So-net無料ブログ作成
検索選択

ピエール・パトラン先生 [中世文学]

 「ピエール・パトラン先生」 渡辺一夫訳 (岩波文庫)


 仕事のない代言人パトラン先生が、相手を口車で丸め込む姿を描いた喜劇です。
 中世フランスの代表的笑劇で、15世紀中頃に修道士によって書かれたようです。

 第一刷は1963年。しばらく絶版でしたが、今年2017年2月に復刊されました。
 訳は少し古いですが、分かりやすかったです。買うなら今がチャンスです。


ピエール・パトラン先生 (岩波文庫)

ピエール・パトラン先生 (岩波文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1963/09/16
  • メディア: 文庫



 代言人のパトラン先生には依頼人がつかず、貧乏暮らしで苦しんでいます。
 金もないのに羅紗屋に行き、店主をおだてて、布地をツケで買いました。

 金を取りに来た羅紗屋を、パトラン先生はいかにして追い返したか?
 弁護を依頼に来た羊飼いに、パトラン先生はどんなアドバイスをしたのか?

 すべてが順調に見えたその時・・・最後にはちゃんとオチがつきます。
 この作品が、中世で最も有名な喜劇と言われる理由が、よく分かりました。

 ところで、私は中世にこのような喜劇があることが、とても意外でした。
 この作品の内容は、中世の騎士道やキリスト教精神に反しているからです。

 解説によると、13世紀を境に、騎士の時代から市民の時代に移ったと言います。
 都市が発展し、市民階級の力が増すにつれて、作品も変わっていったようです。

 このような喜劇は、市民階級の欲求を満たすため、当時流行したといいます。
 一方、封建社会が衰退するにつれて、叙事詩や騎士物語は衰えていきました。

 中世の庶民的文学には、他に「狐物語」や「結婚十五の歓び」等があります。
 どちらも現在、岩波文庫で手に入れることができます。 


狐物語 (岩波文庫)

狐物語 (岩波文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2002/05/16
  • メディア: 文庫



結婚十五の歓び (岩波文庫 赤 571-1)

結婚十五の歓び (岩波文庫 赤 571-1)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1979/01/16
  • メディア: 文庫



 ところで「ピエール・パトラン先生」は、春のリクエスト復刊で出たばかりです。
 私はこのフェアを見落としていた! 同時期に出た次の2点は「買い」です。


ヴィルヘルム・テル (岩波文庫 赤 410-3)

ヴィルヘルム・テル (岩波文庫 赤 410-3)

  • 作者: シラー
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1957/09/05
  • メディア: 文庫



小公子 (岩波文庫)

小公子 (岩波文庫)

  • 作者: フランシス・ホジソン バーネット
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1939/08/05
  • メディア: 文庫



 さいごに。(何度も味わうコミック)

 娘はコミック「orange」の第4巻を買ってきたのに、なかなか読み始めません。
 どういうわけか第1巻を読んでいるのです。娘にわけを聞いてみると・・・

 「第4巻を読む前に、第1巻から第3巻までをもう一度読んでおさらいする。」
 なるほど。そうすれば、一つのコミックで何度でも楽しめます。

nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ: