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デカメロン3 [中世文学]

 「デカメロン」 ボッカッチョ作 平川祐弘訳 (河出文庫)


 ペストから逃れた男女10人が、交代で10日間にわたって全100話を物語ったものです。
 河出文庫が読みやすくておススメです。今回は河出文庫版の下巻を紹介します。


デカメロン 下 (河出文庫)

デカメロン 下 (河出文庫)

  • 作者: ジョヴァンニ ボッカッチョ
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2017/05/08
  • メディア: 文庫



 河出文庫「デカメロン」下巻には、第八日から第十日まで30話のが入っています。
 それぞれのテーマは以下の通り。最後に「著者結び」が付きます。

 第八日は「相手におこなった悪さやいたずらの話」、第九日は「自由テーマ」。
 そして最終の第十日は「立派なことをおこなった話」で、本書は閉じられます。

 第八日の1話は、私のお気に入りです。ドイツ傭兵グルファルドの悪戯の話です。
 彼が裕福で美しい夫人に愛を告白したところ、夫人からお金を無心されました。

 彼はいかにしてお金を調達したか? そして、いかにして夫人を愚弄したか?
 グルファルドは身勝手ではありますが、その策略がとても鮮やかなので許せます。

 第八日の7話は、阿刀田も田辺も取り上げていますが、私は共感できません。
 いくら自分がひどいめにあったからって、学者の復讐はやりすぎですよ。

 第八日の8話も面白い。親友と妻の浮気現場を見た男は、どんな復讐をしたのか?
 こういう復讐だったら、まあいいでしょう。そして、結末には驚きます。

 「俺たち二人の間で違うのは家内だけだった。これからはそれも共有することに
 しようじゃないか」(!)(P133)

 第九日は再び「自由テーマ」です。その2話は傑作。ある尼僧院での話です。
 ふしだらな尼僧をしかる尼僧院長が、頭にかぶったのは男もののパンツで・・・

 10話もサイコーです。ある司祭が、インチキな魔法をほどこす話です。
 司祭は、ある男の依頼でその妻を馬に変えるため、彼女に尻尾をつけて・・・

 さて、とうとう最終日の第十日です。テーマは、立派なことをおこなった話です。
 さんざんバカ話を披露してきたボッカッチョも、最後を美談で飾りたかったのか。

 そこに、ボッカッチョの弱さを感じてしまい、少し悲しいです。
 私としては、最後は思いっきりバカ話をして、締めくくってほしかった!

 第十日の4話は、愛する人妻を生き返らせた騎士の物語です。
 埋葬された夫人から、鼓動が聞こえたため、彼女を家に連れて帰り・・・

 その夫の前で、この女は自分のものだと、筋道立てて主張するジェンティーレ。
 反論が無いにもかかわらず、ジェンティーレが取った賞賛すべき行動は・・・

 確かに立派な行動ではある。しかし、どこか無理をしていて不自然さを感じます。
 彼には、もっと「デカメロン」っぽく、欲望のままに行動してほしかったです。

 そういえば、ボッカッチョ自身も、人生の最後には神を信じたのではなかったか。
 勝手ながら、そこに「デカメロン」とボッカッチョの限界を感じてしまいました。

 さて、「デカメロン」を読んだら、「カンタベリー物語」も読みたいです。
 幸い、岩波文庫から、分かりやすい訳が出ています。
 

完訳 カンタベリー物語〈上〉 (岩波文庫)

完訳 カンタベリー物語〈上〉 (岩波文庫)

  • 作者: チョーサー
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1995/01/17
  • メディア: 文庫



 さいごに。(結局プレゼントは)

 娘の誕生日のプレゼントは、結局、お風呂で見られるDVDプレイヤーです。
 やれやれ。これからは、うちの女衆のお風呂時間が長くなりそうだ。

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