So-net無料ブログ作成

エル・シードの歌 [中世文学]

 「エル・シードの歌」 長南実(ちょうなんみのる)訳 (岩波文庫)


 レコンキスタ期の英雄エル・シードの活躍を描いた、中世スペインの叙事詩です。
 エル・シードは実在していて、レコンキスタ期の最高の騎士と目されています。 

 岩波文庫から1998年に出て、昨年2016年12月にようやく第2刷が発行されました。
 訳が分かりやすく、詳しい注釈が付いています。関連地図が、参考になりました。


エル・シードの歌 (岩波文庫)

エル・シードの歌 (岩波文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1998/07/16
  • メディア: 文庫



 「エル・シードの歌」は、三つの歌で構成されています。
 この本では、それぞれの歌に小見出しが付けられていて、内容が分かります。

 第一歌 エル・シードの国外追放と征旅の歌
 エル・シードは、彼を憎む者によって王に讒言され、国から追放されて・・・

 第二歌 バレンシア攻略と息女らの婚礼の歌
 エル・シードは、モーロ人の土地を少しずつ占領し、バレンシアを攻略し・・・

 第三歌 コルペスの森の屈辱と決闘裁判の歌
 エル・シードの2人の娘たちは、卑劣な婿たちによって屈辱を受けるが・・・ 

 解説によると、武勲詩は詩人らによって、街から街へ広められたのだそうです。
 それぞれの歌は、吟遊詩人が1回に吟誦するのに適当な長さだったと言います。

 だから、基本的にこれは「歌」であって、読まれたのではなく聴かれたのです。
 そのためか、正義と悪がはっきりと分かれていて、内容は分かりやすいです。

 ただし、エル・シードは完璧な英雄として、描かれているのではありません。
 驚いたことに、エル・シードは旅費を作るために、味方を騙したりしています。

 また、最後の決闘裁判へのもっていき方も、あまり紳士的ではありません。
 名剣は決闘に勝って取り返す、という展開にした方が、ずっとかっこいいのに!

 フランスの「ロランの歌」と、スペインの「エル・シードの歌」を読みましたが、
 どちらも他の叙事詩に見られたファンタジー的な味付けが、ありませんでした。

 中世文学といったらファンタジー、と勝手に思っていたので、少し意外でした。
 私はどちらかというと、魔法使いや竜や妖怪が出てくる物語の方が好きです。

 さて、ロシアにも「イーゴリ遠征物語」という中世叙事詩があります。
 たまたま岩波文庫の2009年版が家にありました。すぐに読んでみたいです。


イーゴリ遠征物語 (岩波文庫 赤 601-1)

イーゴリ遠征物語 (岩波文庫 赤 601-1)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1983/04/18
  • メディア: 文庫



 さいごに。(ボーリング大会)

 子供会の6年生を送る会では、恒例のボーリング大会がおこなわれます。
 うちではボーリングをやらないので、娘は毎年楽しみにしています。

 例によって娘は、全然ピンを倒せないと思います。
 実は私もボーリングは苦手で、いつも女の子チームに入れられていました。

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ: