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男のポケット [マナー・エチケット]

 「男のポケット」 丸谷才一 (新潮文庫)


 「男のポケット」は、1975年に「夕刊フジ」に連載した、含蓄あるエッセイ集です。
 丸谷エッセイの代表的な作品であるものの、現在は絶版です。アマゾンで1円。


男のポケット (新潮文庫 ま 2-3)

男のポケット (新潮文庫 ま 2-3)

  • 作者: 丸谷 才一
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1979/05
  • メディア: 文庫



 「男のポケット」には、2ページ半ほどのエッセイが、全100話収録されています。
 歴史・文化から酒・料理まで、あらゆる分野にわたって蘊蓄を傾けたエッセイです。

 「サツマノカミ孝」・・・なぜ電車のただ乗りをそのように呼ぶのか?
 「切り裂きジャック」・・・なぜ「ジャック・ザ・リパー」と呼ぶのか?

 「固まった雨だれ」・・・なぜアントニウスはクレオパトラに惚れたのか?
 「藍関の雪」・・・どのようにして織田信長は一徹を許したのか?

 「『腕くらべ』と『宝島』」・・・カキダシストとキリストとは何か?
 「包む」・・・なぜ「堤中納言物語」はそのような題名なのか?

 次から次に面白い話題が続き、読みだしたら止まりません。
 しかし数ある中で、サイコーなのは「アイスクリーム百杯」でしょう。

 友人の篠田氏が、柔道部時代にアイスクリームを百杯食べた、という話をしました。
 皆が感心し、余韻に浸っている中で、宴の主宰者であるK氏が話したことは・・・

 「よかったのは五回目まででしたな。あとはもう辛いだけでした。・・・最後の一回
 が終るその瞬間、眼の前にパッと火花が散って、人事不省になつたんです。」(P104)

 さて、「男ごころ」も同じ趣向の作品です。短いエッセイが全71話収録されています。
 こちらも現在は、残念ながら絶版です。アマゾンで1円です。


男ごころ (新潮文庫)

男ごころ (新潮文庫)

  • 作者: 丸谷 才一
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1992/08
  • メディア: 文庫



 「男ごころ」は、「男のポケット」に比べて、だいぶ真面目な内容が多いです。
 話題的には、文学や本に関わるものが目立ちました。

 「小を愛す」・・・なぜ日本人は文庫本を愛するのか?
 「岩波文庫の思ひ出」・・・どのような本を丸谷は読んできたのか?

 「テフとドゼウ」・・・どのような表記上のこだわりが丸谷にはあるのか?
 「テンとマル」・・・このことについてどのような考えをもっているのか?

 私が丸谷のエッセイにはまったのは、社会人になって数年後のことでした。
 今からもう25年以上前のことです。だから、もう手持ちの本はボロボロです。

 せめて「男のポケット」だけでも復刊してほしい。
 山口瞳や開高健と同じく、読んでいるうちにクセになるはずです。

 山口瞳 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2017-01-21-1
 開高健 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2017-02-07

 さいごに。(平日夜7時の会議)

 今週は、水曜日に防災会議が、金曜日に体育部会がありました。
 いずれも夜の7時から。ご隠居さん中心にだらだらと始まりだらだらと続きます。

 7時に入るためには、仕事を早く切り上げて、仲間に後を託さなければならない。
 これが大変なのだが、ご隠居さん達にはこの苦労がなかなか伝わらなくて・・・

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知的な痴的な教養講座 [マナー・エチケット]

 「知的な痴的な教養講座」 開高健 (集英社文庫)


 恐るべき博覧強記の著者が、知的で下ネタ満載の教養を伝授してくれます。
 雑誌「プレイボーイ」に連載されたエッセイで、多くの人に読まれました。


知的な痴的な教養講座 (集英社文庫)

知的な痴的な教養講座 (集英社文庫)

  • 作者: 開高 健
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1992/05
  • メディア: 文庫



 開高健が亡くなったのは、私が大学を卒業する直前、1989年の12月でした。
 そのすぐ後にこの単行本が出て、私は初めて氏のエッセイに触れました。

 だから、私にとってこのエッセイは、開高健を象徴する作品なのです。
 そして、若かりし頃の私にとって、開高健は「痴的な教養」の師匠でした。

 サハラ砂漠で死にそうになった黒人の願いを、悪魔はどのように叶えたか?
 25年以上前、私はこの話を読んで、ビデというものを初めて知ったのです。

 この本は、第1章の「小さな死」から、いきなり開高ワールドが展開します。
 そして全50章、外れは一つもありません。どこを読んでも面白い。 

 しかし、その中でも特に印象に残っているのが、第7章の「変態」です。
 ある男が理想的な女性を見つけ、彼女に一つの願いを叶えてもらう話です。

 「あなたを尊敬するがゆえに、〇〇〇〇を飲ませていただきたい。」
 このように誰にも迷惑を掛けなくて、礼儀正しいヘンタイだったら許せます。

 余談ですが、当時、朝一の〇〇〇〇を飲むという健康法が話題となりました。
 そう考えると、そういう嗜好は、それほど変態的ではないのかもしれません。

 第12章の「隣の畑」も忘れられません。
 隣の畑のワインを出したボーイに、旦那が言ったたとえ話がすごいです。

 「君はそっちの畑を舐めるのも好きなのかね?」
 といえば、たいていの男女は想像つくと思いますが・・・

 さて、普通は猥談を読んでいると、あとから虚脱感に襲われるものです。
 しかしこの本は、読んだ後に充実感で満たされます。ここが、スゴイ!

 猥談の一つ一つが、どれも非常に高い教養に裏付けされています。
 実に知性的な猥談集なのです。

 この作品は、文庫本になってから買い、失くしたので買い直しました。
 男子たるもの、どうしても手元に置いておきたい本です。

 さいごに。(ヘンタイはまた現れる?)

 小学校で露出狂騒ぎがあってから、学校も警察も本当にたいへんでした。
 ようやく騒ぎがしずまってきたので、地域の巡回も一段落しそうです。

 ただし詳しい人によると、ヘンタイは近いうちに必ず現れるだろうと言う。
 事件はいずれも未然で防がれて、ヘンタイの欲求は満たされていないから。

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礼儀作法入門 [マナー・エチケット]

 「礼儀作法入門」 山口瞳 (新潮文庫)


 人生の達人である著者が、自身の経験をもとに礼儀作法を伝授してくれます。
 1974年に書かれたものです。好評だったため、続きの応用編も出ています。


礼儀作法入門 (新潮文庫)

礼儀作法入門 (新潮文庫)

  • 作者: 山口 瞳
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2000/03/29
  • メディア: 文庫



続・礼儀作法入門 (新潮文庫)

続・礼儀作法入門 (新潮文庫)

  • 作者: 山口 瞳
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2003/01
  • メディア: 文庫



 最初に著者は、これは礼儀作法の教科書ではなく、副読本であると言います。
 「礼儀正しくしようとして悪戦苦闘する男の苦心談と失敗談」だそうです。

 日常生活や冠婚葬祭など、全24項目で「山口ワールド」が展開されています。
 著者自身の実体験から導き出された提言なので、納得できるものが多いです。

 「品行は悪くてもいい。礼儀作法は知らなくてもいい。しかし、品性は良くし
 なくてはいけない。」(P38)(なるほど!)

 酒の飲み方、箸の上げ下げ、祝辞の仕方、タバコの吸い方、見舞いの仕方、
 スーツの選び方、ネクタイの買い方、帽子の被り方、鞄の持ち方・・・

 と、具体的なことも色々書かれていますが、いずれも一家言があって面白い。
 例えばネクタイについては、次のように書かれています。(P190)

 「ネクタイというものは、女心と同じであって、変幻自在であって、とらえどこ
 ろがない。始末がわるい。そこが多分おもしろいのだろうけれど。
  だから、ネクタイは、値段の高低、色の良し悪し、幅がどうのこうの、柄がど
 うのこうのということは、いっさい関係ない。衝動買いでゆくよりほかはない。」

 衝動買いが良いか悪いかは別として、一理あると思います。
 「いい!」と直感したネクタイを買わないでおくと、後悔することが多いです。

 さて、続編に入っても山口節は健在。というより、ますます磨きがかかります。
 どのページも痛快で、読んでいて楽しいです。

 名刺の使い方、握手のしかた、接待の心得、観客のエチケット、ホテルと旅館、
 嫁選び、性生活、育児法、子の名前、読書、お洒落、通ぶる人、粋について・・・

 なお、山口瞳の魅力満載のエッセイに、「男性自身」シリーズがあります。
 「週刊新潮」に31年間休まず続けたコラムで、ある意味、彼の代表作です。


山口瞳「男性自身」傑作選 中年篇 (新潮文庫)

山口瞳「男性自身」傑作選 中年篇 (新潮文庫)

  • 作者: 山口 瞳
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2003/05/28
  • メディア: 文庫



 ところで山口瞳は、開高健の推薦でサントリーの宣伝部に入ったことは有名です。
 だから、私の中でこの二人は1セットです。

 開高健の「知的な痴的な教養講座」も、非常に魅力のあるエッセイです。
 「痴的」というところがポイントで、若い頃に読んで衝撃を受けました。


知的な痴的な教養講座 (集英社文庫)

知的な痴的な教養講座 (集英社文庫)

  • 作者: 開高 健
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1992/05
  • メディア: 文庫



 さいごに。(お菓子のことで怒られた)

 私が腹ペコで帰って来ると、食卓に洋菓子があったので、食べようとしました。
 しかしそれは、娘が仲良しの友達からもらった、大事なお菓子だったのです。

 「ダメ! パパはお菓子を見ると、全部自分のものだと思っちゃうから困る!」
 確かに私にはそういう所がある。でも、お菓子1つでそんなに怒らなくても・・・

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