結末は・・・やっぱりね。どうして麻也子は気付かなかったのか。
 いい歳をして「高等遊民になりたい」なんて言ってる男を、信じてはいけない!

 それにしても、この本を読んで、不倫に憧れてしまう人もいるのでは?
 女性にはあまり読んでほしくない小説です。

 ところで林真理子には、もうひとつ不倫小説「白蓮れんれん」があります。
 この勢いに乗って、読んでみたいです。


白蓮れんれん (集英社文庫)

白蓮れんれん (集英社文庫)

  • 作者: 林 真理子
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2005/09/16
  • メディア: 文庫



 さいごに。(宿泊研修)

 2泊3日の宿泊研修から、娘が帰ってきました。「楽しかった!」とのこと。
 行く前は少し憂鬱そうでしたが、元気に帰ってきてよかったです。

 学校からは、こまめに一斉メールが来ました。便利な世の中になりましたね。
 「現地到着。車酔いはいませんでした」などと知らされて、ほっとしました。

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竹取物語 [日本の古典文学]

 「ひかりナビで読む 竹取物語」 大塚ひかり (文春文庫)
 「ビギナーズ・クラシックス 竹取物語(全)」 (角川ソフィア文庫)


 竹から生まれたかぐや姫が、人間界で育ったのち、月へ帰るまでの物語です。
 9世紀後半から10世紀前半に成立した、日本最古の物語です。作者は未詳。


ひかりナビで読む 竹取物語 (文春文庫)

ひかりナビで読む 竹取物語 (文春文庫)

  • 作者: 大塚 ひかり
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2013/12/04
  • メディア: 文庫



 「ひかりナビで読む 竹取物語」は、「原文の味とリズムを生かした逐語訳」です。
 テンポが良くてとても分かりやすく、読んでいて楽しくなってくるような名訳です。

 この本の最大の特徴は、時々「ひかりナビ」で訳文を補足説明しているところです。
 古語について、登場人物のモデル、駄洒落の意味、時代背景等がよく分かります。

 「解説」もまた興味深いです。たとえば、翁とかぐや姫の間にある性的な匂い・・・
 羽衣伝説が原話だったとすると、翁とかぐや姫は夫婦だった(?)・・・

 ただし、原文は収録されていません。
 「竹取物語」の訳だけ読みたいのなら、「ひかりナビで読む」がオススメです。


竹取物語(全) (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)

竹取物語(全) (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2001/09/01
  • メディア: 文庫



 「ビギナーズ・クラシックス 竹取物語」は、訳・原文・解説・コラムがあり、
 充実しています。「竹取物語」について深く知りたいのなら、こちらがオススメ。

 解説は、「ひかりナビ」以上にマニアックです。どちらかというと通好みです。
 冒頭から、竹の神秘性や、竹取の翁と神霊の関わりなど、興味深い解説です。

 さらにコラムでは、竹の空洞は異界と人間界を結ぶ非日常の交通路であるとか、
 かぐや姫は竹の空洞を通って人間界に来た聖女だとか、民俗学的考察がすごい。

 原文は短いですが、解説とコラムで倍以上に膨らみ、おなかいっぱいになります。
 読後は、知識欲が満たされて、とても充実した気分を味わうことができます。

 「竹取物語」は、様々な文庫から、たくさんの訳が出ています。
 その中で1冊だけ選ぶなら、「ビギナーズ・クラシックス」版がオススメです。


竹取物語 (角川文庫)

竹取物語 (角川文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
  • 発売日: 2008/07/25
  • メディア: 文庫



 数ある訳の中で捨てがたいのが、角川文庫の星新一訳。分かりやすいです。
 また、各章の最後に書かれている解説(感想?)も、味わいがあります。


かぐや姫の罪 (新人物文庫)

かぐや姫の罪 (新人物文庫)

  • 作者: 三橋 健
  • 出版社/メーカー: 中経出版
  • 発売日: 2013/08/08
  • メディア: 文庫



 「竹取物語」の謎解きに興味を持ったら、「かぐや姫の罪」がオススメです。
 訳はバッサリと省略されているので、あくまで副読本として利用したいです。

 「第二章 謎解き『竹取物語』」、「第三章 消えたかぐや姫前世譚」、
 「第四章 かぐや姫が犯した罪の意味」など、興味深い内容ばかりです。

 特に、かぐや姫の前世譚を二つ紹介した第三章は、他では読めない内容です。
 神道的な視点から、かぐや姫の前世と罪について考察していて、すばらしい。

 ところで、平安時代に成立した「竹取物語」は、日本の中古文学になります。
 しかし、世界文学史的には「古事記」「日本書紀」同様「中世文学」でしょう。

 「竹取物語」はのちに、「源氏物語」などの長編物語につながっていきます。
 小品ではありますが、日本の物語文学の出発点として、記念碑的作品です。

 さいごに。(ようやくカエル組へ)

 水泳の授業で、クロール25メートル泳げて、娘はカエル組に昇格しました。
 しかし水泳はこれでおしまい。マグロ組以外は夏休みに水泳教室があるとのこと。

 平泳ぎなら50メートル泳げるというのに。
 落ち込んでいると思いきや、本人は意外にも水泳教室を楽しみにしているようです。

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海に住む少女 [20世紀フランス文学]

 「海に住む少女」 シュペルヴィエル作 永田千奈訳 (古典新訳文庫)


 「海に住む少女」「ノアの箱舟」など、幻想的で美しい短編を10作集めたものです。
 シュペルヴィエルを訳者は、「フランス版宮沢賢治」という言葉で表現しています。

 古典新訳文庫から2006年に出ています。訳は分かりやすかったです。
 収録された10編の作品は、いずれも20ページほどなので読みやすいです。


海に住む少女 (光文社古典新訳文庫)

海に住む少女 (光文社古典新訳文庫)

  • 作者: シュペルヴィエル
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2006/10/12
  • メディア: 文庫



 水深6000メートルの大西洋の真ん中に町があり、たった1人の少女が住んでいます。
 その近くを貨物船が通った時、少女が初めて発した叫び声は・・・

 その町は何なのか? どのように作られたのか? 少女はなぜ海に住んでいるのか?
 幻想的で美しく、どこか切なくて、そして深く考えさせられる作品です。

 この作品の終盤は、私には衝撃的でした。
 この1篇のために、この本を買って良かったと思いました。

 そのほか不思議な話ばかりです。牛の視点で見たイエス誕生、パロディ版ノアの箱舟、
 溺死体のその後の物語、死後の世界に住む影たち、バイオリンの声を持つ少女・・・

 「訳者あとがき」では、シュペルヴィエルを「フランス版宮沢賢治」と呼んでいます。
 何気ない物語の中に、ハッとする言葉を散りばめているところが、賢治に似ています。

 「人々が道を行き交います。彼らはいつも、きちんとした理由があって、街のある地
 点から別の地点へと向かっているのでしょうか。」(P174)

 「牛乳とお椀」は、わずか3ページの小品です。
 しかし、この最後のページの2行によって、とても鮮烈な印象を残します。

 ところで、正直に言って、「何が言いたいの?」と思ってしまう作品もありました。
 次の物語はどう鑑賞すればいいのか? 好き嫌いが分かれる作品だと思いました。

 たとえば「ラニ」。こんな終わり方でいいのか?
 たとえば「競馬の続き」。こんな終わり方はないだろう。

 今回、初めてのシュペルヴィエル体験でした。
 古典新訳文庫からは、同じ永田訳で、「ひとさらい」も出ています。


ひとさらい (光文社古典新訳文庫)

ひとさらい (光文社古典新訳文庫)

  • 作者: ジュール シュペルヴィエル
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2013/11/08
  • メディア: 文庫



 さいごに。(小数点の割り算でショック)

 娘の算数では、小数点の割り算をやっていて、私が時々答え合わせをします。
 「9.8 ÷ 0.6」という問題があって、娘の答えは「16あまり0.2」でした。

 「ちがうだろ、あまりは2だろ」と、私。でも、娘の答えが正解でした。
 小学5年生の問題が解けなくなってしまったなんて。ショック!

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デカメロン入門 [中世文学]

 「ときがたりデカメロン」 田辺聖子 (講談社文庫)
 「花のデカメロン」 阿刀田高 (光文社)


 「ときがたりデカメロン」は、100編の中から19編を選び、内容を紹介したものです。
 「花のデカメロン」は、100編から30編を選び、少し味付けをして紹介したものです。

 どちらも現在は絶版です。
 私はアマゾンで手に入れました。1円でした。


ときがたりデカメロン (講談社文庫)

ときがたりデカメロン (講談社文庫)

  • 作者: 田辺 聖子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1987/03
  • メディア: 文庫



花のデカメロン (光文社文庫)

花のデカメロン (光文社文庫)

  • 作者: 阿刀田 高
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 1990/11
  • メディア: 文庫



 「ときがたりデカメロン」で紹介されている物語は、次の19編です。
 それぞれの日の終わりに田辺註があり、簡単な感想が書かれています。

 第一日の1・4話。 第二日の9・10話。 第三日の2・3・9話。
 第四日の1・4話。 第五日の9話。   第六日の4・10話。
 第七日の2・9話。 第八日の1・7話。 第九話の3・7話。 第十日の6話。

 田辺はもとの物語をアレンジせず、その魅力が効果的に伝わるように語っています。
 言いたいことは田辺註で言い、原文と自分の声をはっきりと分けています。

 ところが、その註の方が、けっこう面白かったりする。
 特に、日本の古典文学との比較が随所で見られるところが、田辺らしくていいです。

 「今昔物語集」と「デカメロン」は似ているという指摘は、なるほどと思いました。
 もっと田辺註が多くても良かったと思います。

 一方、「花のデカメロン」で紹介されている物語は、次の30編です。
 阿刀田は自分の声を、遠慮なく作品の中に放り込んでいて、そこがまた面白いです。

 第一日の1・2・5話。 第二日の5・9・10話。 第三日の2・5・10話。
 第四日の5・8・9話。 第五日の1・9話。   第六日の4・6・8話。
 第七日の2・5・6・7・8話。         第八日の1・7話。
 第九日の1・3・4話。 第十日の4・5・6・8・10話。

 阿刀田は、物語を中断して突然蘊蓄を語り出したり、物語を批評したりします。
 その自由な話し方が阿刀田らしくて良い。語り口がうまくいので全く飽きません。

 たとえば、紳士淑女は郊外に2週間とどまったのに十日物語というのはなぜか?
 それは、禁欲日の金曜と日曜を抜いているから。かゆいところに手が届く解説!

 また、第三日2話の冒頭では、「花嫁花婿取り違え事件」について語られます。
 物語にほとんど関係ないこのエピソードが、最も印象的だったりします。

 第八日に語られる「道聞き屋」の逸話も、物語とは関係ないが、実に面白い。
 「〇〇にはどう行くのでしょうか」と、実直そうな女性に聞かれたが・・・

 さて、田辺と阿刀田が選んだ作品を比較すると、似ているようで似ていません。
 第一日の1話のように、二人の評価が大きく分かれる作品もあります。

 つまり、それだけいろんな解釈があるわけで、奥が深いということでしょうか。
 「デカメロン」には、自分のお気に入りの物語を探すという楽しみ方もあります。

 私が最も気になったのは第七日。「婦人が恋のために夫を欺いた話」です。
 阿刀田は第七日からは、10話中5話を紹介しています。分かるなあ・・・

 ところで、「デカメロン」の中巻と下巻は、まだ読んでいません。
 この2冊のおかげで、さらに面白く読めそうです。


デカメロン 中 (河出文庫)

デカメロン 中 (河出文庫)

  • 作者: ジョヴァンニ ボッカッチョ
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2017/04/06
  • メディア: 文庫



デカメロン 下 (河出文庫)

デカメロン 下 (河出文庫)

  • 作者: ジョヴァンニ ボッカッチョ
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2017/05/08
  • メディア: 文庫



 さいごに。(いいな、調理クラブ)

 うちの娘は、学校のクラブ活動で、調理クラブに入りました。
 毎回、1時間で作れるものを色々と作っています。

 前回はパフェ。材料を持ち寄って、学校で盛り付けて、そのまま食べてきました。
 その日は夕飯があまり食べられませんでした。が、とても楽しそうにやってます。

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古事記2 [日本の古典文学]

 「現代語 古事記」 竹田恒泰 (学研M文庫)


 「古事記」は、神代から推古朝までの神話や出来事を記した、日本最古の史書です。
 竹田によると、日本人の自然観・死生観・歴史観と大和心が分かる書物だそうです。

 竹田訳は「古事記」の数ある訳の中で、最も新しくて分かりやすいという評判です。
 角川文庫から二分冊で出ましたが、現在は絶版です。ポケット版は手に入ります。


現代語古事記: 神々の物語 (学研M文庫)

現代語古事記: 神々の物語 (学研M文庫)

  • 作者: 竹田 恒泰
  • 出版社/メーカー: 学研パブリッシング
  • 発売日: 2013/07/09
  • メディア: 文庫



現代語古事記 ポケット版

現代語古事記 ポケット版

  • 作者: 竹田 恒泰
  • 出版社/メーカー: 学研プラス
  • 発売日: 2016/06/14
  • メディア: 単行本



 「『古事記』を楽しんで読むための最大の骨は、神様と人の名が出てきたらすぐに
 『忘れること』です。」(P3・はじめに)

 と、冒頭からいきなり、古事記をよむための驚くべきコツが、伝授されます。
 この竹田訳は、今までにない読み方を、我々に教えてくれました。

 本文では神名を、太字のものと太字でないものに、区別して表記しています。
 太字でないものはどんどん忘れていくことで、物語がすっきりと整理されます。

 しかし、本書の最大の工夫は、本文の区切りごとに解説が入っていることです。
 竹田によるこの解説が、実に興味深くて、我々を古事記の世界に引き込みます。

 伊耶那岐神(いざなきのかみ)の黄泉国下りでは、「黄泉国」の解説があります。
 黄泉国(よみのくに)とは何か? それは埋葬地か? それとも死後の世界か?

 そして須佐之男(すさのお)のところで、再び「黄泉国」について触れます。
 根之堅洲国(ねのかたすくに)とは何か? それは黄泉国とどう違うのか?

 読んでいて、古代の人々の精神に触れているようで、とてもワクワクしてきます。
 特に、神々の国生みから天孫降臨までの展開が、ドラマティックで面白いです。

 古事記を読み返すたびに、お気に入りのエピソードを見つけ(再発見し)ます。
 大物主神(おおものぬしのかみ)が、乙女に一目ぼれした逸話はサイコーです。

 大物主神は、赤く塗った矢に化けて、乙女がクソをする時、そのかわやへ・・・
 大らかな物語をそのまま語るところに、「神々の物語」の魅力があります。

 続巻の「天皇の物語」では、大和朝廷が全国を統一する過程が描かれています。
 「神々の物語」ほどの壮大さは無くなりますが、多くの興味深い逸話があります。

 倭建命(やまとたけるのみこと)の冒険の物語は、この巻の白眉です。
 ほか、神功皇后、応神天皇、雄略天皇、仁徳天皇などが登場します。

 たとえば雄略天皇に見初められた童女のエピソードは、とても印象に残ります。
 もう少し大人になったら宮中に迎えようと言われ、いつのまにか80年がたち・・・

 さて、「天皇の物語」になると急に和歌が多くなり、物語が停滞しがちです。
 だから、神名・人名同様、和歌が出てきたら読み飛ばすことをオススメします!

 和歌を読み飛ばすと、「天皇の物語」編で読むべきページは半減します。
 「天皇の物語」は買わないという選択ができるのが、二分冊の利点だったのだが。

 三浦 佑之の「口語訳 古事記」もオススメです。
 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2017-05-17

 さいごに。(いまだメダカ組を脱出できず)

 娘の小学校では、水泳の時間、メダカ組、カエル組、マグロ組に分かれています。
 クロールで25m泳げるとカエル組へ、平泳ぎで25m泳げるとマグロ組へ進みます。

 うちの娘は平泳ぎで50m泳げるのに、クロールが苦手なため、いまだにメダカ組。
 先日の進級テストでも、疲れていたため25m泳げず、カエル組に進めませんでした。
 親としてはそういうことに、ヤキモキしてしまう。たいしたことでもないのに。

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サクリファイス [日本の現代文学]

 「サクリファイス」 近藤史恵 (新潮文庫)


 自転車競技のアシストとして活躍する青年と、仲間たちとのドラマを描いています。
 2008年本屋大賞で2位に入りました。青春小説でもありミステリーでもあります。


サクリファイス (新潮文庫)

サクリファイス (新潮文庫)

  • 作者: 近藤 史恵
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2010/01/28
  • メディア: 文庫



 白石誓(ちかう)は、もと陸上の長距離選手で、全国優勝したほどの実力者です。
 しかし、走ることや勝つことの意味が分からなくなり、自転車に転向しました。

 そして彼はプロのロードレースチームに所属し、アシストとして活躍しています。
 その役割は、チームのエースを勝たせるために、徹底的に尽くすことです。

 アシストはエースの踏み台ですが、誓はその仕事にプライドを持っています。
 そして、チームのエース石尾のために、全力でサポートしていますが・・・

 石尾が故意に起こしたという、過去の事故の真相は?
 そして、石尾の身に起こった事故の真相は?

 私はロードレースのことを全く知らなかったのですが、とても楽しめました。
 読んでいるうちに、少しずつロードレースについて、知ることができました。

 自転車競技が、団体競技であり、紳士のスポーツと言われる理由が分かります。
 そして、特に興味深かったのは、アシストという役割です。

 誓は、石尾を勝たせるために、風よけとなって走り、全力で彼を引っ張ります。
 まさに、エースのために犠牲(サクリファイス)となるのです。

 それが分かっている石尾も、チームのために犠牲(サクリファイス)となります。
 あとになって誓は知ります。石尾の言動の意味と、その思いを。

 なんという男同士の信頼!
 これは、女性によって書かれた、最高の「男の小説」でしょう。

 しかし、読後のもやもやはなんだ? これは袴田と元恋人の香乃からくるもの。
 卑劣な男と、見る目のない女。こいつら、このままでいいのか?!

 さて、続巻の「エデン」「サヴァイブ」「キアズマ」も、とても気になります。
 また、TVでツールド・フランスを見てみたくなりました。


エデン (新潮文庫)

エデン (新潮文庫)

  • 作者: 近藤 史恵
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2012/12/24
  • メディア: 文庫



キアズマ

キアズマ

  • 作者: 近藤 史恵
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2013/04
  • メディア: 単行本



 さいごに。(調べ学習?)

 娘が熱心にパソコンを見ながらメモをとっていました。何を調べているのか?
 こっそりメモをのぞいてみると、そこには新しく始まるドラマのタイトルが!

 何かと思えばくだらない。新しいドラマのチェックをしていたのです。
 見たいドラマが3つもあって、困っています。見られるのは2つまでなので。

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ウォルスング家の物語 [中世文学]

 「北欧神話と伝説」 グレンベック著 山室静訳 (講談社学術文庫)


 「北欧神話と伝説」は、北欧の代表的な神話と伝説を分かりやすく翻案したものです。
 その伝説篇に、ジークフリート神話で有名な、「ウォルスング家の物語」があります。

 神話だけを扱った本は多いが、本書は神話と伝説の両方を収録していて、貴重です。
 しかも、物語は読みやすく再構成されています。とても分かりやすい解説書です。


北欧神話と伝説 (講談社学術文庫)

北欧神話と伝説 (講談社学術文庫)

  • 作者: ヴィルヘルム・グレンベック
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/09/10
  • メディア: 文庫



 「ニーベルンゲンの歌」を読んだ時、「ウォルスング・サガ」にも興味が湧きました。
 しかし、なかなか見つからず、最近ようやく本書に収録されていることを知りました。

 「ニーベルンゲンの歌」も「ウォルスング・サガ」も、元はニーベルンゲン伝説です。
 それがアイスランドにわたり、比較的原型をとどめたものが「ウォルスング・サガ」。

 ロキ神が小人のアンドヴァルから莫大な宝を取り上げた時、呪いをかけられました。
 「その腕輪と黄金は、誰でもそれを手に入れた者に、死を与えるように」と。

 それからのち、その財宝を手にした一族には、争い事と殺し合いが起こりました。
 その呪いはやがて、それを手に入れたウォルスング家のシグルドに降りかかり・・・

 小人の財宝、財宝を守る竜、シグルドの竜殺し、偽りの求婚、シグルドの結婚・・・
 「ニーベルンゲンの歌」では描かれていないエピソードを、たくさん知りました。

 シグルドのずっと先の代から、丁寧に解き明かしているところが良いです。
 ただしこの本は、様々な原典を再構成して、著者がまとめたものです。

 だから「ウォルスング・サガ」ではなく、「ウォルスング家の物語」です。
 純粋な「ウォルスング・サガ」を読むにはどうしたらよいのか、よく分かりません。

 しかし、とても要領よくまとめられていて、著者の語り口も魅力的です。
 「ウォルスング家の物語」を読むためだけでも、この本を買う価値があるでしょう。

 さて、本書にはほかにも、多くの神話と伝説が収録されています。
 まだほかのサガやエッダを読んでいませんが、ぜひいつか紹介したいです。

 さいごに。(平泳ぎ50M)

 娘が学校で25M泳げなかったというので、日曜日に市民プールに連れて行きました。
 平泳ぎは上手でした。クロールは息継ぎを少し教えたら、すぐにうまくなりました。

 泳がせたら、クロールは25M泳げました。平泳ぎは、なんと往復50M泳げました!
 1時間ほどの練習で、驚くほど上達しました。次の水泳の授業が楽しみです。

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デカメロン1 [中世文学]

 「デカメロン」 ボッカッチョ作 平川祐弘訳 (河出文庫)


 ペストから逃れた男女10人が、交代で10日間にわたって全100話を物語ったものです。
 別名「十日物語」。また、ダンテの「神曲」に対して、「人曲」とも言われています。

 2012年に単行本で出た平川訳が、河出文庫から三分冊で出ています。オススメです。
 分かりやすくてリズム感のある名訳です。また、注釈と解説が充実しています。


デカメロン 上 (河出文庫)

デカメロン 上 (河出文庫)

  • 作者: ジョヴァンニ ボッカッチョ
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2017/03/07
  • メディア: 文庫



 時は1348年。イタリアではペストが流行し、人々がバタバタと死んでいました。
 たまたま出会った7人の淑女と3人の貴公子が、田舎の地所に避難しました。

 そこで、退屈しのぎにある提案がありました。「どなたかお一人に物語を話して
 いただき、皆さんがそれを拝聴するというのはいかがでしょう。・・・」(P45)

 以後、毎日10人が交代で話をし、それを10日間続けることになりました。
 といっても、私が読んだのはまだ第三日まで。計30話にすぎない。

 第一日のテーマは自由です。第二日は「最初は不幸で最後に幸せになった話」。
 第三日は「欲しかったものを手に入れた人や失ったものを取り戻した人の話」。

 さて、冒頭の第一日第一話から傑作です。
 極悪非道のチャッペㇽレットが、嘘の懺悔をしたあげく、聖人として祭られる!

 第二日第九話は、めまぐるしく展開する短編小説です。
 夫に誤解された妻は、男装してサルタンに仕え、自分を陥れた男に復讐を遂げる!

 しかし、なんといっても面白いのは、第三日第八話でしょう。
 友人の妻に惚れてしまった修道院長は、驚くべき手段で人妻と思いを遂げる!

 夫の焼きもちを治すためには、一度死んで煉獄へ行かなければならない。
 そう言って修道院長が企んだことは? 夫が死んでいる間、修道院長と人妻は?

 そして、巻末を飾る第三日第十話は、爆笑まちがいなし。典型的な好色話です。
 娘が聖者に行った「悪魔をインフェルノへ送り込む」行為とは、いったい何か?

 登場するのは、好色で貪欲で狡猾な人間ばかり。中でも不良修道士が目立ちます。
 ペストによる混乱で乱れきった当時の風俗が、よく伝わってきました。

 ダンテの「神曲」では、この人はこんなに悪いことをしたからこんな罰を受けている、
 という話ばかりが続きました。その基準になるのは、キリスト教的か否かでした。

 ボッカッチョの「人曲」では、この人はこんなに悪いことをしてこんなに得をした、
 という話が目立ちます。キリスト教的であろうがなかろうが、関係ありません。

 その代表的な人物が、冒頭に登場する極悪非道の代書人チャッペㇽレットです。
 この男は宗教をバカにしていたゆえに、死後聖者として崇められるようになります。

 キリスト教的にはとんでもない。しかし、ひとりの人の生き方としては実に痛快です。
 こういう生き方を肯定的に描いているところが、「人曲」といわれるゆえんでしょう。

 さて、話はそれぞれ10~20ページほどの短編なので、飽きずにどんどん読めます。
 しかも、冒頭に物語の概略が示されているため、後で読み返す時に便利です。

 「デカメロン」は名著なので、これまでにいくつもの文庫から出ていました。
 しかし、講談社文芸文庫版は部分訳で、ちくま文庫版と岩波文庫版は絶版です。

 本書の魅力を伝えた本に、田辺聖子の「ときがたりデカメロン」があります。
 また、阿刀田高の「花のデカメロン」もオススメです。ただし両方とも絶版。


ときがたりデカメロン (講談社文庫)

ときがたりデカメロン (講談社文庫)

  • 作者: 田辺 聖子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1987/03
  • メディア: 文庫



花のデカメロン (光文社文庫)

花のデカメロン (光文社文庫)

  • 作者: 阿刀田 高
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 1990/11
  • メディア: 文庫



 さいごに。(シューアイス、ゲット)

 セブンイレブンのシューアイスを、ようやくゲットしました。
 娘が買ったお店を教えてもらって、そこへ行ったら、ちゃんと売っていました。

 夕食後のデザートとして、娘と一緒に食べています。とてもおいしいです。
 しかし、これをあちこち探し回っていた時が、一番楽しかったような・・・

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2017年7月発売の気になる文庫本 [来月発売の気になる文庫本]

◎ 2017年7月発売予定の文庫本で、気になるものを独断で紹介します。
  データは、出版社やamazonの、HPやメールマガジンを参考にしています。

・7/1「英国諜報員アシェンデン」サマセット・モーム(新潮文庫)
 → 私は岩波文庫版とちくま文庫版で読んだ。読み比べてみたい。気になる。

・7/12「アメリカ銃の謎【新訳版】」エラリー・クイーン(創元推理文庫)
 → 2万人の観衆の中で行われた殺人。国名シリーズ第6弾。気になる。


◎ おまけ1(読書計画を大幅に修正)

 今年は中世文学とルネサンス文学を中心に読んでいます。
 ところが、4月に転勤してからバタバタして、読書の時間が取れていません。

 当初の予定では、4月に「デカメロン」を、5月に「カンタベリー物語」を、
 6月には「ガルガンチュワ」と「パンタグリュエル」を読むつもりでした。

 7月には「ドン=キホーテ」を、8月には「三国志演技」と「水滸伝」を、
 9月には「痴愚神礼賛」「ユートピア」ほかを読むつもりでした。

 ところが、6月末になっても、まだ「デカメロン」の上巻を読んでいます。
 大きく計画を修正しなければなりません。

 できれば「デカメロン」「カンタベリー物語」「ガルガンチュワ」の三つは、
 年末までにぜひ読みたいです。いずれも近年、優れた訳が出ているので。


デカメロン 上 (河出文庫)

デカメロン 上 (河出文庫)

  • 作者: ジョヴァンニ ボッカッチョ
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2017/03/07
  • メディア: 文庫



完訳 カンタベリー物語〈上〉 (岩波文庫)

完訳 カンタベリー物語〈上〉 (岩波文庫)

  • 作者: チョーサー
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1995/01/17
  • メディア: 文庫



ガルガンチュア―ガルガンチュアとパンタグリュエル〈1〉 (ちくま文庫)

ガルガンチュア―ガルガンチュアとパンタグリュエル〈1〉 (ちくま文庫)

  • 作者: フランソワ ラブレー
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2005/01/01
  • メディア: 文庫




◎ おまけ2(「メッカ」岩波新書)

 「コーランを知っていますか」で紹介した岩波新書「メッカ」を購入しました。
 イスラムの二大聖地である、メッカとメディナを写した貴重な写真・文集です。

 あるとき著者は、サウジアラビアの青年から、写真集作りの協力を頼まれました。
 そして、イスラムの聖域に入るために改宗し、ムスリムとなって・・・

 メディナの預言者のモスク、メッカのカアバ神殿など、素晴らしい写真が満載。
 また、断食や大巡礼など興味深い写真もあります。文章にも味わいがあります。


カラー版 メッカ―聖地の素顔 (岩波新書)

カラー版 メッカ―聖地の素顔 (岩波新書)

  • 作者: 野町 和嘉
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2002/09/20
  • メディア: 新書




◎ おまけ3(スピングルムーブのスニーカー)

 20年履いてきたタケオ・キクチのレザー・スニーカーが、とうとう壊れました。
 3万円近いスニーカーでしたが、1年当たり1500円。十分もとを取りました。

 代わりにスピングルムーブのスニーカーを、今年も買おうと思っています。
 買ったら最低10年は履いて、1年当たり2000円になるようにします。(せこい!)

 (実は1年前にも買いました。とても履き心地が良かったです。
 上が今年買いたいモデル。下が昨年買ったモデル。似たものを選んでしまう。)









◎ さいごに(風邪に苦しんだ)

 職場で風が流行り、私もうつされてしまいました。
 初日は鼻と喉が痛み、翌日は小康状態で、その翌日からは咳がひどかったです。

 特にたいへんなのは夜で、咳で何度も起きてしまい、眠れなかったです。
 ようやく治りましたが、妻が喉がイガイガすると言っていて、とても心配です。

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男の作法 [マナー・エチケット]

 「男の作法」 池波正太郎 (新潮文庫)


 著者が自身の体験をもとに、男のマナーとダンディズムについて語ったエッセイです。
 幅広いファンを持つ作品です。新潮文庫から出ていて、ロングセラーを続けています。


男の作法 (新潮文庫)

男の作法 (新潮文庫)

  • 作者: 池波 正太郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1984/11/27
  • メディア: 文庫



 勘定、顔、組織、旅行、結婚、ネクタイ、スーツ、眼鏡、本、日記、浮気、贈り物、
 クセ、小遣い、心遣い、電話、家具、風呂、酒、一戸建て、女、病気、生、死・・・

 ファッション、マナー、エチケット等、自分の体験をもとに、縦横無尽に語ります。
 私は社会人になって数年後に読んで、その語り口にしびれ、愛読書となりました。

 寿司屋では通ぶってはいけないとか、初めて行った店でカウンターに座るなとか、
 寿司は手で持ってそのまま食ってもいいとか、全てこの本から学びました。

 (ただし今では、寿司を箸で取るというのが、マナーとして確立しつつあります。
 ここに書かれたマナーは、主に昭和時代のものです。時代は少しずつ変わります。)

 そして、所々で語られる人生訓が、さらに印象に残りました。
 私は、男としての生き方の多くを、この本から教えられました。

 「やはり、顔というものは変わりますよ。だいたい若いうちからいい顔というものは
 ない。男の顔をいい顔に変えていくということが男をみがくことなんだよ。」(P22)

 「『自分も世の中に出来る限りは、むくいなくてはならない・・・・・』
 と。それが男をみがくことになるんだよ。」(P129)

 「人生の常識という意味から言っても、いちばんわかっていることなんじゃないか。
 自分が、『死ぬところに向かって生きている・・・』ということが、はっきりわかっ
 ている。あとはわからないんだよ。何がどうなのか。」(P192 )

 先日、パラパラと読み返してみて、とても懐かしく思い出しました。
 現在、作品の関連部分を対照した再編集版も出ています。注文してしまいました!
 

(文庫)新編 男の作法 作品対照版 (サンマーク文庫)

(文庫)新編 男の作法 作品対照版 (サンマーク文庫)

  • 作者: 池波正太郎
  • 出版社/メーカー: サンマーク出版
  • 発売日: 2011/10/18
  • メディア: 文庫



 「男の作法」は座右の書ですが、恥ずかしながら、池波の小説はまだ読んでいません。
 「鬼平犯科帳」「剣客商売」「真田太平記」など、多数の傑作があるのですが。

 さいごに。(贅沢シューアイス)

 娘が買って来た「贅沢シューアイス」を一つもらったら、とてもおいしかった。
 自分で買いたくてセブンイレブンに何度も行きましたが、一度も巡り合いません。

 念のため、他のお店にも行きましたが、やはり品切れでした。
 手に入らないと分かると、余計に欲しくなってしまう。ああ・・・(アホらし)

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