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かもめ食堂 [日本の現代文学]

 「かもめ食堂」 群ようこ (幻冬舎文庫)


 ヘルシンキのかもめ食堂において、女三人が織り成すほのぼのとした物語です。
 2006年に映画化されてヒットし、とても高い評価を受けました。


かもめ食堂 (幻冬舎文庫)

かもめ食堂 (幻冬舎文庫)

  • 作者: 群 ようこ
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2008/08/01
  • メディア: 文庫



 「華やかな盛りつけじゃなくていい。素朴でいいから、ちゃんとした食事を食べ
 てもらえるような店を作りたい。」

 そういう店を、フィンランドのヘルシンキに出したいと考えていたハヤシセチエ。
 彼女は38歳にして、一人でヘルシンキに渡り、かもめ食堂を開きました。

 日本アニメ大好き青年のトンミ、あてもなくフィンランドを旅していたミドリ、
 空港で荷物が失われ途方にくれていたマサコ、その他さまざまな客たち ・・・

 私は、この本のカバーイラストのかもめがかわいかったので、購入しました。
 所々のページに、かわいらしい挿し絵も入っています。

 物語もイラスト同様、ほのぼのとしていて、心が癒されました。
 森と湖の国の、ゆったりした時間の流れの中で送る、ささやかだが豊かな生活。

 ところで、この豊かさはサチエの資金によるものだということは見逃せません。
 その資金獲得の仕方が、あまりにも安易だったところが、大きなキズだと思う。

 さて、2006年に上映された映画は、とても評判が良いです。
 上映時間も102分と、とても良心的(?)なので、一度見てみたいと思いました。

 ちなみに、実際に映画で使われたカフェは、現在も営業しているのだとか。
 そして、かもめ食堂ファンの日本人が、多く訪れるのだと言います。


かもめ食堂 [DVD]

かもめ食堂 [DVD]

  • 出版社/メーカー: バップ
  • メディア: DVD



 この本を読むと、おにぎりを食べたくなる、という人が多いようです。
 私はむしろ、むしょうにシナモンロールが食べたくなりました。

 さて、「かもめ食堂」は、群ようこの代表作となっています。
 しかし、彼女はもともとエッセイストでした。

 私の中では、林真理子とイメージが重なります。
 二人とも同年代で、80年代前半に相前後してデビューしているので。

 さいごに。(スカッとするまで待てない)

 最近流行の「スカッとジャパン」を、うちの娘は録画して見ています。
 時々娘と一緒に見るのですが、最初の方はとてもイライラさせられますね。

 登場人物の非常識ぶりに、頭にきてしまい、私は途中でTVを離れます。
 だからいつもスカッとする場面を見られなくて、イライラするばかりです。

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ブエノスアイレス午前零時 [日本の現代文学]

 「ブエノスアイレス午前零時」 藤沢周 (河出文庫)


 山奥のホテルで働く孤独な青年と、耄碌した老嬢との心の触れ合いを描いた中編です。
 芥川賞受賞作です。ちなみに作者は、直木賞作家の藤沢周平とは関わりがありません。


ブエノスアイレス午前零時 (河出文庫)

ブエノスアイレス午前零時 (河出文庫)

  • 作者: 藤沢 周
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2014/10/07
  • メディア: 文庫



 カザマは広告代理店をやめて、山奥の温泉ホテル「みのや」で働いています。
 みのやは大きなダンスホールが自慢で、ダンスの団体客をあてにしています。

 ある団体客に、ミツコという、盲目で、耄碌しかけている老嬢がいました。
 カザマは、もと娼婦で梅毒が回っているというミツコのことが気になります。

 青年も老嬢も、同じような孤独を抱えていました。
 トラブルを経ながらも、タンゴによって2人の心は触れ合って・・・

 「タンゴがもたらす魔法によって、彼もミツコと一緒にブエノスアイレスの
 夢を見ていたのではないか。」(解説より)

 タイトルの「ブエノスアイレス午前零時」は、アルゼンチンの作曲家である
 ピアソラの名曲のタイトルです。この曲は、本当にカッコいい。



 青年と老嬢、一見遠い存在である二人の世界が、しだいに融合してゆく。
 そういう魔力を持った曲だと思います。

 さて、この本にはもう一つ「屋上」という中編も入っています。
 本社から出向して、スーパーの屋上で働く青年の姿を描いています。

 この青年もまた孤独ですが、その孤独な心がポニーに向かって行くのです。
 その結果、「屋上」には救いが無いような気がしました。

 ところで藤沢周は、今年(2017年)6月に上映された「武曲」の原作者です。
 「武曲」(むこく)は剣道小説・剣道映画です。少し気になっています。


武曲 (文春文庫)

武曲 (文春文庫)

  • 作者: 藤沢 周
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2015/03/10
  • メディア: 文庫



 さいごに。(雨だと残念な富士急ハイランド)

 富士急ハイランドのフリーパスは5700円。入場券とアトラクション代込みです。
 ところが当日は雨。絶叫系はみんな運休になってしまいました。

 雨でもOKのアトラクションは少ないし、しかも混んでいるし・・・
 絶凶・戦慄迷宮や、進撃の巨人は、別料金が1000円ずつかかるし・・・

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回転木馬のデッド・ヒート [日本の現代文学]

 「回転木馬のデッド・ヒート」 村上春樹 (講談社文庫)


 何人かの人から話を聞き、ほぼそのまま書き写した8編を集めた短編集です。
 1985年に出た、村上春樹の初期の短編集で、現在講談社文庫から出ています。


回転木馬のデッド・ヒート (講談社文庫)

回転木馬のデッド・ヒート (講談社文庫)

  • 作者: 村上 春樹
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2004/10/15
  • メディア: 文庫



 この短編集のテーマは、冒頭の「はじめに」という前書きで分かります。
 村上は、人生をメリー・ゴーラウンドにたとえて、次のように言います。

 「どこにも行かないし、降りることも乗りかえることもできない。
 誰をも抜かないし、誰にも抜かれない。
 しかしそれでも我々はそんな回転木馬の上で仮想の敵に向けて熾烈な
 デッド・ヒートをくりひろげているように見える。」(P15)

 ぐるぐる回る回転木馬の人生、そこで突然味わうどうしようもない無力感。
 その無力感こそが、この短編集のテーマです。

 「レーダー・ホーゼン」は、若い頃に読んで強烈な衝撃を受けた作品です。
 ある婦人が、ドイツ旅行中、夫の半ズボンを買っているわずかな時間に・・・

 人生の途中で不意に訪れる、不思議で恐ろしい瞬間!
 「え? そういうものなの?」と、独身だった私はとても驚きました。

 「タクシーに乗った男」もまた、忘れられない短編です。
 画廊の女主人が若い頃に、タクシーに乗った男の、平凡な絵を買いました。

 そして彼女はその絵を・・・そして後日アテネで・・・
 そんなバカなと思うと同時に、分かる気がするなと思わせる作品です。

 「今は亡き王女のための」は、この短編集を代表する作品だと思います。
 大事に育てられ、その結果スポイルされた少女と「僕」の物語です。

 彼女はとても美しかったが、僕は一目見たときから彼女が苦手でした。
 ところが、ひょんなことから二人は同じ部屋で寝ることとなり・・・

 上の三作がオススメです。また、「まえがき」も面白いです。
 「プールサイド」も興味深い作品ですが、登場人物が少し鼻につきました。

 ところで村上春樹は、今回もノーベル文学賞を、受賞できませんでした。
 ノーベル文学賞を取るには、世界的になりすぎたような気がします。

 これほどビッグになると、今さらノーベル文学賞を与えにくいのではないか。
 そういう意味で、村上春樹はタイミングを逃してしまったのかもしれません。

 さいごに。(またやってしまった)

 うちの食品庫に、うまい棒が2本あったので、小腹がすいたときに食べました。
 しかし、それは娘が大切にとっておいたお菓子だったのです。

 数日後に娘はそれに気づきましたが、意外なことに全く怒りませんでした。
 こういうことがしょっちゅうあるので、もう諦めているようです。(よかった)

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下流の宴 [日本の現代文学]

 「下流の宴」 林真理子 (文春文庫)


 フリーターの男女とその家族を中心に、格差社会をリアルに描いた物語です。
 毎日新聞に連載された後、2011年にはNHKのTVドラマ化さになりました。



 由美子は、田舎の医者の家に生まれ、今は大企業に勤める夫を持っています。
 中流家庭の主婦というプライドがあり、下流の人々を見下しています。

 ところが、愛する息子の翔はひきこもって高校を中退し、現在はフリーター。
 しかも、家出して女と同棲を始め、結婚すると言い出したのです。

 「子どもがどういう相手と結婚するか、というのは、それまで築き上げた自分
 の家庭の採点を受けるようなものですね。」(P91)

 相手の玉緒もフリーター。このままでは、うちが下流におちてしまう!
 断固反対する由美子。しかし、馬鹿にされた玉緒は・・・

 実に面白かったです。さすが林真理子です。
 「白蓮れんれん」もいいけど、こういう現代小説で本領を発揮しています。

 ただ、最後にもやもやが残りました。翔が、あまりにも情けないではないか!
 玉緒の奮起で翔が変わるだろうと期待していたので、心底がっかりしました。

 意欲も無い、覇気も無い、根性もない、向上心も無い。本当に情けない。
 オマエみたいなヤツが、日本をダメにしてるんだよ、と言いたくなりました。

 「人のやることを見て、励ますなんて、マラソンの沿道で旗ふってるだけの
 人だよ。自分で走らなき ゃ、何の価値もない。」(P361) 本当にそう思う。

 こんなヘナチョコと一緒にいるなんて、玉緒が本当にかわいそうです。
 だから、皮肉なこの結末は、玉緒にとって救いだったのかもしれません。

 さいごに。(町内体育大会)

 今年は学区の体育部長として、全体の運営をしながら、種目に出場しました。
 忙しかった! リレーは今年もアンカーを務めましたが、ビリでした。

 しかし、5年生の娘と、初めて一緒にリレーを走れたので楽しかったです。
 娘は、それほどでもなかったようですが。ビリだったし・・・



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だって、欲しいんだもん! [日本の現代文学]

 「だって、欲しいんだもん!」 中村うさぎ (角川文庫)


 買い物依存症について書いたエッセイです。副題は「借金女王のビンボー日記」。
 中村うさぎの最初の作品で、角川文庫から出ていましたが、現在は絶版です。


だって、欲しいんだもん!―借金女王のビンボー日記 (角川文庫)

だって、欲しいんだもん!―借金女王のビンボー日記 (角川文庫)

  • 作者: 中村 うさぎ
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 1999/01
  • メディア: 文庫



 電話を止められ、ガスを止められ、しかし、買い物はするし、旅行にも行く。
 住み慣れた杉並区を、税金滞納のまま飛び出し、憧れの港区南麻布へ引越し。

 夜逃げ同然にもかかわらず、カーテンに75万円、ソファーセットに90万円。
 シャネル、エルメス等、ブランドを買い漁り、今月の支払いは450万円・・・

 「抱腹絶倒エッセイ」と紹介されていますが、笑えたのは前半だけでした。
 しばしば呆然とし、やがて恐ろしくなり、最後には悲しくなりました。

 本人も病んでいるが、社会も病んでいます。
 アメ ックスよ、年収400万で、毎月の限度額が300万って、どういうことか。

 しかもアメックスよ、限度額を600万円に増やしてどうする?
 「金遣え、金遣え、そして皆で地獄に行こう。」(P119)

 このエッセイでは、浪費ネタはもちろん、シモネタも絶好調です。
 特に「酒と泪(なみだ)とケツの穴」の章は、サイコー(サイテー?)です。

 「(酒を)呑まないんなら、代わりに、ケツの穴を見せてもらおう」
 友人は冗談で言ったはずだが・・・以後、彼女のあだ名は「肛門様」に・・・

 ところで、中村うさぎは、どうして買い物依存症になってしまったのか?
 それは、「うさぎの行きあたりばったり人生」を読むと分かります。

 1994年、シャネルのお店で60万円のコートを買ったとき・・・
 「ありがとうございます」と言って、店員が頭を下げたその瞬間・・・

 この本の最大の欠点は、2000年までのことしか書いてないことです。
 それ以後の人生が面白いのに!

 整形、風俗体験、HK(閉経)B48、心肺停止については書かれていません。
 ゲイの夫のことも書いてありません。ぜひ、増補改訂版を出してほしい。


うさぎの行きあたりばったり人生 (角川文庫)

うさぎの行きあたりばったり人生 (角川文庫)

  • 作者: 中村 うさぎ
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2002/11
  • メディア: 文庫



 さて、私の中で、林真理子と中村うさぎはイメージが重なります。
 二人ともほぼ同世代で、OLからコピーライターを経て成功した作家です。

 また、エッセイで書いている内容も少し似ています。
 林真理子をもっと過激にして、もっと下品にすると、中村うさぎになる?
 「野心のすすめ」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2017-08-13

 さいごに。(LEDから普通の電球へ)

 1~2年前に、高いお金を出して、家の電球の多くをLEDにしました。
 売り手は、「10年もつから高くない」と言っていましたが・・・嘘ばっか!

 LEDの電球が、次から次に切れてしまう。ネットでも、そういう投稿が多い。
 うちでは、LEDが切れたあとには、再び、これまでの安い電球を入れています。

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なんとなく、クリスタル [日本の現代文学]

 「なんとなく、クリスタル」 田中康夫 (新潮文庫)


 東京で暮らす女子大生「由利」の奔放な生活を、442の注釈とともに描いた小説です。
 1980年の最先端の風俗を盛り込み、ブランド小説と呼ばれ、一世を風靡しました。


新装版 なんとなく、クリスタル (河出文庫)

新装版 なんとなく、クリスタル (河出文庫)

  • 作者: 田中 康夫
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2013/11/06
  • メディア: 文庫



なんとなく、クリスタル (新潮文庫)

なんとなく、クリスタル (新潮文庫)

  • 作者: 田中 康夫
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1985/12/01
  • メディア: 文庫



 女子大生兼モデルの由利は、大學生兼ミュージシャンの淳一と同棲しています。
 由利は、ある日気晴らしで、ディスコで知り合った学生とデートして・・・

 「結局、私は、”なんとなくの気分”でいきているらしい。」
 「クリスタルなのよ、きっと生活が。なにも悩みなんて、ありゃしない」

 ストーリーはたわいない。学校さぼって、デートして、ホテルに入って・・・
 しかし、この作品を、唯一無二のものとしているのは、442にわたる注釈です。

 私が読んだ新潮文庫版は、右ページが本文、左ページは注釈となっています。
 註には、当時最先端だった、機器、ブランド、お店、流行等が書かれています。

 ところが、当時の最先端が今では懐かしい。レコードとか、電話(固定)とか。
 「ターンテーブル」は、現代では古すぎて、別の意味で、注釈が必要でしょう。

 この作品は、一橋大学4年だった田中のデビュー作で、芥川賞候補になりました。
 「皮膚感覚を頼りに行動する、今の若者たちが登場する小説」を目指したという。

 そのため、登場人物が身につけているブランドが、次から次に出てきます。
 中村うさぎはこの小説を読んで、シャネルの似合う女になりたいと思ったとか。

 その後、田中は政治家に転身。2000年に長野県知事になり脱ダム宣言をしました。
 当時、私は北アルプスに頻繁に通っていたので、勝手に親近感を抱いていました。

 ところが、田中康夫の作品を読んだことが、一度も無かったのです。
 今回初めてこの作品を読んで、現在の田中康夫とのギャップを楽しめました。

 3年前の2014年には、「33年後のなんとなく、クリスタル」が書かれていました。
 河出書房新社から単行本で出ています。文庫化されたら読んでみたいです。


33年後のなんとなく、クリスタル

33年後のなんとなく、クリスタル

  • 作者: 田中 康夫
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2014/11/26
  • メディア: 単行本



 さいごに。(あいさつ名人)

 娘のクラスでは毎日、一番あいさつが良かった人を、当番が決めるのだそうです。
 それを、「あいさつ名人」と言います。

 当番になるのが嫌だ、あいさつ名人を決めなければならないから、と言っています。
 なにかと気を使うのだとか。適当に指名すればいいと思うのだけど。

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謎解きはディナーのあとで [日本の現代文学]

 「謎解きはディナーのあとで」 東川篤也(とくや) (小学館文庫)


 新米刑事宝生麗子が遭遇した事件を、彼女の執事影山が推理する連作小説です。
 2011年の本屋大賞で、映画化・ドラマ化もされ、第三部まで出ています。


謎解きはディナーのあとで (小学館文庫)

謎解きはディナーのあとで (小学館文庫)

  • 作者: 東川 篤哉
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2012/10/05
  • メディア: 文庫



 宝生(ほうしょう)麗子は、巨大企業「宝生グループ」総帥のお嬢様です。
 彼女はその正体を隠し、国立(くにたち)署の新米刑事として働いています。

 あるアパートの一室から、一人暮らしの若い女性の絞殺体が発見されました。
 その死体はブーツを履いたままなのに、なぜか部屋に足跡が無かったのです。

 殺されたのはほかの場所か? 死後運ばれたのか? では犯人は?
 彼女の元交際相手にはアリバイがあり、捜査が行き詰ってしまったが・・・

 「失礼ながらお嬢様ーーこの程度の真相がお判りにならないとは、お嬢様は
 アホでいらっしゃいますか」 宝生麗子の執事、影山が語る推理は・・・

 全6話が「事件→宝生麗子の行き詰まり→影山の推理」というパターンです。
 それでいて、まったく飽きません。それはおそらくキャラクターの魅力です。

 主人公の宝生麗子の二面性が魅力的ですが、さらに興味深いのが影山です。
 影山はまさに陰の主役。どこか謎めいています。影山の正体は?

 ところで、この作品の特徴は、全て影山の推理で終わっているところです。
 その後の逮捕劇は省略され、逮捕後の犯人たちの言葉もありません。

 私はそこが物足りなかったです。どの犯人も動機が薄いような気がします。
 彼らがどうして殺人を犯すまでに至ったのか、犯人の生の声を聞きたいです。

 さて、この作品はシリーズ化されて、現在第3巻まで出ています。(未読)
 第3巻まで読めば、影山の正体が分かるのか? 本当にただの執事なのか?


謎解きはディナーのあとで 2 (小学館文庫)

謎解きはディナーのあとで 2 (小学館文庫)

  • 作者: 東川 篤哉
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2013/11/06
  • メディア: 文庫



謎解きはディナーのあとで 3 (小学館文庫)

謎解きはディナーのあとで 3 (小学館文庫)

  • 作者: 東川 篤哉
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2015/01/05
  • メディア: 文庫



 さいごに。(浜名湖からの日の出)

 浜名湖旅行で一番印象深かったのは、浜名湖からの日の出です。
 5時30分頃、部屋から直接朝日を拝むことができました。美しかった!

DSCF2990-2.jpg
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なんて素敵にジャパネスク(コミック) [日本の現代文学]

 「なんて素敵にジャパネスク(コミック)1~6」 山内直美・氷室冴子

 【注意】今回は、激しくネタバレしています。


 集英社コバルト文庫から出ている、氷室冴子原作の小説のコミック版です。
 白泉社文庫から全6巻で出ています。

 「なんて素敵にジャパネスク」(集英社コバルト文庫)
 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2017-04-17


なんて素敵にジャパネスク 全6巻 完結セット(白泉社文庫)

なんて素敵にジャパネスク 全6巻 完結セット(白泉社文庫)

  • 作者: 山内 直実
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 2014/09/29
  • メディア: 文庫



 これを読んだ理由は、吉野の君のその後を手っ取り早く知りたかったからです。
 小説版を第二巻までしか読んでいない私は、その後の吉野の君が気になって・・・

 それなら「第三巻以降を読め」と言われそうですが、最近は時間が無い。
 そこで、コミック版で手っ取り早く読んでしまえ、ということになりました。

 では、吉野の君はどうなったのかというと・・・
 結局、最後まで読んでも、分かりませんでした。

 吉野の君は、死んでしまったのか? それとも、生きているのか?
 ファンの間でも、その解釈が分かれているようです。

 素直に考えると、吉野の君は死んでしまったようです。うちの妻も死亡説です。
 吉野山に現れないのがその証拠。瑠璃姫に手紙さえ来ないのは死んだから。

 また、あの重傷で火事場を逃れられるはずがない。車にも乗らなかったわけだし。
 第一、吉野の君の性格から考えて、恥を忍んで生きながらえるとは思えない。

 しかしその一方で、もしかしたら生きているのではないか、と考えてしまいます。
 死体は見つからず、馬が一頭いなくなったのも、逃亡を暗示しているようです。

 では、私はどう考えているか? もちろん、生きていると考えています。
 しかし、その理由を聞かれると困る。ただ、そう願っているだけなので。

 吉野の君が死んでいるとしたら、瑠璃姫があまりにもかわいそうではないか!
 私が吉野の君生存説をとるのは、ただただこの一言に尽きます。
 
 思うに、吉野の君は、馬でどこか遠い場所へ、落ちのびていったのでしょう。
 しかし、自分の罪を自覚している彼は、瑠璃姫に合わせる顔が無いのです。

 今でも彼は、どこか山深い場所で、念仏を唱えているのではないでしょうか。
 と、勝手な想像をしています。

 さて、物語の本編(吉野の君を巡る物語)は、コミック第4巻の前半までです。
 そのあとは、瑠璃姫以外の人物を主人公にしたサイドストーリーです。

 サイドストーリーをいくら読んでも、吉野の君のその後は分かりませんでした。
 私はそれを知らずに読んでいました。でも、それはそれで面白かったです。

 ところで、続編の「なんて素敵にジャパネスク 人妻編」全6巻がありました。
 これを読めば、吉野の君のその後が分かりますか? 誰か教えてください。

 さいごに。(摩訶耶寺)

 お盆明けに夏休みをもらって、奥浜名湖へ行ってきました。
 摩訶耶寺(まかやじ)の仏像と庭園が、良かったです。

 近くの龍潭寺(りょうたんじ)が、直虎ブームで混雑していたのに比べ、
 こちらはひっそりとしていて、蓮の咲く庭も、我が一家の独占状態でした。

DSCF2937-2.jpg

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海の向こうで戦争が始まる [日本の現代文学]

 「海の向こうで戦争が始まる」 村上龍 (講談社文庫)


 海の向こうの街で生きる人々の、怒りの爆発や破壊的衝動を描いた小説です。
 処女作「限りなく透明に近いブルー」に続く作品です。


海の向こうで戦争が始まる

海の向こうで戦争が始まる

  • 作者: 村上 龍
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1980/11/12
  • メディア: 文庫



 「僕」は海辺で、フィニーという水着の女性に出会います。
 フィニーは「僕」に、「あなたの目に町が映っているわ。」と言いました。

 それは、海の向こうにある街。そこには、ごみ漁り少年たち、大佐と愛人、
 衛兵の家族、洋服屋と入院中の母など、様々な境遇の人間がいますが・・・

 この街は本物だろうか? いや、もちろん違うだろう。
 大佐がいたり衛兵がいたり、最後はとんでもないことになるし。

 おそらく、「僕」の目に映るその町は、僕の心が作り上げたものでしょう。
 そして、そこに生きる人々は、「僕」の分身でしょうか。

 彼ら(=「僕」)にあるのは、怒り、お祭り、暴力、破壊、狂気、破滅など。
 「戦争が始まればいい。一度全てを切開して破壊して殺してしまうのだ。」

 では、フィニーはどうか? おそらく彼女も、「僕」の作り上げた存在です。
 結局「僕」は海辺でコカインをやって、幻想にとりつかれているだけなのでは?

 さて、「海の向こうで戦争が始まる」は、意外と高い評価を得ている作品です。
 しかし、私は苦手です。はっきり言って、気持ちが悪い。

 たとえば少年たちと犬の場面。たとえば衛兵の妻の災難の場面・・・
 これを、「美しい」「詩情豊かだ」と言っている人たちには、教えを請いたい。

 この作品は、「コインロッカー・ベイビーズ」につながる作品として重要です。
 次はぜひ、村上龍の代表作「コインロッカーズ・ベイビーズ」を読みたいです。


新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)

新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)

  • 作者: 村上 龍
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/07/15
  • メディア: 文庫



 さいごに。(ルービックキューブ)

 娘は、現在ルービックキューブがブームです。すでに二面揃えることができます。
 娘は私に、色の揃え方を教えてくれるのですが、まったく理解できません。

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野心のすすめ・ルンルンを買っておうちに帰ろう [日本の現代文学]

 「野心のすすめ」 林真理子 (講談社現代新書)
 「ルンルンを買っておうちに帰ろう」 林真理子 (角川文庫)


 「野心のすすめ」は数年前に出ました。「野心」の大切さを訴えて評判になりました。
 「ルンルンを買っておうちに帰ろう」は作者の最初のエッセイで、出世作です。


野心のすすめ (講談社現代新書)

野心のすすめ (講談社現代新書)

  • 作者: 林 真理子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/04/18
  • メディア: 新書



 林真理子に興味がある、と話したら、友人が「野心のすすめ」を勧めてくれました。
 彼いわく、「これを読めば林真理子のことがたいてい分かる」とのことです。

 本当にその通りでした。しかも、面白かったです。
 特に「第三章 野心の履歴書」では、林真理子の半生がつづられていて興味深い。

 容姿に対するコンプレックス、いじめられていた少女時代、不採用通知の束・・・
 どん底から這い上がって、「ルンルンを買っておうちへ帰ろう」で成功するまで・・・

 人生の紆余曲折を乗り越える原動力となったのが、彼女の「野心」です。
 「野心」をもって、とにかくなんでもやってみなければ!

 「やってしまった過去を悔やむ心からはちゃんと血が出て、かさぶたができて治って
 いくけど、やらなかった取り返しのつかなさを悔やむ心には、切り傷とはまた違う、
 内出血のような痛みが続きます。」(P25 )(この表現は素敵すぎる)

 私的に面白かったのは、「野心」と「時間の観念」を結びつけているところです。
 将来の自分を想像し、与えられた時間を意識していることが、大事だと言います。

 逆に現在は、将来の自分が想像できず、与えられた時間が意識できないと言います。
 その背景には、飢え死にせずになんとか生きていける社会がある、と分析しています。

 また、「野心」と「強運」の関係に触れた個所は、自己啓発本以上に面白かったです。
 実体験に基づいているから、とても説得力がありました。

 「自分でちゃんと努力をして、野心と努力が上手く回ってくると、運という大きな輪
 がガラガラと回り始めるのです。一度、野心と努力のコツをつかむと、生き方も人生
 もガラっと変わってくる。」(P63)

 こういう文章を読むうちに、知らず知らず元気になってきます。
 下手な成功本を読むよりも、はるかに多くのエネルギーをもらいました。

 さて、林真理子の人生の転換点が、1982年の「ルンルンを買って」の成功でした。
 とても興味が湧いたので、「ルンルンを買って」も勢いで読んでみました。

 その目次を見ると、「ベッドは、男と女のゴールデンリング」「ブスはやはり差別
 されても仕方ない」「美少年は公共のものです」等、魅力的なタイトルばかりです。

 たとえば、う〇こに向かって「ありがとう、Aさん」と、過去の恋人の名を呼ぶなど、
 とても素敵なお話もありました。林真理子のセンスの良さ(?)を感じます。

 ところが全体的に見ると意外にフツーです。1982年当時はとても新鮮でしたが。
 実は、1999年刊の「美女入門」(角川文庫)も買いましたが、まだ読んでいません。


美女入門 (角川文庫)

美女入門 (角川文庫)

  • 作者: 林 真理子
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2002/03/01
  • メディア: 文庫


 女性のエッセイの中で強烈なのは、中村うさぎの「パリのトイレで・・・」。
 ゲロを吐いたり、うんこをもらしたり、この人は本当にすごい。

 中村うさぎ「パリのトイレでシルブプレ〜〜!」
 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-11-08

 さいごに。(おのれ、ウィンドウズよ) 

 せっかくのお盆休みなのに、タブレットが故障してたいへんでした。
 ウィンドウズが勝手に更新されて、その直後に画面が消えて、電源が入りません。

 修理屋は休みだし、メーカーには電話がつながらないし・・・
 メーカー送りで結構な金額がかかるらしいので、買い替えようかとも・・・

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