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ケルト神話と中世騎士物語 [中世文学]

 「ケルト神話と中世騎士物語」 田中仁彦 (中公新書)


 中世騎士物語の中に生きている、ケルト人の他界の観念について解説しています。
 新書です。1995年に出て、ロングセラーを続けている著書です。


ケルト神話と中世騎士物語―「他界」への旅と冒険 (中公新書)

ケルト神話と中世騎士物語―「他界」への旅と冒険 (中公新書)

  • 作者: 田中 仁彦
  • 出版社/メーカー: 中央公論社
  • 発売日: 1995/07/25
  • メディア: 新書



 三部構成になっています。第一部は「ケルト人と他界」です。
 ケルト人の残した妖精や小人の神話から、彼らの他界の観念を述べています。

 海の彼方の女人国とは何か? ケルト人の他界の観念はどのようなものか?
 巨石文明を作ったのは誰か? 地下に住む妖精や小人は何者か?

 「ブランの航海」、「コンラの冒険」、「ダナの息子たち」にまつわる神話・・・
 この第一部には、他界への旅の神話が次々と登場して、とても興味深いです。

 第二部は「ケルト・キリスト教と他界」です。
 キリスト教の受容とともに、ケルト的他界が変貌していくさまを述べています。

 ケルトの神は悪魔となり、ケルトの他界は天国・楽園・煉獄・地獄となって・・・
 古い神々は、しだいに新しい神々に支配されていきます。

 第三部は「中世騎士物語と他界」です。いよいよアーサー王物語が登場します。
 ここでは、中世騎士物語の中に生きる、ケルト的他界の観念について述べています。

 アーサー王とアヴァロン、ランスロとゴールの国、ペルスヴァルと聖杯城・・・
 彼らは皆、突如開かれたケルト的他界へと旅立っています。

 また第三部は、アーサー王伝説について、いろいろと面白い指摘をしています。
 いわく、アーサー王国を滅ぼした真の原因は、王妃とランスロの愛・・・

 アーサー王伝説を、ケルト神話を踏まえて読み直せた点が、良かったです。
 ところで、終章の次の言葉が、とても心に染み入りました。

 「現代のわれわれは人生が旅であるということの本当の意味を見失ってしまった。
  われわれはどこへも出発することなく、ただじっと死を待っている。
  われわれにはもはや、そこに向かって出発すべき他界が存在しないのだ。」(P238)

 さいごに。(手越とパパとどっちがいいか?)

 娘によると、うちのママはNEWSの手越が好きなのだそうだ。
 「手越とパパとどっちがいいか、ママに聞いてみる」と言うので、私は慌てました。

 「やめなさい。ママは答えたくないだろうし、パパだって答えを聞きたくはない。」
 すると娘は、「大丈夫。パパが傷つかないように聞くからね。」と言いました。(涙)

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