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ジャングルブック [19世紀イギリス文学]

 「ジャングルブック」 キプリング作 田口俊樹訳 (新潮文庫)


 インドのジャングルで狼に育てられた少年モウグリの、数々の冒険を描いた物語です。
 全二巻で15編の短編から成っています。作者のインド生活に取材した作品集です。

 2016年にディズニー映画の公開に合わせて、新潮・文春・角川から新訳が出ました。
 各社それぞれ微妙に収録作品の内容が違っています。どれを選んでも読みやすいです。

 私が選んだのは新潮文庫版です。全15編の中からモーグリの物語8編が入っています。
 カバーイラスト・扉絵・挿し絵が、原書から採録されたものなので、オススメです。


ジャングル・ブック (新潮文庫)

ジャングル・ブック (新潮文庫)

  • 作者: ラドヤード キプリング
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2016/06/26
  • メディア: 文庫



 ジャングルに住む狼の一家に、虎に追われた人間の赤ん坊が紛れ込みました。
 その子は「モウグリ」と名付けられ、仲間たちに助けられながら成長しました。

 10年後、虎のシア・カーンが狼の群れに、「モウグリ」を寄こせと迫りました。
 「モウグリ」は危機を脱するため、人間の所で「赤い花」を奪って・・・

 ジャングルにおけるモウグリの冒険と活躍に、ワクワクしながら読みました。
 人間でありながらオオカミとして育ち、ジャングルの主となっていく・・・

 また、モウグリの仲間たちも、個性的で生き生きと描かれています。
 狼のアケイラ、黒ヒョウのパギーラ、クマのバルー、象のハティ、蛇のカー・・・

 特に、次の5編が素晴らしかったです。
 ジャングルで生き、ジャングルを追われるまでを描いた「モウグリの兄弟たち」。

 虎のシア・カーンに復讐し、人間界を追われるまでを描いた「虎よ、虎よ!」。
 恩人を救い、人間界に復讐を果たすまでを描いた「ジャングルを呼び寄せる」。

 宝を奪い合い殺し合う、人間の愚かさを描いた「王のアンカス」。
 そして、赤犬たちとの壮絶な戦いと、アケイラの死を描いた「赤犬」。

 さて、興味深いのは、所々で人間に対する批判が書かれているところです。
 作者自身が、インドでの生活をどのように感じていたのかが分かって面白いです。

 「人間たちは怠けもので、分別がなくて。残酷だ。いつも口を動かしているし、
 食べもしないくせに、気ばらしで弱いものを殺す。腹がいっぱいになると、同じ
 種族を赤い花の中に放り込もうとする。」(P233・モウグリの言葉)

 ところで「ジャングルブック」は、文春文庫と角川文庫からも新訳が出ています。
 特に角川文庫版は、二分冊で全15編を収録。完全版にこだわるならオススメです。


ジャングル・ブック (文春文庫)

ジャングル・ブック (文春文庫)

  • 作者: ラドヤード キプリング
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2016/06/10
  • メディア: 文庫



ジャングル・ブック (角川文庫)

ジャングル・ブック (角川文庫)

  • 作者: キップリング
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2016/06/18
  • メディア: 文庫



ジャングル・ブック (2) (角川文庫)

ジャングル・ブック (2) (角川文庫)

  • 作者: キプリング
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2016/08/25
  • メディア: 文庫



 さいごに。(給食時間15分)

 娘の小学校では、歯磨きタイムができました。それはいいことだと思います。
 ところが、そのために給食時間が圧縮され、20分間から15分間になりました。

 時間内で完食するのは女子にはきつくて、黙々と食べるようになったとのこと。
 時間に追われて食べるのはどうか? 給食時間ぐらい楽しんでほしいのだが。

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虚栄の市(三) [19世紀イギリス文学]

 「虚栄の市(三)」 サッカリー作 中島賢二訳 (岩波文庫)


 上流社会を派手に泳ぐ悪女レベッカと、慎ましく生きる淑女アミ―リアの物語です。
 サッカリーの出世作で代表作です。この作品で、彼はディケンズと肩を並べました。

 2016年に復刊され、岩波文庫から4分冊で出ています。今が購入のチャンスです。
 訳文は分かりやすく、作者自身の挿絵が入っています。丁寧に作られた本です。


虚栄の市〈三〉 (岩波文庫)

虚栄の市〈三〉 (岩波文庫)

  • 作者: サッカリー
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2004/01/16
  • メディア: 文庫



 ワーテルローの合戦で夫のジョージが死に、アミ―リアは未亡人になりました。
 オズボーン家からは絶縁され、ドビンによって故国の実家に戻りましたが・・・

 一方レベッカは、他人を食いものにしながら贅沢な暮らしをしていました。
 そして、いよいよ上流社会の一員として認められる足がかりを得ますが・・・

 実はこの「虚栄の市」全4巻は、6年前の2010年に読み始めました。
 1巻2巻と読んだところで、3巻が絶版になり、とばして4巻を読んだのです。

 今年2016年の7月に全4巻が復刊されたので、狂喜しながら3巻を買いました。
 そして今、2巻から4巻へ飛んだために失われた12年間を、味わっています。

 以前読んだのは6年前だから、なかなか物語の世界に入れないのではないか?
 そんな心配は無用でした!

 サッカリーの軽妙な語りで、あの懐かしい虚栄の市に、一気に入り込みました。
 諧謔と風刺に満ちた文章によって、物語の世界にぐいぐい引き込まれました。

 作者はたびたび脱線して、上流社会へ皮肉を浴びせかけます。
 でもその脱線が面白い。もっとサッカリーのしゃべりを聞いていたくなります。

 さて、第3巻の主人公はなんといってもレベッカでしょう。
 彼女はいかにして金を払わずに生活したか? いかにしてのし上がったか?

 最低な女です。しかしその悪徳ぶりが徹底しているので、感嘆したくなります。
 レベッカに比べると、貞淑なアミ―リアは、ただのおバカさんです。

 3巻でも、相変わらずドビンが良い味を出しています。
 本当にいいヤツですよ、ドビンは。こういう親友はとても得がたい。

 「そしてアミ―リアを愛するドビンには、彼女の心の動きはほとんど手に取る
 ようにわかったが、悲しいかな、アミーリアの心に、彼を容れる余地のまった
 く残っていないことも、明瞭すぎるほどわかっていた。ドビンはそんな自分の
 運命は百も承知で、静かにその運命に耐えていた。そして、耐えることに喜び
 を見出していた。」(P30)

 では、このあとドビンがどうなるかというと・・・以下の記事でどうぞ。
 「虚栄の市(四)」ネタバレ→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-08-22

 ここまでの物語の展開は・・・以下の記事でどうぞ。
 「虚栄の市(一)」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-07-29
 「虚栄の市(二)」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-08-07

 さいごに。(バレエ発表会)

 娘のバレエの発表会がありました。娘の出番はわずか6分です。
 しかしその6分のために、家でも自主練をして、がんばってきました。

 じいじやばあばと一緒に、観客席の一番前の列で見ました。
 トゥーシューズを履くようになったので、急にうまくなったように感じました。

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アイヴァンホー [19世紀イギリス文学]

 「アイヴァンホー」 スコット作 菊池武一訳 (岩波文庫)


 リチャード獅子心王に仕えた騎士「アイヴァンホー」の、愛と冒険の物語です。
 スコットランドの作家スコットの、代表的な歴史小説です。

 岩波文庫で長い間品切れでしたが、この夏にようやく上下巻が復刊されました。
 訳は少し古いです。活字は小さくて、老化が進んだ私の眼には読みにくいです。


アイヴァンホー〈上〉 (岩波文庫)

アイヴァンホー〈上〉 (岩波文庫)

  • 作者: ウォルター スコット
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1964/02/16
  • メディア: 文庫



 王弟ジョンが催した武術試合1日目の個人戦。
 最強の騎士ギルベールを倒した「勘当の騎士」とは、いったい何者なのか?

 武術試合2日目の団体戦。
 追い詰められた勘当の騎士を救った「黒騎士」とは、いったい何者なのか?

 この2人の謎の騎士を中心に、森の無法者たちを加えて物語は展開します。
 ほかにも、サクソン人やユダヤ人など、さまざまな人物が登場します。

 中世に舞台を借りた騎士物語だから、もちろん、登場人物のほとんどは男です。
 しかし、印象に残るのは、なぜか女たちばかり。

 たとえば、中盤に登場する薄幸の老婆ウルリカ。
 出番は少ないのですが、ウルリカの復讐劇は強烈な印象を残しました。

 そしてナンバー1は、ユダヤ娘のレベッカ。そのけなげさに、心を打たれます。
 一方、キリスト教騎士団は下種野郎ばかり。これは、作者の意図でしょうか?

 さて、この物語を読むためには、歴史的な背景を知らなければなりません。
 12世紀後半、リチャード獅子心王と王弟ジョンは、対立していました。

 リチャード獅子心王は、十字軍遠征の帰途、神聖ローマ帝国で捕まりました。
 そのすきに王弟ジョンは、フランスと結んで国を乗っ取ろうとしました。

 対立は王と王弟だけではなく、ノルマン人とサクソン人の対立もあります。
 貴族たちと森の無法者たち、キリスト教徒とユダヤ人の対立もあります。

 このような複雑な時代背景は、上巻の巻末に簡潔にまとめられています。
 私は中世の歴史にうといので、最初にこの解説を読んでおきたかった。

 ところで、ウォルター・スコットの評価は、日本でイマイチのようです。
 大衆小説的だからでしょうか。文庫ではなかなか読むことができません。

 タイトルだけ知っているけど、見かけたことが無い作品が多いです。
 「ミドロジアンの心臓」とか「湖上の美人」とか・・・

 実は、私がスコットを知ったのは、大学時代でした。
 渡部昇一の「続知的生活の方法」に、その生涯が書いてあったのです。

 一度読んでみたいと思っていながら、なかなかその機会がありませんでした。
 25年以上たって、ようやく今回、「アイヴァンホー」を読んだのです。

 「アイヴァンホー」の中には、「ベーオウルフ」の語が何度も登場しました。
 これまたよく品切れになる作品ですが、現在は手に入ります。読まなくては。

 さいごに。(正直が良いとは限らない)

 あるカフェで、コーヒーのSを注文したら、Lを渡されました。ラッキー!
 でも、気が咎めたので、正直に「注文したのはSです」と言いました。

 すると、今作ったばかりのLを捨てて、作り直してくれました。もったいない!
 そういう時は、黙ってLを受け取るべきなんですね。


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サイラス・マーナー [19世紀イギリス文学]

 「サイラス・マーナー」 ジョージ・エリオット作 土井治訳 (岩波文庫)


 哀れな職工サイラス・マーナーの一生と、神の摂理を描いた物語です。
 イギリスの女性作家ジョージ・エリオットの名作です。

 岩波文庫から出ています。1988年の改版です。
 1947年の訳に加筆訂正したものです。言葉使いに少し古さを感じます。


サイラス・マーナー (岩波文庫)

サイラス・マーナー (岩波文庫)

  • 作者: ジョージ エリオット
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1988/08/16
  • メディア: 文庫



 親友に裏切られ、泥棒扱いされ、婚約者まで失ったサイラス・マーナー。
 彼はもう、人を信じることができない。信じられるのは、カネだけ。

 故郷を離れて、カネだけのために働き続けて15年。
 しかし、そのカネが、もし盗まれてしまったら?

 サイラスは絶望を味わいます。二度と立ち上がれないような絶望です。
 しかしこのことがきっかけで、不思議にも彼の人生は変わり始めて・・・

 サイラスの物語と並行して、大地主の兄弟の物語が進行します。
 優柔不断な兄ゴドフリー。やくざものの弟ダンスタン。

 一見サイラスとは何のつながりもないこの2人。
 しかし彼らが、サイラスの人生に大きく関わって・・・

 このあとの展開が、おもしろくておもしろくて。
 後半に入ると、泣ける箇所もけっこうあります。

 また、ジョージ・エリオットは、なかなか文がうまい。
 ちょっとした比ゆに、女性ならではの繊細なセンスが光っています。

 ところで、ジョージ・エリオットの代表作は、「ミドル・マーチ」。
 この作品が、文庫本で読めません。新訳を出してほしい。


ミドルマーチ〈1〉 (講談社文芸文庫)

ミドルマーチ〈1〉 (講談社文芸文庫)

  • 作者: ジョージ エリオット
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1998/08
  • メディア: 文庫



 さいごに。(氷枕)

 我が家は、今年もクーラー無しで過ごしてきました。
 意外に重宝しているのが、薬局で買った氷枕です。
 寝苦しい夜は、氷枕をして横になると、よく眠れます。

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日本アルプスの登山と探検 [19世紀イギリス文学]

 「日本アルプスの登山と探検」 ウェストン作 青木枝朗訳 (岩波文庫)


 明治20年代に日本に滞在した著者の登山記録で、イギリスで出版されました。
 この本によってウェストンは、日本アルプスの父と呼ばれるようになりました。

 私がかつて読んだ岩波文庫版は、現在品切れで重版未定です。
 当時の写真が多く挿し込まれていて、とても良い本なので、ぜひ重版してほしい。
 (平凡社ライブラリーからも、出ています。)


日本アルプスの登山と探検 (岩波文庫)

日本アルプスの登山と探検 (岩波文庫)

  • 作者: ウェストン
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1997/06/16
  • メディア: 文庫




日本アルプス―登山と探検 (平凡社ライブラリー)

日本アルプス―登山と探検 (平凡社ライブラリー)

  • 作者: ウォルター ウェストン
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 1995/04
  • メディア: 新書



 浅間山、槍ヶ岳、穂高岳、笠ヶ岳、御嶽山、立山などの登山が描かれています。
 お気に入りは第九章。名案内人「嘉門次」が登場します。

 嘉門次がスズメバチの巣を踏んで慌てたり、ウェストンが何箇所も刺されたり、
 その刺された箇所を、他の日本人がおまじないで治そうとしたり…

 日本の近代登山黎明期の雰囲気がよく伝わってきて、懐かしい気分になります。
 ウェストンや嘉門次に、会いたくなります。

 1999年、私はこの本を持って、嘉門次小屋に1泊しました。
 明神池のすぐそばに建つこの小屋は、もちろん嘉門次ゆかりの小屋です。

 囲炉裏を囲んで食べた、名物イワナの塩焼きは、とてもおいしかった。
 また泊まりたい、嘉門次小屋 → http://kamonjigoya.com/

 ついでながら、この小屋の前に、嘉門次のレリーフがあります。
 温泉ホテル前のウェストンのレリーフに比べて、訪れる人は少ない気がします。

 さて、この本が刊行されたのは、1896年。
 そして1902年に、ウェストンは再び来日しました。 
 この時、岡野金次郎や小島烏水(うすい)と知り合います。

 日本の登山史において、重要な巡り合わせです。
 のちに、彼らによって、日本山岳会が作られます。

 ちなみに、小島烏水「日本アルプス」も、山岳書の古典です。
 嘉門次はここにも登場します。


日本アルプス―山岳紀行文集 (岩波文庫)

日本アルプス―山岳紀行文集 (岩波文庫)

  • 作者: 小島 烏水
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1992/07/16
  • メディア: 文庫



 さいごに。(マリゴールド大おばさん)

 「探し絵ツアー」という本を、図書館で借りてきました。
 世界旅行に出たマリゴールド大おばさんを追いながら、探し絵をするというもの。
 娘と一緒に楽しみましたが、実に疲れる本でした。

 絵が細かくて、しかも「犬を20匹探せ」みたいな指令があります。
 最後の1匹が見つからなくて、イライラ。目はチカチカ。


探し絵ツアー〈1〉世界一周 (探し絵ツアー 1)

探し絵ツアー〈1〉世界一周 (探し絵ツアー 1)

  • 作者: カミニ カンドゥリ
  • 出版社/メーカー: 文溪堂
  • 発売日: 2008/03
  • メディア: 大型本



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19世紀イギリス文学のベスト20についてのコメント [19世紀イギリス文学]

 19世紀イギリス文学ベスト20についてのコメント


 前回、「文学全集 第Ⅱ集 19世紀イギリス編」と題して、20作品を選びました。
 http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-08-04
 今回は、その作品について、若干のコメントを書きます。

  1 「高慢と偏見」オースティン(1813年)ちくま2冊1996円
  2 「エマ」オースティン(1815年)ちくま2冊2100円

 オースティンが残した作品は、ほかに4作あります。
 「分別と多感」「ノーサンガー・アビー」「マンスフィールド・パーク」「説得」。
 そして、彼女の作品は、全て読む価値があると言われています。

 幸い、ちくま文庫から、全6作が中野氏の分かりやすい訳で出ています。
 その中から、二作だけを選びました。
 「高慢と偏見」「エマ」の二作は、必読書と言ってもいいかもしれません。

  3 「虚栄の市」サッカレー(1847年)岩波(第2巻のみ)840円

 サッカリーは、ディケンズと肩を並べていた存在ですから、外せません。
 代表作の「虚栄の市」を選びました。

 というか、「虚栄の市」以外、サッカリーは、文庫本化されていません。
 しかも、岩波文庫のこの本が、現在手に入りにくい状況です。
 なんとかしてほしいです。

  4 「ジェイン・エア」C・ブロンテ(1847年)新潮2冊1320円
  5 「嵐が丘」E・ブロンテ(1847年)岩波2冊1491円

 ブロンテ姉妹のこの二作は、絶対に外せないでしょう。
 「ジェイン・エア」「嵐が丘」とも、イギリス文学史にさん然と輝く名作です。

  6 「デヴィッド・コパーフィールド」ディケンズ(1849年)岩波5冊3675円
  7 「荒涼館」ディケンズ(1852年)ちくま4冊5040円
  8 「二都物語」ディケンズ(1859年)新潮2冊1080円

 さて、いよいよディケンズです。迷いました!
 「オリバー・ツイスト」も「大いなる遺産」も「クリスマス・カロル」も入れたい。

 しかし心を鬼にして、三作に絞りました。
 「デヴィッド・コパーフィールド」と「二都物語」は、優劣つけがたい名作です。
 世界的には最も読まれていると言う「荒涼館」も、外せないでしょう。

  9 「白衣の女」ウィルキー・コリンズ(1859年)岩波3冊2604円
 10 「月長石」ウィルキー・コリンズ(1868年)創元推理1260円

 一世を風靡したコリンズの作品です。
 「白衣の女」も「月長石」も、ともに読み始めたら止まりません。
 文学史的にも、最初期のミステリーとして、もっと評価してほしいです。

 11 「宝島」スティーブンソン(1883年)新潮540円
 13 「ジキル博士とハイド氏」スティーブンソン(1886年)新潮300円

 スティーブンソンも、決して忘れてはいけない作家です。
 「宝島」は冒険小説の古典、「ジキルとハイド」はサイコ・ミステリーの古典。
 もちろん、二作とも選びました。

 12 「ソロモン王の洞窟」ハガード(1885年)創元推理840円

 ハガードも迷いました。完成度で言えば、「洞窟の女王」が上です。
 しかし、映画化されて有名な「ソロモン王の洞窟」を選びました。
 本当は、二作セットで入れたいのですが。

 14 「ドリアン・グレイの肖像」オスカー・ワイルド(1890年)新潮620円
 17 「サロメ」ワイルド(1894年)岩波378円

 ワイルドは、19世紀末の世の中を、大いに沸かせた作家です。
 「ドリアン・グレイ」の退廃的な美は、世紀末文学を代表しています。
 「サロメ」の美は、ピアズリーの挿し絵とともに、永遠に残るでしょう。

 15 「テス」ハーディ(1891年)岩波2冊1554円
 18 「日陰者ジュード」ハーディ(1895年)中公2冊2600円

 文豪ハーディからは、代表作である「テス」と「ジュード」を選びました。
 どちらも、独特な宿命論を提示し、世の中に多くの影響を与えました。
 けなげに生きる女テスと、優柔不断な男ジュードは、好対照です。

 16 「シャーロック・ホームズの冒険」コナン・ドイル(1891年)新潮580円

 ああ! もっとも悩ましかったのは、これです。
 本当は、「ホームズ・シリーズ」として、ホームズの短編をすべて入れたい。
 でも、それはズルかな、と思ったので、第1作の「冒険」だけを選びました。

 ドイルの作品が、一作だけなんて、実は不本意です。
 しかし、「パスカヴィル家の犬」が、20世紀編で選べるから、我慢しておこう。

 19 「タイム・マシン」ウェルズ(1895年)角川500円

 ウェルズも外せない。「宇宙戦争」と、どちらを選ぶか迷いました。
 「タイム・マシン」を考案したことは、画期的だと思うので、こちらを選択。
 本当は二作セットで入れたいのだけど。

 20 「闇の奥」コンラッド(1899年)古典新訳620円

 コンラッドの、「マーロウ」が語る海洋小説も、必ず選ばなければいけません。
 「闇の奥」は、その代表作。
 「ロード・ジム」の新訳が出たら、候補になるでしょう。


 ほかにも、文庫化されていないために、選ばれなかった作品があります。

 ・「ミドロージアンの心臓」(1818年)と「アイヴァンホー」(1819年)。
  ともに、スコットの歴史小説です。
  時々、岩波文庫で復刊されますが、読む気が起こらないような訳。

 それにしても、どうしてスコットは、日本でこれほどないがしろにされているのか。
 スコットのロマンあふれる作品を、私は文庫本で読みたいのだが。
 せめて、上記の二作は新訳で出してほしいです。

 ・「サイラス・マーナー」(1861年)と「ミドルマーチ」(1871年)。
  ともに、G・エリオット名作です。
  数年前までは、岩波文庫から出ていました。新版を出してほしい。

 G・エリオットのこの名作が、二つとも読めないなんて。
 新訳を出してくれたら、その出版社宛に、感謝の手紙を書きますよ。

 ・「オードリー卿夫人の秘密」ブラッドン(1862年)。
  最初期のミステリー小説のひとつ。
  文庫本はおろか、図書館で探しても、なかなか見当たりません。


 さいごに。

 金曜日に有給を取り、金土の二日間、親戚とキャンプに行きました。
 昨年は海に行き、暑すぎて失敗したので、今年は山へ行きました。
 これが我が家の、夏休み最大のイベントです。

 夜、温泉に入って、気分爽快になった後、突然の豪雨に襲われました。
 傘をさし娘をおんぶして、テントへ戻ったので、足がびしょびしょになりました。
 まあ、これも、思い返せば、楽しい思い出か。

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19世紀イギリス文学のベスト20を選びました [19世紀イギリス文学]

 「文学全集 第Ⅱ集 19世紀イギリス編」


 「文庫本で、自分だけの、文学全集をそろえる」
 それが私の、ひそかな、そしてささやかな、楽しみです。

 すでに100回目の記事で、「19世紀フランス文学のベスト20」を選びました。
 http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-10-23

 それ以後、19世紀イギリス文学を、意識的に取り上げてきました。
 そして、いつのまにか、代表作が出揃っていました。
 190回目の今回は、「文学全集」の第2弾。「19世紀イギリス文学編」です。

 さて、19世紀は「イギリスの世紀」とも言われています。
 特に、1837年にヴィクトリア女王が即位してからの発展がすさまじい。
 帝国主義政策で、全世界の四分の一を支配しました。

 国の要である商工業の発展を支えたのが、中産階級の勃興です。
 そして、彼ら中産階級の欲求にこたえた文学が、近代小説でした。

 だからフランス同様、この時期の小説には、パワーがあります。
 すばらしい作品が、わんさとあります。
 しかし、第一弾同様、20作品に絞りました。

 今回私が選んだ20作品は、以下の通りです。
 オススメの文庫とその値段も記しました。発表順に並べました。

  1 「高慢と偏見」オースティン(1813年)ちくま2冊1996円
    http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-11-13  
  2 「エマ」オースティン(1815年)ちくま2冊2100円
    http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-05-28-1
  3 「虚栄の市」サッカレー(1847年)岩波(第2巻のみ)840円
    http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-07-29
  4 「ジェイン・エア」C・ブロンテ(1847年)新潮2冊1320円
    http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-07-26
  5 「嵐が丘」E・ブロンテ(1847年)岩波2冊1491円
    http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-06-15
  6 「デヴィッド・コパーフィールド」ディケンズ(1849年)岩波5冊3675円
    http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-03-02
  7 「荒涼館」ディケンズ(1852年)ちくま4冊5040円
    http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-02-01
  8 「二都物語」ディケンズ(1859年)新潮2冊1080円
    http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-06-02
  9 「白衣の女」ウィルキー・コリンズ(1859年)岩波3冊2604円
    http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-04-01
 10 「月長石」ウィルキー・コリンズ(1868年)創元推理1260円
    http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-11-30
 11 「宝島」スティーブンソン(1883年)新潮540円
    http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-10-03
 12 「ソロモン王の洞窟」ハガード(1885年)創元推理840円
    http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-06-05
 13 「ジキル博士とハイド氏」スティーブンソン(1886年)新潮300円
    http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-09-27
 14 「ドリアン・グレイの肖像」オスカー・ワイルド(1890年)新潮620円
    http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-09-11
 15 「テス」ハーディ(1891年)岩波2冊1554円
    http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-03-13
 16 「シャーロック・ホームズの冒険」コナン・ドイル(1891年)新潮580円
    http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-10-31
 17 「サロメ」ワイルド(1894年)岩波378円
    http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-09-18
 18 「日陰者ジュード」ハーディ(1895年)中公2冊2600円
    http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-05-03
 19 「タイム・マシン」ウェルズ(1895年)角川500円
    http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-10-14
 20 「闇の奥」コンラッド(1899年)古典新訳620円
    http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-03-19

 以上、20作品ですが39冊あります。計29938円です。
 フランス編に比べて、長い小説が多かったです。

 3の「虚栄の市」は、全4巻のうち、現在は第2巻しか手に入りません。
 外そうか迷いましたが、第2巻だけでも読む価値ありと考えて、入れました。

 また、本当はホームズの短編シリーズ全てを、入れたかったです。
 でも、あまりにも多くなりすぎるので、第1作の「冒険」のみを入れました。

 これ以外にも、候補として迷った作品が多くあります。
 が、また次の機会に。

 さいごに。

 「19世紀フランス文学編」を選んだ時は、100回目でした。
 当時は、「毎日50人ほどが見に来てくれるようになった」と、書いています。

 今回は190回目。毎日150人ほどが、見に来て下さっています。
 総閲覧数も、80000近くになりました。とても励みになっています。

 ところで、うちの妻は、私のブログに全く関心がありません。
 もっとも身近にいながら、全く閲覧していないのです。
 まあ、だから、勝手なことも書けるのですが。

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洞窟の女王 [19世紀イギリス文学]

 「洞窟の女王」 ハガード作 大久保康雄訳 (創元推理文庫)


 中央アフリカの奥地で、2000年を生きながらえる、美しい女王の物語です。
 ハガードの冒険小説の中でも、最高傑作として名高い作品です。

 現在、創元推理文庫で読むことができます。
 それにしても、このカバーのイラストは … 女王は、絶世の美女のはずですよ!


洞窟の女王 (創元推理文庫 518-2)

洞窟の女王 (創元推理文庫 518-2)

  • 作者: H.R.ハガード
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1974/05/24
  • メディア: 文庫



 この本、カバーだけでなく、口絵のイラストにも、がっかりしてしまいます。
 また、活字が小さくて、読みづらい読みづらい。
 が、しかし! そんなことも気にならなくなるくらい、実に面白い小説です。

 親友が夜、突然、5歳の息子の後見人になってくれ、と頼みに来ます。
 そして、息子が25歳になったら開けてくれと言って、鉄の箱を置いていきます。
 最初からワクワクする展開で、本から目が離せません。

 25歳になったレオと、後見人ホリーが、箱の中に見たのは古文書でした。
 そこには、古代から伝わる驚くべき伝説が、記されていたのです。
 レオは父の遺志を継いで、中央アフリカの未踏の地へ行きますが…

 ヴィンシィ家に伝わる不思議な伝説、古代エジプトにおける愛と破滅、
 古代人の墓場として使われていた洞窟、コール帝国の壮大な廃墟…
 ミステリアスな雰囲気が、かもし出さながら、物語は進行します。

 が、なんと言っても、最もミステリアスなのは、女王です。
 彼女は、生命の秘密を操り、2000年の命をながらえ続けています。
 彼女はいったい、何を待ち続けていたのか?!

 この小説は、冒険小説であると同時に、壮大な恋愛小説でもあります。
 そして、この小説の魅力の多くの部分が、女王の存在にあります。

 ただし私は、女王の言葉遣いが、少し気になりました。
 「わたしのかつての恋人カリクラテスなのじゃ。」とか、
 「ついにわたしのところへ戻ってきたのじゃ。」とか。

 じゃーじゃーと耳障りです。これでは女王ではなく、「じゃ王」ですよ。
 大久保氏の訳は、名訳ではありますが、すでに古くなりすぎました。
 ぜひ新訳を出してほしいです。

 ラストは衝撃的でした。少し意外な結末です。
 また、続編が作られることを、それとなく暗示しています。
 実際に、本書から18年後に、続編「女王の復活」が書かれました。


女王の復活 (創元推理文庫 518-4)

女王の復活 (創元推理文庫 518-4)

  • 作者: H.R.ハガード
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1977/03
  • メディア: 文庫



 ところで、ハガードは弁護士を開業しながら、小説ばかり書いていたそうです。
 医者として開業しながら、小説ばかり書いていた、コナン・ドイルに似ています。
 ドイルの第1作「緋色の研究」は、「洞窟の女王」の翌年、1887年に出ました。

 そういえば、ドイルにも、「失われた世界」という、秘境冒険小説がありました。
 閉ざされた場所に、古代の世界が存在するという設定は、同じですね。

 さいごに。

 幼稚園では、月に1度ほど、英語の授業があります。
 娘が言うには、英語の先生は、「キャララ人」だとのこと。
 私が「カナダ人」だと訂正すると、「そうではない」とのこと。

 妻が言うには、娘の発音の方が、ネイティブに近いのだそうです。
 つまり、「キャララ」がネイティブ、「カナダ」は日本語。
 ちなみに「ホワッツ・ユア・ネーム」は、「わらっちゃうねえ」と聞こえます。

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ソロモン王の洞窟 [19世紀イギリス文学]

 「ソロモン王の洞窟」 ハガード作 大久保康雄訳 (創元推理文庫)


 伝説のソロモン王の洞窟を目指し、アフリカ奥地を冒険する男たちの物語です。
 スティーブンソンの「宝島」と並び、英国冒険小説の、古典的名作です。

 現在、創元推理文庫で、読むことができます。
 カバーのイラストが、古くさい。絶対この本は、このイラストで損してますよ。


ソロモン王の洞窟 (創元推理文庫 518-1)

ソロモン王の洞窟 (創元推理文庫 518-1)

  • 作者: H.R.ハガード
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1972/08/25
  • メディア: 文庫



 狩猟家のクォーターメンは、ヘンリー卿とグッド大佐の二人と、知り合いました。
 そして、ヘンリー卿の弟を探すため、アフリカの奥地の砂漠へ入っていきます。
 目的地は、伝説のソロモン王の洞窟ですが…

 作者ハガードは、「宝島」に対抗して、この小説を書きました。
 そして当時、「宝島」以上の評判を取りました。

 それもそのはず。
 伝説あり、探検あり、ホラーあり、宝探しあり。ハラハラドキドキの連続です。
 スピード感がある展開で、先が気になり、読み始めたら途中でやめられません。

 特に終盤の、ソロモン王の財宝探しに入ってからは、本を置けません。
 この後、洞窟内の迷路をさまよう展開は、様々な小説で真似されました。

 ところが、物語が面白い割に、いまひとつ日本での知名度はありません。
 「宝島」に比べて、文学性で劣るからでしょうか。

 よく言われることですが、作者ハガードは、時として先を急ぎすぎます。
 興の赴くままに書き、大事な場面なのに、話を掘り下げないことがあります。

 例えば、魔女ガグールは、なぜ秘宝の謎を知っていたのか。
 彼女は、何百年も生きているというが、どういう存在なのか。

 300年前にここを訪れたシルヴェストラに、いったい何が起こったのか。
 そもそも何千年も前に、ソロモン王の秘宝が、ここに残されたのは、なぜか。
 このように、読み終わっても解けない謎が、色々とあります。

 また、砂漠の灼熱地獄や、戦闘の場面は、無くても良かったかもしれません。
 象牙のために、象を無意味に殺戮するシーンは、無い方が良かったでしょう。
 5回ほど映画化されていますが、これらの場面は、たいていカットされています。

 映画では、「ロマンシング・アドベンチャー/キング・ソロモンの秘宝」がオススメ。 
 ストーリーは、ジェシーという娘が、考古学者の父を探す話に変わっています。
 そのジェシーを演じたのが、無名の時代のシャロン・ストーン。

 この映画は、B級映画のように言われていますが、私は好きですよ。
 くだらないジョークとかがあって、気軽に楽しめる映画です。
 たいていの映画では寝てしまう私も、この映画は全く眠くなりませんでした。


キング・ソロモンの秘宝/ロマンシング・アドベンチャー+キング・ソロモンの秘宝 2/幻の黄金都市を求めて(初回生産限定) [DVD]

キング・ソロモンの秘宝/ロマンシング・アドベンチャー+キング・ソロモンの秘宝 2/幻の黄金都市を求めて(初回生産限定) [DVD]

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • メディア: DVD



 「ソロモン王の洞窟」には続編があります。「二人の女王」です。
 映画「キング・ソロモンの秘宝2」は、「二人の女王」がもとになっています。


二人の女王 (創元推理文庫 518-3)

二人の女王 (創元推理文庫 518-3)

  • 作者: H.R.ハガード
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1975/02/14
  • メディア: 文庫



 さいごに。

 大学4年生の甥っ子が、日本選手権の陸上競技の200Mに出ました。
 そして、なんと、決勝に残ったのです!
 注目されている選手が多かったため、土曜日にTVで放映されました。

 結果は7位。上位6人はすべて、世界陸上の標準記録を破っている強豪です。
 少しずつ世界への道が見えてきました。

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エマ [19世紀イギリス文学]

 「エマ」 オースティン作 中野康司訳 (ちくま文庫)


 名家ウッドハウス家の美女エマを中心とした、ホームドラマです。
 「高慢と偏見」に並ぶ名作です。

 現在、ちくま文庫、岩波文庫、中公文庫などで読むことができます。
 オススメは、ちくま文庫版の中野訳。分かりやすいです。
 カバーのイラストも、味わいがあります。これが決定版でしょう!


エマ (上) (ちくま文庫)

エマ (上) (ちくま文庫)

  • 作者: ジェイン・オースティン
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2005/10/05
  • メディア: 文庫



エマ (下) (ちくま文庫)

エマ (下) (ちくま文庫)

  • 作者: ジェイン・オースティン
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2005/10/05
  • メディア: 文庫


 エマは、美人で、頭が良くて、お金持ちで、明るくて、恵まれた女性です。
 母親は亡くなっていて、父親はエマに大甘です。
 エマは、ウッドハウス家を、自分がやりたいように切り盛りしています。

 こういう境遇なので、エマは自信家で、プライドが高く、負けず嫌いです。
 嫌な性格ですが、周りはエマにチヤホヤするので、本人は気付きません。

 エマは、親友のハリエットと、美男のエルトンの縁結びを決意します。
 自信家のお嬢様にありがちな、おせっかいです。
 エマは目的を果たすために、強引な手段にも出ますが…

 作者オースティンは、「エマ」を書き始めた頃、こう言ったそうです。
 「作者の自分以外は好きになれないようなヒロインを書くつもり」と。

 確かに、エマの自分勝手なふるまいに、最初はとても腹が立ちました。
 しかし、読み進めていくうちに、だんだんエマが、かわいく思えてきます。

 自信満々のエマも、本当は世間知らずのお嬢さんにすぎないのです。
 人の気持ちを分かっているつもりが、「ああ勘違い」の連続。
 しかも、自分自身の気持ちさえ、長い間勘違いしていたのです。

 少しずつ反省して、自分を成長させていく姿は、ちょっとけなげです。
 終盤、自分を猛省する頃には、すっかりエマが好きになっていました。

 エマに直言できるただ一人の男、それがナイトリーです。
 エマにとって、頼りになるお兄さん的な存在で、いい味を出しています。

 「エマ、男がその気になれば、いつでもできることがひとつある。
  それは、義務を果たすということだ。」(上P227)

 こういう言葉をさらっと言うところが、大人ですね。
 ナイトリーは、私にとって理想の人物です。

 ところで、結末はというと… なるほど。
 正直に言って、先が読める展開ですが、だからこそ納得できる結末です。
 もちろん、最後の最後まで楽しめる小説です。

 さいごに。

 私はかつて、ユーノスロードスターに乗っていました。
 2シーターの、オープンカーです。
 助手席の乗り心地が悪いため、妻には不評で、結婚後にやめました。

 さて、近くのコスモ石油がレンタカーを始め、BMWのZ3を置いています。
 レンタル代をきくと、6時間で5000円しませんでした。
 父の日に、うちの娘を隣に乗せて、ドライブにいく計画を立てています。

 2シーターなので、その間妻は、自由時間です。
 お互いにとって、都合のいい企画です。 
 屋根をオープンにして走りたいので、晴れそうなら予約する予定です。

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