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二重人格 [19世紀ロシア文学]

 「二重人格」 ドストエフスキー作 小沼文彦訳 (岩波文庫)

 ある小役人が自分の分身に翻弄され、狂気に陥っていく過程を描いた物語です。
 「貧しき人々」に次いで発表された、ドストエフスキーの長編の第二作です。

 岩波文庫から出ています。初版は1954年。2014年現在72刷。
 訳は古く、活字は小さく、改行も少なくて、少し読みにくかったです。


二重人格 (岩波文庫)

二重人格 (岩波文庫)

  • 作者: ドストエフスキー
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1981/08/16
  • メディア: 文庫



 9等官のゴリャートキンは、小心のくせにプライドは高い、小役人の典型です。
 自分がうまく立ち回れないのは、周囲の「敵」たちのしわざだと考えています。

 ある日、晩餐会を追い出された後、彼はもうひとりの自分を見かけました。
 翌日、職場に行くと、自分 とそっくりで同姓同名の男がいて・・・

 その男は何者か? その男はなぜ出現したのか?
 様々な謎を残したまま、物語はずんずん進んでいきます。

 とても面白くて、ワクワクしながら、いっきに読み終えました。
 当時は不評で、半ば忘れられていた作品だとは、とうてい思えません。

 タイトルは「二重人格」ですが、正確には「ドッペルゲンガー」です。
 雰囲気は、ホフマンの怪奇小説に似ていると思いました。

 どこまでが現実で、どこからが幻想なのか。
 知らず知らず、非日常の世界に引きずり込まれていきます。

 この作品は、管理社会の重圧に押しつぶされる人間が、描かれているそうです。
 どこか現代にも通じる狂気を感じました。

 さて、ドッペルゲンガーといえば、ポーの「ウィリアム・ウィルソン」が有名。
 「黒猫」に収録→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-04-08

 ナボコフの「絶望」も、ある意味で、分身が登場する作品です。
 近日中に読んでみたいです。


絶望 (光文社古典新訳文庫)

絶望 (光文社古典新訳文庫)

  • 作者: ウラジーミル ナボコフ
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2013/10/08
  • メディア: 文庫



 ドストエフスキーの「貧しき人々」を、まだ読んでいませんでした。
 古典新訳文庫から、新訳が出ているので、読みたいです。


貧しき人々 (光文社古典新訳文庫)

貧しき人々 (光文社古典新訳文庫)

  • 作者: フョードル・ミハイロヴィチ ドストエフスキー
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2010/04/08
  • メディア: 文庫



 さいごに。(ユニクロで当て逃げされました)

 土曜日の午後、ユニクロに行きました。店内にいたのはわずか15分。
 出てきたら、ミラジーノの前照灯横の部分が、大きくへこんでいました。

 駐車場に防犯カメラは無く、目撃者も見つからず、どうにもなりません。
 せめて、当て逃げした人が、今は後悔してくれているといいのですが。

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地下室の手記 [19世紀ロシア文学]

 「地下室の手記」 ドストエフスキー作 江川卓訳 (新潮文庫)


 自意識過剰の元役人が地下室にひきこもり、人間の非合理性を訴えた記録です。
 ドストの大きな転換点となる作品で、このあと「罪と罰」が生まれました。

 新潮文庫、古典新訳文庫などから出ています。どちらも分かりやすいです。
 新潮文庫の江川訳は名訳。2013年に改版が出て、活字が読みやすくなりました。


地下室の手記 (新潮文庫)

地下室の手記 (新潮文庫)

  • 作者: ドストエフスキー
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1970/01/01
  • メディア: 文庫



地下室の手記(光文社古典新訳文庫)

地下室の手記(光文社古典新訳文庫)

  • 作者: ドストエフスキー
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2007/05/10
  • メディア: 文庫



 小役人の40歳の男が、昨年遠い親戚から、遺産を贈られました。
 彼は仕事をやめて家にひきこもり、どうしようもないことを書き連ねて・・・

 第一部の第2章の冒頭は傑作です。
 私はこの一文で、彼の世界にすっかり引き込まれてしまいました。

 「ところで諸君、きみらが聞きたいと思うにしろ、思わないにしろ、ぼくがいま
 話したいと思うのは、なぜぼくが虫けらにさえなれなかったか、という点である。」

 「ぼく」は「虫けらにさえなれなかった」! こんなこと、なかなか言えません。
 注目すべきは、そう書きながら彼は、快楽を味わっていたはずだという点です。

 「こうした血のにじむような屈辱、だれから受けたともわからぬ嘲笑こそ、例の快
 楽のはじまりなのであり、ときにはそれが官能的な絶頂感にも達する・・」(P28)

 つまり、屈辱を味わうことによって、快楽を感じるわけです。
 りっぱなヘンタイですよ。

 だからといって、「こんなヘンタイの言うこと聞いちゃいられない」とは ならない。
 むしろ、実に興味深く読ませていただきました。

 たとえば、「ヘンリ・ライクロフトの私記」のライクロフトもまた、遺産を贈られ、
 田舎にひきこもりましたが、彼は物知り顔で説教くさいことばかりを書きつづった。
 「ヘンリ・ライクロフトの私記」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-09-07

 それに比べて、地下室のこのヘンタイ男は、実にかわいい。
 私は、どうしても、こちらのヘンタイ男に、魅力を感じてしまう。

 この本は名言の宝庫ですが、サイコーだったのは次の言葉です。(P230)
 「世界なんか破滅したって、ぼくがいつも茶を飲めれば、それでいいのさ。」

 ところで、タイトルの「地下室」は、この男の内部にある「地下室」のことらしい。
 この「地下室」はスゴい。屈辱や嘲笑を、官能的な快楽に昇華させるのだから。

 なお、この作品は、二部構成です。
 第一部は、「ぼく」の思想表明。そして第二部は、その実例集です。

 第一部は、もしかしたら「うざい」と感じるかもしれません。事実、少しうざい。
 もし、そう感じたら、第二部から読んでください。具体的で、面白いです。

 さいごに。(お菓子のバイキング)

 先日、紅葉を見に行った時、家族3人でお菓子のバイキングをやりました。
 500円で、お皿に好きなだけお菓子を盛りつけます。ただし取るのは1回きり。

 こういうのに、私はめっぽう強い。効率よく真剣に盛りつけました。
 いつも私の言うことなんか聞かない娘も、私と全く同じように盛りつけました。
 そのため娘は、たくさん盛り込みすぎて、食べきれませんでした。

DSCF1199-2.jpg

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光あるうち光の中を歩め [19世紀ロシア文学]

 「光あるうち光の中を歩め」 トルストイ作 原久一郎訳 (新潮文庫)


 豪商ユリウスと、その親友でキリスト教徒パンフィリウスの物語です。
 トルストイの晩年の思想が端的に示されている作品です。

 新潮文庫から出ています。初版は1952年。しかし、分かりやすい訳でした。
 訳者の原久一郎氏は、「カラマーゾフ」等を訳している原卓也氏のお父様。


光あるうち光の中を歩め (新潮文庫)

光あるうち光の中を歩め (新潮文庫)

  • 作者: トルストイ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/05
  • メディア: 文庫



 舞台は古代のローマ。トラヤヌス帝の御代のこと。主人公は、二人の友です。
 二人は青年期に、同じ哲学者のもとで学び、その後別々の道を歩みます。

 ユリウスは豪商の息子。贅沢三昧をして暮らし、酒と女におぼれました。
 生き方を反省したユリウスは、親友のもとへ赴こうとしますが・・・

 一方、パンフィリウスは、キリスト教徒として、集団生活を送っていました。
 しかし当時は、キリスト教徒を信仰すれば、処刑されるならわしでした・・・

 この2人、ユリウスとパンフィリウスとの問答が、大きな部分を占めます。
 そして、この問答の中に、トルストイの考え方がよく表れています。

 私には、パンフィリウスの語るキリスト教的生活は、ピンときませんでした。
 あまりにも理想的すぎるように感じました。

 むしろ、ユリウスによるキリスト教批判の方に、説得力を感じてしまった。
 私自身が、俗世間にどっぷりつかっているせいでしょうか。

 さて、この本を手に取った理由は、「クオ・ワディス」に対する興味からです。
 シェンキェーヴィチの「クオ・ワディス」は、ネロの時代。
 トラヤヌス帝の50年ほど前です。


クオ・ワディス〈上〉 (岩波文庫)

クオ・ワディス〈上〉 (岩波文庫)

  • 作者: シェンキェーヴィチ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1995/03/16
  • メディア: 文庫



 同時に、「ローマ皇帝伝」も読んでみたいです。


ローマ皇帝伝 上 (岩波文庫 青 440-1)

ローマ皇帝伝 上 (岩波文庫 青 440-1)

  • 作者: スエトニウス
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1986/08/18
  • メディア: 文庫



 さいごに。(7歳の誕生祝い)

 娘の7歳の誕生祝いを、少し前倒しして、昨日行いました。
 ケーキは、ユーハイムの赤頭巾ちゃんシリーズ。
 食べるのが、もったいないようなケーキでした。

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人はなんで生きるか [19世紀ロシア文学]

 「人はなんで生きるか 他四篇」 トルストイ作 中村白葉訳 (岩波文庫)


 表題作などトルストイ晩年の宗教的な民話を、全5編集めた作品です。
 小品ながら、トルストイの思想を知る上で欠かせない本です。

 岩波文庫の初版は1932年。訳には古さを感じます。現在出ているのは改版。
 私の書棚には、大学時代に買った1985年の本があります。300円でした。


トルストイ民話集 人はなんで生きるか 他四篇 (岩波文庫)

トルストイ民話集 人はなんで生きるか 他四篇 (岩波文庫)

  • 作者: トルストイ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1965/01
  • メディア: 文庫



 「人はなんで生きるか」は、比較的よく知られた民話です。
 人が、何によって生きているのかを、考えさせる作品です。

 ある靴屋が、集金の帰りに、礼拝堂の前で裸の男に出会いました。
 一度通り過ぎたものの、良心がとがめて、男のもとに戻ります。

 靴屋は、男に自分の外套を与え、自分の家に連れ帰りました。
 その男の名はミハイル。しかし、それ以外は何も話しません。

 靴屋が男に仕事を教えると・・・
 この不思議な男は、実は・・・

 「愛のあるところに神あり」も、善良な靴屋の物語です。
 あるとき靴屋に、得体の知れない声が、呼びかけて・・・

 「二老人」もまた、人にとって何が必要かを説いた作品です。
 エリセイ老人の生きざまに、心がうたれました。

 「火を粗末にするとーー消せなくなる」も、印象的な作品です。
 火も喧嘩も、最初のうちに始末しないと、大変なことになります。 

 「ろうそく」は、不気味で少し難解な作品です。
 私には、結末の意味が分からなかった。(ああ、恥ずかし)

 さて、トルストイというと、長編小説のイメージが強いです。
 しかし、この薄っぺらい民話集も、読みごたえがありました。

 トルストイの三大長編については、すでに紹介済みです。
 「戦争と平和」トルストイ(新潮文庫)
 http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-07-07 
 http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-07-28 
 http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-08-01
 「アンナ・カレーニナ」トルストイ(古典新訳文庫)
 http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-06-16
 http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-06-19 
 「復活」トルストイ(新潮文庫)
 http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-09-12  

 さいごに。(ママさんの誕生日)

 先日、ママさんが〇〇歳になりました。
 トップスのチョコレートケーキで祝いました。(おいしい!)

 最初は、「誕生日ったって、嬉しくないわよ」と言っていましたが、
 娘が、ママの似顔絵と感謝の手紙を渡すと、とても喜んでいました。

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新潮CD「罪と罰」 [19世紀ロシア文学]

 「新潮CD 罪と罰」 ドストエフスキー作 江守徹朗読 (新潮社)


 ドストの長編小説「罪と罰」が、CD2枚にまとめられています。
 この朗読は、絶品! ただし、手に入りにくいです。


罪と罰 [新潮CD]

罪と罰 [新潮CD]

  • 作者: ドストエフスキー
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2002/01
  • メディア: 単行本



 ドストエフスキーの「罪と罰」は、名作中の名作です。
 各社から様々な訳が出ていて、しかも名訳ぞろい。
 新潮の工藤訳、岩波の江川訳、古典新訳の亀山訳、角川の米川訳などなど。

 そこで、読書仲間のひとりに、「『罪と罰』のベスト本は?」と聞きました。
 即座に、「江守徹」との回答。…江守徹?

 彼いわく、「江守徹の朗読版。あの朗読に勝るものは無い」とのこと。
 なるほど、そういう選択があったのか。

 そこで私は例によって、市立の図書館で、新潮CD「罪と罰」を借りました。
 聞くのは2度目です。今回もすばらしかったです。面白さに感動しました。

 訳は、江川卓監修の縮約版。CD2枚にまとまっていて、まったく無駄がない。
 始まると、あっという間に、ラスコーリニコフは、老婆を殺してしまいます。

 その後も、ストーリーは、テンポよくドラマチックに展開します。
 映画のようです。回りくどい説明は、いっさいありません。

 ソーニャも、ドゥーニャも、ラズミーヒンも、ポルフィーリーも、ルージンも、
 スヴィドリガイロフも、ほとんど前置き無しで、ぽんぽんと登場します。

 そこが、この本の長所であり、同時に、短所でもあります。
 ラスコーリニコフがソーニャに語る、老婆殺しの理由は、唐突な感じがします。

 でも、そこは割り切って、エンターテインメントとして、楽しみましょう。
 実にうまくまとめられています。俳優江守徹の朗読も、ほんとうにすばらしい。

 ところでこのCDは、昔、新潮カセットブックとして、出ていました。
 当時、「赤と黒」「アンナ・カレーニナ」「武器よさらば」などもありました。
 新潮CDで、復活させてくれないだろうか。

 さいごに。(東京ディズニーランドへ)

 今日は朝6時前に出て、東京ディズニーランドへ。
 3連休のなか日なので、少し混みそうです。

 妻と娘は今日のために、ガイド本で、ランド内の研究をしてきました。
 私は私で、八重洲ブックセンター周辺のカフェを、研究してきました。
 東京はさすがです。一人で入れそうなお店が、いくらでもありますね。

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19世紀ロシア文学のベスト20から外れた本 [19世紀ロシア文学]

 前回、「文学全集 第Ⅲ集 19世紀ロシア編」を選びました。
 しかし、「どうしてあの作品がないのか」という声が聞こえてきそうです。
 実際、当然選ばれるはずの作品が、様々な理由で外れてしまいました。

 今回は、その弁明です。
 主に7人の作家の作品について、コメントしました。


① プーシキンの「スペードの女王」と「ボリス・ゴドゥノフ」。
   http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-04-22
   http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-10-03
   ロシア文学史上傑作のこの二作が、なぜ外されたのか?

 答え→ 入れたかったが、もう入らなかった。
       「オネーギン」と「大尉の娘」を、選んでいるし。

② レールモントフの「現代の英雄」。
   http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-10-12
   この作品は、ロシア文学史上、外せないはず。

 答え→ その通り。この作品は、本来外せません。
       しかし現在、文庫本で手に入らないから外しました。

      岩波文庫版は、現在、品切れ。
      手に入らなければ、文学全集として揃えられません。
      岩波文庫さんには、復刊か改版を、強く強く望む。

③ ゴーゴリの「死せる魂」。
   この傑作が、記事にも取り上げられていないのは、納得できない。

 答え→ 私も納得できません。なぜこの傑作が、品切れ状態なのか。
      手に入るようになったら、即、記事にして、全集に収録します。

      そういえば、近所の本屋に、その中巻と下巻がありました。
      でも、上巻だけは無い。訳は古いので、新訳を強く望みます。

死せる魂 中 (岩波文庫 赤 605-5)

死せる魂 中 (岩波文庫 赤 605-5)

  • 作者: N.ゴーゴリ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1990/02
  • メディア: 文庫



④ ツルゲーネフの「はつ恋」。
   http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-06-12
   この愛すべき佳品が、なぜ外されたのか?

 答え→ ほかに、重要な作品が多かったので。
      この選択は、私もつらかった。

⑤ ゴンチャロフの「オブローモフ」。
  「平凡物語」や「断崖」よりも、こっちを入れるべきではないのか?

 答え→ 全くそのとおり。しかし、この傑作も、品切れだから仕方ない。
      文庫本で新訳が出ることを、強く強く望みます。

オブローモフ〈上〉 (岩波文庫)

オブローモフ〈上〉 (岩波文庫)

  • 作者: ゴンチャロフ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1976/02/16
  • メディア: 文庫



⑥ ドストエフスキーの「地下室の手記」と「貧しい人々」。
   この二作も、名作中の名作ではないのか?

 答え→ 涙が出るほど、そのとおり。
      二作とも、新潮版の改版待ちです。出たら即、記事にします。
      しかし、全集入りするかは、やや微妙。ドスト、多すぎですから。


地下室の手記 (新潮文庫)

地下室の手記 (新潮文庫)

  • 作者: ドストエフスキー
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1969/12
  • メディア: 文庫



貧しき人びと (新潮文庫)

貧しき人びと (新潮文庫)

  • 作者: ドストエフスキー
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1969/06
  • メディア: 文庫



⑦ チェーホフの「チェーホフ集」と「かもめ」。
   http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-12-09
   http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-11-22  
   特に「かもめ」は、日本で最も知られている。外せない作品では?

 答え→ 確かに。しかし、私の好みで「桜の園」と「ワーニャ」を選択。
      「かもめ」は、泣きながら、外しました。

 …というように、品切れゆえに全集入りが見送られた作品が多いです。
 岩波さん、古典新訳さん、新潮さんらに、是非がんばってほしい。


 さいごに。(ありがとうございます)

 今回の記事が、2012年最後の記事になりそうです。
 読んでくださった皆さん、ありがとうございました。

 3年前に始めて、350回目になります。
 総閲覧数は、27万ページに達しました。
 が、相変わらず、妻は私のブログに、関心がありません。いいのだけど。

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19世紀ロシア文学のベスト20を選びました [19世紀ロシア文学]

 「文学全集 第Ⅲ集 19世紀ロシア編」


 文庫本で自分だけの文学全集をそろえること。
 それが、このブログ「文庫で読む文学全集」の最終的な目標です。

 すでに、「19世紀フランス編」と「19世紀イギリス編」は、完成済みです。
 「19世紀フランス編」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-10-23 
 「19世紀イギリス編」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-08-04

 2012年は「19世紀ロシアの年」と、勝手に決めて取り組んできました。
 そしてようやく今、「第Ⅲ集 19世紀ロシア文学編」が完成します。
 第Ⅰ集、第Ⅱ集同様、20作品に絞ります。

 さて、19世紀ロシアの感想を、ひとことで表すと…
 「ドストとトルと、そのほかの仲間たちの時代」。

 ドストエフスキーとトルストイ。
 この時代に限らず、ロシアといえば、この二人でしょう。

 ベスト20を選ぶ第一歩は、この二大巨匠の作品を絞ることです。
 これが、大きな問題です。

 まずは、ドストエフスキー。五大長編は外せないでしょう。
 「罪と罰」「白痴」「悪霊」「未成年」「カラマーゾフの兄弟」。

 おっと! この時点で前回までの、暗黙のルールを破っています。
 収録は最高で一人3作。前回、ディケンズでさえも3作に絞りました。
 でも、しかたありません。なんたって、ドストエフスキーですから。

 しかも、ドストの「虐げられた人」と「賭博者」も、全集に入れたい。
 わがままでしょうか? いいえ。なんたって、ドストエフスキーですから。

 そもそもドストの作品で、外していい作品なんかあるのでしょうか。
 「死の家の記録」と「永遠の夫」だけは、涙をのんで外しましょう。
 よって、ドストエフスキーから7作を選択。

 次に、トルストイ。こちらは案外早く、けりがつきました。
 「戦争と平和」「アンナ・カレーニナ」「復活」。

 「コサック」「イワン・イリイチの死」など、捨てがたい中篇もありますが、
 ここはバッサリと切って、代表的な長編3作で決定。

 これで、3ドスト+2トル=10ドストル。二人で半分を占めてしまいました。
 残りの10作品を、「そのほかの仲間たち」で分け合って…

 結局、19世紀ロシア文学のベスト20は、以下のようになりました。
 (  )内はその作品の、ロシアでの出版年です。
 
 1 「オネーギン」プーシキン(1825年)岩波¥630 
    → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-10-05
 2 「大尉の娘」プーシキン(1836年)岩波¥819
    → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-09-19 
 3 「検察官」ゴーゴリ(1836年)古典新訳¥680 
    → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-05-11
 4 「平凡物語」ゴンチャロフ(1848年)岩波¥882+987
    → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-10-16 
 5 「断崖」ゴンチャロフ(1869年)岩波¥882+1134+987+945+987
    → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-11-17 
 6 「父と子」ツルゲーネフ(1862年)新潮¥540
    → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-03-24
 7 「虐げられた人々」ドストエフスキー(1861年)新潮¥860 
    → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-05-03 
 8 「賭博者」ドストエフスキー(1866年)新潮¥546
    → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-01-14 
 9 「罪と罰」ドストエフスキー(1866年)新潮¥780+820
    → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-11-09
       http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-11-11 
10 「白痴」ドストエフスキー(1868年)河出¥788+998+987
    → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-12-09
       http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-01-02 
11 「悪霊」ドストエフスキー(1872年)新潮¥882+987
    → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-11-01-1
12 「未成年」ドストエフスキー(1875年)新潮¥820+820
    → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-03-18 
13 「カラマーゾフの兄弟」ドストエフスキー(1880年)新潮¥882+830+882
    → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-10-23 
       http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-10-25 
14 「戦争と平和」トルストイ(1869年)新潮¥882+935+935+882
    → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-07-07 
       http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-07-28 
       http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-08-01 
15 「アンナ・カレーニナ」トルストイ(1877年)古典新訳¥1020+900+1000+800
    → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-06-16 
       http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-06-19 
16 「復活」トルストイ(1899年)新潮¥704+704
    → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-09-12  
17 「紅い花」ガルシン(1883年)岩波¥504
    → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-10-21 
18 「ワーニャ伯父さん」チェーホフ(1900年)古典新訳¥760
    → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-12-03
19 「桜の園」チェーホフ(1904年)古典新訳¥920
    → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-11-23
20 「どん底」ゴーリキイ(1902年)岩波文庫¥525
    → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-12-18

 チェーホフは19世紀の人と認識して、1904年の「桜の園」も収録。
 同じくゴーリキーも19世紀の人。1902年の「どん底」も収録。

 さて、ゴーリキーのあと、特に1917年の革命後、ロシア文学は、
 その魅力を急速に失いました。少なくとも、私にはそう思えます。

 権力に抵抗していた時期の作品には、パワーがありました。
 逆に、権力に従属すると、パワーは失われ、魅力も半減するようです。

 以上、20作で、文庫本39冊、32,826円でした。
 3冊以上の長編が多かったです。

 「どうしてあの作品がないのか」という声が、聞こえてきそうです。
 それは、次回に。

 さいごに。(街でクリスマス気分)

 日曜日、JRで一駅先の、繁華街に出て、クリスマス気分を味わいました。
 大きなツリーを見たり、聖歌隊の合唱を聞いたり、スタンプラリーをやったり、
 チョコクロワッサンを食べたり、さらにプリンを食べたり、買い物をしたり…

 娘に、「何が一番楽しかった?」と聞いたら、「電車に乗ったこと」との答え。
 そこか! 確かに、娘が電車に乗るのは、珍しいことなのですが。

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ロシア文学案内 [19世紀ロシア文学]

 「ロシア文学案内」 金子幸彦 (岩波文庫)


 文学史を通して、ロシア文学の作品とその特徴を、解説した本です。
 少し前まで、岩波文庫から出ていましたが、現在は品切れ中。


新版 ロシア文学案内 (岩波文庫)

新版 ロシア文学案内 (岩波文庫)

  • 作者: 藤沼 貴
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2000/04/14
  • メディア: 文庫



 うちには、1991年版がありました。旧版です。
 「ロシア」ではなく、「ロシヤ」となっていました。時代を感じます。
 今回、19世紀文学史をおさらいしたくて、約20年ぶりに再読しました。

 ロシアの19世紀は、祖国戦争の華々しい勝利で、始まりました。
 ナポレオン軍を追い払い、パリ入場を果たし、ロシア皇帝は凱旋しました。

 そして一方、戦いで血を流した農民や兵士たちは…
 戦争が終わると、再びもとの隷属状態に戻ったのです。

 パリで自由の空気に触れてきた士官たちは、そこに矛盾を感じました。
 なぜ或る人間が、同じ人間を、支配することができるのだろうか、と。

 そして、農奴制に対する批判が起こりました。
 同時に、農奴解放運動が始まりました。

 彼らは、文学の社会的役割を積極的に利用し、自らの考えを広めました。
 これ以後、ロシア文学は、社会運動に積極的に関わって行きます。

 社会では、デカブリスト、ナロードニキ、マルクス主義と、移りゆきます。
 こうした変遷の間中、文学は常に、社会的に重要な役割を果たしました。

 そのため、この本の記述も、社会思想に多くのページを割いています。
 例えば、社会主義者のゲルツェンやチェルヌィシェフスキーらの思想、
 批評家ベリンスキーやマルクス主義者プレハーノフの文学理論など。

 この本を読み終わったあと、むしょうに、ゲルツェンの「だれの罪か」と、
 チェルヌィシェフスキーの「なにをなすべきか?」を、読みたくなりました。

 しかし、現在は残念ながら出ていません。まあ、当然でしょうが。
 かつては、岩波文庫にあったようです。

 ところで、この「文学案内シリーズ」はフランス編もドイツ編もあります。
 ギリシア・ローマ古典編まであります。2月にはスペイン編も出ます。

 それなのに、それなのに、メジャーな英米文学編がない! なぜ?
 今後、全てをセットにして、最新版を出してほしいです。

 さいごに。(風邪) 

 最初に娘が風邪をもらってきて、それが妻に感染しました。
 そして、とうとう私の番です。
 現在、一家三人で、ゴホンゴホンとやっています。

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どん底 [19世紀ロシア文学]

 「どん底」 ゴーリキイ作 中村白葉訳 (岩波文庫)


 安宿の地下室で、人生のどん底生活を送る人々を描いた戯曲です。
 ゴーリキイの代表作で、チェーホフの戯曲に並ぶ傑作です。

 現在岩波文庫から出ている中村訳は、1936年のもの。
 訳は、わりと分かりやすかったのですが…
 いくらなんでも、古すぎでしょう。活字は小さくて読みにくかったです。


どん底 (岩波文庫)

どん底 (岩波文庫)

  • 作者: ゴーリキイ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1961/01
  • メディア: 文庫



 舞台は安宿、ほら穴のような地下室。
 ここに集う人々は…

 ドロボウ、売春婦、受刑者、巡査、暴力男と死にかけたその妻、
 落ちぶれた男爵、アル中の役者、安宿の老いた亭主とその悪妻…

 各人各様、人生のどん底を味わっています。
 それは、ある意味、人間以下の生活です。

 クレーシテ 「じゃあなにをすりゃいいんだい?」
 ペーペル  「なんにもしねえのよ…」
 クレーシテ 「じゃ、どうして食っていくんだい?」
 ペーペル  「だって人間は、みんな生きてるじゃねえか…」
 クレーシテ 「ここのやつらかい? あいつらが人間といえるかね?」

 そんな彼らのもとに、巡礼者のルカが紛れ込みます。
 ルカの言葉は彼らに、いっときの安らぎを与えますが…

 主人公らしい人はいません。
 強いて言えば、どん底の住人全員が、主人公でしょうか。

 その中で、巡礼者ルカは、何かを悟っているようで、少し異質です。
 彼が語る「真実の国を信じている人」の話は、なかなか傑作です。
 真実の国がどこにもないと知った、その男は…(P105)

 さて、作者はゴーリキーです。岩波文庫の表示は、ゴーリキイ。
 よく、ゴーゴリと、混同されます。私も混同していました。

 ゴーリキーは、社会活動家でもありました。
 のちにレーニンと知り合い、革命のために巨額の援助をしました。 

 そういう意味で、ロシアの歴史に、大きな影響を与えた人です。
 しかし、ロシア文学の歴史に、今でも輝いているのは「どん底」一編か。

 さいごに。(ランドセル)

 お店で取り置いてもらっていたランドセルを、とうとう購入しました。
 娘は大喜びです。さっそく背負って、家の中を歩き回っていました。
 ランドセルばかりが目立って、まるでランドセルが歩いているみたいです。

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チェーホフ短編集 [19世紀ロシア文学]

 「チェーホフ短篇集」 チェーホフ作 松下裕編訳 (ちくま文庫)


 男女の恋をテーマにした短編集で、12編の作品を収録しています。
 名作「犬をつれた奥さん」「かわいいひと」などが、入っています。

 現在、ちくま文庫のほか、新潮文庫、岩波文庫などから出ています。
 私が一番読みやすかったのは、ちくま文庫の松下訳です。


チェーホフ短篇集 (ちくま文庫)

チェーホフ短篇集 (ちくま文庫)

  • 作者: アントン・パーヴロヴィチ チェーホフ
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2009/08/10
  • メディア: 文庫



 例によって、神西訳は名訳と言われています。岩波文庫から出ています。
 新潮文庫の小笠原訳も分かりやすい。名作「谷間」も収録されています。


可愛い女(ひと)・犬を連れた奥さん 他一編 (岩波文庫)

可愛い女(ひと)・犬を連れた奥さん 他一編 (岩波文庫)

  • 作者: チェーホフ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2004/09/16
  • メディア: 文庫



かわいい女・犬を連れた奥さん (新潮文庫)

かわいい女・犬を連れた奥さん (新潮文庫)

  • 作者: チェーホフ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1970/11
  • メディア: 文庫



 ちくま文庫版の12編中で、私が一番気に入ったのは、「犬をつれた奥さん」。
 妻子ある中年男と、美しい人妻との、恋の物語です。

 こう言うと、単なる不倫の話だろ、と思われそうですが、そうではありません。
 テーマは、「本当の愛」・「本当の生活」です。

 二重生活を送りながら、グーロフは不思議に思うのです。
 愛人とひそかに営まれる生活にこそ、自分の生活の核心があるのだ。
 そして、妻と公然と営む生活は、その隠れみのにしか過ぎないと…

 甘く切ない物語の中で、人生というものの不思議さを、描き出しています。
 実に、チェーホフらしい作品です。

 また、「かわいいひと」も、「犬をつれた奥さん」同様、作者の代表的短編です。
 常に誰かしらを愛せずにはいられない女性、オーレニカの物語です。

 悪女を描いた「アリアードナ」は、娼婦マノンを連想させる作品で面白い。
 ほか、希望と幻滅を描いた「くちづけ」と「国語の教師」も、捨てがたい作品です。
 と、なかなか読みごたえのある作品集でした。

 さいごに。(うちの生意気な娘)

 「いつまで、こうやって、お前はパパを、相手にしてくれるのかな」
 と、先日ぽろりと、娘の前で言ってしまいました。

 それからというもの、娘は大いばりです。
 「パパ、遊んで!」それから「遊んでくれなかったら、もう遊んであげないよ!」
 ああ、憎らしい、憎らしい。

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