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口語訳 古事記 [日本の古典文学]

 「口語訳 古事記」 三浦祐之(訳・注釈) (文春文庫)


 「古事記」は、神代から推古朝までの神話や出来事を記した日本最古の歴史書です。
 天武天皇の命で始まり、後に稗田阿礼が暗誦していた物語を太安万侶が記しました。

 「口語訳 古事記」は神代篇と人代篇の全二巻です。注釈・解説が充実しています。
 語り部である古老が直接語りかけてくれるような、とても分かりやすい口語訳です。


口語訳 古事記―神代篇 (文春文庫)

口語訳 古事記―神代篇 (文春文庫)

  • 作者: 三浦 佑之
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2006/12
  • メディア: 文庫



口語訳 古事記―人代篇 (文春文庫)

口語訳 古事記―人代篇 (文春文庫)

  • 作者: 三浦 佑之
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2006/12
  • メディア: 文庫



 「なにもなかったのじゃ・・・、言葉で言いあらわせるものは、なにも。
 あったのは、そうさな、うずまきみたいなものだったかいのう。」(P20)

 このような冒頭で始まる本書は、古老の語り口に特徴があります。
 「・・・じゃ」「・・・のう」という言い方が、しだいに心地よくなります。

 黄泉の国、天の岩戸、スサノオとヤマタノオロチ、イナバの白兎、天孫降臨、
 コノハナサクヤビメ、ウミサチとヤマサチ、ヤマトタケルの冒険・・・

 本当に目の前に語り部の老人がいて、自分に語りかけているように感じます。
 語り口を重視した理由が、巻頭の前書きや巻末の解説に書かれています。

 「文字化以前にこの物語に介在していたであろう音声の世界へ錘鉛(すいえん)
 を下ろすことで、書かれた古事記を突き抜けることができるのではないか」

 「文字化への時間をはるかに超えた語りの時間と空間とがあり、それに支えら
 れて神がみの物語や天皇たちの事績は書かれたのだ」

 語りを重視した本書の訳は、とても新鮮な取り組みでした。
 これまで陰に隠れてきた稗田阿礼の存在を、大きく感じさせる訳でした。

 ただ、稗田阿礼は語り部よりも、吟遊詩人に近いイメージを私は持っています。
 そして、古事記は語り物というよりも、叙事詩に近いイメージを抱いています。

 だから、稗田阿礼が「・・・じゃ」「・・・のう」と言ったとは思えないのです。
 おそらく、もう少し格調高いリズムで、長い間伝承されてきたに違いありません。

 例えば五七調のリズムで、長歌のような形で、朗誦したのではないでしょうか。
 しかし太安万侶によって、漢文で記されたため、そういう音楽性が失われた・・・

 と、ほとんど根拠もなく、勝手に妄想しています。
 ちなみに世界文学史的に見ると、「古事記」は中世叙事詩に入ると思っています。

 ところで本書は、注釈が充実していて、巻末に地名解説や系図等が付いています。
 妥協のない本作りをしていながら、定価は680円と767円と手ごろ。オススメです。

 なお、最近話題となっているのが、竹田 恒泰の「現代語 古事記」です。
 また、古事記の原文を参照したい場合は、岩波文庫版「古事記」が手ごろです。


現代語古事記: 神々の物語 (学研M文庫)

現代語古事記: 神々の物語 (学研M文庫)

  • 作者: 竹田 恒泰
  • 出版社/メーカー: 学研パブリッシング
  • 発売日: 2013/07/09
  • メディア: 文庫



現代語古事記 天皇の物語 (学研M文庫)

現代語古事記 天皇の物語 (学研M文庫)

  • 作者: 竹田 恒泰
  • 出版社/メーカー: 学研パブリッシング
  • 発売日: 2013/12/10
  • メディア: 文庫



古事記 (岩波文庫)

古事記 (岩波文庫)

  • 作者: 倉野 憲司
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1963/01/16
  • メディア: 文庫



 さいごに。(とうとう50歳)

 先日50歳になりました。2人の妹たちから、本と図書カードをもらいました。
 本は、「おしゃれが苦手でもセンスよく見せる 最強の服選び」というもの。
 10年前からファッション誌を買っていないので、とてもありがたいです。


おしゃれが苦手でもセンスよく見せる 最強の「服選び」

おしゃれが苦手でもセンスよく見せる 最強の「服選び」

  • 作者: 大山 旬
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2016/10/21
  • メディア: 単行本



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