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二十四の瞳 [日本の近代文学]

 「二十四の瞳」 壺井栄 (角川文庫)


 昭和の前半に、瀬戸内海の寒村に赴任した女先生と12人の生徒たちの物語です。
 優れた反戦小説として有名で、映画やドラマになりました。

 角川文庫や新潮文庫から出ています。私は角川文庫の2011年版で読みました。
 てぬぐい柄のしゃれた表紙です。定価は324円と、昔ながらの良心的な価格。


二十四の瞳 (角川文庫)

二十四の瞳 (角川文庫)

  • 作者: 壺井 栄
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2007/06/23
  • メディア: 文庫



二十四の瞳 (新潮文庫)

二十四の瞳 (新潮文庫)

  • 作者: 壺井 栄
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/04
  • メディア: 文庫



 昭和3年に、寒村の分教場に、新米の女教師がやってきました。大石先生です。
 彼女が初めて受け持つ1年生は、男子5人、女子7人の計12人でした。

 十二人の一年生の瞳は、それぞれの個性にかがやいてことさら印象ぶかくうつった
 のである。/この瞳を、どうしてにごしてよいものか!(P24)

 しかし、村の生活は貧しく、さらに戦争の荒波に巻き込まれて・・・
 その4年後に5年生になった彼らは・・・さらにその14年後の再会では・・・

 今回読み直して、今さらながらこの作品が、反戦小説なのだと気付きました。 
 「名誉の戦死など、しなさんな。生きてもどってくるのよ。」(P189)

 さて、私が印象的だったのは、当時は誰もが学校で学びたがっていたということ。
 そして、学びたくても学べないという子が、とてもたくさんいたということです。

 当時の子どもたちは、小学生ともなれば、一家の労働力として数えられました。
 男の子は父親の仕事を手伝い、女の子は母親を手伝って子守や炊事をしました。

 今はどうかというと・・・子供たちは、家族においても「お客様」となっている!
 うちもそうです。母が料理し、父がお皿を並べている間、娘はごろごろしています。

 これでは、子供たちが「お客様」扱いに慣れてしまうのは、当然かもしれません。
 社会全体で、このような傾向を変えていかなければいけません。まずはうちから。

 働かない若者がいることも、「お客様」だからと考えれば、納得がいきます。
 と思っていたら、北大から「働かないアリ」について、面白い発表がありました。

 「普段働かないアリがいざという時に働いて、集団の絶滅を防いでいる」という。
 奥が深いです。働かない者は、いざという時に備えている、三年寝太郎なのかも。

 さて、壺井栄にはほかにも、「母のない子と子のない母と」という名作があります。
 「二十四の瞳」と対になるような作品です。ただし、現在品切れ。重版を待ちたい。


母のない子と子のない母と (小学館文庫―新撰クラシックス)

母のない子と子のない母と (小学館文庫―新撰クラシックス)

  • 作者: 壺井 栄
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2004/09
  • メディア: 文庫



 さいごに。(知らなくてもいい)

 今年に入って50日。この間娘が最も興味を持って覚えた言葉が「不倫」でした。
 テレビでは毎日、「不倫」「不倫」とそればっかり。

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春の雪 [日本の近代文学]

 「春の雪」 三島由紀夫 (新潮文庫)


 侯爵家の美しい青年と、伯爵家の美しい令嬢との、華やかで悲劇的な愛の物語です。
 作者の集大成「豊饒の海」全4巻のうちの第1巻です。2005年に映画化されました。

 新潮文庫と中公文庫から出ています。新潮文庫版のカヴァーは、とても美しいです。
 新潮文庫からは、「豊饒の海」全4巻が出ています。(さすが新潮さん)


春の雪―豊饒の海・第一巻 (新潮文庫)

春の雪―豊饒の海・第一巻 (新潮文庫)

  • 作者: 三島 由紀夫
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2002/10
  • メディア: ペーパーバック



春の雪 (中公文庫)

春の雪 (中公文庫)

  • 作者: 三島 由紀夫
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2008/03/23
  • メディア: 文庫



 時は、大正時代。主人公は、侯爵家の嫡男である松枝清顕(まつがえきよあき)。
 清顕は、優雅で美しい18歳の青年で、人生において決定的な何かを求めています。

 清顕には、聡子という幼なじみがいました。彼女は2歳年上の伯爵家の令嬢です。
 二人は、好意を寄せ合っているものの、たびたび心がすれ違ってしまいます。

 そのうち、聡子には縁談が持ち上がり・・・
 聡子が手の届かないところへ去ると、清顕は突然・・・

 舞台はきらびやかな貴族社会で、文体は優雅絢爛。少しとっつきにくいです。
 最初の四分の一ほどまでは、作品世界にも文体にも慣れず、たいへんでした。

 しかし、清顕と聡子が雪の中へ繰り出す場面から、物語の世界にはまりました。
 そこから禁忌を犯してしまうまでの展開は、この物語の圧巻でした。

 「優雅というものは禁を犯すものだ、それも至高の禁を」と清顕は言います。
 そして彼は、不可能な愛の歓喜の頂点で、世界が崩壊することを願っています。

 待っているのは、恐ろしい結末。それを知っていながら、破滅に向かう・・・
 凡人には理解しがたい考えと、計り知れない行動に、深い感銘を受けました。

 (ここから先、ネタバレが多くなります)

 ところで私は、終盤の清顕には、少し不満があります。
 あれほど大それたことをしながら、あっけなく死んでしまうとは!

 自分の気持ちを抑え込み、聡子への愛を封じ込め、表面上は何食わぬ顔で、
 したたかに、そしてふてぶてしく生き続けてほしかったです。

 自分が受けた苦痛も、人に与えた苦痛も、なんとも思わないような態度で。
 それこそが、清顕の目指すべき優雅というものではないでしょうか。

 さて、私はこの作品を、10年ほど前の2005年に、のめりこむように読みました。
 感動が余りにも大きくて、映画は見られず、原作の続編は読めなくなりました。

 ちなみに「春の雪」は、2005年のマイ・ベスト・ブックでした。
 これまで何度か、読み直そうと思いながらも、常に思いとどまってきた本です。

 さいごに。(ディズニーシー)

 今日、妻と娘は2人でディズニーシーへ行きます。存分に楽しんできてほしい。
 私はディズニー行を免除されたので、大掃除を少し進めておこうと思います。


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命売ります [日本の近代文学]

 「命売ります」 三島由紀夫 (ちくま文庫)


 自殺に失敗して命を売りに出した青年の、異常な体験を描いた荒唐無稽な小説です。
 自決の2年前に「週刊プレイボーイ」に連載された、娯楽的な読み物です。

 ちくま文庫から出ています。
 なぜか今年2015年に突然ベストセラーになり、話題になりました。


命売ります (ちくま文庫)

命売ります (ちくま文庫)

  • 作者: 三島 由紀夫
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1998/02
  • メディア: 文庫



 物語は、27歳の山田羽仁男(はにお)が、自殺に失敗する所から始まります。
 死にきれなかった羽仁男は、新聞の求職欄に広告を出しました。

 「命売ります。お好きな目的にお使い下さい。」
 あくる日の朝、さっそく買い手が現れて・・・

 驚くようなアイディア。軽快な展開。この小説が話題になる理由が分かります。
 しかし、三島らしくない。私の三島のイメージは、大きく揺さぶられました。

 恋愛小説の要素も、ミステリ小説の要素も、ホラー小説の要素も入っています。
 ただしどれも中途半端で、全体はバラバラでまとまりのないように思いました。

 読者の中には、この小説を傑作のように言う人がいます。でも、どうだろうか。
 あまりにも通俗的すぎるのではないか。とはいえ、興味深い作品ではあります。

 羽仁男の自殺のきっかけは、新聞の活字がみなゴキブリに見えたことです。
 つまり、世の中の出来事は全て、ゴキブリ同様に意味がない、ということか。

 そこに、三島の晩年の心境が現れている気がします。
 そういう点で、本当に興味深い作品です。

 「人生が無意味で、人間がただの人形にすぎないことを、あなた方は百も承知
 の筈でしょう。」(P76)という羽仁男の言葉に、三島の心境が見え隠れします。

 しかし、私にとっての三島由紀夫は、「春の雪」に象徴されます。
 とっつきにくいが、しだいに中毒になってくるあの文体。あれこそ三島ですよ。


春の雪―豊饒の海・第一巻 (新潮文庫)

春の雪―豊饒の海・第一巻 (新潮文庫)

  • 作者: 三島 由紀夫
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2002/10
  • メディア: ペーパーバック



 さいごに。(小学校は最終日)

 娘の小学校は、今日が、今年の最終日。明日から冬休みです。
 今日だけは、とてもうれしそうに登校しました。

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夏の葬列 [日本の近代文学]

 「夏の葬列」 山川方夫 (集英社文庫)


 「夏の葬列」「他人の夏」など、人生の一瞬の翳りを描いた短編集です。
 作者は昭和時代に「三田文学」の編集者として知られていました。

 集英社文庫から出ています。カバーがかわいいです。
 口絵ページに作者の写真が載っているところが嬉しいです。


夏の葬列 (集英社文庫)

夏の葬列 (集英社文庫)

  • 作者: 山川 方夫
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1991/05
  • メディア: 文庫



 「夏の葬列」は、わずか10ページ余りですが、強烈な印象が残る作品です。
 「私」が疎開先だった町を久々に訪れると、たまたま葬列が目につき・・・

 そして思い出される、十数年前の悲惨な出来事・・・
 知らされた残酷な事実、運命の皮肉・・・

 「他人の夏」もまた、8ページほどの小品ですが、印象的な 作品です。
 深夜に海で泳いでいると、たった一人で泳ぐ女に出会い・・・

 「死のうとしている人間を、軽蔑しちゃいけない。どんな人間にも、その
 人なりの苦労や、正義がある。その人だけの生甲斐(いきがい)ってやつ
 がある。そいつは、他の人間には、絶対にわかりっこないんだ」(P61)

 そのほか、規格化された団地生活の悲哀を描いた「お守り」や、
 何かを待ち続ける女を描いた「待っている女」などが良かったです。

 どの作品からも、生きることの意味を見失った人々の悲哀を感じます。
 全9編、いずれもどこかに死の香りを漂わせています。

 ところで「夏の葬列」は、中学校の教科書に載っているようです。
 また「他人の夏」は、高校の現代文の教科書に採用されているようです。

 さて、山川方夫にはほかにも、短編集「安南の王子」があります。
 同じく集英社文庫から出てい ます。


安南の王子 (集英社文庫)

安南の王子 (集英社文庫)

  • 作者: 山川 方夫
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1993/10
  • メディア: 文庫



 さいごに。(ヒル)

 夏のキャンプで最大のアクシデントが、ハイキングで蛭に咬まれたことです。
 私は靴下の上だったので大丈夫でしたが、妻は直接肌に咬まれていて大変でした。

 急いでキャンプ場に戻って、チャッカマンの火であぶって取りましたが、
 傷口からたらたらと血が流れ続けていました。ある意味、貴重な体験でした。

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近代能楽集 [日本の近代文学]

 「近代能楽集」 三島由紀夫 (新潮文庫)


 能の謡曲を現代風にアレンジした作品8編を集めたものです。
 海外でも上演されることの多い作品集です。

 新潮文庫から出ています。カバーがカッコいいです。
 全八編を収録しています。

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近代能楽集 (新潮文庫)

近代能楽集 (新潮文庫)

  • 作者: 三島 由紀夫
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1968/03/27
  • メディア: 文庫



 なんと言ってもすばらしいのは、「卒塔婆小町」です。
 99歳の老婆が、1人の詩人を、はかなく美しい幻想世界に誘う物語です。 

 「私を美しいと云った男はみんな死んじまった。」
 そう言う小町を、詩人は軽くあしらいました。

 しかし、幻想世界に引き込まれた詩人が、命を懸けて言ったことばは・・・
 作者三島 の美意識が、ここに表れているように思えます。

 「葵上」もまた、すばらしい出来栄えの作品です。
 妻の病室に、見舞いに来る貴婦人。それは、夫の昔の恋人の生霊で・・・

 この2作は「近代能楽集」を代表する作品です。
 どちらも完成度が高く、よく上演されています。

 「邯鄲」は個人的に好きな作品です。
 何もかも虚しくなる夢を見させるという、不思議な枕の話です。

 次郎は、18歳にして、世の中の全てを虚しく感じているおぼっちゃんです。
 その次郎が、邯鄲の枕で眠ってみると・・・

 そのほか、「綾の鼓」「道成寺」「熊野(ゆや)」なども捨てがたいです。
 どれも分かりやすいので、三島の入門書として案外いいかもしれません。

 さいごに。(アナ雪)

 「アナと雪の女王」のBDを、娘の解説付きで見ました。
 すばらしかったです。ストーリーもいいし、絵もいいし、歌もいい。

 ただし、BDの売り方に問題ありです。DVDやら何やらオマケが付いて4000円。
 しかも「お得」だという。本当か? BDだけを半額で売ってほしかった。


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潮騒 [日本の近代文学]

 「潮騒」 三島由紀夫 (新潮文庫)


 伊勢湾に浮かぶ小さな島で、若い漁師と美しい海女の恋が実るまでの物語です。
 三島には珍しく、明るく健康的な作品で、当時ベストセラーになりました。

 現在、新潮文庫から、夏限定カバーで出ています。いい感じです。
 1冊持っているのに、ついつい買いたくなってしまいます。


潮騒 (新潮文庫)

潮騒 (新潮文庫)

  • 作者: 三島 由紀夫
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/10
  • メディア: 文庫



 新治は18歳のたくましい漁師です。体は立派ですが、恋の経験はありません。
 初江は美しい海女です。養女先から、島に引き取られてきました。

 新治と初江は、ふとしたことから知り合い、恋に落ちました。
 そして激しい嵐の日に、山上の小屋で抱き合いました。

 一緒に帰る 二人を見つけたのは、新治に恋していた千代子で・・・
 2人の恋を妨害するのは、初江の家に入り婿になるつもりでいた安夫で・・・

 さて、実は、最初は二人の恋に興ざめでした。あまりにも幼稚すぎて。
 道に迷って無く初江も初江だが、一緒にいたことを口止めする新治も新治です。

 しかし、会うのを禁じられた場面から、恋はしだいに神聖なものに変化します。
 新治は漁師として成長し、初江は海女として成長し、恋は崇高さを帯びてきます。

 そして、2人の誠実さは、ちゃんと報われます。
 八代神社の神が見守っていたのかもしれません。

 この物語は、屈折したところがありません。三島らしくない作品です。
 あまりにも、内容が健康的 過ぎて、不気味な感じすらします。

 そういう意味で、「健康ゆえに不健康な作品」という見方もあります。
 解説にも、「一見素直すぎ、素朴すぎるところが、実は曲者で」とあります。

 余談ですが、この作品は昔から人気があり、5回も映画化されています。
 第2回は吉永小百合主演で、第4回は山口百恵主演です。第4回を見たい。

 さいごに。(百恵ブーム)

 ちびまるこちゃんで、時々「百恵ちゃん」の話題が出るので、
 娘に、「プレイバック・パート2」を聞かせてあげました。

 それから娘は百恵ちゃんブームです。
 よく「バカにしないでよ」と歌っています。


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遠野物語 [日本の近代文学]

 「遠野物語」 柳田国男 (角川ソフィア文庫)


 著者柳田が、佐々木喜善から聞いた遠野の伝説や奇談を、119編にまとめたものです。
 遠野を一躍有名にした、民俗学の記念碑的な作品です。

 現在、角川文庫、岩波文庫、集英社文庫などから出ています。
 オススメは角川文庫版。「遠野物語拾遺」299編とのカップリングなので。


遠野物語―付・遠野物語拾遺 (角川ソフィア文庫)

遠野物語―付・遠野物語拾遺 (角川ソフィア文庫)

  • 作者: 柳田 国男
  • 出版社/メーカー: 角川学芸出版
  • 発売日: 2004/05/26
  • メディア: 文庫



 角川文庫には、京極夏彦の「遠野物語remix」とのカップリング版もあります。
 カバーも激似。実にまぎらわしい。まちがえないように。


遠野物語remix 付・遠野物語 (角川ソフィア文庫)

遠野物語remix 付・遠野物語 (角川ソフィア文庫)

  • 作者: 京極 夏彦
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川学芸出版
  • 発売日: 2014/06/20
  • メディア: 文庫



 岩波文庫は、名著「山の人生」とのカップリングです。


遠野物語・山の人生 (岩波文庫)

遠野物語・山の人生 (岩波文庫)

  • 作者: 柳田 国男
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1976/04/16
  • メディア: 文庫



 農商務省の官僚として東北を旅していた柳田は、遠野の佐々木喜善を知りました。 
 ある日、柳田は佐々木を訪ね、遠野に伝わる様々な話を聞きました。

 山の神、山男、山姥、天狗、河童、狐、ザシキワラシ、オシラサマ、オクナイサマ。
 臨死体験、死人に会う話、山奥の迷い家(マヨヒガ)、神隠し、様々な心霊現象・・・

 不思議な話が、簡潔な文語体で119編、60ページあまりにギュッと詰まっています。
 読み始めると止まりません。次へ次へと、追いかけるように読みたくなります。

 私は25の時、新潮文庫の「遠野物語」を読んで、この世界にはまりました。
 バイクで東北地方を巡ったときは、もちろん遠野のYHに泊まりました。

 遠野は、不思議に懐かしい雰囲気のある土地でした。
 河童淵、カッパ狛犬、語り部の老婆、オシラサマを祭る家・・・

 遠野に旅行に来て、そこから離れられなくなり、会社を辞めたという青年がいました。
 彼はYHでヌシと呼ばれ、仕事を手伝う代わりに、宿泊料をまけてもらっていました。

 「遠野物語」を久しぶりに読み返したのは、NHK「100分de名著」でやっていたので。
 番組を見て懐かしくなって読んだら、ますます懐かしさがこみあげてきました。

 さて、角川文庫では、柳田国男の作品が充実しています。
 「山の人生」「日本の伝説」「妖怪談義」なども、ぜひ読んでおきたいです。


山の人生 (角川ソフィア文庫)

山の人生 (角川ソフィア文庫)

  • 作者: 柳田 国男
  • 出版社/メーカー: 角川学芸出版
  • 発売日: 2013/01/25
  • メディア: 文庫



日本の伝説 (角川ソフィア文庫)

日本の伝説 (角川ソフィア文庫)

  • 作者: 柳田 国男
  • 出版社/メーカー: 角川学芸出版
  • 発売日: 2013/01/25
  • メディア: 文庫



新訂 妖怪談義 (角川ソフィア文庫)

新訂 妖怪談義 (角川ソフィア文庫)

  • 作者: 柳田 国男
  • 出版社/メーカー: 角川学芸出版
  • 発売日: 2013/01/25
  • メディア: 文庫



 さいごに。(たびねこ)

 さとうあすかの「たびねこ」を、図書館で借りてきて、娘と楽しんでいます。
 各ページで、主人公「たびねこ」を探すという絵本です。

 絵がかわいいのだけど、めちゃくちゃ細かくて、目が疲れます。
 娘は平気ですが、私は虫メガネがないと、探すことができません。


たびねこ

たびねこ

  • 作者: さとうあすか
  • 出版社/メーカー: 飛鳥新社
  • 発売日: 2013/12/14
  • メディア: 単行本



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松蘿玉液 [日本の近代文学]

 「松蘿玉液(しょうらぎょくえき)」 正岡子規 (岩波文庫)


 病床にある28歳の正岡子規が、新聞「日本」に連載していた随筆です。
 「墨汁一滴」「仰臥漫録」「病牀六尺」とともに子規の四大随筆です。

 岩波文庫から出ています。
 アマゾンでは品切れ。岩波書店のHPでは在庫僅少。


松蘿玉液 (岩波文庫)

松蘿玉液 (岩波文庫)

  • 作者: 正岡 子規
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1984/02/16
  • メディア: 文庫



 日清戦争の従軍記者として帰国の途上にあった子規は、喀血して危篤に。
 翌明治28年に書き始めた随筆が、この作品です。

 病床にあったとはいえ、子規は28歳。この頃はまだまだ元気です。
 筆にも勢いがあります。

 私のお気に入りは、「貧しきは」の章。(P102)
 「貧の極度は一文もなきことぞと覚えたる書生の内はなかなかに
 一文もなきこそ魂落ちつきて心安きこと多けれ。」

 それから、こんなことも言っています。(P102)
 「貧は一文なしより楽しきはなく病は静かに寝たるより安きはなし。」

 この作品で注目されるのは、ベースボールの説明です。
 子規は日本に野球を、最初に紹介した人です。

 野球を知らない当時の日本人に、複雑なルールを活字で伝えています。
 よほど野球がすきだったのでしょう。文が生き生きしています。

 ところで子規は喀血後(この作品執筆前)、故郷の松山で静養しました。
 そのとき親友の夏目漱石が、英語教師として松山に赴任していました。

 そこで、子規は漱石の下宿に転がり込んで、52日間同居しました。
 現在その家は、「愚陀仏庵」と呼ばれ、松山の名所になっています。

 私もそこへ立ち寄りました。20前に、バイクで旅した時のことです。
 私は20代。子規がマイブームで、書棚の子規本は当時買ったものです。

 さて、「松蘿玉液」に、漱石が出てくるわけではありません。
 しかしこの作品を読むと、子規と漱石の友情が自然と思い出されます。

 ついでながら、子規の従軍記は「飯待つ間」(岩波文庫)で読めます。

飯待つ間―正岡子規随筆選 (岩波文庫)

飯待つ間―正岡子規随筆選 (岩波文庫)

  • 作者: 正岡 子規
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1985/03/18
  • メディア: 文庫



 さいごに。(登山のアルバム作り)

 北アルプス登山は、2週間前に終わりました。
 しかし下山後は、アルバム作りという楽しみがあります。
 写真を貼りながら、もう一度、山の時間をじっくり味わっています。

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仰臥漫録 [日本の近代文学]

 「仰臥漫録」 正岡子規 (角川文庫)


 脊髄カリエスで病床の子規が、死の直前まで書き続けた随筆です。
 「墨汁一滴」「病牀六尺」とともに、三大随筆と呼ばれています。

 岩波文庫と、角川ソフィア文庫から出ています。
 オススメは角川版。カラーの口絵があるし、表紙も良いです。


仰臥漫録 (角川ソフィア文庫)

仰臥漫録 (角川ソフィア文庫)

  • 作者: 正岡 子規
  • 出版社/メーカー: 角川学芸出版
  • 発売日: 2009/09/25
  • メディア: 文庫




仰臥漫録 (岩波文庫)

仰臥漫録 (岩波文庫)

  • 作者: 正岡 子規
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1983/11/16
  • メディア: 文庫



 死の前年、「墨汁一滴」の連載終了と同時に、書き始めた随筆です。
 公表する意図がなかったため、魂の叫びがそのまま書かれています。

 食べ物の話が多いです。
 病床にあっては、食事だけが楽しみだったのでしょうか。

 菓子パンがうまくなかったので、羊羹や塩煎餅をヤケ食いしたとか。
 梅干を捨てるのが惜しくて、何度も何度もしゃぶっているとか。
 書生時代に旅先で食った牡蠣は、本当にうまかったとか。

 また、多くの俳句が収録されています。
 「糸瓜ぶらり夕顔だらり秋の風」「病間に糸瓜の句など作りける」
 「物思ふ窓にぶらりと糸瓜哉」・・・やはりへちまの句が多いです。

 そして時々、ギクリとするような感想も挿入されます。
 千枚通しを見ていると、自殺したくなるとか。

 所々に挿絵のように、自筆の絵が入っているのがこの本の特徴です。 
 角川版にはカラーの口絵があって、子規の絵の美しさが分かります。

 子規の絵は、俳句同様、決して飾らない素朴な美を持っています。
 死を目前にした子規の、心の不思議な安らぎを感じます。
 
 さいごに。(ハロウィン)

 英語教室で、ハロウィンパーティーをやりました。
 娘は、クロネコに扮しました。

 ちょっとかわいかったので、ケータイの待ち受け画面にしました。
 (相変わらず親ばか)
 ↓ クロネコ姿で、お絵かき中

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筆まかせ [日本の近代文学]

 「筆まかせ 抄」 正岡子規 (岩波文庫)


 若かりし子規が、まさに筆に任せて様々なことを書いた随筆です。
 夏目漱石との往復書簡が収録されています。

 岩波文庫から出ていましたが、現在は品切れ。
 時々重版が出ます。


筆まかせ抄 (岩波文庫)

筆まかせ抄 (岩波文庫)

  • 作者: 正岡 子規
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1985/02/18
  • メディア: 文庫



 明治17年、17歳の正岡子規は上京して、東大予備門に入学しました。
 その後の東京大学時代、明治23年までのことが書かれています。

 特に同窓の漱石との往復書簡は、面白いことで有名です。
 明治23年の「鬼の目に涙」(P192~)は絶品。
 二人が本当に仲良しだったことが分かります。

 私のお気に入りは、「弥次喜多」(P21~P25)。
 50銭しか持たずに、夜中の11時に東京を出て、鎌倉へ向かう悪友4人。

 まだ10代の元気いっぱいの子規! 青春時代特有の無茶!
 のちに結核を患うことが嘘のよう。読んでいてとても楽しい。

 さて、過日9月19日は、子規の忌日でした。
 絶筆の「糸瓜咲て痰のつまりし仏かな」などから、「糸瓜忌」といいます。

 子規がなぜ「糸瓜(へちま)」を詠んだかというと、それが薬だったから。
 糸瓜はつるを切って水を取り、それを痰切りの薬にしたのだそうです。

 子規の病床の随筆に「墨汁一滴」「病床六尺」があります。
 「墨汁一滴」 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-01-07
 「病牀六尺」 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-01-20

 さいごに。(ヒュッテ大槍)

 先日の登山の最後に泊まったヒュッテ大槍はすごかったです。
 ディナーにワインが出て、鳥の蒸し焼きと、絶品のパスタが出て・・・

 まるでイタリアンのコースです。
 ほんとに、ここは山小屋?という感じでした。
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