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古代への情熱 [19世紀ドイツ北欧文学]

 「古代への情熱 シュリーマン自伝」 シュリーマン著 関楠生訳 (新潮文庫)


 ホメロスの叙事詩に憧れ、トロイアやミケーネを発掘したシュリーマンの自伝です。
 著者の「イーリオス」に含まれていた自伝を、一般向けに補ったものです。

 新潮文庫と岩波文庫から出ています。どちらも訳は古めですが、問題ありません。
 私の手元にあるのは1988年版の新潮文庫。この名著がわずか280円でした。


古代への情熱―シュリーマン自伝 (新潮文庫)

古代への情熱―シュリーマン自伝 (新潮文庫)

  • 作者: シュリーマン
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1977/09/01
  • メディア: 文庫



古代への情熱―シュリーマン自伝 (岩波文庫)

古代への情熱―シュリーマン自伝 (岩波文庫)

  • 作者: ハインリヒ シュリーマン
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1976/02/16
  • メディア: 文庫



 「トロイア戦争」といったら、この人でしょう。
 18か国語を次々とマスターして、商売人として大成功した男。

 子供の頃の壮大な夢を、大人になってから見事に実現した男。
 トロイアでプリアモスの財宝を、ミケーネでアガメムノンの財宝を発見した男。

 伝説的な考古学者シュリーマンの、自伝と遺跡発掘の記録です。
 有名なアガメムノンのマスクなど、財宝を発見する場面にはぞくぞくします。

 しかし、それ以上に面白いのが、幼少期から商売で成功するまでの自伝です。
 本人が書いた部分なので、信ぴょう性に欠ける面はあるものの、とても面白い。

 時に、神のささやき声を聞き、時に、天啓を受ける。
 そして、時代の波に乗ってからは、次から次に大きな成功を収めていく・・・

 古代ギリシアの英雄たちに、神が付いていたように、シュリーマンにも神が
 付いていたのではないのか。もしそうなら、やはり詩の女神ムーサだろうか。

 「彼にとってはホメ―ロスの言葉は福音書であり、彼は堅くそれを信仰して
 いた」(P50)幼少の頃に読んだホメロスが、常に彼を導いていたようです。

 さて、よく学校で聞かされる有名な逸話に、彼独特の語学習得法があります。
 翻訳せず、文法にはかまわず、ひたすら音読し、暗唱していく・・・

 私も中学校の時に、そのような話を聞きましたが、実感が湧きませんでした。
 わずか6週間で言語をマスターしてしまう人を、引き合いに出されてもねえ。

 中にはこの自伝を「嘘ばっか」と言う人もいるし、実際嘘も混じっているらしい。
 本当は、商売が成功した後、遺跡発掘を思いついたというけど、信じたくない。

 幼少期に読んだホメロスが、何十年ものちに、彼をホメロスの世界に導いた。
 そう信じたいです。これこそ、正真正銘の、男のロマンなのだから。

 さいごに。(避難所生活)

 熊本の妹の住居は築40年。本震によって傾いて、退去命令が出たとのことです。
 4月初旬に引っ越しが終わったばかりなのに、避難所生活が始まりました。

 大丈夫だから安心してほしいと言いますが・・・
 毎日当たり前のように過ごしている我々の生活が、とてもありがたく思えます。

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ジョゼフ・フーシェ [19世紀ドイツ北欧文学]

 「ジョゼフ・フーシェ」 ツヴァイク作 高橋禎二・秋山英夫訳 (岩波文庫)


 仏革命から続く混乱期に、秘密警察を使ってのし上がったフーシェの伝記です。
 バルザックの小説「暗黒事件」から、大きな影響を受けたと言われています。

 岩波文庫から出ています。1951年に出た旧訳を、秋山氏が修正したものです。
 文章は分かりやすくて、ツヴァイク特有の味わいがありました。


ジョゼフ・フーシェ―ある政治的人間の肖像 (岩波文庫 赤 437-4)

ジョゼフ・フーシェ―ある政治的人間の肖像 (岩波文庫 赤 437-4)

  • 作者: シュテファン・ツワイク
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1979/03/16
  • メディア: 文庫



 かつてロベスピエールと親交を結びながら、後には彼を破滅に追いやった男。
 かつてバラーによって恩を施されながら、後には彼をパリから追放した男。

 皇帝ナポレオンのもとで重用されながら、その皇帝を失脚に導いた男。
 王に 、共和政府に、総裁政府に、統領政府に、皇帝に、再び王に仕えた男。

 この作品の副題は「ある政治的人間の肖像」です。
 フーシェは混乱期を謀略によって切り抜けた、まさに「政治的人間」でした。

 ライバルが争っている間は態度は保留して、こっそり情勢を窺っています。
 決着がほとんどついたところで、突然登場して勝ち馬に乗ってしまいます。

 日和見主義? いえいえ、もっとひどい。これは、あと出しジャンケンです。
 この戦術で、負けるはずはありません。

 情勢を見極めるために、フーシェが存分に活用したのが秘密警察です。
 フーシェといえば、秘密警察。秘密警察といえば、フーシェ。

 フーシェは秘密警察を使い、自分のための巨大で緻密な情報網を組織します。
 そしてフーシェは秘密警察を使い、皇帝に挑戦さえしてしまう!

 特に面白かったのは、 警務大臣フーシェと皇帝ナポレオンの闘争でした。
 この二人の関係は、実に興味深いです。

 「心の中では嫌いで嫌いでたまらないのに、ただただ反対の両極の牽引性に
 よって結ばれて、二人は互いに相手を利用していたのである。」(P215)

 「十年にわたるはげしい敵意が、人と人とを結びつけるありさまは、
 生半可な友情以上にふしぎなものがある。」(P325)

 ところで、フーシェの行動で、どうもよく分からないことがあります。
 ようやく総裁の地位につきながら、なぜあっさりと王政に譲ったのか?

 それは、ナポレオンが没落して、フーシェの勝運も尽きたからではないか。
 ナポレオンの運気とフーシェの運気は、補い合っていたのではないか。

 さて、作者ツヴァイクの文章は、とても味わい深かったです。
 かみしめながら少しずつ読んだため、なかなか進みませんでした。

 ツヴァイクにはもうひとつ、フランス革命期の伝記があります。
 「マリー・アントワネット」です。読むのが楽しみです。


マリー・アントワネット 上 (角川文庫)

マリー・アントワネット 上 (角川文庫)

  • 作者: シュテファン ツヴァイク
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2007/01
  • メディア: 文庫



 私がフーシェに興味を持ったのは、この本からです。オススメです。
 「ナポレオン フーシェ タレーラン」鹿島茂(講談社学術文庫)
 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-08-24

 ナポレオン、フーシェ、タレーラン。彼らがこれほど人を魅了するのはなぜか。
 それは、その偉業もさることながら、彼らが大ばくちを打ったからではないか。
 
 フランス、ヨーロッパ、世界を相手に、彼らは途方もなくでっかい大ばくちを
 打ったが、そのことが我々(特に男たち)の心を燃えさせるのではないか・・・

 さいごに。(シュート2本)

 サッカー大会の第2戦も、わずか15分の出場でした。
 今回は2本のシュートを放ちました。しかし、ボテボテのシュートでした。

 もう1人のFWに「先輩のパスに合わせられなくてすみません」と言われた。
 パスじゃない。あれはシュートだっちゅーに・・・試合は完敗。

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愉しき放浪児 [19世紀ドイツ北欧文学]

 「改訳 愉しき放浪児」 アイヒェンドルフ作 関泰祐訳 (岩波文庫)


 バイオリン片手に運試しの旅に出たのらくら者の、恋と冒険の物語です。
 ドイツロマン主義作家アイヒェンドルフの代表作です。

 「改訳」とありますが、騙されてはいけません。1952年の訳です。
 もとの訳はなんと1938年。しかも旧字体。読みにくかったです。


愉しき放浪児 (岩波文庫)

愉しき放浪児 (岩波文庫)

  • 作者: アイヒェンドルフ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1952/11/05
  • メディア: 文庫



 ある朝、寝坊して父に叱られた「ぼく」は、バイオリン片手に旅に出ました。
 道を歩いて歌っていると、二人の美しい令嬢に気に入られました。

 彼女たちの馬車の荷台に乘って、ウィーンの大きな屋敷にやってきました。
 「ぼく」は美しい令嬢が忘れられず・・・いったい彼女は何者だったのか?

 今度はイタリア目指して歩いていると、二人の画家に気に入られました。
 しかし二人は失踪して・・・いったい彼らは何者だったのか?

 というように、様々な謎が重なって、もやもやしたまま物語は進行します。
 そして謎は、最後の第10章で、すべて明かされるのですが・・・

 恥を忍んで打ち明けますが、私にはこの種明かしがよく分かりませんでした。
 第10章を何度読んでも、人物の関係がのみこめませんでした。

 巻末の「解説」を読んで、ようやく分かってきました。
 文章も分かりにくいし、話の筋もつかみにくかったです。

 さらに、根本的な違和感がありました。
 それは、主人公に対する、次のような違和感です。

 怠け者が、いいかげんに暮らしていたため、転落していくのなら話は分かります。
 怠け者が、いいかげんに暮らしていながら、とんとん拍子にいってしまうとは!

 主人公同様、作者もまたノウテンキだったのではないか、と思ってしまいました。
 全体的に、ファンタジーっぽい作品でした。

 さて、この作品は先月岩波文庫から復刊されたばかりです。買うなら今でしょう。
 ほかに、「聖アントワヌの誘惑」「贋金つくり」などを、私は購入しました。


聖アントワヌの誘惑 (岩波文庫 赤 538-6)

聖アントワヌの誘惑 (岩波文庫 赤 538-6)

  • 作者: フローベール
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1986/07
  • メディア: 文庫



贋金つくり (上) (岩波文庫)

贋金つくり (上) (岩波文庫)

  • 作者: アンドレ・ジイド
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1962/12/16
  • メディア: 文庫



さいごに。(オトキソ新シリーズ)

4月から、「大人の基礎英語」の新シリーズが始まります。楽しみです。
舞台はサイパン。主人公は新たに野村佑香。今回も期待が持てます。


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村のロメオとユリア [19世紀ドイツ北欧文学]

 「村のロメオとユリア」 ケラー作 草間平作訳 (岩波文庫)


 お互いに敵として争う農夫を父に持つ、ある青年と少女の悲恋の物語です。
 「緑のハインリヒ」で有名なケラーの、短編小説の傑作です。

 岩波文庫から7月に復刊されたばかりです。
 初訳はなんと大正7年。改訳はされていますが、古くて読みにくいです。


村のロメオとユリア (岩波文庫 赤 425-5)

村のロメオとユリア (岩波文庫 赤 425-5)

  • 作者: ケラー
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1972/05
  • メディア: 文庫



 ある村に2人の働き者の農夫がいました。
 一方には男の子、一方には女の子がいて、小さい頃は仲良く遊んでいました。

 しかし、2人の農夫は訴訟で争うようになると、没落の一途をたどりました。
 男の子と女の子は敵同士となり、会うことさえできなくなりました。

 子供たちが偶然再会したとき、すでに2人は美しい男女に成長していました。
 2人は恋に落ちましたが、父親同士は醜い争いを続けていて・・・

 「ロミオとジュリエット」のような、悲劇的な結末は覚悟していました。
 しかし、あんなふうに、破滅に向かって行進していくことはなかった。

 「哀れな若者たちは、彼らに許されたこの一日の間に、愛のあらゆる形式と気分
 とを経験し、惜しくも失われた青春の日を取り返さねばならなかったばかりでは
 なく、なお命をささげてこの情熱の結末をも先取りせねばならなかった」(P96)

 わずか1日の中に全生涯をささげるという生き方は、確かに魅力的です。
 しかし、死んだら意味がないだろ、と私は思ってしまう。

 さて、ケラーといったら、やはり「緑のハインリヒ」でしょう。
 この傑作が、岩波文庫でずっと品切れ状態。新訳化を強く望む!

 ところで、岩波版「緑のハインリヒ」は、新版でしょうか、旧版でしょうか。
 ケラー自身が、新旧二つのバージョンを作ったのですが、結末が全く違うのです。

 さいごに。(セミ取り)

 娘と、向かいの公園でセミ取りをしました。
 私の収穫は0.しかし娘は、自力で2匹捕まえました。

セミ.jpg

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19世紀ドイツ文学のベスト20を選びました(2) [19世紀ドイツ北欧文学]

 こんな「 文学全集 第Ⅳ集 19世紀ドイツ編 」を作りたい!


 前回、「 文学全集 第Ⅳ集 19世紀ドイツ北欧編 」を、暫定的に作りました。
 「暫定的」といったのは、前回のラインナップが、少ししょぼかったから。

 では、19世紀の「ドイツ文学」で、ベスト20を選ぶとしたらどうなるのか?
 品切れのため自分が読んでいない(内容は知っている)本を含めて、選びました。

 今回は、文句なしの傑作ぞろいです。
 ただし、品切れの本や、訳が古い本ばかりになってしまいました。
 タイトルの◎は、前回のベスト20に入っている本です。

 1 ◎「青い花」 ノヴァーリス (1802)
  → ドイツロマン主義の大傑作。岩波で購入可。

 2 「ヴィルヘルム・テル」 シラー (1804)
  → シラーの戯曲の大傑作。わが子の頭上のりんごを射る話。品切れ。

 3 「こわれがめ」 クライスト (1808)
  → ドイツ喜劇の大傑作。品切れ。

 4 ◎「親和力」 ゲーテ (1809)
  → ゲーテ晩年の大傑作。講談社文芸文庫で購入可。

 5 「悪魔の霊液」 ホフマン (1815)
  → ドイツロマン主義の世界的名作。品切れ。

 6 「サッポー」 グリルパルツァー (1818)
  → オーストリア最大の劇作家による最高傑作。品切れ。

 7 「愉しい放蕩児」 アイヒェンドルフ (1826)
  → 愉快な長編小説の大傑作。品切れ。

 8 ◎「ファウスト 1・2」 ゲーテ (1808)(1832)
  → 問答無用の世界的な名作。集英社・岩波・新潮などで購入可。

 9 「画家ノルテン」 メーリケ (1832)
  → ドイツ教養小説の大傑作。品切れ。

10 ◎「ダントンの死」 ビューヒナー (1835)
  → ドイツ文学史で決して外せない戯曲の大傑作。岩波で購入可。

11 「ニーベルンゲンの指輪」 ヴァーグナー (1853)
  → 歌劇の帝王による最大の歌劇。品切れ。

12 「ギューゲスとその指輪」 ヘッベル (1856)
  → ドイツ最大の劇作家による最高傑作。品切れ。

13 ◎「晩夏」 シュティフター (1857)
  → ドイツ教養小説の大傑作。ちくまで購入可。

14 「ユルク・イェナッチェ」 C・F・マイヤー (1876)
  → 当時一世を風靡した大傑作。品切れ。

15 「緑のハインリヒ」 ケラー (1879)
  → ドイツ教養小説の大傑作。品切れ。

16 「白馬の騎手」 シュトルム (1888)
  → 「みずうみ」で有名な作者の晩年の最高傑作。品切れ。

17 「職工」 ハウプトマン (1892)
  → 当時一世を風靡した社会劇の大傑作。品切れ。

18 ◎「罪なき罪(エフィ・ブリースト)」 フォンターネ (1895)
  → 社会小説の大傑作。岩波で購入可だが、訳が古すぎる。

19 「地霊」 ヴェーデキント (1895)
  → 性を描いた悲劇の大傑作。品切れ。

20 「輪舞」 シュニッツラー (1900)
  → ユーモラスな戯曲の大傑作。品切れ。


 以上、20作中14作が、品切れ状態という悲しさ!
 今後「罪なき罪」も品切れになるだろうから、ますます不便になるでしょう。

 きっと売れないのだろうが、こういう作品が常に手に入るようになってほしい。
 実は、ベスト20に入れたかった作品が、ほかにもたくさんあります。
 たとえば・・・

・ ゲーテの 「ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代」 と 「詩と真実」。
・ シラーの 「オルレアンの少女」 と 「メッスィーナの花嫁」。
・ ホフマンの 「牡猫ムルの人生観」 と短編集。
・ クライストの 「ペンテジレーア」 と 「ホンブルクの公子」。
・ アイヒェンドルフの 「予感と現在」 と 「大理石像」。
・ グリルバルツァーの 「祖先の女」 と 「金羊毛」。
・ ヘッベルの 「マリーア・マクダレーネ」 と 「ヘローデスとマリアムネ」。
・ マイヤーの 「フッテン最後の日」。
・ ニーチェの 「ツァラトゥストラはかく語りき」。
・ ハウプトマンの 「日の出前」 と 「沈んだ鐘」。
・ シュニッツラーの 「アナトール」 と 「ベルタ・ガルラン夫人」。
・ ヴェーデキントの 「春のめざめ」。

 さて、2013年も、残るところあと1ヶ月半です。
 今後、マンやヘッセやカロッサなど、20世紀ドイツ文学を読むつもりです。

 さいごに。(早かったガッツポーズ)

 職場のサッカー大会、最終戦もフル出場。
 しかも、前半、相手のゴール前で、パスがきました。

 迷わずシュート。そして迷わずガッツポーズ。
 しかし、ボールはそれて、枠の外へ。慌ててガッツポーズを引っ込めました。
 この試合も負けて、今年は予選リーグ3戦全敗。でも、楽しかった。

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19世紀ドイツ北欧文学のベスト20を選びました [19世紀ドイツ北欧文学]

 「文学全集 第Ⅳ集 19世紀ドイツ北欧編」


 文庫本で自分だけの文学全集をそろえることが、このブログの目標です。
 すでに、第Ⅰ集から第Ⅲ集は完成済みです。

 第Ⅰ集「19世紀フランス編」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-10-23
 第Ⅱ集「19世紀イギリス編」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-08-04
 第Ⅲ集「19世紀ロシア編」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-12-22

 2013年は「ドイツの年」と勝手に決めて、ドイツ文学を中心に読んでいます。
 ようやく、19世紀のドイツ文学について、まとめる時期がきたようです。

 第Ⅳ集は、「19世紀ドイツ北欧編」として、以下のように決めました。
 今回も20作選びましたが・・・今回は暫定的なものとしたいです。
 理由はのちほど。では、とりあえず第Ⅳ集を紹介します。

 1 「青い花」ノヴァーリス(1802年)岩波800円
  → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-11-04
 2 「親和力」ゲーテ(1809年)講談文芸1575円
  → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-08-04
 3 「チリの地震 クライスト短編集」クライスト(1810年)河出800円
  → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-02-02
 4 「黄金の壺 マドモワゼル・ド・スキュデリ」ホフマン(1815年)古典新訳781円
  → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-03-17
 5 「グリム童話(上)(下)」グリム兄弟(1815年)ちくま800円+640円
  → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-02-17
 6 「大理石像・デュランデ城悲歌」アイヒェンドルフ(1819年)岩波480円
  → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-03-20
 7 「ホフマン短篇集」ホフマン(1821年)岩波780円
  → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-11-24
 8 「ファウスト第一部・第二部」ゲーテ(1832年)集英社686円+933円
  → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-06-25-1
  → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-07-01
 9 「ダントンの死」ビューヒナー(1935年)岩波900円
  → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-09-09
10 「ユーディット」ヘッベル(1840年)岩波540円
  → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-04-11
11 「さすらいのオランダ人 タンホイザア」ワアグナア(1841年)岩波540円
  → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-04-02
12 「ウィーンの辻音楽師」グリルパルツァー(1848年)岩波480円
  → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-12-30
13 「みずうみ」シュトルム(1851年)岩波460円
  → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-11-18
14 「天と地との間」オット・ルートヴィヒ(1856年)岩波780円
  → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-05-09
15 「晩夏」シュティフター(1857年)ちくま1300円+1500円
  → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-06-02
16 「人形の家」イプセン(1879年)岩波460円
  → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-04-25
17 「幽霊」イプセン(1881年)岩波460円
  → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-09-28
18 「花・死人に口なし」シュニッツラー(1894年)岩波720円
  → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-05-03
19 「罪なき罪(エフィ・ブリースト)」フォンターネ(1895年)岩波560円+700円
  → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-04-21
20 「クオ・ワディス」シェンキェヴィチ(1896年)岩波800円+800円+780円
  → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-10-09
  → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-10-12

 以上、今回選出の20巻は、計26冊で19361円。税込みで20289円でした。
 自分で選んでおいてなんですが、この巻はしょぼいです。

 もちろん、それなりの作品をそろえてあります。
 しかし、フランス編・イギリス編・ロシア編に比べて、だいぶ見劣りがします。

 なぜそうなったのか?
 それは、ドイツ文学で文庫化されている作品が少ないからです。

 19世紀ドイツに、良い作品がなかったわけでは、決してありません。
 文庫化されていても、品切れの本ばかりなので、セレクトできないのです。

 また、ベスト20の作品の中には、何十年も前に出た本もあります。
 訳は古いし、活字は読みにくいし・・・

 納得できないことが多いので、今回のセレクトは暫定的なものとします。
 では改めて、ひとつひとつコメントをしていきましょう。

 1 「青い花」ノヴァーリス(1802年)
  → これは文句なし。名作だし、訳も良かった。

 2 「親和力」ゲーテ(1809年)
  → これも文句なしでしょう。名作だし、訳も良かった。

 3 「チリの地震 クライスト短編集」クライスト(1810年)
  → クライストといえば、「こわれがめ」(品切れ)でしょう。

 4 「黄金の壺 マドモワゼル・ド・スキュデリ」ホフマン(1815年)
  → ホフマンには「悪魔の霊液」ほか、まだまだ入れたい作品がある。

 5 「グリム童話(上)(下)」グリム兄弟(1815年)
  → 童話がセレクトされてしまうなんて・・・

 6 「大理石像・デュランデ城悲歌」アイヒェンドルフ(1819年)
  → アイヒェンドルフといえば、「愉しい放蕩児」(品切れ)でしょう。

 7 「ホフマン短篇集」ホフマン(1821年)
  → 「牡猫ムルの人生観」(品切れ)とか、ほかに選ぶべき作品がある。

 8 「ファウスト第一部・第二部」ゲーテ(1832年)
  → これは文句なし。選ばなかったら、私はずばりアホでしょう。

 9 「ダントンの死」ビューヒナー(1935年)
  → これも文句なし。よくぞ復刊してくれた。

10 「ユーディット」ヘッベル(1840年)
  → 確かに名作。だがヘッベルには、まだほかに選ぶべき作品がある。

11 「さすらいのオランダ人 タンホイザア」ワアグナア(1841年)
  → ワーグナーから、本当は「ニーベルンゲンの指輪」を選びたい。

12 「ウィーンの辻音楽師」グリルパルツァー(1848年)
  → グリルバルツァーの最高傑作は、「サッポー」(品切れ)だという。

13 「みずうみ」シュトルム(1851年)
  → シュトルムの最高傑作は、「白馬の騎手」(品切れ)だという。

14 「天と地との間」オット・ルートヴィヒ(1856年)
  → これを入れるんだったら、ほかに選ぶべき作品があるでしょう。

15 「晩夏」シュティフター(1857年)
  → これは文句なし。訳も良かった。地味だが外せない作品でしょう。

16 「人形の家」イプセン(1879年)
  → 文句ない名作だが、イプセンはノルウェーの作家。

17 「幽霊」イプセン(1881年)
  → ノルウェーの作家を二つも入れるのは、苦肉の策だった。

18 「花・死人に口なし」シュニッツラー(1894年)
  → シュニッツラーといえば、「輪舞」(品切れ)でしょう。

19 「罪なき罪(エフィ・ブリースト)」フォンターネ(1895年)
  → これも外せない作品。ただし、訳が古くて実に読みにくい。

20 「クオ・ワディス」シェンキェヴィチ(1896年)
  → 文句ない名作。だが、シェンキェヴィチはポーランドの作家。

 本音を言えば、ドイツ文学だけでまとめたかったです。
 文庫化されていない作品も入れたら、ドイツ文学だけでまとまるはずです。

 「悪魔の霊液」や「緑のハインリヒ」を入れて、ベストセレクションを考えたい。
 次回はそれを考えよう。ああ、次回が楽しみだ。

 さいごに。(牛丼の『キチ』)

 しばらく前に、牛丼屋へ行きました。牛丼には、大・中・小がありました。
 「おれは大」と私。「わたしは小」と妻。「わたしはキチ」と娘。
 「キチ?」と聞くと、「牛丼のキチ!」と娘。

 実は、少し前に3人で、おみくじをやって、大吉・小吉・吉を出したのです。
 だから娘は、牛丼にも、大と小と吉があると思っていたのでした。
 (結局娘は、牛丼の小を注文しました)

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クオ・ワディス2 [19世紀ドイツ北欧文学]

 「クオ・ワディス」 シェンキェーヴィチ作 木村彰一訳 (岩波文庫)


 「クオ・ワディス」については、まだまだ伝えたいことがあります。
 前回に続いて、「クオ・ワディス」について、書かせていただきます。

 これは、西暦60年頃のローマ帝国を舞台にした、壮大な歴史小説です。
 「クオ・ワディス」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-10-09


クオ・ワディス〈上〉 (岩波文庫)

クオ・ワディス〈上〉 (岩波文庫)

  • 作者: シェンキェーヴィチ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1995/03/16
  • メディア: 文庫



 この物語は、青年貴族ウィニキウスとリギアの愛を中心に描かれています。
 しかし、私のお気に入りは、その叔父のペトロニウス。
 私はこの本を読んで、すっかりペトロニウスのファンになってしまいました。

 ペトロニウスは、皇帝ネロの寵臣であり、「美の審判者」と呼ばれています。
 芸術を愛するネロのご機嫌を取ることによって、権勢を誇っています。

 一見すると、惰性で生きている、狡知で怠惰な貴族でしかありません。
 しかしペトロニウスには、人生に対する確固たる信念があるのです。

 彼には痛いほど分かっています。自分の地位が、はかないものであることが。
 ネロの気まぐれひとつで、自分の命が無くなることが。
 だからこそ、今目の前にある人生を、全力で楽しむ。そういう信念です。

 彼は確かにネロに追従しています。しかしそれは、命がけのゲームなのです。
 死から目をそむけるのではなく、死を見据えた上で、人生を楽しんでいます。

 だから、愛する甥のウィニキウスのために、死を恐れずネロに諫言します。
 自分の破滅を覚悟した上で、全力で人のために尽くす姿は、実に美しい。

 キリスト教の愛と苦難をテーマにしながらも、最も魅力的に描かれているのは、
 最後までキリスト教に染まらずに、自分の流儀を貫徹したペトロニウスです。

 さて、物語はローマの大火から佳境に入り、本から離れられなくなります。
 ペトロニウスやウィニキウスらが、どうなるのか、気になって気になって。

 終盤は、睡眠時間を4時間半にして、いっきに読んでしまいました。
 この作品は、今年最も夢中になって読んだ作品です。

 さいごに。(町内の運動会)

 うちの町内は小さくて、子供が少ないため、大人も子供も何種目も出ます。
 午前中に終わる運動会なのに、私も娘も4種目ずつ出ました。妻は2種目。

 娘は、スプーンリレーが優勝したので、大喜びでした。
 私は、町内対抗リレーのアンカーをやり、優勝して大満足です。

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クオ・ワディス [19世紀ドイツ北欧文学]

 「クオ・ワディス」 シェンキェーヴィチ作 木村彰一訳 (岩波文庫)


 西暦60年頃のローマ帝国最盛期を舞台にした、壮大な歴史小説です。
 作者は19世紀ポーランドの作家で、ノーベル文学賞受賞者です。

 岩波文庫から三分冊で出ています。
 初版は1995年ですが、訳は1977年の講談社世界文学全集のものです。
 表紙はステンドグラスで美しい。上中下三冊並べて眺めたい。


クオ・ワディス〈上〉 (岩波文庫)

クオ・ワディス〈上〉 (岩波文庫)

  • 作者: シェンキェーヴィチ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1995/03/16
  • メディア: 文庫



クオ・ワディス〈中〉 (岩波文庫)

クオ・ワディス〈中〉 (岩波文庫)

  • 作者: シェンキェーヴィチ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1995/03/16
  • メディア: 文庫



クオ・ワディス〈下〉 (岩波文庫)

クオ・ワディス〈下〉 (岩波文庫)

  • 作者: シェンキェーヴィチ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1995/03/16
  • メディア: 文庫



 舞台は古代ローマ。西暦1世紀で、帝国の最盛期。
 皇帝は、悪名高きネロ。貴族たちは酒色に溺れ、堕落した生活を送っています。

 主人公は、美青年ウィニキウス。元執政官の息子で、ローマ軍の大隊長です。
 ウィニキウスはローマに帰還した折、美しいリギアに恋するようになりました。

 その恋心を打ち明けた相手は、叔父のペトロニウス。ネロの寵臣です。
 ペトロニウスはある策略を用いて、甥のためにリギアを奪略しようとします。

 しかし裏をかかれて、リギアは逃亡。探索するが、見つからず。
 しかしウィニキウスは、有力な情報を得て、ある集団の集会に入り込み・・・

 リギアはどこに隠れていたのか? 彼女をかくまっていた集団は何か?
 ウィニキウスの愛は成就するのか? そして、彼らの運命は?

 ネットでの評価通り、めちゃくちゃ面白い小説でした。
 魅力のひとつは、実在の人物が多数登場すること。
 時代考証もしっかりしていて、古代ローマを体感できる小説でした。

 ウィニキウスは架空の人物ですが、彼が頼る叔父ペトロニウスは実在の詩人。
 あの「サテュリコン」(現在品切れ)の作者として知られている人物です。
 「サテュリコン」 →  http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-12-02

 皇帝ネロ、その妻ポッパエア。親衛隊隊長ティゲリヌス。
 聖ペテロ、聖パウロ。もちろん、みな歴史上の人物です。

 歴史上の事件も詳細に描かれていて、古代ローマにトリップした感じです。
 ローマの大火も、キリスト教弾圧も、ペテロの殉教も描かれています。

 ちなみに、タイトルの「クオ・ワディス」は、新約聖書からの引用です。
 「どこへ行くのですか」という意味で、このときのエピソードは有名。

 ローマから逃れようとしたペテロの前に、復活したキリストが現れました。
 「どこへ行くのですか」と聞くペテロに、キリストは答えます。
 「お前がローマを見捨てるのなら、私が行ってもう一度十字架にかかろう。」

 作者シェンキェーヴィチは、強国の圧制に苦しむ故国ポーランドの状況を、
 迫害されるキリスト教徒に重ね合わせていたのだそうです。

 さいごに。(自宅でチョコは禁止)

 自宅でチョコを食べることを、控えることにしました。
 妻に、「甘いお菓子ばかり食べている男は魅力がない」と言われたので。

 小学校1年生の娘と、お菓子の取り合いをしているようではいけません。
 反省。で、昨日買ったチョコは、職場へ持って行きます。

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アンデルセン童話集 [19世紀ドイツ北欧文学]

 「アンデルセン童話集」 アンデルセン作 荒俣宏訳 (文春文庫)


 「おやゆび姫」「マッチ売りの少女」など、代表作ばかり集めた童話集です。
 アンデルセンは、19世紀のデンマークの人です。

 岩波文庫の完訳版や、新潮文庫版などもありますが、オススメは文春文庫版。
 ハリー・クラークの挿絵がとても素晴らしい。モノクロなのが残念ですが。


ハリー・クラーク絵 アンデルセン童話集 上 (文春文庫)

ハリー・クラーク絵 アンデルセン童話集 上 (文春文庫)

  • 作者: アンデルセン
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2012/07/10
  • メディア: 文庫



 岩波文庫版は完訳です。完訳派の人にオススメ。訳が古いが、味わい深い。
 新潮文庫版は選集です。こちらも、訳が少し古い。


完訳アンデルセン童話集 1 (岩波文庫 赤 740-1)

完訳アンデルセン童話集 1 (岩波文庫 赤 740-1)

  • 作者: ハンス・クリスチャン・アンデルセン
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1984/05/16
  • メディア: 文庫




人魚の姫―アンデルセン童話集 1 (新潮文庫)

人魚の姫―アンデルセン童話集 1 (新潮文庫)

  • 作者: アンデルセン
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1967/12/12
  • メディア: 文庫



 「おやゆび姫」「みにくいアヒルの子」「マッチ売りの少女」「はだかの王様」
 などなど、有名な童話ばかりですが、傑作はやはり「人魚姫」でしょう。

 王子に恋した人魚姫。魔女の力を借りてまで、その恋に賭けます。
 その美しい声と引き換えに、とうとう人間の足を手に入れました。

 しかし、魔女は言いました。
 一度人間になったら、二度と人魚には戻れない。
 王子がほかの女性と結婚したら、翌朝お前は海の泡となるのだと・・・

 悲しくも美しい物語です。
 人魚の悲恋に涙がこぼれそうになります。

 アンデルセン童話は、収集されたグリム童話と違い、多くが創作したものです。
 時々、神や天使や聖職者などが登場し、キリスト教的な味付けがされています。
 「人魚姫」では、永遠の魂というものが、重大な要素になっていました。

 さて、この本には「絵のない絵本」も収録されています。
 多くの訳が出ていますが、荒俣訳が最も分かりやすいと私は思います。

 なお、アンデルセンといえば、日本では森鴎外訳「即興詩人」が有名です。
 いつか時間ができたら、鴎外訳版を読んでみたいです。


アンデルセン 即興詩人(上) (岩波文庫)

アンデルセン 即興詩人(上) (岩波文庫)

  • 作者: アンデルセン
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1969/02/17
  • メディア: 文庫




森鴎外全集〈10〉即興詩人 (ちくま文庫)

森鴎外全集〈10〉即興詩人 (ちくま文庫)

  • 作者: 森 鴎外
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1995/12/04
  • メディア: 文庫



 さいごに。(眼が・・・)

 指にとげが刺さったので、針で取ろうとしたのですが・・・
 見えないのです! 指を眼に近づけると、ぼやけてしまって。

 眼から離すと見えやすい。めがねを外すとくっきり見える。
 老眼の兆候? というか、老眼そのもの?

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ダントンの死 [19世紀ドイツ北欧文学]

 「ダントンの死」 ビューヒナー作 岩淵達治訳 (岩波文庫)


 フランス革命で活躍したダントンが、断頭台の露と消える場面を描いた戯曲です。
 23歳で早逝したビューヒナーの、迫力に満ちた傑作です。

 2006年に岩波文庫から出されました。
 「ヴォイツェク」「レンツ」などの傑作も収録しています。


ヴォイツェク ダントンの死 レンツ (岩波文庫)

ヴォイツェク ダントンの死 レンツ (岩波文庫)

  • 作者: ビューヒナー
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2006/10/17
  • メディア: 文庫



 ロベスピエールとともに、フランス革命の立役者であるダントン。
 しかしダントンは、自分がおこなった革命に、その人殺しに、うんざりしています。

 一方、「共和国の武器は恐怖だ」と、恐怖政治を断行しようとするロベスピエール。
 そしてロベスピエールは、意見の合わないダントンの逮捕を決意しました。

 ダントンは、仲間から命の危険を警告されます。
 しかし、ダントンは逃げません。また、何の対策も立てません。

 時代の流れは止められない、運命を受け入れるしかない、そう考えているようです。
 そしてダントンは、死というものに、絶望ではなく、救いを見ているようです。

 こうしてダントンは、自分自身が作った革命裁判所によって裁かれるわけですが、
 彼を死に追いやったロベスピエールも、その数ヵ月後に断頭台に登る運命でした。

 一説に、ギロチンに引かれていくダントンが、ロベスピエールの家の前を通った時、
 「次はきさまの番だぞ!」と叫んだといいます。ダントンらしいエピソードです。

 この戯曲には、当時の時代の狂気が、よく表れています。
 この本に収録されたほか2編も、狂気を感じさせる作品です。

 「レンツ」は、ドイツ作家レンツが、狂気に陥っていく様子を描いた短編小説です。
 死んだ子を生き返らせようとして祈り、「起きて歩け!」と叫ぶ場面は笑えます。

 「ヴォイツェク」は、ある下級軍人が、情婦を刺殺するまでを描いた戯曲です。
 主人公の軍人ヴォイツェクがまた、狂気に陥っています。作品は未完。

 ビューヒナーの傑作三作を収録している点で、この本はお得です。
 ただし、訳注と解説等が約100ページ。読まないって!

 その分をカットして、700円ぐらいに抑えてくれたらいいのに。
 今後も絶版にならないよう、多くの人に買ってもらいたいから。

 ところで「ダントンの死」を読んで、革命関係の二作を思い出しました。
 ミシュレの「フランス革命史」と、A・フランスの「神々は渇く」です。
 どちらも未読のまま、私の本棚で仲良く眠っています。


フランス革命史〈上〉 (中公文庫)

フランス革命史〈上〉 (中公文庫)

  • 作者: ジュール ミシュレ
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2006/12
  • メディア: 文庫




神々は渇く (岩波文庫 赤 543-3)

神々は渇く (岩波文庫 赤 543-3)

  • 作者: アナトール・フランス
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1977/05/16
  • メディア: 文庫



 さいごに。(大きなかぶ)

 娘が小学校の宿題で、「大きなかぶ」を暗記させられました。
 すらすら暗記できていました。

 懐かしいです。40年前の我々の時代と、変わっていません。
 犬や猫やねずみが、一緒になって引っ張るところが楽しいです。

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