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2017年6月発売の気になる文庫本 [来月発売の気になる文庫本]

◎ 2017年6月発売予定の文庫本で、気になるものを独断で紹介します。
  データは、出版社やamazonの、HPやメールマガジンを参考にしています。


・6/1  「あしながおじさん」 ウェブスター (新潮文庫)
  → 小川義男が「あらすじ名作劇場」でイチオシしていた名作。気になる。

・6/13 「デーミアン」 ヘッセ (光文社古典新訳文庫)
  → 新潮文庫と岩波文庫からも出ている。読み比べたい。気になる。

・6/16 「口訳万葉集」 折口信夫 (岩波現代文庫)
  → 池澤夏樹編「日本文学全集」にも収められた快訳。少し気になる。

・6/17 「新訳 まちがいの喜劇」 シェイクスピア (角川文庫)
  → 話題の河合祥一郎訳。ぜひ読みたい。買い。


◎ おまけ。(私の好きな岩波文庫90)

 7月に創刊90年を迎える岩波文庫で、「私の好きな岩波文庫90」フェア中。
 フェアの本を3冊買うと、岩波文庫マークの「木のしおり」がもらえます。

 これはほしい!
 フェアの90冊は → https://www.iwanami.co.jp/news/n19257.html

 しかし欲しい本がありません。「ルバイヤート」くらいだろうか。
 毎回同じようなフェアがあって、同じような本がエントリーされるので。


◎ さいごに。(〇〇県の軍部?)

 娘が漢字ドリルをやっていて、私がまる付けをしていたときのことです。
 「〇〇県の軍部」という例題があったので、〇〇県にも米軍基地があるのか、
 と考えて、娘の答案にまるを付けました。娘はそれをそのまま覚えました。

 翌日、漢字テストがあって、娘は「軍部」だけを間違えて98点でした。
 正解は「郡部」。なるほど。娘にはすまないことをした・・・

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古代からの伝言2 [日本の現代文学]

 「古代からの伝言(日出づる国・水漬くかばね・壬申の乱・わが国家成る)」
 八木荘司 (角川文庫)


 「日本書紀」の世界を、まるで見てきたかのように、リアルに再現した小説です。
 角川文庫で全7巻で出ています。今回はそのうち後半の4~7巻を紹介します。


古代からの伝言 日出づる国 (角川文庫)

古代からの伝言 日出づる国 (角川文庫)

  • 作者: 八木 荘司
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2006/09/22
  • メディア: 文庫



古代からの伝言 壬申の乱 (角川文庫)

古代からの伝言 壬申の乱 (角川文庫)

  • 作者: 八木 荘司
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2007/02
  • メディア: 文庫



古代からの伝言 水漬くかばね (角川文庫)

古代からの伝言 水漬くかばね (角川文庫)

  • 作者: 八木 荘司
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2006/09/22
  • メディア: 文庫



古代からの伝言 わが国家成る (角川文庫)

古代からの伝言 わが国家成る (角川文庫)

  • 作者: 八木 荘司
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2007/03
  • メディア: 文庫



 第4巻は「日出づる国」編です。聖徳太子を中心に描いています。
 崇峻天皇と蘇我馬子、推古天皇と厩戸の王子、小野妹子と隋の使節団・・・

 第5巻は「水漬くかばね」編です。天智天皇を中心に描いています。
 中臣鎌足と中大兄皇子、大化の改新、有間皇子、天智天皇、白村江の戦い・・・

 第6巻は「壬申の乱」編です。天武天皇を中心に描いています。
 大海人皇子、高市皇子、壬申の乱、大友皇子、大津皇子、天武天皇・・・

 第7巻は「わが国家成る」編です。完結編です。
 藤原不比等、大津皇子の変、持統天皇、律令制、光明皇后、平常遷都・・・

 前回の第3巻辺りから、資料が充実したためか、記述がだいぶ詳しくなりました。
 歴史上の人物の、息づかいが聞こえるぐらい、生き生きと描かれています。

 特に、崇峻暗殺の場面、有間皇子と大津皇子の悲劇の場面などが印象的でした。
 所々に著者独自の見方や仮説もあって、とても興味深く読むことができました。

 このシリーズ後半は、読んでワクワクすると同時に懐かしい気持ちになりました。
 というのも、舞台となっている飛鳥と奈良は、若い頃よく通った土地だからです。

 大学時代、青春十八きっぷを使って、飛鳥と奈良を、何度訪れたことでしょう。
 あのころ通ったお寺にいつか家族で行きたいと思いつつ、まだ果たせていません。

 一度は奈良ホテルに滞在して、奈良公園をたっぷり味わいたいと思っています。
 そして、日本書紀の人々や万葉時代の人々と、言葉を交わすことができたら・・・

 さて、この時代のドラマを、別の視点から描き直したのが「遥かなる大和」です。
 「青雲の大和」「大和燃ゆ」と、現在三部作を成しています。


遥かなる大和 上 (角川文庫)

遥かなる大和 上 (角川文庫)

  • 作者: 八木 荘司
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2010/08/25
  • メディア: 文庫



 さいごに。(読書クラブ)

 昨年の娘の必修クラブは、手芸クラブでした。年に7回~8回活動しました。
 今年は、調理クラブを希望していますが、希望者がとても多いのだそうです。

 入れなかった場合は、第2希望の読書クラブになりそうです。
 ただ本を読むだけでつまらないと言っていますが・・・とてもうらやましい!

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古代からの伝言1 [日本の現代文学]

 「古代からの伝言(日本建国・民族の雄飛・悠久の大和)」 八木荘司 (角川文庫)


 「日本書紀」の世界を、まるで見てきたかのように、リアルに再現した小説です。
 1999年から産経新聞に連載され、大きな反響を呼びました。角川文庫で全7巻。


古代からの伝言 日本建国 (角川文庫)

古代からの伝言 日本建国 (角川文庫)

  • 作者: 八木 荘司
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2007/01
  • メディア: 文庫



古代からの伝言 民族の雄飛 (角川文庫)

古代からの伝言 民族の雄飛 (角川文庫)

  • 作者: 八木 荘司
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2006/12/22
  • メディア: 文庫



古代からの伝言 悠久の大和 (角川文庫)

古代からの伝言 悠久の大和 (角川文庫)

  • 作者: 八木 荘司
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2006/11
  • メディア: 文庫



 第1巻は「日本建国」編です。神話時代を扱うため、最もロマンあふれる巻です。
 卑弥呼から神武天皇の建国神話を経て日本武尊(ヤマトタケル)まで描いています。

 卑弥呼と邪馬台国、中国からの使者と金印、卑弥呼の死と新女王、神武天皇の東征、
 欠史八代、天皇の長寿と倍年説、四道将軍、大和と出雲、日本武尊と白鳥伝説・・・

 第2巻は「民族の雄飛」編です。空白の4世紀を扱っていて、興味深いです。
 神功皇后から応神天皇と仁徳天皇を経て雄略天皇までを描いています。

 仲哀天皇の死と神功皇后、新羅攻略、武内宿禰(たけしうちのすくね)、七支刀、
 応神天皇と高句麗との戦闘、好太王碑、仁徳天皇、倭の五王と雄略天皇・・・

 第3巻は「悠久の大和」編です。いよいよなじみのある時代に入りました。
 継体天皇から大伴氏、物部氏、蘇我氏の時代までを描いています。

 大伴金村と継体天皇、任那(みまな)日本府、磐井の反乱、欽明天皇、金村の失脚、
 任那滅亡、仏教伝来、物部守屋、蘇我稲目と馬子、厩戸王子、物部氏対蘇我氏・・・

 すごいのは、大きな時代の流れが、ひとつのストーリーとしてまとまっている点です。
 しかも、登場人物たちに生命が吹き込まれ、当時の状況が生き生きと描かれています。

 神武東征などの神話的な出来事も、まるでその場で見ているかのような臨場感でした。
 古代日本史が好きで好きでたまらないという人が書いた小説だと思いました。

 時間ができたら絶対に読み返したい本です。
 または、コミックで読みたいです。どなたか漫画化してくれないだろうか。

 さいごに。(好きな人でもできてくれれば・・・)

 月曜になるたびに、娘は「いやだなあ、いやだなあ」とぼやきます。
 「早く好きな人でもできてとっとと学校に行ってくれればいいのに」と妻は言います。

 が、毎日さっさと支度をしてどんどん学校に行ってしまったら、それはそれで寂しい。
 こうして娘のぼやきを聞いたことを懐かしく思い出す日が、いつか来るかもしれない。

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日本書紀 [日本の古典文学]

 「日本書紀」 (岩波文庫)


 神代から持統天皇の御代までの出来事を、編年体で記した日本最古の正史です。
 天武天皇の命で始まり、後にその子である舎人親王が、全30巻にまとめました。

 岩波文庫版は、右ページに書き下し文、左ページに注釈があって見やすい構成。
 後半に、補注と原文等が200ページも続きます。それなのに、現代語訳が無い!


日本書紀 5冊 (岩波文庫)

日本書紀 5冊 (岩波文庫)

  • 作者: 坂本太郎
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1995/07
  • メディア: 文庫



 「古事記」も「日本書紀」も、天武天皇によって編纂が開始しされた史書です。
 紆余曲折があって、「古事記」が712年に、「日本書紀」が720年にできました。

 それにしても、どうして同じ時期に二つも史書を作ったのか?
 高校時代の「文学史」の教科書では、次のように説明されていたと思います。

 「古事記」は国内向けに書かれた。だから内容は物語的である。
 「日本書紀」は国外向けに書かれた。だから編年体で書かれている。

 しかし私は現在、こう思っています。そもそもこの二つはジャンルが違うのだと。
 だから天武天皇には、史書を二つ作るという意識は無かったのだと思います。

 「古事記」は史書というよりも、口承されてきた叙事詩のようなもの。
 だから「古事記」は、作られたというより、ただ漢文で文字化されただけです。

 その反面、「日本書紀」は最初から散文の歴史書として構想されました。
 様々な資料を参考にして、漢文を駆使し、時間と労力をかけて作られたのです。

 世界文学史的には、最初に叙事詩が登場して、のちに散文の史書が出るようです。
 日本の場合、この二つがほぼ同時に行われたのだと思います。

 さて、最近は読書の時間がないので、昔読んだ本の紹介ばかりになっています。
 前回の「古事記」も、今回の「日本書紀」も、11年前の2006年に読んでいます。

 「古(いにしへ)に天地(あめつち)未だ剖(わか)れず、陰陽(めを)分かれ
 ざりしとき、混沌(まろか)れたること鶏子の如くして、・・・」(冒頭)

 今さらながら驚きました。なんと、私は「日本書紀」を原文で読んでいたのです。
 しかも、それなりに楽しんで読んでいたらしい。至る所に傍線が引いてあるので。

 本来なら、口語訳ですませるはずです。どうしてわざわざ原文に挑んだのか?
 その理由は・・・当時、八木荘司の「古代からの伝言」にはまっていたからです。

 この本はめちゃくちゃ面白くて、日本書紀の原文にあたってみたくなったのです。
 つまり「日本書紀」は、「古代からの伝言」の参考文献として読んでいたのです。


古代からの伝言 日本建国 (角川文庫)

古代からの伝言 日本建国 (角川文庫)

  • 作者: 八木 荘司
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2007/01
  • メディア: 文庫



 なお、「日本書紀」の現代語訳は、講談社学術文庫から出ています。
 とても分かりやすい訳です。


日本書紀(上)全現代語訳 (講談社学術文庫)

日本書紀(上)全現代語訳 (講談社学術文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1988/06/06
  • メディア: 文庫



 さいごに。(クラスリレー)

 娘のクラスは、学年で一番、走るのが速い子ばかりが揃っているクラスです。
 当然、体育大会のクラスリレーは一番になるとばかり思っていたのですが・・・

 リハーサルでは、ダントツのビリ。ある子がバトンを落としたので。
 だから、リレーはおもしろい。

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口語訳 古事記 [日本の古典文学]

 「口語訳 古事記」 三浦祐之(訳・注釈) (文春文庫)


 「古事記」は、神代から推古朝までの神話や出来事を記した日本最古の歴史書です。
 天武天皇の命で始まり、後に稗田阿礼が暗誦していた物語を太安万侶が記しました。

 「口語訳 古事記」は神代篇と人代篇の全二巻です。注釈・解説が充実しています。
 語り部である古老が直接語りかけてくれるような、とても分かりやすい口語訳です。


口語訳 古事記―神代篇 (文春文庫)

口語訳 古事記―神代篇 (文春文庫)

  • 作者: 三浦 佑之
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2006/12
  • メディア: 文庫



口語訳 古事記―人代篇 (文春文庫)

口語訳 古事記―人代篇 (文春文庫)

  • 作者: 三浦 佑之
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2006/12
  • メディア: 文庫



 「なにもなかったのじゃ・・・、言葉で言いあらわせるものは、なにも。
 あったのは、そうさな、うずまきみたいなものだったかいのう。」(P20)

 このような冒頭で始まる本書は、古老の語り口に特徴があります。
 「・・・じゃ」「・・・のう」という言い方が、しだいに心地よくなります。

 黄泉の国、天の岩戸、スサノオとヤマタノオロチ、イナバの白兎、天孫降臨、
 コノハナサクヤビメ、ウミサチとヤマサチ、ヤマトタケルの冒険・・・

 本当に目の前に語り部の老人がいて、自分に語りかけているように感じます。
 語り口を重視した理由が、巻頭の前書きや巻末の解説に書かれています。

 「文字化以前にこの物語に介在していたであろう音声の世界へ錘鉛(すいえん)
 を下ろすことで、書かれた古事記を突き抜けることができるのではないか」

 「文字化への時間をはるかに超えた語りの時間と空間とがあり、それに支えら
 れて神がみの物語や天皇たちの事績は書かれたのだ」

 語りを重視した本書の訳は、とても新鮮な取り組みでした。
 これまで陰に隠れてきた稗田阿礼の存在を、大きく感じさせる訳でした。

 ただ、稗田阿礼は語り部よりも、吟遊詩人に近いイメージを私は持っています。
 そして、古事記は語り物というよりも、叙事詩に近いイメージを抱いています。

 だから、稗田阿礼が「・・・じゃ」「・・・のう」と言ったとは思えないのです。
 おそらく、もう少し格調高いリズムで、長い間伝承されてきたに違いありません。

 例えば五七調のリズムで、長歌のような形で、朗誦したのではないでしょうか。
 しかし太安万侶によって、漢文で記されたため、そういう音楽性が失われた・・・

 と、ほとんど根拠もなく、勝手に妄想しています。
 ちなみに世界文学史的に見ると、「古事記」は中世叙事詩に入ると思っています。

 ところで本書は、注釈が充実していて、巻末に地名解説や系図等が付いています。
 妥協のない本作りをしていながら、定価は680円と767円と手ごろ。オススメです。

 なお、最近話題となっているのが、竹田 恒泰の「現代語 古事記」です。
 また、古事記の原文を参照したい場合は、岩波文庫版「古事記」が手ごろです。


現代語古事記: 神々の物語 (学研M文庫)

現代語古事記: 神々の物語 (学研M文庫)

  • 作者: 竹田 恒泰
  • 出版社/メーカー: 学研パブリッシング
  • 発売日: 2013/07/09
  • メディア: 文庫



現代語古事記 天皇の物語 (学研M文庫)

現代語古事記 天皇の物語 (学研M文庫)

  • 作者: 竹田 恒泰
  • 出版社/メーカー: 学研パブリッシング
  • 発売日: 2013/12/10
  • メディア: 文庫



古事記 (岩波文庫)

古事記 (岩波文庫)

  • 作者: 倉野 憲司
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1963/01/16
  • メディア: 文庫



 さいごに。(とうとう50歳)

 先日50歳になりました。2人の妹たちから、本と図書カードをもらいました。
 本は、「おしゃれが苦手でもセンスよく見せる 最強の服選び」というもの。
 10年前からファッション誌を買っていないので、とてもありがたいです。


おしゃれが苦手でもセンスよく見せる 最強の「服選び」

おしゃれが苦手でもセンスよく見せる 最強の「服選び」

  • 作者: 大山 旬
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2016/10/21
  • メディア: 単行本



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四畳半神話大系 [日本の現代文学]

 「四畳半神話大系」 森見登美彦 (角川文庫)


 京大3回生の男が、どんなサークルに入りどんな学生生活を送ったかを描いています。
 「夜は短し歩けよ乙女」の前年に出ました。テレビアニメにもなりました。


四畳半神話大系 (角川文庫)

四畳半神話大系 (角川文庫)

  • 作者: 森見 登美彦
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2008/03/25
  • メディア: 文庫



 「大学三回生の春までの二年間、実益のあることなど何一つしていないことを断言
 しておこう。」・・・冒頭のこの一文で、いっきに物語に没入してしまいました。

 物語は4話で構成されています。冒頭は全て同じ文章で始まります。
 この構成にはちょっとした仕掛けがあって、第4話でその意味が分かります。

 「第一話 四畳半恋ノ邪魔者」は、「私」が映画サークルを選んでいた場合です。
 3回生の5月には、「私」は悪友の小津と一緒にサークルを追放されていました。

 ある夜、ラーメンの屋台で、「私」は奇妙な男に出会いました。
 「神様だよ、貴君。私は神様だ」そして、神様と名乗る男が言ったことは・・・

 次々と実現する予言。男は本当に神さまなのか?
 小津と神様の関係は? そして気になる結末は?

 「第二話 四畳半自虐的代理代理戦争」は、「私」が師匠の弟子になった場合です。
 師匠といっても樋口師匠は、ただの大学八回生で、人生を棒に振っている人物です。

 師匠に言われて、「私」と小津が誘拐しようとした「香織さん」なるものは・・・
 師匠と城ケ崎の間に何があったのか? 「自虐的代理代理戦争」とは?

 「貴君なら大丈夫だ。・・・この先二年と言わず、三年でも四年でも、きっと立派に
 棒に振ることができるだろう。私が保証する」(P149)・・・

 「第三話 四畳半甘い生活」は、「私」がソフトボールサークルに入った場合です。
 サークルの正体は宗教サークルで、そこで知り合った小津と一緒に逃げ出しました。

 悪友の小津が、ある日私の下宿に連れて来た香織さんなるものは・・・
 そして、今まで文通をしていた女性は、実は・・・

 第一話から第三話まで、小津をはじめ、明石さん、城ケ崎、師匠などが登場します。
 占い師、猫ラーメン、下鴨神社、「海底二万里」、蛾の大群なども毎回登場します。

 そして、全ての話にわたって、「私」は大学2年間を棒に振っています。
 いったい、第一話から第三話まではどのように関連しているのか?

 その答えが、「最終話 八十日間四畳半一周」ではっきりします。
 物語のタイトルがなぜ「四畳半」の「神話大系」なのかが、最終話で理解できます。

 ある朝「私」が目覚めると、ドアの向こうには同じ四畳半があって・・・
 四畳半から四畳半へと渡り歩いた「私」は、やがてこの世界の構造を理解し・・・

 非常に凝った構成です。ただし私は、凝り過ぎていると思いました。
 私的には、第一話が感服するほど面白かったので、ほかの話はいらなかったです。

 さて、森見登美彦といえば、今年「夜は短し歩けよ乙女」が映画化されたばかりです。
 主人公役が星野源となって話題となりました。私も少しだけ気になっています。

 「夜は短し歩けよ乙女」(小説)
 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-03-02

 さいごに。(ママさんの新しいバッグ)

 家に見慣れないバッグがありました。ママさんの買った新しいバッグでしょうか。
 しかし、ママさんに声を掛けていいのか悪いのか、判断に迷います。

 以前、「新しいバッグ?」と聞いたら、「違うわよ。いつも何見てるの」と言われた。
 でも何も言わなかったら、「新しいバッグに気付いてくれないの」と言われそうだし。

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世界最強の商人 [20世紀アメリカ文学]

 「世界最強の商人」 オグ・マンディーノ作 山川紘矢・亜希子訳 (角川文庫)


 世界最強の商人が、成功法について書かれた巻物を、次に引き継ぐまでの物語です。
 わずか111ページですが、様々な成功法が凝縮されています。訳は2014年です。


世界最強の商人 (角川文庫)

世界最強の商人 (角川文庫)

  • 作者: オグ・マンディーノ
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2014/11/22
  • メディア: 文庫



 商人として独り立ちし、愛する娘と結婚して、将来は世界最強の商人となりたい。
 そう熱望するハフィッドに、主人であり養父でもあるパトロスは言いました。

 「ローブとロバを受け取り、夜明けにベツレヘムに向けて出発しなさい。・・・
 お前はそのローブが売れるまで、ベツレヘムにとどまりなさい。」

 しかし彼はその大切な商品を、洞窟の中の赤ん坊のために置いてきたのです。
 意気消沈して帰るハフィッド。しかしその善行が、養父に認められました。

 ハフィッドは、パトロスから大切な10巻の巻物を譲り受けたのです。
 ハフィッドはダマスカスに着き、巻物の1巻目をひもといて・・・

 自己啓発本であると同時に、面白い小説でもあります。
 最終第18章の意外な展開! 驚きの結末!

 さて、肝心な巻物は10巻。1巻を朝・昼・夜の3度繰り返し読めと言います。
 しかも、それを30日間続けなければ、次の巻に行ってはいけないと言います。

 もちろん普通の人にはそんな時間はないので、どんどん読み進めましょう。
 最強の商人にはなれないけど、わずか数時間で、多くの名言を得られます。

 「私は人生最大の秘密を知っている。なぜならば、すべての問題、失望、心痛は、
 実は仮面をかぶった偉大なチャンスだということが見えるようになったからだ。」

 「私は今日の時間を大切にしよう。・・・時間は、今日、銀行にあずけて、明日、
 引き出して使うことができるものではない。」

 この続編が、「その後の世界最強の商人」です。完結編です。
 ハフィッドは、残りの人生をすべてかけて、ある壮大な計画を実行し・・・


その後の世界最強の商人 (角川文庫)

その後の世界最強の商人 (角川文庫)

  • 作者: オグ・マンディーノ
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2014/11/22
  • メディア: 文庫



 さいごに。(ずっと仕事だってば)

 GWの仕事はずっと野外でした。連休明けの8日、友人に言われました。
 「いい色に焼けたねえ。どこに行ってきたの?」 ずっと仕事だってば!

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プリンセス・トヨトミ [日本の現代文学]

 「プリンセス・トヨトミ」 万城目学 (文春文庫)


 400年間秘密を守ってきた大阪の男たちと、会計検査官らとの対決を描いています。
 「鴨川ホルモー」「鹿男あをによし」に続く関西モノの第三弾。映画化されました。


プリンセス・トヨトミ (文春文庫)

プリンセス・トヨトミ (文春文庫)

  • 作者: 万城目 学
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2011/04/08
  • メディア: 文庫



 「このことは誰も知らない。
  五月末日の木曜日、午後四時のことである。
  大阪が全停止した。」

 冒頭、いきなりこのような話から始まります。
 大阪が全停止? まさかね、と思いながらも、いっきに引き込まれました。

 物語はそれより十日前、会計検査院の調査官が大阪に入るところから始まります。
 それは、鬼の松平副長、ハーフの美女ゲールズブール、ミラクル鳥居の3人です。

 ところが「社会法人OJO」という怪しげな団体が、実地検査できなかったのです。
 後日、実地検査を行うために訪れた松平が、案内されたその場所は・・・

 次々と明かされる衝撃の事実! 大阪400年の秘密!
 理解を求める大阪の男たち対、決して妥協をしない鬼の松平。

 「あなたの目的は――いったい何なのです?」
 「見たかったからだ」
 「見たい? 何を?」
 「この光景を」(P438)

 大阪の男たちがやったことは? そこで、調査官らが見たものは?
 騒動を大きくしたのは誰だったのか? 松平は最後にどんな決断を下すか?

 「なぜこんなお伽噺のような世界を信じることができる?」(P471)
 そういう松平に、真田幸一が答えた言葉は?! 最後は少し泣けます。

 さすが万城目です。この作品もめちゃくちゃ面白かったです。
 ただし、難があるとしたら、少し長すぎることです。530ページあります。

 セーラー服少年の苦悩の場面や、「栄光の五月 Ⅰ」の章は必要ないでしょう。
 余分な箇所をざっくり削って、350ページぐらいにまとまればサイコーでした。

 さて私は、調査官の松平とゲールズブールが、とてもカッコ良いと思いました。
 映画では堤真一と岡田将生(?)がやっています。鳥居は綾瀬はるか。え?

 さいごに。(時計修理)

 腕時計はゼニスのエル・プリメロを使っています。クロノグラフです。
 15年前に婚約指輪を贈った時、うちの奥さまがお返しに買ってくれました。

 今回、2度目のオーバーホールで5万円かかります。前回は8万円でした。
 ああ、身の丈に合ったものを持つべきですね!

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この世で一番の奇跡 [20世紀アメリカ文学]

 「この世で一番の奇跡」 オグ・マンディーノ作 菅靖彦訳 (PHP文庫)


 主人公がある老人から人生について学び、「神の覚え書き」を託される物語です。
 「世界最強の商人」と並ぶベストセラーで、続編も出ました。


この世で一番の奇跡 (PHP文庫)

この世で一番の奇跡 (PHP文庫)

  • 作者: オグ マンディーノ
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2003/03
  • メディア: 文庫



この世で一番の贈り物 (PHP文庫)

この世で一番の贈り物 (PHP文庫)

  • 作者: オグ マンディーノ
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2003/08
  • メディア: 文庫



 主人公のオグは不思議な老人と出会い、彼の部屋を訪れるようになりました。
 彼の名はサイモンです。オグは彼と話すたびに、自分を見つめ直していきます。

 「ほとんどの人間は、程度の差はありますが、すでに死んでしまっています。
 なんらかの形で、彼らは自分の夢や希望、より良き人生をおくりたいという欲求
 を失ってしまっているのです。 ・・・」(P31)

 そしてサイモンは、自分を「ラグピッカー」だと言います。
 といってもゴミを漁るのではなくて、廃品同様の人間を見つけて再生するのです。

 「廃品になった人間をさがしているのです。(中略)そういう人を見つけたら、新
 たな希望と目的意識をあたえて、生きながら死んだ状態から蘇るのを手伝うのです。
 ・・・わしにとって、それこそ、この世で一番の奇跡なのです。」(P35)

 そのとき使われるのが四つの法則で、それをまとめたのが「神の覚え書き」です。
 のちにオグは、老人から「神の覚え書き」を託されることになって・・・

 この本は1975年に出て、大きな話題となりました。スピリチュアルな内容です。
 比較的薄い本ですが、大事なことがギュッと凝縮されています。

 その中でも核心は、「神の覚え書き」の章です。
 実際に今でも、「神の覚え書き」を毎夜読んでいる人もいるといいます。

 さて、この物語には続編(完結編)があります。
 妻の田舎へ旅行に来て、古い農家を購入したところから、物語は始まります。

 引っ越して新しい生活を始めたとき、再びサイモン・ポッターが現れて・・・
 15年ぶりに二人は語り合い、サイモンは最後の贈り物をする・・・

 サイモンはなぜ突然いなくなったのか? そしてなぜまた突然現れたのか?
 サイモンは実在するのか? 彼はただの幻影か? それとも、神なのか?

 さまざまな疑問が湧きおこりながらも完結します。2冊まとめて読みたいです。
 また、もう一つの代表作「世界最強の商人」も読んでみたいです。


世界最強の商人 (角川文庫)

世界最強の商人 (角川文庫)

  • 作者: オグ・マンディーノ
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2014/11/22
  • メディア: 文庫



 さいごに。(ひとり時間をゲット)

 私はGW中仕事があるので、うちの女衆は自分たちだけで計画を立てています。
 昨日、妻と娘の2人は、親戚の家に泊まりに行きました。

 ということで、夜は久々にひとりの時間を持つことができました。
 お茶を飲みながら、存分に本が読めました! 楽しいひとときでした。

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十二夜 [17世紀文学]

 「十二夜」 シェイクスピア作 河合祥一郎訳 (角川文庫)


 男装のヴァイオラを中心に、三角関係のドタバタを描いた、喜劇の最高峰です。
 クリスマス・シーズン最後の夜「十二夜」に上演するために書かれた喜劇です。

 角川文庫から出ている河合訳が最新の訳です。文章は分かりやすかったです。
 リズムもいいです。ライム(押韻)をすべて訳出することに挑戦したとのこと。


新訳 十二夜 (角川文庫)

新訳 十二夜 (角川文庫)

  • 作者: シェイクスピア
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2011/10/25
  • メディア: 文庫



 名作なので、多くの文庫から様々な訳が出ています。
 どの訳も分かりやすく、それぞれの味わいがあります。


シェイクスピア全集 (6) 十二夜 (ちくま文庫)

シェイクスピア全集 (6) 十二夜 (ちくま文庫)

  • 作者: W. シェイクスピア
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1998/09
  • メディア: 文庫



十二夜 (光文社古典新訳文庫)

十二夜 (光文社古典新訳文庫)

  • 作者: シェイクスピア
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2007/11/08
  • メディア: 文庫



十二夜 (岩波文庫)

十二夜 (岩波文庫)

  • 作者: シェイクスピア
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1960/03/25
  • メディア: 文庫



 双子の兄妹セバスチャンとヴァイオラが乗っていた船が、嵐によって難破しました。
 二人は危うく助かり、離れ離れになり、お互いに死んだものと考えていました。

 ヴァイオラは身を守るために男装し、シザーリオと名乗って公爵家に仕えました。
 ところが彼女は、主人であるオーシーノ公爵に恋してしまったのです。

 公爵は、伯爵家のオリヴィアに求婚していましたが、全く相手にされていません。
 そしてシザーリオ(ヴァイオラ)が、公爵の気持ちを伝える使いを頼まれました。

 シザーリオはオリヴィアに、すっかりほれ込まれてしまい・・・
 やがて、生きていた兄のセバスチャンが戻ってくると・・・

 三角関係に、 人々の勘違いが加わり、事態は複雑に絡み合っていきます。
 さらにオリヴィア家の者の悪戯まで加わって、もうどうしようもありません。

 笑いにつぐ笑い。クリスマス・シーズンの最後を飾るにふさわしい大傑作です。
 P63のような卑猥な笑いもあって、なんでもありって感じです。

 シェイクスピア喜劇の集大成です。この作品を最後に、喜劇の時代が終ります。
 ほぼ同時期に書かれた喜劇「お気に召すまま」も読んでみたいです。


お気に召すまま−シェイクスピア全集 15  (ちくま文庫)

お気に召すまま−シェイクスピア全集 15  (ちくま文庫)

  • 作者: W. シェイクスピア
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2007/06
  • メディア: 文庫



お気に召すまま (新潮文庫)

お気に召すまま (新潮文庫)

  • 作者: ウィリアム シェイクスピア
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1981/07/28
  • メディア: 文庫



 さいごに。(今年からゴールデン・ウィークは無し)

 明日から5日間休みという人は多いでしょう。中には9連休という人もいます。
 私は今年から、5日間全て仕事です。代休はありません。13日連続勤務です。

 うちの業界では珍しいことではありません。でも、なんとかしてほしい!
 「冬休みは絶対たっぷり休んでやるぞ」と、今はただそう誓うのみです。

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