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イソップ寓話集 [古代文学]

 「イソップ寓話集」 塚崎幹夫訳 (中公文庫)


 古代ギリシアのアイソーポスが語ったと伝えられる、様々な寓話を集めたものです。
 時代を経るに従って、多くの寓話が加えられ、世界中に広まっていきました。

 現在「イソップ寓話集」の決定版は、1999年刊の岩波文庫新訳版でしょう。
 411ページに471話を収録しています。訳はとても分かりやすいです。


イソップ寓話集 (岩波文庫)

イソップ寓話集 (岩波文庫)

  • 作者: イソップ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1999/03/16
  • メディア: 文庫



 私が学生のときは、1987年刊の中公文庫版が「新訳決定版」とされていました。
 358話を細かく分類して収録しています。しかし、現在は絶版です。


新訳 イソップ寓話集 (中公文庫)

新訳 イソップ寓話集 (中公文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 中央公論社
  • 発売日: 1987/09
  • メディア: 文庫



 「カメとウサギ」「キツネとブドウ」「肉をくわえた犬」「アリとハト」
 「セミとアリ」「ライオンと恩返ししたネズミ」「野ネズミと家のネズミ」
 「悪ふざけをする羊飼い」「北風と太陽」「塩を運ぶロバ」・・・

 これらの寓話は、一度は聞いた事がある話ばかりだと思います。
 が、それはイソップ寓話のほんの一部。初めて聞く話が次から次に出てきます。

 358話もあるので、最初からひとつひとつ読んでいくと、飽きてしまいます。
 気まぐれにぱらぱらページをめくりながら、気まぐれに読んでいくのが正しい。

 ちなみにマイ・ベストは「守銭奴」(P60)です。
 わずか12行の物語ですが、ちょっとした小説になりそうです。

 「守銭奴が全財産を金に換え、金塊を作り、ある場所にうずめた。彼はそれと
 同時に心も気力もそこにうずめたのであった。・・・」

 金塊を盗まれた守銭奴が嘆くのを見て、ある人は何と言ったか?
 そしてその人は、どのような提案をしたのか?

 ついでながら、「ビーバー」(P49)も面白いです。
 人々はなぜビーバーを追うのか? ビーバーはいかにして逃げのびるのか?

 さて、中公文庫版の特徴は、明らかにイソップ作でない話を排除している点です。
 訳者はイソップに対するこだわりが強い。その思いが「はじめに」に出ています。

 作者は、「イソップ寓話」は、奴隷であったイソップの、反抗の書であると言う。
 そして、管理社会で生きる我々自身もまた奴隷である、と・・・
 (そう言われると、なんかイソップに親近感を持ってしまいます。)

 さいごに。(4×100mリレーチーム銅メダル)

 世界陸上が終って楽しみが無くなりましたが、寝不足も無くなりました。
 最も感動したのは、4×100Mリレーの日本チーム銅メダル獲得です。
 
 ケンブリッジを外して、タイムで劣る藤光を入れた。この判断がスゴイ!
 藤光はベテラン。ぎりぎりのバトンをやってのけ、3位に食い込みました。

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古代文学のベスト20を選びました2 [古代文学]

 前々回、古代文学のベスト20を、独断で次のように選びました。
 古代文学ベスト20→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-12-27

 1 「ギルガメシュ叙事詩」(メソポタミア)●前1500年~前1000年
 2 「イリアス」ホメロス(ギリシア)●前8世紀
 3 「オデュッセイア」ホメロス(ギリシア)●前8世紀
 4 「ギリシア悲劇 アイスキュロス」(ギリシア)●前5世紀
 5 「ギリシア悲劇 ソポクレス」(ギリシア)●前5世紀
 6 「ギリシア悲劇 エウリピデス」(ギリシア)●前5世紀
 7 「歴史」ヘロドトス(ギリシア)●前5世紀
 8 「歴史」ツキディデス(ギリシア)●前5世紀
 9 「ソクラテスの弁明・クリトン」 プラトン(ギリシア)●前4世紀
10 「ガリア戦記」カエサル(ローマ)●前1世紀
11 「アエネーイス」ウェルギリウス(ローマ)●前1世紀
12 「変身物語」オウィディウス(ローマ)●1世紀
13 「史記」司馬遷(中国)●前1世紀
14 「サテュリコン」ペトロニウス(ローマ)●1世紀
15 「黄金の驢馬」アプレイウス(ローマ)●2世紀
16 「年代記」タキトゥス(ローマ)●2世紀
17 「ダフニスとクロエー」ロンゴス(ギリシア)●2世紀
18 「英雄伝」プルタルコス(ギリシア)●2世紀
19 「トロイア戦記」クイントゥス(ギリシア)●4世紀
20 「シャクンタラー姫」カーリダーサ(インド)●4世紀

 今回は、古代文学の流れを、私なりにイメージしたいと思います。
 世界文学大事典や世界史参考書等を参考にし、若干の仮説を入れました。

◎ 古代文学の流れ

 人類は文字誕生以前から、神々や英雄たちの物語を口頭で伝えてきました。
 それは継承される間に洗練され、独自の韻律を持ち、叙事詩となりました。

 前3500年頃、最古の文明の地メソポタミアで、楔形文字が生まれました。
 そこで、最古の文学「ギルガメシュ叙事詩」が、粘土板に刻まれました。

 メソポタミアは開かれているため、楔形文字は他の民族にも広がりました。
 「ギルガメシュ叙事詩」も広まり、洪水伝説は聖書にも吸収されました。

 同じころエジプトで神聖文字が生まれ、「死者の書」等が書かれました。
 エジプトは閉ざされているため、文字も文学も外へ広がりませんでした。

 ただしエジプトの特産品パピルスは、フェニキア人によって広まりました。
 パピルスはアルファベットと一緒に、地中海全域の民族に伝わったようです。

 紀元前8世紀にホメロスが「イリアス」「オデュッセイア」を作りました。
 これらのギリシア叙事詩は、紀元前6世紀になってから文字化されました。

 紀元前5世紀に、ペルシアに勝利したアテナイが、黄金期に入りました。
 演劇が発展し、アイスキュロス、ソポクレス、エウリピデスが活躍しました。

 一方、当時の事績を自由に記述するため、散文の歴史書が生まれました。
 ヘロドトスがペルシア戦争を、ツキディデスがペロポネソス戦争を記しました。

 アテナイでは哲学が興隆し、プラトンが「ソクラテスの弁明」等を残しました。
 その後、ギリシアは戦乱によって衰退し、ローマに征服されていきました。

 ローマでは紀元前1世紀にカエサルが出て、帝政への移行が始まりました。
 カエサルは軍人らしい簡潔な記述で、「ガリア戦記」等を残しました。

 初代皇帝アウグストゥスの時代から、ローマは最盛期に向かって行きました。
 時代の要請から、建国神話を題材とした「アイネーイス」が作られました。

 この時期ローマ文学は黄金期で、ウェルギリウスとホラティウスが出ました。
 「変身物語」など、ローマとギリシアの神話を集大成した作品も出ました。

 さて、西でローマが勃興していた時期に、東では中国が拡大していました。
 中国ではかなり昔から、独自の文字である漢字を使っていました。

 前1世紀に最盛期を迎えた漢は、おそらく世界一の強国でした。
 この時期、司馬遷が中国最初の正史「史記」を著し、後の規範となりました。

 アウグストゥス以降、ローマの文学は白銀時代に入りました。
 ネロなど悪名高い皇帝のもとで、享楽的で退廃的な文学を生み出しました。

 その代表が、「サテュリコン」や「黄金のロバ」などの小説です。
 また「年代記」では、歴代皇帝の暴虐な振る舞いがつづられました。

 ローマ文学が独自の発展を遂げる一方で、ギリシア文学も継承されました。
 2世紀には「ダフニスとクロエー」や、膨大な「英雄伝」が書かれました。

 五賢帝の時代が終わると、ローマは再び混乱し始めました。
 そのころスミュルナでは、クイントゥスが「トロイア戦記」を書きました。

 395年にローマ帝国が東西に分裂し、古代の輝かしい時代は終わりました。
 ちょうどその時期、インドのグプタ朝は、最盛期を迎えていました。

 インドでは昔からサンスクリット語が使われ、聖典を口伝えしてきました。
 「マハーバーラタ」が現在の形で文字化されたのは、グプタ朝時代です。

 その頃が、サンスクリット文学の黄金期でもありました。
 カーリダーサが出て、「シャクンタラー」などの名作を残しました。 

 以上、ギリシアとローマの文学が中心になります。
 古代は長大な時間が流れているので、イメージをつかみにくかったです。

◎ 今年のテーマ

 今年の読書のテーマは、『中世文学』です。
 実は昨年、『古代&中世文学』をテーマにしていたのですが、甘かった!

 古代の歴史書は大作が多く、読みにくいため、なかなか進みませんでした。
 「内乱記」「同時代史」「春秋左氏伝」等は、まだ読んでいません。

 今年は、主に中世文学を読んでいきたいと思っています。
 「デカメロン」「カンタベリー物語」「アーサー王物語」等を読む予定です。


◎ さいごに。(ラスコー展)

 昨年の終わりに「ラスコー展」に行きました。意外とすいていました。
 メインである壁画のレプリカは、思ったより少なかったです。

 しかし良かったことは、フラッシュ無しなら撮影自由ということ。
 室内に強いカメラを持っていったので、たくさん撮ってきました。

DSCF2665-2.jpg
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古代文学のベスト20を選びました [古代文学]

 「文学全集 第Ⅶ集 古代編」


 文庫本で自分だけの文学全集をそろえることが、私のライフワークです。
 例によって独断と偏見で、第Ⅶ集の古代編を決定したいと思います。

 すでに、第Ⅰ集から第Ⅵ集は完成しています。
 以下のページを参照してください。

 第Ⅰ集「19世紀フランス編」(20作)
 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-10-23
 第Ⅱ集「19世紀イギリス編」(20作)
 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-08-04
 第Ⅲ集「19世紀ロシア編」(20作)
 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-12-22
 第Ⅳ集「19世紀ドイツ北欧編」(20作)
 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-11-09
 第Ⅴ集「19世紀アメリカ編」(10作)
 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2014-08-06-1
 第Ⅵ集「18世紀編」(10作)
 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2015-09-25-2

 まず、古代文学で取り上げた作品を、登場順にリストアップしてみます。
 解説本や、二次創作は省きました。それでも、結構ありました。

 「ギルガメシュ叙事詩」 ・ 「ソクラテスの弁明・クリトン」 プラトン
 「ギリシア悲劇 アイスキュロス」 ・ 「サテュリコン」ペトロニウス
 「旧約聖書 天地創造 創世の書」 ・ 「ギリシア悲劇 ソポクレス」
 「黄金の驢馬」アプレイウス ・ 「ギリシア哲学者列伝」ディオゲネス
 「女の平和」アリストパネス ・ 「ダフニスとクロエー」ロンゴス
 「シュメール神話集成」 ・ 「ギリシア神話」アポロドーロス
 「神統記」ヘシオドス ・ 「仕事と日」ヘシオドス
 「変身物語」オウィディウス ・ 「イリアス」ホメロス
 「トロイア戦記」クイントゥス ・ 「オデュッセイア」ホメロス
 「ギリシア・ローマ抒情詩選」 ・ 「ギリシア悲劇 エウリピデス」
 「ナラ王物語」 ・ 「歴史」ヘロドトス
 「バガヴァッド・ギーター」 ・ 「インド神話」
 「シャクンタラー姫」カーリダーサ ・ 「歴史」ツキディデス
 「饗宴」プラトン ・ 「ソクラテスの思い出」クセノポン
 「アナバシス」クセノポン ・ 「英雄伝」プルタルコス
 「ガリア戦記」カエサル ・ 「ローマ建国史」リウィウス
 「史記」司馬遷 ・ 「アレクサンドロス大王東征記」アッリアノス
 「年代記」タキトゥス ・ 「ローマ皇帝伝」 スエトニウス
 取り上げなかったけど、ウェルギリウスの「アエネーイス」は外せない。

 ここからベスト20を選び、「文学全集 第Ⅶ集 古代編」を完成!
 年代順に並べ、それぞれ、選択した理由を簡単に記しました。

 1 「ギルガメシュ叙事詩」(メソポタミア)●前1500年~前1000年
   現存する最古の文学。すべてはここから始まった。
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-08-27

 2 「イリアス」ホメロス(ギリシア)●前8世紀
   西洋文学の古典中の古典。アキレウスとヘクトルの宿命に涙する。
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-04-11
     http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-04-17

 3 「オデュッセイア」ホメロス(ギリシア)●前8世紀
   西洋文学の古典中の古典。オデュッセウスの冒険に胸躍る。
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-05-14
     http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-05-17

 4 「ギリシア悲劇 アイスキュロス」(ギリシア)●前5世紀
   アテナイ三大悲劇詩人の1人目。ギリシア悲劇の確立者。
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-04-21
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-05-14

 5 「ギリシア悲劇 ソポクレス」(ギリシア)●前5世紀
   アテナイ三大悲劇詩人の2人目。なんといってもオイディプス。
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-12-16
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-12-20

 6 「ギリシア悲劇 エウリピデス」(ギリシア)●前5世紀
   アテナイ三大悲劇詩人の3人目。ギリシア悲劇の革新者。
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-06-01
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-06-04
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-06-06
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-06-13

 7 「歴史」ヘロドトス(ギリシア)●前5世紀
   歴史の父による最古の歴史書。物語性が豊かで文学的。
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-07-04

 8 「歴史」ツキディデス(ギリシア)●前5世紀
   ペロポネソス戦争の歴史を、凝った文体でつづる。
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-08-01
     http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-08-01

 9 「ソクラテスの弁明・クリトン」 プラトン(ギリシア)●前4世紀
   ソクラテスの命がけの訴え。気迫のこもった文章。生き方の書。
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-08-31

10 「ガリア戦記」カエサル(ローマ)●前1世紀
   軍人らしく簡潔に分かりやすく記した戦記。ラテン語の名文。
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-10-09

11 「アエネーイス」ウェルギリウス(ローマ)●全1世紀
   ローマ文学の傑作。この作品だけ読めなかった。復刊を期待。

12 「史記」司馬遷(中国)●前1世紀
   中国最初の正史。多くの英雄たちのドラマティックな物語。
   「本記」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-11-18
   「列伝1」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-11-27
   「列伝2」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-12-09

13 「変身物語」オウィディウス(ローマ)●1世紀
   ギリシア・ローマ神話の集大成。西洋における教養の書。
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-03-03

14 「サテュリコン」ペトロニウス(ローマ)●1世紀
   現存するのはわずかだが、悪漢小説の元祖として重要。
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-12-02

15 「黄金の驢馬」アプレイウス(ローマ)●2世紀
   完全な形で現存する最古の小説。しかもハチャメチャ。
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-10-06

16 「年代記」タキトゥス(ローマ)●2世紀
   著者独自の味付けがされている歴史書。緊張感ある文体。
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-12-13
     http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-12-21

17 「ダフニスとクロエー」ロンゴス(ギリシア)●2世紀
   恋愛小説の古典的傑作。後世に与えた影響は大きい。
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2015-09-25-1

18 「英雄伝」プルタルコス(ギリシア)●2世紀
   ギリシアとローマの英雄たちのドラマティックな物語。
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-09-24
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-09-27

19 「トロイア戦記」クイントゥス(ギリシア)●4世紀
   「イリアス」と「オデュッセイア」の懸け橋として重要。
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-05-02

20 「シャクンタラー姫」カーリダーサ(インド)●4世紀
   サンスクリット文学の古典的傑作。
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-07-26

* 古典編は「ギリシア悲劇集」「史記」などの大作が多かったです。
  全20作集めると、何ページになるのか、また、いくらになるのか。

  1年を振り返ると、本に結構な金額をつぎ込んでいました。(あーあ)
  ちくまの「プルタルコス英雄伝」のような選集が、もっと出てほしい。


 さいごに。(クリぼっち)

 クリスマスをひとりぼっちで過ごすことを「クリぼっち」と言うらしい。
 ヘンな言葉を作ったもんだ。

 「将来クリぼっちになりたくない」と、小4の娘が今から心配しています。
 「毎年うちに帰ってくればいい」と言ったら、すぐに安心していました。

 ちなみに今年のクリスマスは、昨年に続いてチーズフォンデュ大会でした。
 ケーキは、シャトレーゼ。庶民的な味ですが、安くておいしかったです。

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年代記2(タキトゥス) [古代文学]

 「年代記 ティベリウス帝からネロ帝へ(下)」 タキトゥス (岩波文庫)


 初代ローマ皇帝アウグストゥスの死から、五代皇帝ネロまでの年代記です。
 岩波文庫から出ています。下巻は「第二部 クラウディウスとネロ」です。


年代記〈下〉ティベリウス帝からネロ帝へ (岩波文庫)

年代記〈下〉ティベリウス帝からネロ帝へ (岩波文庫)

  • 作者: タキトゥス
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1981/04/16
  • メディア: 文庫



 原典の一部が欠落しているため、下巻はクラウディウス帝とネロ帝の治世です。
 二人の治世を彩るのは、告発と毒殺。不名誉で破廉恥な時代です。

 誠実な人間は、卑怯な人間の不当な告発によって、破滅させられてしまいます。
 偉大な人間は、つまらない人間による謀略によって、毒殺されてしまいます。

 元首は悪党の親玉と化し、お追従しか言わない連中だけが生き残っていきます。
 読んでいて、げんなりしてきました。時々タキトゥス自身のぼやきも入ります。

 クラウディウス帝の3人目の妻はメッサリナ、4人目の妻はアグリッピナ。
 彼は体の不具合のせいか、この妻たちにみごとなぐらい尻に敷かれました。

 そして、王のようにふるまった妻たちが、政治をめちゃくちゃにしました。
 彼女たちは、情夫と不倫の関係を結んで、道徳もめちゃくちゃにしました。

 メッサリナに毒され、その情夫となったシリウスの一言が、とても印象的です。
 「おおっぴらに破廉恥を犯した者は、厚顔無恥な手段で身を救うべきだ。」(P40)

 しかし、なんといっても抜群の存在感を示したのは、女傑アグリッピナでしょう。
 ネロを命懸けで皇帝の座に就かせ、そのネロに自分の命を奪われていく・・・

 「占星師は、『ネロは政権をとるだろう、そして母親を殺すだろう』と答え、それを
 聞いて彼女は、『ネロが天下をとれば、私を殺してもよい』と言っていた」(P181)

 五代皇帝ネロについては説明不要でしょう。母を殺し、弟を殺し、師を殺し・・・
 ローマに火を放ち、キリスト教徒のせいにして、残酷な方法で殺し・・・

 「ネロは自然、不自然を問わず、あらゆる淫行でもって身を汚し、もうこれ以上堕落
 のしようがあるまいと思えるほどに悖徳(はいとく)の限りを尽くした。」(P263)

 ネロの暴虐の犠牲者のひとりが、その師であるセネカです。
 セナカの最期は胸に染みます。彼が、最後に友人たちに贈ったものは・・・

 セネカは、当時数少ない正義の人でした。
 彼の「生の短さについて」は、読んでみたい本のひとつです。


生の短さについて 他2篇 (岩波文庫)

生の短さについて 他2篇 (岩波文庫)

  • 作者: セネカ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2010/03/17
  • メディア: 文庫



 最後の最後に、ペトロニウスが登場。記述は少ないけど、鮮烈な印象を残します。
 私は「クオ・ワディス」で、「美の審判者」ペトロニウスのファンになりました。

 「クオ・ワディス」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-10-09
 「クオ・ワディス2」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-10-12

 さいごに。(私だけEメール)

 陸上仲間の忘年会がありました。私以外は全員、LINEでつながっていてビックリ。
 Eメールで連絡が来たのは私だけ。幹事は私一人のために2度手間になっていた!

 私がタブレットを持っているというと、LINEをやるように皆から勧められました。
 私はどうもLINEが好きになれない。年に数回のことだし、勘弁してもらおうか。

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年代記(タキトゥス) [古代文学]

 「年代記(上)ティベリウス帝からネロ帝へ」 タキトゥス  (岩波文庫)


 初代ローマ皇帝アウグストゥスの死から、五代皇帝ネロまでの年代記です。
 タキトゥスは、紀元1世紀から2世紀にかけて活躍した歴史家です。

 岩波文庫から二分冊で出ています。古い訳ですが、分かりやすかったです。
 原典には欠落している部分があり、いいところで話が途切れたりもします。


年代記〈上〉ティベリウス帝からネロ帝へ (岩波文庫)

年代記〈上〉ティベリウス帝からネロ帝へ (岩波文庫)

  • 作者: タキトゥス
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1981/03/16
  • メディア: 文庫



 「年代記(上)」は、二代皇帝ティベリウスの治世を描いています。
 ティベリウス帝の陰険さを反映してか、その時代は全体的に陰鬱です。

 「むごたらしい命令、のべつ幕なしの弾劾、いつわれる友情、清廉な人の破滅、
 必ず断罪で終る裁判、そういうものにがんじ搦めに縛られ、千篇一律の事件を
 見せつけられ、倦怠を覚える。」(P273)と、タキトゥスはぼやいています。

 タキトゥスの筆致は辛辣です。彼は帝政をよく思っていなかったらしいです。
 そして、共和制を懐かしむような気持ちが、随所に表れています。

 たとえば、カエサル暗殺事件を、「奴隷根性のまだ熟していなかったローマが、
 自由をとりもどそうとして失敗したあの日」(P23)と表現しています。

 さて、ティベリウス帝は、初代皇帝アウグストゥスの継子(ままこ)でした。
 アウグストゥスがリウィアと強引に結婚した時、すでにお腹の中にいたのです。

 だからアウグストゥスにとって本命は、血のつながりのあるゲルマニクスです。
 ティベリウスは中継ぎ。そういう出生の因縁が、彼を陰険にしたのかもしれない。

 しかし一方で、ティベリウスは賢帝だったという説もあります。
 実際彼は、カプリ島から離れることなく、命令一つでセイヤヌスを倒しました。
 (しかしその部分の原典が欠落しています。読みたかった!)

 さて、ティベリウスの治世の前半では、ゲルマニクスの活躍が印象的でした。
 ゲルマニアでアルミニウスと戦い、栄光に包まれながらも、最後は・・・

 後半は、護衛隊長セイヤヌスの野望とその破滅が、印象的でした。
 ティベリウスの信頼を得ながら、その陰でとてつもない計略を進めて・・・

 平和ゆえに腐敗していたティベリウス治世について、色々と分かりました。
 ティベリウスといえば青の洞窟。それしか知らなかった自分が恥ずかしい。

 「年代記」の下巻は、「第二部 クラウディウスとネロ」です。
 三代皇帝カリグラの巻が、欠落しているのが残念です。

 さいごに。(持久走大会)

 娘の持久走大会がありました。今年は仕事の関係で、応援に行けませんでした。
 順位は昨年の7位からだいぶ落ちて22位。

 それでも一生懸命に走って、ラストスパートをしてゴールしたと言います。
 なによりも、最後までがんばってくれたことがうれしいです。

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史記・列伝2 [古代文学]

 「史記・列伝」 司馬遷著 小竹文夫・小竹武夫訳 (ちくま学芸文庫)


 列伝は、国に仕えて時代を動かした人物の一代記を、年代順にまとめたものです。
 ちくま学芸文庫から4分冊で出ています。1971年の訳です。


史記〈7〉―列伝〈3〉 (ちくま学芸文庫)

史記〈7〉―列伝〈3〉 (ちくま学芸文庫)

  • 作者: 司馬 遷
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1995/07
  • メディア: 文庫



史記〈8〉―列伝〈4〉 (ちくま学芸文庫)

史記〈8〉―列伝〈4〉 (ちくま学芸文庫)

  • 作者: 司馬 遷
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1995/08
  • メディア: 文庫



 列伝は第七十巻まであります。ちくま学芸文庫版では4分冊になっています。
 3冊目、4冊目と進むうちに、登場人物が多すぎて、頭が混乱してきます。

 3冊目は、第四十巻から第五十七巻までで、呉楚七国の乱が中心となります。
 乱を起こした呉王濞(ひ)、対処した袁盎(えんおう)と鼂錯(ちょうそ)・・・

 この乱に絡んで、多くの個性的な武将や政治家が登場します。
 そのほとんどが、一時はもてはやされますが、やがて滅んでいきます。

 どの人物も、賢明さの裏には愚かさがあり、勇敢さの裏には臆病さがあります。
 そして、成功のあとには失敗があり、幸運のあとには不幸が待ち構えています。

 時代が変わっても、最後まで変わらず我が身を守り通すことは、とても困難です。
 うまくいっている時こそ、気を付けなければいけない。これは普遍的な真理か。

 その他、匈奴と戦った「李将軍列伝」と、続く「匈奴列伝」が興味深かったです。
 特に、「匈奴列伝」の中の冒頓(ぼくとつ)のエピソードが面白かったです。

 冒頓は部下たちに、自分と同じものを射るように命じ、自分の良馬を射ました。
 躊躇して射なかった者たちがいましたが、その者たちを容赦なく斬りました。

 次に冒頓は、なんと自分の愛妻を射て、射なかった部下たちを斬りました。
 そして、そのあと冒頓が射たものは・・・すごいというか、ひどいというか・・・

 列伝の4冊目に入ると、いろんな人物が登場しすぎて、もうわけが分かりません。
 特に第六十二巻以降は、一つの列伝の中に、何人もの人物が入り混じっています。

 その中でもひときわ目を引いたのは、カメの話です。第六十八巻「亀策列伝」。
 古代に、カメが神の使いとして、いかに尊ばれていたのかが分かります。

 ところで、列伝をいくら読んでも、張良や陳平等の一部の功臣が出てきません。
 そこで調べてみて、初めて知ったのですが、彼らは「世家」に入っているのです。

 「世家(せいか)」とは何かというと、それは、諸侯に関する伝記だと言います。
 ということは、「列伝」より上ではないか。(ああ、恥ずかしい)

 史記といったら紀伝体。紀伝体といったら本紀(帝)と列伝(家臣)。
 だから私は、本紀と列伝以外は、ただのおまけだと、思い込んでいました。

 私は、「本紀と列伝を読めば史記はOK」と思っていました。
 しかし、「世家」について知った今、それを読まないわけにはいきません。

 ちくま学芸文庫の第3巻と第4巻が、世家にあてられています。
 なお、ほかに「書」と「表」があり、合わせて第2巻に入っています。


史記〈3〉―世家〈上〉 (ちくま学芸文庫)

史記〈3〉―世家〈上〉 (ちくま学芸文庫)

  • 作者: 司馬 遷
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1995/09
  • メディア: 文庫



史記〈4〉―世家〈下〉 (ちくま学芸文庫)

史記〈4〉―世家〈下〉 (ちくま学芸文庫)

  • 作者: 司馬 遷
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1995/10
  • メディア: 文庫



 「世家」の登場は想定外でした。(ホントはただの知識不足)
 ほかにも、岩波文庫から出ている「春秋左氏伝」を読んでおきたいです。


春秋左氏伝〈上〉 (岩波文庫)

春秋左氏伝〈上〉 (岩波文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1988/11/16
  • メディア: 文庫



春秋左氏伝〈中〉 (岩波文庫)

春秋左氏伝〈中〉 (岩波文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1989/02/16
  • メディア: 文庫



春秋左氏伝〈下〉 (岩波文庫)

春秋左氏伝〈下〉 (岩波文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1989/05/16
  • メディア: 文庫



 さいごに。(「保育園落ちた日本死ね」確かにいっとき流行はしたが)

 あのような汚い言葉を、政治に持ち込んだのは、いかがなものだろうか。
 民〇党は、国会の品位を損なうと同時に、自らをも貶めたのではないか。

 しかし、それを選んで表彰する人がいる! 喜んで賞を受ける人もいる!
 選ぶなら「汚言大賞」でしょう。 (万智さんだけは反対したと信じたい)

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ローマ建国史 [古代文学]

 「ローマ建国史(上)」 リウィウス著 鈴木一州(かずくに)訳 (岩波文庫)


 建国から紀元前二世紀頃までの、ローマの歴史を記した142巻の著書です。
 ローマ文学の黄金時代である紀元前17年に書かれ、35巻が現存しています。

 岩波文庫から2007年に上巻だけ出ました。中巻と下巻はいつ出るのか。
 この本に収録されているのは、現存するうちの第一巻と第二巻のみです。


ローマ建国史〈上〉 (岩波文庫)

ローマ建国史〈上〉 (岩波文庫)

  • 作者: リーウィウス
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2007/04/26
  • メディア: 文庫



 第一巻は、ロムルスによるローマ建設から、伝説の七王の治世244年間。
 その間、さまざまな伝説的なできごとがありました。

 ザビニ族の女の略奪、ロムルスの最期、ホラティウス三兄弟の戦い、
 頭から炎を出したセルウィウス、貞女ルクレーティアの悲劇・・・

 第二巻からは共和制ローマの歴史です。前509年から前468年まで。
 国外での戦いや、国内での闘争など、さまざまな試練が続きます。

 立役者のブルータス、その相棒プーブリウス、ポルセンナ王による侵略、
 元老院と平民の闘争、ファビウス一族の活躍、コリオラヌスの反乱・・・

 私は本書をローマ正史だと思っていて、堅苦しい内容を想像していました。
 しかし、正史というより神話・伝説で、予想以上に読みやすかったです。

 また、聞いたことのあるエピソードが意外とたくさんありました。
 ロムルスの最期やザビニ女の略奪など、絵画で知っている話もありました。

 この書物が書かれたのは、ローマ帝政期の初期で、ローマの黄金期でした。
 当時の状況が、序言に記されています。この記述が、興味深い。

 「まこと、財物が少なければ、それだけ欲望も小さかった。
 最近は、富が貪欲を招き寄せ、漲る欲望が、逸楽と放埓に耽ってわが身も亡び、
 かつはすべてを亡ぼしつくすことを憧れさせている。」

 リウィウスは当時のローマを、あまりよく思っていなかったようです。
 だからこそ、建国以来の歴史を振り返ってみようと思ったのですね。

 さて、この岩波文庫版で読めるのは、最初の二巻のみです。
 そのほかの現存の巻は、京都大学学術出版界から、単行本で出ています。


ローマ建国以来の歴史〈1〉伝承から歴史へ1 (西洋古典叢書)

ローマ建国以来の歴史〈1〉伝承から歴史へ1 (西洋古典叢書)

  • 作者: リウィウス
  • 出版社/メーカー: 京都大学学術出版会
  • 発売日: 2008/10
  • メディア: 単行本



 いつかは塩野七生の「ローマ人の物語」を、通して読みたいです。
 少しずつ買い集めているので、全45冊のうち35冊ほどが揃いました。


塩野七生『ロ-マ人の物語』の旅 コンプリ-トセット 全43巻

塩野七生『ロ-マ人の物語』の旅 コンプリ-トセット 全43巻

  • 作者: 塩野七生
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2011
  • メディア: 文庫



 さいごに。(サンタに財布を頼む)

 うちの娘は、今年のクリスマスに、サンタに財布を頼むのだそうです。
 最近持ち物にこだわるようになったので、プレゼント選びが大変です。

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史記・列伝1 [古代文学]

 「史記・列伝」 司馬遷著 小竹文夫・小竹武夫訳 (ちくま学芸文庫)


 列伝は、国に仕えて時代を動かした人物の一代記を、年代順にまとめたものです。
 ちくま学芸文庫から4分冊で出ています。1971年の訳です。


史記〈5〉―列伝〈1〉 (ちくま学芸文庫)

史記〈5〉―列伝〈1〉 (ちくま学芸文庫)

  • 作者: 司馬 遷
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1995/05
  • メディア: 文庫



史記〈6〉―列伝〈2〉 (ちくま学芸文庫)

史記〈6〉―列伝〈2〉 (ちくま学芸文庫)

  • 作者: 司馬 遷
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1995/06
  • メディア: 文庫



 史記は、本紀、表、書、世家、列伝から成っています。
 最後の列伝は全70巻です。史記の最も面白い部分だとも言われています。

 管仲と鮑叔(管鮑の交わり)、孫臏と龐涓の対決、勾践と夫差(臥薪嘗胆)、
 商鞅の変法、蘇秦と張儀(合従連衡)、孟嘗君とその食客(鶏鳴狗盗)・・・

 と、ちくま学芸文庫版「史記・列伝」の1巻目だけでも、見どころ満載です。
 読んでいて、「この話知ってる!」という、有名な逸話がたくさんありました。

 面白かったのは、蘇秦と張儀の二人の因縁です。
 高校時代の授業では、蘇秦の遊説の場面(合従策)だけしか学びませんでした。

 しかし、蘇秦の死後、その合従策を、旧友である張儀が連衡策で打ち破ります。
 そのことによって、張儀は秦の統一に、大きな貢献をしたのでした。

 恥ずかしながら、蘇秦の合従を学んで30年経た今、張儀の連衡策を知りました。
 それまで単独のエピソードだったものが、ようやく歴史の中でつながりました。

 そして、「史記・列伝」の2巻目に行くと・・・
 李斯、張耳と陳余、黥布、韓信、樊噲等、項羽と劉邦の戦いの英雄たちが登場!

 しかし、最も面白いのは、なんといっても「呂不韋」の巻です。
 こういうとんでもない悪党が、歴史を本当に面白くしてくれるのです。

 もともとは商人で、将来の投資のつもりで、秦王の子の「子楚」を支援しました。
 計略を用いて子楚を秦王の座に着かせ、自分の子を身ごもった女を譲って・・・

 私はてっきり、この始皇帝誕生秘話は、興味本位の伝承だと思っていました。
 まさか、正史である「史記」に、ここまではっきりと書いてあるとは!

 また、「李斯」の巻で存在感を示していたのは、李斯自身よりも「趙高」でした。
 その悪党ぶりは鮮やか。時代がこういう汚れ役を、求めていたのかもしれません。

 ところで、列伝は本紀よりも細切れになっていて、登場人物が多いです。
 似たような名前の人物が、次から次に現れて、色んな人物とつながっています。

 そのため、読んでいる途中で、頭の中がごちゃごちゃしてきました。
 再登場する人物については、何度も初出のページに戻って読み返しました。

 そういうわけで、少し読みにくくて、読み終わるまで時間がかかりました。
 邪道ですが、その巻を読む前に、ネット等で予備知識を仕入れた方がいいです。

 ちなみに私は、徳間文庫から出ている「史記小事典」を購入しました。
 邪道ですが、その「概要」をつかんで頭を整理してから、本文を読んでいます。


史記〈8〉『史記』小事典 (徳間文庫)

史記〈8〉『史記』小事典 (徳間文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2006/05
  • メディア: 文庫



 さいごに。(年賀状作成)

 2年前までは、娘のアップ写真を使って、私が一家の年賀状を作っていました。
 そんな「親バカ」年賀状は、妻から却下されて、今では別々に作成しています。

 郵便局の無料アプリ「はがきデザインキット」が、便利なので使っています。
 今年は娘も、自分だけの年賀状をデザインしていました。


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史記1本紀 [古代文学]

 「史記」 司馬遷 (ちくま学芸文庫)


 本紀は、五帝から夏、殷、周、秦を経て、漢の武帝に至るまでの帝王の系譜です。
 前1世紀の武帝の時代に、司馬遷によって完成された、中国の最初の正史です。

 ちくま学芸文庫から出ています。1971年の「筑摩世界文学大系6・7」の訳です。
 注釈が文章の途中に(  )で挿入されているため、読みやすかったです。


史記〈1〉本紀 (ちくま学芸文庫)

史記〈1〉本紀 (ちくま学芸文庫)

  • 作者: 司馬 遷
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1995/04
  • メディア: 文庫



 本記は、皇帝や王など、天下を支配した者たちと、その時代を描いています。
 全12巻で、構成は以下の通りです。

 1 五帝(黄帝から禹まで) 2 夏 3 殷 4 周 5秦 6 始皇帝 
 7 項羽 8 高祖(劉邦) 9 呂后 10 文帝 11 景帝 12 武帝

 夏末、殷末、周末など、時代の変わり目の混乱期が、特に興味深かったです。
 全体的には、始皇帝の後半ぐらいから呂后までが、とても面白かったです。

 史記本紀のクライマックスは、なんといっても項羽と劉邦の戦いでしょう。
 秦を倒すためにともに戦いながら、最後は天下の支配を賭けて対決した二人!

 今から30年以上前に、高校の漢文の教科書を、ワクワクしながら読みました。
 当時は、負けると知っていながら、「項羽負けるな」と思っていました。

 かつて「項羽本紀」で読んだ場面を、今回は「高祖本記」からも読みました。
 両方の視点で読めるところが、紀伝体という記述法の良いところです。

 「項羽本紀」を読むと、項羽の敗因は、劉邦の卑劣さにあるように思えます。
 劉邦は約束を守らずに、東へ帰る項羽を背後から攻撃して、追い込みました。

 しかし「高祖本記」を読むと、項羽の敗因は、項羽自身にあるように思えます。
 項羽は敵の離間の計に引っかかり、参謀の范増を失って、勢いを失いました。

 范増は項羽にとって、重要な参謀である以上に、ツキを呼ぶ人物だったようです。
 項羽は范増に見放されると同時に、ツキにも見放されたのではないでしょうか。

 范増が出ていった時に、項羽の運命はほぼ決まったのだと思います。
 項羽は「天がわしを滅ぼそうとする」とか言っていますが、そんなことはない。

 項羽は優勢に立ちながら、傲慢で人心を得ることができず最後は敗北しました。
 欠点だらけの将軍ですが、しかし、なぜか、勝利者の劉邦よりもファンが多い。

 特に男子は項羽びいきです。強い男に憧れるから? でも結局彼は負けた!
 強いにもかかわらず負けてしまうからこそ、我々は惹かれるのかもしれません。

 さて、史記の中で最も面白いのが「列伝」だと言われています。
 列伝は、ちくま学芸文庫はもちろん、岩波文庫からも出ています。

 さいごに。(ごんぎつね)

 小学校4年の娘は、時々家で「ごんぎつね」を音読しています。懐かしい!
 私が小学校の頃、クラスみんなで泣きながら読んだことを思い出しました。

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アレクサンドロス大王東征記 [古代文学]

 「アレクサンドロス大王東征記」 アッリアノス著 大牟田章訳 (岩波文庫)


 紀元前4世紀のマケドニアの英雄アレクサンドロス3世の、東方遠征の記録です。
 500年ほど後の紀元後2世紀に、当時の記録を参考にしてまとめた一級の資料です。

 岩波文庫から上下二分冊で出ています。上下とも訳注が約100ページ付いています。
 上巻には年譜と東征の地図があり、下巻には「インド誌」と解説と索引があります。


アレクサンドロス大王東征記〈上〉―付インド誌 (岩波文庫)

アレクサンドロス大王東征記〈上〉―付インド誌 (岩波文庫)

  • 作者: フラウィオス アッリアノス
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2001/06/15
  • メディア: 文庫



 アキレウスのイリオンでの活躍は、ホメロスによって広く伝えられました。
 しかし、アレクサンドロスについては、散文でも記されず韻文でも歌われていない。

 だから、自分が執筆する気になったのだと、アッリアノスは本書で述べています。
 アッリアノスは古代ローマのギリシア人政治家で、執政官にもなった人物です。

 前336年に父王が暗殺されると、二十歳のアレクサンドロス3世が後を継ぎました。
 彼はペルシア遠征の統帥権を継承し、紀元前334年に東方遠征に出発しました。

 グラニコス河の合戦、ハリカルナッソス攻略戦、イッソスの合戦、テュロス攻囲戦、
 ガザ攻略戦、ガウガメラの合戦、ペルシア滅亡、そしてインドへ・・・

 ペルシアを滅亡させ、地の果てインドまで征服したアレクサンドロス3世。
 彼はいかに進軍し、いかに相手を撃破したか? 軍事についての記述が詳しいです。

 しかし、ゴルディオスの結び目、親友クレオンの殺害、将軍パルメニオンの暗殺、
 故郷への帰還決定、大王の死の場面等、戦い以外のエピソードも面白かったです。

 たとえば、インド人哲学者による教えのエピソード。
 彼らはアレクサンドロスに、地面をトントン踏んで見せたが、その意味は・・・

 そして、随所でアレクサンドロスの生の声を聴けるのも、本書の魅力の一つです。
 厭世気分に陥った指揮官たちに、彼は言います。(第5巻)

 「輝かしい大業はまさしく艱難辛苦し危険をおかす者たちの手によってこそ、成就する
 のだ。武勇に生き不滅の誉れを後の世に遺して死ぬこそ、悦ぶべきことではないか。」

 さて、上巻には地図が付いていたので、進路をたどりながら読むことができました。
 地図のおかげでイメージがとても鮮明になりました。下巻にも付けてほしかったです。

 また、地図以上にありがたかったのが、目次における簡単な説明です。
 初めに全体のイメージを作るときや、読み返すときに、とても役に立ちました。

 アッリアノスとほぼ同じ時期に、タキトゥスは「年代記」「同時代史」を書きました。
 岩波文庫やちくま学芸文庫から出ています。


年代記〈上〉ティベリウス帝からネロ帝へ (岩波文庫)

年代記〈上〉ティベリウス帝からネロ帝へ (岩波文庫)

  • 作者: タキトゥス
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1981/03/16
  • メディア: 文庫



同時代史 (ちくま学芸文庫)

同時代史 (ちくま学芸文庫)

  • 作者: タキトゥス
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2012/03
  • メディア: 文庫



 さいごに。(河口湖大池公園のイチョウ)

 河口湖大池公園では、イチョウの黄葉が見られました。
 とてもきれいでした。富士山が出ているともっと良かったのですが。

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