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反対進化 [20世紀アメリカ文学]

 「反対進化」 エドモンド・ハミルトン作 中村融訳 (創元SF文庫)


 進化論モノの傑作であるタイトル作など、全10編収録のSF短編集です。
 1930年代から1960年代までの作品を、バランスよく選出しています。

 2005年に創元SF文庫から出ました。現在は新版が手に入ります。
 「フェッセンデンの宇宙」と同じく中村訳で、分かりやすかったです。


反対進化 (創元SF文庫)

反対進化 (創元SF文庫)

  • 作者: エドモンド・ハミルトン
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2005/03/24
  • メディア: 文庫



 タイトルの「反対進化」は、日本SF界に大きな影響を与えた傑作です。
 タイトルがネタバレになっていますが、それでも読んでいて驚愕します。

 荒野の上空を飛行中、パイロットのロスは、異様な怪物を目撃しました。
 その生物はテレパシーで交信し、アークター人と名乗りますが・・・

 いったいアークター人とは何者か?
 そして彼らはどんな事実を語ったか?

 「これらの人間は、いまや坂道をころげ落ちるように退化していた。」(P186)
 ハミルトンの世界観が分かる、とても素晴らしい作品です。

 「異境の大地」は、「反対進化」と並んで、とても印象に残った作品です。
 「反対進化」同様、発想がとても面白かったです。

 ジャングルに立っていた死人のような人は、フナチという状態にありました。
 フナチとは何か? フナチになると何が見え、何が聞こえるのか?

 我々の生命のテンポを、植物の生命のテンポに合わせたら・・・
 「ゾウの時間 ネズミの時間」を連想しました。


ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 (中公新書)

ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 (中公新書)

  • 作者: 本川 達雄
  • 出版社/メーカー: 中央公論社
  • 発売日: 1992/08/01
  • メディア: 新書



 以上の「反対進化」「異境の大地」と、前回の「フェッセンデンの宇宙」が、
 エドモンド・ハミルトンの短編マイベスト3です。おもてのベスト3です。

 さて、ラストの「プロ」はSFではありませんが、捨てがたい作品です。
 空想の世界が次々に現実となったとき、SF作家は何を思うか?

 「宇宙を夢見て、たわごとを並べたり、書いたりした作家たち、おれたち
 はただの・・・(後略)」(P386)

 「プロ」と、前回の「太陽の炎」と「向こうはどんなところだい?」が、
 ウラのベスト3です。これらは内容よりも、哀切な気分に魅力があります。

 私が小中の時に夢中になったキャプテンフューチャーと、だいぶ違いました。
 短編には大らかさがあまり無くて、シリアスな雰囲気が目立ちました。

 さいごに。(大したことは無かったが・・・)

 運動会で傷めたひざは、幸い大したことはなくて、普通に歩けています。
 しかし、まだ完全にひざを曲げることはできず、走ることもできません。

 運動ができないので、わずかな期間で体重が増えてしまいました。
 お菓子をやめればいいのだけど・・・今日もチョコを食べてしまった。

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フェッセンデンの宇宙 [20世紀アメリカ文学]

 「フェッセンデンの宇宙」 E・ハミルトン作 中村融訳 (河出文庫)


 人工宇宙モノの傑作であるタイトル作など、全12編収録のSF短編集です。
 わが国に多大な影響を及ぼした、1930年代の作品を中心に選出しています。

 2012年に河出文庫から出ました。訳は2004年で、分かりやすかったです。
 タイトル作については、異なる二つのバージョンが収められています。


フェッセンデンの宇宙 (河出文庫)

フェッセンデンの宇宙 (河出文庫)

  • 作者: エドモンド・ハミルトン
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2012/09/05
  • メディア: 文庫



 タイトルの「フェッセンデンの宇宙」は、SFファン必読の古典的名作です。
 1961年に改変版が日本に紹介されると、とても大きな反響がありました。

 「実験室のなかに宇宙を創ったんだ。何百万もの太陽、何千万もの世界を
 そなえた宇宙を」・・・ブラッドリーは、その宇宙を見せられますが・・・

 フェッセンデンは、その小さな宇宙を、いかにして創り上げたのか?
 フェッセンデンは、その小さな宇宙で、いかなる実験をしたのか?

 わずか25ページほどですが、鮮烈な印象を残す作品です。
 「あの天上にもフェッセンデンがいるのではないだろうか?」(P34)

 「帰ってきた男」は、ちょっと皮肉の効いた生き返り譚です。
 1週間ぶりに目を覚まし、棺から出てきた、ある男の物語です。

 自分が生き返ったことを、皆が喜んでくれると思いきや・・・
 この世に「帰ってきた」男が、最後に「帰ってきた」場所は・・・

 「太陽の炎」は、私がもっとも気になった作品です。
 ミステリー的な展開と、哲学的な味付けで、深く印象に残る作品です。

 探査局の古株で、突然辞表を出したケラードには、いったい何があったのか?
 彼らが水星の昼側で遭遇したものとは・・・

 「しかし、広大無辺の宇宙が、どうして中身のつまった、重い肉体をまとった
 生きもののものになるだろう? 空気の泡につつまれて苦労して動かなければ
 ならず、金属の墓におさまってちっぽけな惑星のあいだをのろのろと進み、巨
 大な太陽の輝きには近づくこともできない生きもののものに。」(P293)

 この述懐の中に、作者ハミルトンの思いが込められているような気がしました。
 我々が本当に宇宙を探索できるのだろうか? ただの土くれである我々に?

 ほか、「向こうはどんなところだい?」「夢見る者の世界」「翼を持つ男」
 「追放者」「世界の外のはたごや」などは、捨てがたい作品です。

 さて、エドモンド・ハミルトンといったら、キャプテン・フューチャーです。
 40年ほど前、私が小学校の時に、そのアニメがNHKで放送されていました。

 中学生になって、ハヤカワ文庫から出ていたシリーズを、夢中で読みました。
 そして、2004年に創元SF文庫から出た全集を、懐かし思いで読み返しました。

 しかし、現在キャプテン・フューチャーのシリーズは、全て絶版です。
 もう1つの短篇集「反対進化」は、今でも読める貴重なハミルトン作品です。


恐怖の宇宙帝王/暗黒星大接近! <キャプテン・フューチャー全集1> (創元SF文庫)

恐怖の宇宙帝王/暗黒星大接近! <キャプテン・フューチャー全集1> (創元SF文庫)

  • 作者: エドモンド・ハミルトン
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2004/08/24
  • メディア: 文庫



反対進化 (創元SF文庫)

反対進化 (創元SF文庫)

  • 作者: エドモンド・ハミルトン
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2005/03/24
  • メディア: 文庫



 さいごに。(コーラのキャンディ)

 丸亀うどんに行くと、会計のところで、時々子供にキャンディを配っています。
 うちの娘は小5にもなって、キャンディをもらっていたので、呆れてしまいました。

 ところが、「パパの好きなコーラのキャンディだよ」と言って、私にくれたのです。
 50にもなって、娘から子供のように思われている自分自身に、呆れてしまいました。


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別れのワルツ [20世紀アメリカ文学]

 「別れのワルツ」 ミラン・クンデラ作 西永良成訳 (集英社文庫)


 有名なトランペット奏者と浮気相手の看護師と、彼らを取り巻く人々の物語です。
 偶然の一致を活用した、演劇的手法で書かれた、クンデラの初期の傑作です。

 1993年に集英社から単行本で出て、2013年に集英社文庫に入りました。
 哲学的叙述がないため、訳はとても分かりやすくて、読みやすかったです。


別れのワルツ (集英社文庫)

別れのワルツ (集英社文庫)

  • 作者: ミラン クンデラ
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2013/12/13
  • メディア: 文庫



 有名なトランペット奏者のクリーマは、ルージェナから妊娠したと知らされました。
 ルージェナは温泉町で働く看護師で、彼は彼女と、たった一度寝ただけでした。

 心から愛する妻カミラがいるクリーマにとっては、これは寝耳に水の出来事でした。
 なんとか中絶させるために、クリーマはルージェナを丸め込もうと努力します。

 ルージェナ、あわれと思いきや・・・次第に明かされる彼女の裏事情・・・
 湯治客のバートレフ、医師のスクレタ、その友人ヤクブらが関わって・・・

 「存在の耐えられない軽さ」と比べて、いかに読みやすかったことか。
 突然難解な哲学的断章が入ることもなく、とても安心して物語を楽しめました。

 主人公クリーマの、お人好しぶりに呆れました。その人柄では人を騙せないよ。
 フランティシェクと遭遇しながらも、二人の関係を疑えないとは。

 一方、米人湯治客のバートレフの存在は、物語に不思議な味付けをしています。
 バートレフは、かつてある娘に、「妊娠した」と言われた時、どう答えたのか?

 バートレフの部屋に光が差していたのはどうしてか? あれは輪光だったのか?
 突然現れた天使のような少女は何者か?・・・彼はどこか聖人を思わせました。

 それなのに、突然ただのオヤジと化し、俗物に成り下がってしまうとは!
 第4日22章の、「なんじゃこりゃ?」という展開にはびっくりでした。

 その一方でドクター・スクレタは、一貫して悪魔的な雰囲気に包まれています。
 スクレタは、いったいどのような治療を施して、成果を上げていたのか?

 さて、全体を振り返った時、「別れのワルツ」にはちぐはぐな印象が残りました。
 「存在の耐えられない軽さ」は読みにくかったけど、完成度は高かったです。

 さいごに。(整形外科へ)

 運動会で転んだ翌日、左ひざがとても痛くて、ほとんど曲げられなくなりました。
 とても驚いて、急遽午後から有給休暇をもらって、整形外科へ行きました。

 ひざにたまっていた水を抜いてもらったら、だいぶ楽になりました。
 しかし、じん帯を少し損傷しているです。転んだのが、本当に悔やまれます。

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キャロル [20世紀アメリカ文学]

 「キャロル」 パトリシア・ハイスミス作 柿沼瑛子訳 (河出文庫)


 19歳のテレーズと、美しい人妻キャロルとの恋愛を描いた、レズビアン小説です。
 ハイスミスの半自伝的な小説で、当時女性の同性愛者から熱烈に支持されました。

 河出文庫から出ています。訳はとても分かりやすいです。
 2016年に上映された映画も、美しい映像がたいへん話題となりました。





 19歳のテレーズは、クリスマスシーズンのデパートでアルバイトをしていました。
 恋人のリチャードに求婚されたものの、どうしても彼を本気で好きになれません。

 ある日テレーズは、売り場に来た魅惑的な女性キャロルに、心奪われました。
 送り先の伝票から、キャロルの住所を知り、クリスマスカードを送りました。

 すると売り場に電話がきて、二人は会うことになり・・・
 やがてテレーズは、キャロルに対する激しい愛情を自覚するようになって・・・

 物語の中盤の、テレーズとリチャードが凧を飛ばす場面は印象に残りました。
 糸を切られ飛んでいく凧を見て、テレーズの何かもまた切れてしまったようです。

 その後、2人で旅行に出ることになって、人生が大きく変わっていき・・・
 しかしキャロルの元亭主は、2人に対して・・・

 殺人事件は起こりません。大きな犯罪もありません。
 この小説はサスペンスでもミステリーでもなく、純粋な恋愛小説でした。

 (恥ずかしながら私は、ハイスミスと聞いただけで、サスペンスだと思いました。
 キャロルが何かの犯罪者で、いずれ本性を表すのではないかと、思っていました。)

 ただしその恋愛は、少女と人妻との恋愛です。当時それは、犯罪的なことでした。
 しかし、2人を温かな目で描いているため、多くの同性愛者から支持されました。

 さてハイスミスは、アラン・ドロン主演映画の原作「太陽がいっぱい」が有名です。
 ほかにも、「見知らぬ乗客」など、サスペンスものの傑作が多いです。





 さいごに。(山田涼介)

 山田涼介という名前を、娘から最初に聞いたときは、同級生だと思いました。
 まさかジャニーズとは! 先日買ったDVD付きCDも、山田涼介が目的だった。

 そういうアイドルが好きになるお年頃なのですね。
 娘が最近見ているTV番組も、山田涼介が出ているのが、多い気がします。

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僕の名はアラム [20世紀アメリカ文学]

 「僕の名はアラム」 ウィリアム・サローヤン作 柴田元幸訳 (新潮文庫)


 アラン少年の目を通して、アルメニア系移民の共同体を描いた、連作小説集です。
 村上柴田翻訳堂の第1回として、「結婚式のメンバー」と同時に出されました。



 最初の「美しい白い馬の夏」は、15ページ足らずですが、傑作だと思います。
 この作品が、マイ・ベストです。冒頭の一文から、いっきに引き込まれます。

 「僕が九歳で世界が想像しうるあらゆるたぐいの壮麗さに満ちていて、人生がいま
 だ楽しい神秘な夢だった古きよき時代のある日・・・」(P15)

 ある朝アランの部屋に、いとこのムーラッドが美しい白馬に乗ってやって来ました。
 ムーラッドは、その馬を、農夫のジョン・バイロの家から盗んできたのでした。

 それを承知で、アランはムーラッドと一緒に、早朝にその馬を乗り回していました。
 そしてあるとき2人で馬を引いていたら、ジョン・バイロに出会ってしまいました。

 農夫は言う、「私は誓えるよ、この馬は何週間も前に私が盗まれた馬だと。」と。
 そのあとジョン・バイロが言った言葉は・・・読んでいる私の胸にも刺さりました!

 「愛の詩から何からすべて揃った素敵な昔ふうロマンス」は、面白い物語です。
 従弟の落書きで叱られるアラン。ダフニー先生の怒りと、校長の微妙な対応・・・

 「オジブウェー族、機関車38号」も、なかなか面白い物語です。
 ある日、ロバに乗って街に来たインディアンは、機関車38号と名乗っていました。

 頭がおかしいと思われていた彼が言いました、「自動車、運転したことあるのか?」
 運転したことがないにもかかわらず僕は・・・実は、機関車38号は・・・

 ほか、わずか5ページの「アメリカを旅する者への旧世界流アドバイス」も印象的。
 最後を飾るわずか11ページの「あざ笑う者たちに一言」も忘れがたい作品です。

 さいごに。(ヘイセイジャンプ)

 うちの娘(11歳)のマイブームは、「hey! Say! JUMP」です。
 限定版のDVD付きCDが、幸い売れ残っていたので、喜んで買ってきました。

 それが、なんと5400円もするのだという。
 代金をママに出してもらったようで、しばらくおこづかい無しなのだそうです。



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結婚式のメンバー [20世紀アメリカ文学]

 「結婚式のメンバー」 カーソン・マッカラーズ作 村上春樹訳 (新潮文庫)


 退屈な日常から脱出することを夢見る、12歳の少女の夏の出来事を描いています。
 2016年に、村上柴田翻訳堂の第一作として、村上春樹による新訳が出ました。


結婚式のメンバー (新潮文庫)

結婚式のメンバー (新潮文庫)

  • 作者: カーソン マッカラーズ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2016/03/27
  • メディア: 文庫



 12歳のフランキーは周囲となじめない少女で、何のメンバーにもなっていません。
 女料理人ベレニスと、6歳の従弟ジョンと、夏の間おしゃべりで過ごしています。

 フランキーは、自分が自分であることに、心底からうんざりしています。
 退屈な日常から抜け出したい。その願いは、根拠の無い妄想を生み出しました。

 自分は、兄と花嫁の「結婚式のメンバー」なのではないか。
 結婚式に出たら、もうここには戻らない。その日、自分の人生が変わるのだ・・・

 私は最初、フ ランキーのばかげた言動についていけませんでした。
 無知なくせに頑固で、気分屋で思い込みが激しく、自分で自分が分かっていない。

 ところが読んでいるうちに、しだいにフランキーに共感するようになりました。
 これが本書の魅力でしょう。いつのまにかフランキーを身近に感じていました。

 フランキーからジャスミンへ、ジャスミンからフランセスへ。
 12歳から13歳へ。そしてこの夏の日々は、もう二度と戻らない・・・

 また、料理女のベレニスが、とてもいい味を出しています。
 彼女が語る4度の結婚とその破綻の話は、この物語のひとつの読みどころです。

 そして、大事な言葉を発するのも、常にベレニスです。
 「あたしたちはみんな、多かれ少なかれ閉じ込められているんだ。」(P236)

 作者カーソン・マッカラーズを、私は村上春樹訳のこの本で知りました。
 もし村上春樹が取り上げなかったら、ずっと出会わなかったと思います。

 さて、「結婚式のメンバー」は、村上柴田翻訳堂の第1回に出ました。
 同時に出たサローヤンの「僕の名はアラム」(柴田元幸訳)も購入済みです。

 さいごに。(運動会のメンバー)

 今月下旬の、学区の運動会の選手集めが一段落し、ほっとしました。
 これで、体育部長としての私の仕事は、7割がた終わったようなものです。

 小さな町内会なので出てくれる人が少なくて、足りない所には自分が入ります。
 当日は運営をしながら、4種目に出場します。妻は3種目、娘は5種目です。

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世界最強の商人 [20世紀アメリカ文学]

 「世界最強の商人」 オグ・マンディーノ作 山川紘矢・亜希子訳 (角川文庫)


 世界最強の商人が、成功法について書かれた巻物を、次に引き継ぐまでの物語です。
 わずか111ページですが、様々な成功法が凝縮されています。訳は2014年です。


世界最強の商人 (角川文庫)

世界最強の商人 (角川文庫)

  • 作者: オグ・マンディーノ
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2014/11/22
  • メディア: 文庫



 商人として独り立ちし、愛する娘と結婚して、将来は世界最強の商人となりたい。
 そう熱望するハフィッドに、主人であり養父でもあるパトロスは言いました。

 「ローブとロバを受け取り、夜明けにベツレヘムに向けて出発しなさい。・・・
 お前はそのローブが売れるまで、ベツレヘムにとどまりなさい。」

 しかし彼はその大切な商品を、洞窟の中の赤ん坊のために置いてきたのです。
 意気消沈して帰るハフィッド。しかしその善行が、養父に認められました。

 ハフィッドは、パトロスから大切な10巻の巻物を譲り受けたのです。
 ハフィッドはダマスカスに着き、巻物の1巻目をひもといて・・・

 自己啓発本であると同時に、面白い小説でもあります。
 最終第18章の意外な展開! 驚きの結末!

 さて、肝心な巻物は10巻。1巻を朝・昼・夜の3度繰り返し読めと言います。
 しかも、それを30日間続けなければ、次の巻に行ってはいけないと言います。

 もちろん普通の人にはそんな時間はないので、どんどん読み進めましょう。
 最強の商人にはなれないけど、わずか数時間で、多くの名言を得られます。

 「私は人生最大の秘密を知っている。なぜならば、すべての問題、失望、心痛は、
 実は仮面をかぶった偉大なチャンスだということが見えるようになったからだ。」

 「私は今日の時間を大切にしよう。・・・時間は、今日、銀行にあずけて、明日、
 引き出して使うことができるものではない。」

 この続編が、「その後の世界最強の商人」です。完結編です。
 ハフィッドは、残りの人生をすべてかけて、ある壮大な計画を実行し・・・


その後の世界最強の商人 (角川文庫)

その後の世界最強の商人 (角川文庫)

  • 作者: オグ・マンディーノ
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2014/11/22
  • メディア: 文庫



 さいごに。(ずっと仕事だってば)

 GWの仕事はずっと野外でした。連休明けの8日、友人に言われました。
 「いい色に焼けたねえ。どこに行ってきたの?」 ずっと仕事だってば!

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この世で一番の奇跡 [20世紀アメリカ文学]

 「この世で一番の奇跡」 オグ・マンディーノ作 菅靖彦訳 (PHP文庫)


 主人公がある老人から人生について学び、「神の覚え書き」を託される物語です。
 「世界最強の商人」と並ぶベストセラーで、続編も出ました。


この世で一番の奇跡 (PHP文庫)

この世で一番の奇跡 (PHP文庫)

  • 作者: オグ マンディーノ
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2003/03
  • メディア: 文庫



この世で一番の贈り物 (PHP文庫)

この世で一番の贈り物 (PHP文庫)

  • 作者: オグ マンディーノ
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2003/08
  • メディア: 文庫



 主人公のオグは不思議な老人と出会い、彼の部屋を訪れるようになりました。
 彼の名はサイモンです。オグは彼と話すたびに、自分を見つめ直していきます。

 「ほとんどの人間は、程度の差はありますが、すでに死んでしまっています。
 なんらかの形で、彼らは自分の夢や希望、より良き人生をおくりたいという欲求
 を失ってしまっているのです。 ・・・」(P31)

 そしてサイモンは、自分を「ラグピッカー」だと言います。
 といってもゴミを漁るのではなくて、廃品同様の人間を見つけて再生するのです。

 「廃品になった人間をさがしているのです。(中略)そういう人を見つけたら、新
 たな希望と目的意識をあたえて、生きながら死んだ状態から蘇るのを手伝うのです。
 ・・・わしにとって、それこそ、この世で一番の奇跡なのです。」(P35)

 そのとき使われるのが四つの法則で、それをまとめたのが「神の覚え書き」です。
 のちにオグは、老人から「神の覚え書き」を託されることになって・・・

 この本は1975年に出て、大きな話題となりました。スピリチュアルな内容です。
 比較的薄い本ですが、大事なことがギュッと凝縮されています。

 その中でも核心は、「神の覚え書き」の章です。
 実際に今でも、「神の覚え書き」を毎夜読んでいる人もいるといいます。

 さて、この物語には続編(完結編)があります。
 妻の田舎へ旅行に来て、古い農家を購入したところから、物語は始まります。

 引っ越して新しい生活を始めたとき、再びサイモン・ポッターが現れて・・・
 15年ぶりに二人は語り合い、サイモンは最後の贈り物をする・・・

 サイモンはなぜ突然いなくなったのか? そしてなぜまた突然現れたのか?
 サイモンは実在するのか? 彼はただの幻影か? それとも、神なのか?

 さまざまな疑問が湧きおこりながらも完結します。2冊まとめて読みたいです。
 また、もう一つの代表作「世界最強の商人」も読んでみたいです。


世界最強の商人 (角川文庫)

世界最強の商人 (角川文庫)

  • 作者: オグ・マンディーノ
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2014/11/22
  • メディア: 文庫



 さいごに。(ひとり時間をゲット)

 私はGW中仕事があるので、うちの女衆は自分たちだけで計画を立てています。
 昨日、妻と娘の2人は、親戚の家に泊まりに行きました。

 ということで、夜は久々にひとりの時間を持つことができました。
 お茶を飲みながら、存分に本が読めました! 楽しいひとときでした。

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コンタクト [20世紀アメリカ文学]

 「コンタクト」 カール・セーガン作 池央耿・高見浩訳 (新潮文庫)


 人類が初めて地球外知的生命体とコンタクトする様を描いた、ハードSF小説です。
 1980年代に書かれて、作者の死後1990年代に映画化されました。

 新潮文庫から出ています。とても読みやすいです。
 なお、カール・セーガンといえば科学番組「コスモス」を思い出す人も多いでしょう。


コンタクト〈上〉 (新潮文庫)

コンタクト〈上〉 (新潮文庫)

  • 作者: カール・セーガン
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1989/07
  • メディア: 文庫



コンタクト〈下〉 (新潮文庫)

コンタクト〈下〉 (新潮文庫)

  • 作者: カール・セーガン
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1989/07
  • メディア: 文庫



 女天文学者エリーは、30代後半でありながら、アーガスという研究所の所長です。
 そこでは、電波望遠鏡を使って、地球外知的生命体の探索が進められていました。

 ある日受信した電波信号は、26光年離れたベガ星系から送られてきたものでした。
 そしてそこには、ある隠されたメッセージが・・・

 地球外知的生物は本当に存在するのか? 彼らはどのような存在なのか?
 どうして地球に電波信号を送ってきたのか? コンタクトは成功するのか?

 地球外知的生命体との遭遇を中心に、ほかにも様々な内容が盛り込まれています。
 全能なる神の存在、世界の平和、家族の絆、人間としての成長・・・

 さて、私が宇宙に興味を持 ったきっかけは、中学校時代に見た「コスモス」です。
 宇宙の謎が分かりやすく解説されている番組で、毎回わくわくしながら見ました。

 その番組の監修していたのが、本書の作者であるカール・セーガンです。
 彼も、地球外知的生命体の探査をしていました。エリーは彼の分身でしょうか。


コスモス 上 (朝日文庫)

コスモス 上 (朝日文庫)

  • 作者: カール・セーガン
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 1984/04
  • メディア: 文庫



 ジョディ・フォスター主演の映画も、なかなかよくできています。名画です。
 乗組員を1人だけにしたりと、原作を効果的にアレンジしています。


コンタクト 特別版 [DVD]

コンタクト 特別版 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: DVD



 さいごに。(「参観会に来てほしい」その理由)

 今年の参観会は、仕事と重なって参加できません。
 娘はとても残念そうに「来てほしかった」と言っています。というのも・・・

 娘のクラスの担任が、学校で一番かわいい先生なのだそうです。
 「うちの先生のかわいさを見てほしかった」とのこと。そりゃ行きたかったよ。

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たんぽぽ娘 [20世紀アメリカ文学]

 「たんぽぽ娘」 R・F・ヤング作 伊藤典夫編 (河出文庫)


 タイムマシンものの傑作「たんぽぽ娘」など、全13編収録の短編集です。
 日本では長い間絶版だったため、幻の名作として知られていました。


たんぽぽ娘 (河出文庫)

たんぽぽ娘 (河出文庫)

  • 作者: ロバート・F・ヤング
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2015/01/07
  • メディア: 文庫



 『たんぽぽ娘』はわずか20ページほどですが、とても印象に残る作品です。
 「ビブリア古書堂の事件手帖」で紹介されて、改めて注目を集めました。

 ある日44歳のマークは、丘の上でたんぽぽ色の髪の少女に出会いました。
 「わたし、いまから二百四十年後のコーヴ・シティから来たんです」

 「タイムマシンでこちらに来たわけか」と、マークは話を合わせました。
 そして、この風変わりな少女と会うたびに、 どんどん惹かれていきました。

 数日後、少女が去りました。やがて妻と二人の生活に戻りましたが・・・
 妻の不安の原因は? たんぽぽ娘はどこへ?・・・そして、感動の結末!

 『河を下る旅』もまた、短いながら印象的な作品です。
 イカダで河を下っていたファレルは、ニコルズという女性と出会いました。

 「おそらく現実には人間が知らない無数の相があるんだ。
 いまぼくらがいるのも、そういう相のひとつだろうね・・・」(P33)

 無数の相とはどういうことか? 彼らのいる河は何なのか?
 読者はしだいに、驚くべき状況を理解していきます。

 『荒寥の地より』は、ヤングの遺作となった作品です。
 このような重たい作品を、最後に残したところに、作者の悲哀を感じます。

 「人類の問題というのは、彼らがまったく見当違いの場所で奇跡をさがし求め
 ているせいではないんでしょうかね。奇跡が目と鼻の先で起こっているのに、
 それに気づこうともしないのです」(P127)という言葉はイミシンです。

 以上、『たんぽぽ娘』『河を下る旅』『荒寥の地より』が、マイベスト3です。
 以下、『主従問題』『スターファインダー』『ジャンヌの弓』の3作が次点です。

 『主従問題』は、メビウス宇宙という異色な宇宙論を題材にしています。
 「メビウス宇宙においては、地球とシリウス21は同時存在していることになる」?

 タイトルの意味がなかなか分からないのですが、最後にようやく理解できます。
 しかし、結末のどんでん返しは必要だろうか?

 ほか、『スターファインダー』と『ジャンヌの弓』は、読みごたえがありました。
 『スターファインダー』に出てくる「宇宙クジラ」は、面白いアイディアです。

 さいごに。(熱心に読んでいたのは)

 娘が、漢字の読み方をママに聞きながら、10分以上も新聞を読んでいました。
 読んでいたのはテレビ番組欄。そういうページはいつまでも飽きないらしい。

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