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なんて素敵にジャパネスク [日本の現代文学]

 「なんて素敵にジャパネスク」 氷室冴子 (集英社コバルト文庫)


 大納言家のおてんば娘「瑠璃(るり)姫」の愛と冒険を描く、王朝のドタバタ劇です。
 1984年に出ると、またたくまに中高生の間でブームとなり、シリーズ化されました。

 うちにあるのはコバルト文庫の旧版です。カバーのイラストが懐かしいです。
 現在は新装版で読むことができます。


なんて素敵にジャパネスク (集英社文庫―コバルト・シリーズ)

なんて素敵にジャパネスク (集英社文庫―コバルト・シリーズ)

  • 作者: 氷室 冴子
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1984/05
  • メディア: 文庫



なんて素敵にジャパネスク ―新装版― 全10巻完結セット (コバルト文庫)

なんて素敵にジャパネスク ―新装版― 全10巻完結セット (コバルト文庫)

  • 作者: 氷室 冴子
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/02/01
  • メディア: 文庫



 1980年代に、女子中高生を中心に古典ブームを巻き起こした、作者の代表作です。
 高校時代に出ましたが、少女小説のイメージが強くて、当時は読みませんでした。

 うちの妻は、少女時代にこのシリーズを夢中になって読んでいたそうです。
 最近、妻がこの本を懐かしく思い出して、アマゾンで旧版を1円で手に入れました。

 そこで、私もこの機会に、初めて読んでみました。とても面白かったです。
 第一巻には、2つの短編と1つの長編の、全3編が収録されていました。

 「お約束は初めての接吻(キス)での巻」は、瑠璃姫と幼なじみの愛を描いています。
 初恋を忘れられない瑠璃姫は、権少将(ごんのしょうしょう)の策略に乗せられ・・・

 「初めての夜は恋歌で囁(ささや)いての巻」は、瑠璃姫の勘違いを描いています。
 夫となるはずの高彬(たかあきら)が、他の女に歌を贈っているというが・・・

 先の二つも楽しい物語ですが、なんといっても面白いのは、長編の第3話です。
 「初めての夜よ もう一度の巻」は、瑠璃姫が壮大な陰謀に巻き込まれる物語です。

 瑠璃姫の目の前で、弟の融(とおる)が怪しげな男ともみ合い、倒されました。
 男を追っているうちに、ある屋敷に迷い込み、そこで瑠璃姫が耳にしたのは・・・

 融ともみ合ったのは誰だったのか? その者の正体は?
 瑠璃姫が迷い込んだ屋敷は誰のものなのか? そこで聞いた陰謀めいた話の意味は?

 第2話までは、平安朝貴族の姫君の日常生活を中心に描かれていました。
 しかし第3話で、瑠璃姫の活躍の場が大きく広がり、テンションも高まります。

 冒険小説的な要素や、探偵小説的な要素が加わり、瑠璃姫の魅力は一段と輝きます。
 第3話だけ200ページ近くある長編ですが、読み始めたら止まりません。

 さて、「なんて素敵にジャパネスク」はシリーズ化されて、第十巻まで出ています。
 第二巻も非常に面白いです。初恋の吉野の君の謎が、徐々に明かされていきます。

 帝の誘いを断り、太秦に逃げ込んだ瑠璃姫は、意外な人物と出会い・・・
 瑠璃姫の屋敷は、放火によって失われ、その焼け跡で出会った人物は・・・

 瑠璃姫の決めゼリフ「冗談はよしのすけ」に、懐かしさを覚えます。
 この言葉は、当時のクラスの女子がよく使っていました。


なんて素敵にジャパネスク (2) (集英社文庫―コバルト・シリーズ)

なんて素敵にジャパネスク (2) (集英社文庫―コバルト・シリーズ)

  • 作者: 氷室 冴子
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1985/04
  • メディア: 文庫



なんて素敵にジャパネスク〈2〉 (コバルト文庫)

なんて素敵にジャパネスク〈2〉 (コバルト文庫)

  • 作者: 氷室 冴子
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1999/04
  • メディア: 文庫



 コミック版が白泉社文庫から出ています。全6巻を大人買いしてしまいました。
 しかし、読む時間がありません。6冊のコミックは現在、娘に占領されています。


なんて素敵にジャパネスク (第1巻) (白泉社文庫)

なんて素敵にジャパネスク (第1巻) (白泉社文庫)

  • 作者: 山内 直実
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 1997/09
  • メディア: 文庫



 さいごに。(車はベンツかって? 冗談はよしのすけ!)

 「車はベンツですか」と聞かれました。いいえ、ダイハツのミラジーノです。
 実は、新しい職場の駐車スペースの隣に、朝早くからベンツが置いてあります。

 私の車は小さいから、ベンツにすっぽりと隠れてしまいます。
 だから、仕事場から見ると、私がベンツから出てくるように見えるようです。

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おもいでエマノン [日本の現代文学]

 「おもいでエマノン」 梶尾真治 (徳間文庫)


 地球に生命が発生してから現在までのすべての記憶を持つ女「エマノン」の物語です。
 作者の人気のエマノンシリーズです。「おもいでエマノン」ほか全8編の短編集です。


おもいでエマノン: 〈新装版〉 (徳間文庫)

おもいでエマノン: 〈新装版〉 (徳間文庫)

  • 作者: 梶尾 真治
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2013/12/06
  • メディア: 文庫



 1967年、「ぼく」は九州放浪の帰りの船で、不思議な少女と知り合いました。
 「私は地球に生命が発生してから現在までのことを総て記憶しているのよ」

 そう語る彼女は、エマノンと名のりました。ノー・ネームの逆さ綴りです。
 「私の祖先は常に系統発生の最先端にいたっていうことになるのね。」

 エマノンの存在意義は? エマノンの持つ役割は? 第一、本当の話なのか?
 目が覚めるとエマノンの姿はなくて・・・13年後に再会した彼女は・・・

 突拍子もないアイディア、エマノンの鮮烈な印象、結末の切ない余韻・・・
 冒頭の『おもいでエマノン』は、30ページ余りですが、忘れられない作品です。

 ラストを飾る『あしびきデイドリーム』もまた、印象に強く残る作品です。
 布川という青年のもとに、突然現れて突然消えていった少女にまつわる物語です。

 6年後、エマノンの手引きで、少女の故郷にやってきた布川が見たものは・・・
 自分が会っていた時には、すでに少女は死んでいた?・・・

 30ページ余りの中に、映画「君の名は。」のアイディアが、凝縮されています。
 なぜ「君の名」を忘れたのか、その答えがこの作品中に暗示されています。

 『たそがれコンタクト』では、予知能力を持つ男子が登場します。
 ヒデノブの未来の記憶と、エマノンの過去の記憶が交差した時、悲劇が・・・

 『しおかぜエヴォリューション』では、植物界のエマノン的存在が登場します。
 原油備蓄基地建設現場に出現した、奇妙な植物群は何だったか?・・・

 これら作品の魅力の大きな部分は、エマノンというキャラクターの魅力にあります。
 一度会ったら忘れられない女性です。だからシリーズ化されたのでしょう。


さすらいエマノン

さすらいエマノン

  • 作者: 梶尾 真治
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2014/01/08
  • メディア: 文庫



まろうどエマノン (徳間文庫)

まろうどエマノン (徳間文庫)

  • 作者: 梶尾 真治
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2014/02/07
  • メディア: 文庫



ゆきずりエマノン (徳間文庫)

ゆきずりエマノン (徳間文庫)

  • 作者: 梶尾 真治
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2014/03/07
  • メディア: 文庫



うたかたエマノン (徳間文庫)

うたかたエマノン (徳間文庫)

  • 作者: 梶尾 真治
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2016/11/02
  • メディア: 文庫



 さいごに。(新しい職場)

 年度末に転勤が決まって、明日4月3日の月曜日からは、新しい職場に移ります。
 引継ぎを大急ぎで完了しました。新しい職場には、少しずつ慣れていきたいです。

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君の名は。 [日本の現代文学]

 「小説 君の名は。」 新海誠 (角川文庫)


 東京の男子「瀧」と田舎の女子「三葉」の、夢の中の入れ替わりをめぐる物語です。
 説明は不要でしょう。2016年に大ヒットした同名のアニメ映画の小説版です。


小説 君の名は。 (角川文庫)

小説 君の名は。 (角川文庫)

  • 作者: 新海 誠
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
  • 発売日: 2016/06/18
  • メディア: 文庫



 東京の男子高校生「瀧(たき)」は、ある朝、田舎の女子高校生になっていました。
 田舎の女子高校生「三葉(みつは)」は、東京の男子高校生になっていました。

 最初は、これを夢だと思っていますが、やがて入れ替わっていることに気付きます。
 そしてスマホに、お互いにメモを残して、情報を交換し合いますが・・・

 突然入れ替わりが途絶えたのはなぜか?
 会おうとしても会えないのはどうしてか?

 彗星の接近とともに、しだいに明かされる驚愕の真実!
 切ない展開! そして、感動の結末!

 この物語の魅力の一つは、神事が彗星到来に関わるというアイディアにあります。
 時空を超えた壮大な話に、私はどんどん引き込まれていきました。

 そして、もう一つの魅力は、新海誠特有の切なさにあると思います。
 胸を優しく締め付けられるような切なさに、いつまでも包まれていたくなります。

 「世界がこれほどまでに酷い場所ならば、俺はこの寂しさだけを携えて、
 それでも全身全霊で生き続けてみせる。」(P207)・・・いいなあ。

 ところでこの切なさは、「記憶の喪失」と深く関わっています。
 なぜ、記憶が無くなったのか? なぜ、「君の名」を忘れてしまったのか?

 すでに多くの人が、ネットで解説しています。
 私は、HP「はにはにわ。」の【君の名はネタバレ解説】を読んで納得しました。

 小説も映画も名作です。(と、映画を見ていないくせに断言してしまう。)
 ぜひ映画も見たいです。(と、今さらながら思ってしまう。)

 ところで「君の名は。」は、古典「とりかへばや物語」からヒントを得たそうです。
 文春文庫の田辺聖子訳を買っておきながら、まだ読んでいませんでした。


とりかえばや物語 (文春文庫 た 3-51)

とりかえばや物語 (文春文庫 た 3-51)

  • 作者: 田辺 聖子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2015/10/09
  • メディア: 文庫



 さいごに。(ダイヤモンドゲームが得意)

 うちでダイヤモンドゲームがブームです。三人家族なのでちょうどいいゲームです。
 適当にコマを動かしているだけなのに、不思議といつも私が勝つのです。

 女子よりも男子の方が、空間把握能力が高いからか?(相手は妻と娘なので)
 おそらく、まだ二人がそれほどゲームに慣れていないだけなのだと思いますが・・・


キングダイヤモンド

キングダイヤモンド

  • 出版社/メーカー: ハナヤマ
  • メディア: おもちゃ&ホビー



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美亜へ贈る真珠 [日本の現代文学]

 「美亜へ贈る真珠」 梶尾真治 (ハヤカワ文庫)


 「時間と恋愛」をテーマにしたSF作品の原点となった、全8編の短編集です。
 「君の名は。」等で注目される「時尼に関する覚え書」が、収録されています。

 昨年2016年に話題になったため、ハヤカワ文庫から新版が出ました。
 長い間文庫では読めなかった作品ばかりなので、とても嬉しいです。


美亜へ贈る真珠 〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)

美亜へ贈る真珠 〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)

  • 作者: 梶尾真治
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2016/12/20
  • メディア: 文庫



 『時尼(じにぃ)に関する覚え書』は、出会うたびに若返る女性を描いた物語です。
 保仁(やすひと)は、会うたびに若返る時尼に、どんどん惹かれていき・・・

 「時尼」とは何者か? 「そときびと」とは何か?
 保仁と時尼には、いったいどんなつながりがあったのか?

 わずか40ページ足らずの中に、驚きと感動がぎゅっと詰まっています。
 今後も多くの作品に影響を与え続ける、古典的な傑作だと思います。

 「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」のアイディアが、全て含まれています。
 この作品を読んだ人が、「ぼくは明日、」に厳しくなる気持ちが理解できました。

 ほか、次の7編収録です。『美亜へ贈る真珠』『詩帆が去る夏』『梨湖という虚像』
 『玲子の箱宇宙』『”ヒト”はかつて尼那を・・・』『江里の”時”の時』『時の果の色彩』

 『美亜へ贈る真珠』は、「SFマガジン」に載って作者のデビュー作となりました。
 航時機内の時間の流れは8万5000分の1で、中の1秒は外の1日にあたり・・・

 『梨湖という虚像』は、亜高速で星間を飛び交う男と、梨湖という女の物語です。
 梨湖は亡き婚約者を忘れられず、遠い惑星のコンピュータの中に、彼を再現し・・・

 『時の果の色彩』は、奇妙な時間仮説に基づく、異色のタイムマシンものです。
 時の波の長さは38年で、今を中心にプラスマイナス19年間が移動できる範囲で・・・

 梶尾真治の代表作は、映画化された「黄泉がえり」でしょうか。
 私は、「エマノン」シリーズが気になっています。


黄泉がえり (新潮文庫)

黄泉がえり (新潮文庫)

  • 作者: 梶尾 真治
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2002/11/28
  • メディア: 文庫



おもいでエマノン: 〈新装版〉 (徳間文庫)

おもいでエマノン: 〈新装版〉 (徳間文庫)

  • 作者: 梶尾 真治
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2013/12/06
  • メディア: 文庫



 タイムマシンものの傑作「たんぽぽ娘」(R・F・ヤング)が復刊されていました。
 これは、以前「ビブリア古書堂の事件手帖」で登場し、注目されていた作品です。


たんぽぽ娘 (河出文庫)

たんぽぽ娘 (河出文庫)

  • 作者: ロバート・F・ヤング
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2015/01/07
  • メディア: 文庫



 さいごに。(誰に似た?)

 「パパ、こっちに来て!」と、娘の声。
 「威張った言い方をするんじゃない!」と、ママさんが注意した。ここまではいい。

 ところが、「あの言い方は、誰に似たんだろうねえ」というママさんに私はびっくり。
 「あんたの言い方にそっくりじゃないか」なんて、言えない言えない。

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時をかける少女・ねらわれた学園 [日本の現代文学]

 「時をかける少女」 筒井康隆 (角川文庫)


 突然タイム・リープの能力を手に入れた少女が、謎を解くために冒険する物語です。
 初期の作品ですが、何度も映画化・ドラマ化され、古典的名作と見なされています。


時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫)

時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫)

  • 作者: 筒井 康隆
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2006/05/25
  • メディア: 文庫



 ある日の放課後、中学3年生の芳山和子は理科室で倒れて、意識を失いました。
 翌朝、和子は車にはねられそうになった瞬間、前日の朝のベッドの中にいました。

 和子は無意識のうちに、テレポーテーションとタイム・リープをしていたのです。
 どうして? 和子は戸惑い、不安になります。もう普通に戻れないのか?

 様々な疑問を解くため、担任の先生が出した解決策は・・・
 そして、謎を握っていた意外な人物とは・・・

 私にとって、「時をかける少女」といったら、原田知世です。
 1983年上映の同名映画では、ショートカットで、清楚な魅力にあふれていました。

 当時この原作小説を、原田知世を頭にイメージして、ワクワクしながら読みました。
 私は高校1年生でした。読書の楽しみを覚え始めた頃の、懐かしい読書体験です。

 映画も小説も、最後にとても甘く切ない余韻を残していました。
 原田知世が歌うテーマソングも、微妙に下手なところが、心にじわりときました。

 その後は、南野陽子のドラマ、内田有紀のドラマ、中本奈々の映画、
 安倍なつみのドラマ、劇場版アニメ、仲里依紗の映画、昨年の土曜ドラマ・・・

 と、何回もドラマ化・映画化を繰り返し、今では古典的名作と見なされています。
 その魅力は、なんといっても、青春と恋の、甘く切ない余韻にあると思います。

 この本にはほかに、「悪夢の真相」と「果てしなき多元宇宙」が入っています。
 前者は恐怖症を題材にした小説で、後者は多元宇宙論を題材にした小説です。

 どちらも当時は、新鮮な作品だったのでしょう。
 しかし、表題作がとても印象的なので、他は「おまけ的」な感じになっています。

 ところで、私にとってこの作品は、眉村卓の「ねらわれた学園」とセットです。
 こちらも学園もののSF小説で、角川映画です。主演は薬師丸ひろ子でした。


ねらわれた学園 (講談社文庫)

ねらわれた学園 (講談社文庫)

  • 作者: 眉村 卓
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/09/14
  • メディア: 文庫



 中学校の支配をねらう生徒会と、それに対抗する生徒たちの物語です。
 しかし、生徒会長はただ者ではなく、謎の男がバックに付いています。

 ある夜、生徒会長と謎の男は、不思議な力を見せつけて・・・
 彼らは何者なのか? 何を企んでいるのか?・・・

 1981年に映画が上映されて、薬師丸ひろこがアイドルの地位を確立しました。
 私は中学二年の時この映画を見て、薬師丸ひろ子の大ファンになりました。

 その後、角川文庫から出ていた原作を、ワクワクしながら読みました。
 映画とストーリーが微妙に違っていて、小説は小説で楽しめました。

 本のカバーは、薬師丸ひろこの顔写真を大写しにした涙モノの一品です。
 あの懐かしい本は、ぼろぼろになって、いつのまにか無くなっていました。

 翌1982年に、今度は原田知世主演で、TVドラマ化されました。
 その後、何度も映像化され、今では古典的な名作と見なされています。


ねらわれた学園

ねらわれた学園

  • 作者: 眉村 卓
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 1998/06
  • メディア: 文庫



 さいごに(オレが悪いのか?)

 娘がスナック菓子を食べていて、袋に残ったカスを大口開けて流し込んでいました。
 「お行儀が悪い!」とママさん。「だっていつもパパがやってるんだもん。」と娘。

 「パパがやるからこの子が真似するのよ!」
 このように、意外な方向から鉄砲の弾が飛んでくることが、時々あります。

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ぼくは明日、昨日のきみとデートする [日本の現代文学]

 「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」 七月隆文 (宝島社文庫)


 20歳の男女の甘く切ない愛と宿命を描いた、SFファンタジー小説です。
 2014年に宝島社文庫から出て、マンガ化・映画化されて話題となりました。


ぼくは明日、昨日のきみとデートする (宝島社文庫)

ぼくは明日、昨日のきみとデートする (宝島社文庫)

  • 作者: 七月 隆文
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2014/08/06
  • メディア: 文庫



 京都の美大に通う南山高寿は、叡山電車で美しい女性を見かけ、声を掛けました。
 「メ、メアド教えてくださいっ」「一目惚れしました!」

 二人はそのまま宝ヶ池を一緒に散歩しました。彼女の名前は福寿愛美(えみ)。
 別れ際に「また会える?」と高寿が聞いた途端、彼女は泣き出してしまいました。

 二人は付き合い始めましたが、高寿はふと違和感を覚えることがあり・・・
 実は、愛美にはとても重要な秘密があって・・・

 「陽だまりの彼女」同様、とても甘くて切ない余韻が残りました。
 会えば会うほどすれ違い、過ぎた時間をかけがえのないものに感じていきます。

 しかし、「ぼくたちはすれ違ってなんかいない」と高寿・愛美は言います。
 「端と端を結んだ輪になって、ひとつにつながってるんだ」(P241)と。

 まさにその通りで、最後まで読み終わるとまた最初から読み返したくなります。
 もし映画を見たら、最初の出会いの場面で、もう泣いてしまいそうです。

 さて、この小説の魅力の一つに、タイトルの不思議さがあります。
 愛美の秘密が分かると、タイトルの意味も分かり、数々の謎が解ける仕掛けです。

 ところで、アマゾンのレビューを読むと、意外と厳しい評価があるようです。
 特に、梶尾真治の「時尼に関する覚え書」と似ているという指摘が目立ちます。

 梶尾真治のファンには、パクリのように感じるようです。
 「時尼」もハヤカワ文庫本に収録されているので、この機会に読みたいです。


美亜へ贈る真珠 〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)

美亜へ贈る真珠 〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)

  • 作者: 梶尾真治
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2016/12/20
  • メディア: 文庫



 さいごに。(タラレバ)

 10歳の娘は、毎週「タラレバ娘」を録画して見ています。
 このドラマには、どーしよーもない男たちが出てきます。

 「こういう男に引っかかっちゃダメだぞ」と、私が真剣に言ったら、
 「パパ、静かに見ようね」と、言われてしまいました。

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陽だまりの彼女 [日本の現代文学]

 「陽だまりの彼女」 越谷オサム (新潮文庫)


 10年ぶりに会った男女の恋愛小説であり、猫を巡るファンタジーでもあります。
 「女子が男子に読んでほしい恋愛小説No.1」として売れ、映画化もされました。

 2011年に新潮文庫から出て話題となり、中年男性にも読まれたといいます。
 しかし、このカバーイラストだと、我々おじさん軍団が手に取るのは厳しい。


陽だまりの彼女 (新潮文庫)

陽だまりの彼女 (新潮文庫)

  • 作者: 越谷 オサム
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2011/05/28
  • メディア: 文庫



 交通広告代理店の奥田浩介は、顧客との打ち合わせで渡来真緒と再会しました。
 10年ぶりに出会った真緒は、以前とは見違えるほど美しく輝いていました。

 中学生のころの真緒は、極端に勉強ができなかったためいじめられていました。
 浩介が、真緒をかばってあげたことで、真緒になつかれるようになったのです。

 再会してからの二人は急速に接近し、両親の許可も得ずに・・・
 しかし真緒には、ある重大な秘密があって・・・

 実は先に映画を見ました。昨年のTV放送の録画を、先日娘と一緒に見たのです。
 どうせ子供向けかだろうと高をくくっていたら、不覚にも感動してしまいました。

 甘くて美しくて、せつなすぎる作品世界に、すっかり没入してしまいました。
 特に、上野樹里の不思議ちゃん的な演技が、印象に残りました。

 江ノ島の婆さんは何者か? どのように変身したのか? 最後の場面の意味は?
 原作を読めば、さまざまな疑問が解けるかもしれないと期待していたのですが・・・

 なんと小説の方も、映画に負けず劣らず、突っ込みどころ満載だったのです。
 結局どうやって変身できたのか? 最後の場面はハッピーエンドなのか?

 原作では、江ノ島も江ノ島の婆さんも登場しなかったし!
 とりわけラストシーンが全然違ってるし!

 ということで、原作を読んで、さらに分からなくなりました。
 その一方で、大筋が分かっていながらも、また泣きそうになってしまいました。

 映画と小説では、展開も結末も微妙に違いますが、どちらも良かったです。
 特に若い人たちとネコ好きに薦めたい小説だと思いました。

 今後、「素敵じゃないか」を聞くたびに、真緒を思い出しそうです。
 ビーチボーイズの「ペットサウンズ」には名曲「神のみぞ知る」も入っています。


ペット・サウンズ<50周年記念デラックス・エディション>

ペット・サウンズ<50周年記念デラックス・エディション>

  • アーティスト: ブライアン・ウィルソン,ブライアン・ウィルソン,トニー・アッシャー,マイク・ラヴ
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
  • 発売日: 2016/06/17
  • メディア: CD



 映画のラストは、どこか「時をかける少女」に似たところがありました。
 いったいどんなふうにして、人々の記憶を・・・


時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫)

時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫)

  • 作者: 筒井 康隆
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2006/05/25
  • メディア: 文庫



 現在上映中の映画で、気になっているものが2つあります。
 「君の名は」と「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」です。原作を読みたい。


小説 君の名は。 (角川文庫)

小説 君の名は。 (角川文庫)

  • 作者: 新海 誠
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
  • 発売日: 2016/06/18
  • メディア: 文庫



ぼくは明日、昨日のきみとデートする (宝島社文庫)

ぼくは明日、昨日のきみとデートする (宝島社文庫)

  • 作者: 七月 隆文
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2014/08/06
  • メディア: 文庫



 さいごに。(スイーツラン)

 日曜日に出るスイーツランというのは、2.5キロの周回コースを好きなだけ走り、
 給水所ならぬ「給スイーツ所」で、スイーツを7つまで食べられるという大会。

 これまで娘に色々なマラソン大会に誘って、そのたびに断られてきたのですが、
 「これなら出てもいい」と言ってくれたので、ふくらはぎを治して絶対出たい。

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イン ザ・ミソスープ [日本の現代文学]

 「イン・ザ・ミソスープ」 村上龍 (幻冬舎文庫)


 性風俗ガイドの青年が奇怪なアメリカ人と、恐怖の3日間を過ごした物語です。
 1997年に読売新聞で連載中、神戸連続児童殺傷事件があって話題となりました。


イン ザ・ミソスープ (幻冬舎文庫)

イン ザ・ミソスープ (幻冬舎文庫)

  • 作者: 村上 龍
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 1998/08
  • メディア: 文庫



 ケンジは、外国人を相手に、新宿で性風俗ガイドをしている二十歳の青年です。
 フランクというアメリカ人に、12月29日から31日までのガイドを依頼されました。

 フランクは35歳で、顔の皮膚はどこか人工的で、奇妙な印象でした。
 また、彼の話はつじつまが合わず、嘘ばかり言っているようでした。

 ケンジはなぜか、前日発見された女子高生のバラバラ死体を思い出しました。
 不安に駆られたまま、ケンジはフランクを新宿歌舞伎町に案内しますが・・・

 なるほど、村上龍がホラーを書くとこうなるのか、と妙に納得しました。
 殺人鬼は怖いけど、それ以上にむなしさや寂しさを感じました。

 それは、殺される側が持っていた、むなしさや寂しさのせいかもしれません。
 そして死んでいく彼らは、現代の日本を象徴しています。

 「みんな誰かに命令されて、ある種類の人間を演じているだけのようだった。
 おれはあの連中と接しながら、こいつらのからだには血や肉ではなくて、ぬい
 ぐるみのようにおがくずとビニールの切れ端がつまっているのではないかと思
 って、ずっと苛立っていた。」(P211)

 そういう奴隷のような生き方をしている連中が、新宿に集まっていました。
 掃きだめと化したこの街は、それを一掃する誰かを必要としていました。

 その役割をむりやり担わされたのが、フランクだったのかもしれません。
 彼らを殺戮するフランクは、日本が招いた悲しいモンスターかもしれません。

 殺戮の後、フランクが自分のことを切々と語る場面は、寂しい感じがしました。
 そのときのフランクは、殺人鬼というよりも、ただの孤独な人間でした。

 ひょっとしたら、異常なのはフランクではなく、日本人の方かもしれません。
 お見合いパブにいた人々(特にマキ)は、確かに歪んでいたと思います。

 そのほかにも、この作品の随所から、日本批判の言葉が聞こえてきます。
 次のような言葉が、私には印象に残りました。

 「普通に生きていくのは簡単ではない。親も教師も国も奴隷みたいな退屈な生
 き方は教えてくれるが、普通の生き方というものがどういうものかは教えてく
 れないからだ。」(P93)

 さいごに。(不審者現る)

 小学校から不審者情報が回ってきました。この寒い中、現れたのは露出狂です。
 うちの近所にも出没したので、昨日はママが娘を迎えに行きました。

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走ることについて語るときに僕の語ること [日本の現代文学]

 「走ることについて語るときに僕の語ること」 村上春樹 (文春文庫)


 熱心な市民ランナーでもある著者が、走ることについて存分に語ったエッセイです。
 走ることについて語りながら、小説家としての自分を語る個人史にもなっています。


走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)

走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)

  • 作者: 村上 春樹
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2010/06/10
  • メディア: ペーパーバック



 「走ることは、僕がこれまでの人生の中で後天的に身につけることになった数々の
 習慣の中では、おそらくもっとも有益であり、大事な意味を持つものであった。」

 そう語る村上春樹は、1週間に60キロを走り、年に一度フルマラソンを走ります。
 走り始めたのは1982年で33のとき。小説家として本格的に活動し始めた時期です。

 だから、著者にとって走ることと小説を書くことは、密接な関係があります。
 走ることを語りながら、書くことについても語っていて、そこが実に興味深い。

 特に第2章「人はどのように走る小説家になるのか」は、面白かったです。
 小説を書いたきっかけや、小説家としての苦労なども書かれています。

 「鑿(のみ)を手にこつこつと岩盤を割り、穴を深くうがっていかないと、
 創作の水源にたどり着くことができない。」(P69)と村上春樹は言います。

 鑿で岩を割り続けることと、ひたすら走り続けることは、ある意味で似ています。
 彼が勤勉でストイックで、根気強く努力している作家だということが分かります。

 古代ギリシャロード、ウルトラマラソン、トライアスロンについても書いてます。
 が、印象に残っているのは、日ごろ感じていることをそのままつづった部分です。

 「与えられた個々人の限界の中で、少しでも有効に自分を燃焼させていくこと、それが
 ランニングというものの本質だし、それはまた生きることのメタファーでもあるのだ。」

 なるほど、走ることを説明するとき、こういう言葉で説明すればいいのか・・・
 村上春樹の言葉選びのセンス、文章のうまさが、とてもよく表れています。

 この本を読んでいるうちに、走り出したくなってきました。
 そんなふうに、ランナーの心を心地よく刺激し、やる気にさせてくれる本です。

 さいごに。(娘のTV録画は・・・)

 娘は、年末・年始に多くの特番を録画し、土日に少しずつ見ています。
 「パパも一緒に見よう。おもしろいよ。」と言われて、一緒に見てみると・・・

 ものまねやコントはまだいい。でもドッキリは! いったい何が面白いのか?
 バカバカしいイタズラに怒っていると、「あっちに行って」と言われてしまった。

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風が強く吹いている [日本の現代文学]

 「風が強く吹いている」 三浦しをん (新潮文庫)


 素人ばかりの寄せ集め陸上部員たちが、箱根駅伝で頂点を目指す物語です。
 2007年本屋大賞の3位に入り、コミックや映画にもなりました。


風が強く吹いている (新潮文庫)

風が強く吹いている (新潮文庫)

  • 作者: 三浦 しをん
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2009/06/27
  • メディア: 文庫



 ある日、清瀬灰二は蔵原走(かける)と出会い、同じ下宿を紹介しました。
 そこに住むのは、同じ寛政大学に籍を置く、個性あふれる学生たちでした。

 清瀬は、走を入れて10人になった下宿人を一堂に集めて、宣言しました。
 『俺たちみんなで、頂点を目指そう』『目指すは箱根駅伝だ』・・・

 ここまで読んで「なんじゃこれ」と思いました。「箱根を知らんのか」と。
 「5000mを17分」とか軽々しく言ってるし。「陸上を知らんのか」。

 ところがところが、アマゾンのレビューを読んでみると・・・
 箱根を走った人や、目指していた人が、この小説を絶賛しているのです!

 そこで私は、騙されたつもりで読み進めました。
 すると不思議と、「これもありかな」と思えてきたのです。

 やがて設定の無謀さなど気にならなくなるくらい、物語に没入しました。
 箱根の場面では、手に汗握り、何度も涙しそうになりながら読みました。

 わずか10人のチームが、予選会を突破して、箱根駅伝に出場する。
 しかも、そのうち8人はずぶのシロウトで・・・

 ありえない。でももし本当に、こんなチームがあったら!
 我々は、寛政大学のメンバーたちに、夢とロマンを見たのだと思います。

 物語の所々で、印象的な言葉に出会いました。
 こういう言葉は、綿密な取材をしなくては、なかなか出てきません。

 「これはなんて原始的で、孤独なスポーツなんだろう。だれも彼らを支える
 ことはできない。・・・あのひとたちはいま、たった一人で、体の機能を全
 部使って走り続けている。」(P306)

 「たとえ俺が一位になったとしても、自分に負けたと感じれば、それは勝利
 ではない。タイムや順位など、試合ごとにめまぐるしく入れ替わるんだ。・・
 ・そんなものではなく、変わらない理想や目標が自分のなかにあるからこそ、
 俺たちは走りつづけられるんじゃないのか」(P327)

 作者は、選手のことを、よく分かっているではないか!
 走がゾーンに入るところなどは、読んでいてしびれました!

 ただし、ひとつ欲を言えば、榊との和解の場面がほしかったです。
 最後まで東体大の榊は、器の小さいつまらない選手として描かれています。

 もし榊の苦悩と成長が少しでも入っていたら、更に味わい深くなったはず。
 私には榊の悔しさが分かる気がするし、それほど悪い奴には思えないです。

 さて、今年の箱根も数々のドラマと感動がありました。
 調子が悪くて泣きながら走る選手、たすきをつないで倒れ込んでいる選手。

 その中で、往路&総合優勝した青山学院大学はさすがです。
 また、地元出身の選手が出ると、ついつい応援に力が入ってしまいました。

 私はこれまでに、三浦しをんの小説を、ほかにも二つ紹介しました。
 しかし「強い風が吹いている」こそが、彼女を代表する傑作だと思います。

 「まほろ駅前多田便利軒」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08
 「舟を編む」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2015-12-25

 余談ですが、この小説を読むと、走るとはどういうことか知りたくなります。
 そこで衝動買いしたのが、「走ることについて語るときに僕の語ること」。


走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)

走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)

  • 作者: 村上 春樹
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2010/06/10
  • メディア: ペーパーバック



 村上春樹は、マラソンに凝っていることでも知られています。
 彼がどんなことを語ってくれるのか、とても楽しみです。

 さいごに。(今日から学校)

 娘は今日から登校です。私も今日から出勤です。お正月休みもおしまい。
 ゆうべは、娘と私と二人してブルーになっていました。

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