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2017年1月発売の気になる文庫本 [来月発売の気になる文庫本]

◎ 2016年1月発売予定の文庫本で、気になるものを独断で紹介します。
  データは、出版社やamazonの、HPやメールマガジンを参考にしています。

・1/6「宇宙が始まる前には何があったのか?」ローレンス・クラウス(文春文庫)
  → 2013年に出たベストセラーの文庫化。分かりやすい宇宙論。気になる。

・1/7「すばらしい新世界〔新訳版〕」ハクスリー(ハヤカワepi文庫)
  → 以前講談社文庫版で読んだ。ハクスリーの代表作。新訳。気になる。
    http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-02-02

・1/10「未開社会における性と抑圧」B.マリノフスキー(ちくま学芸文庫)
  → 文化人類学の古典的名著。大学時代に仲間が読んでいた。気になる。

・1/11「幸福な王子/柘榴の家」ワイルド(古典新訳文庫)
  → ワイルドの傑作短編の新訳。他と読み比べたい。気になる。


◎ おまけ1(岩波文庫12月の重版)

  12月の重版に、「エル・シードの歌」が入っていました!
  スペインの英雄叙事詩の傑作です。すぐに購入しました。

  来年2017年は、中世文学の年にする予定です。
  どうしても来年中に読みたいと思っていたので、本当に良かったです。


◎ おまけ2(「世界文学大事典」ゲット!)

  「世界文学大事典」は、集英社創業70周年記念事業として作られました。
  1998年に完成。全6巻。税込みで11万0099円(!)。現在は絶版。

  とても手に入らないものと諦め、時々図書館で眺めていました。
  ところが、ヤフーオークションで、落とすことができたのです。

  箱無しですが比較的状態が良くて、中のページは新品に近かったです。
  そしてなんと、全6巻で7500円でした! ありがたい。

  パラパラとページを眺めるだけで楽しいです。
  時間があるときに、じっくり読みたいです。(老後の楽しみ?)


◎ おまけ3(消える新刊書店)

  今年の1年間で、近所の書店が次々に閉店しました。
  とうとう家から一番近い書店が、ブックオフになってしまいました。

  仕事帰りにいつも立ち寄る書店は、売り場を大幅に縮小しました。
  削られたのは文庫本コーナーで、現在そこで文房具も売られています。

  まともな書店は、駅前の繁華街に行かないとありません。
  そういえば最近、アマゾンで注文してしまうことが多くなりました。

  便宜上アマゾンの本を紹介していますが、私はできるだけ書店で買います。
  実際に本を手に取って確かめ、充分納得してからその店舗で買う方がいい。

  このままでは新刊書店が無くなってしまうのではないか、と心配になります。
  書店に入って本を選ぶ楽しみを、今後も大事にしていきたいです。


◎ さいごに。(今年もありがとうございました)

  2016年も終わりになります。皆様ありがとうございました。
  今年はこのブログを始めて7年目でした。

  ブログを始めたばかりの頃、3歳だった娘は10歳になりました。
  ちんまりとかわいらしかった子が、今では生意気盛りです。

  年を重ねるごとに、仕事の責任がじわじわと重くなってきました。
  人生におけるこのブログの重要性も増し、ライフワークになってきました。

  地味なブログですが、読んでくださる皆様のおかげで楽しく続いています。
  これからも、よろしくお願いいたします。

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古代文学のベスト20を選びました [古代文学]

 「文学全集 第Ⅶ集 古代編」


 文庫本で自分だけの文学全集をそろえることが、私のライフワークです。
 例によって独断と偏見で、第Ⅶ集の古代編を決定したいと思います。

 すでに、第Ⅰ集から第Ⅵ集は完成しています。
 以下のページを参照してください。

 第Ⅰ集「19世紀フランス編」(20作)
 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-10-23
 第Ⅱ集「19世紀イギリス編」(20作)
 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-08-04
 第Ⅲ集「19世紀ロシア編」(20作)
 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-12-22
 第Ⅳ集「19世紀ドイツ北欧編」(20作)
 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-11-09
 第Ⅴ集「19世紀アメリカ編」(10作)
 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2014-08-06-1
 第Ⅵ集「18世紀編」(10作)
 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2015-09-25-2

 まず、古代文学で取り上げた作品を、登場順にリストアップしてみます。
 解説本や、二次創作は省きました。それでも、結構ありました。

 「ギルガメシュ叙事詩」 ・ 「ソクラテスの弁明・クリトン」 プラトン
 「ギリシア悲劇 アイスキュロス」 ・ 「サテュリコン」ペトロニウス
 「旧約聖書 天地創造 創世の書」 ・ 「ギリシア悲劇 ソポクレス」
 「黄金の驢馬」アプレイウス ・ 「ギリシア哲学者列伝」ディオゲネス
 「女の平和」アリストパネス ・ 「ダフニスとクロエー」ロンゴス
 「シュメール神話集成」 ・ 「ギリシア神話」アポロドーロス
 「神統記」ヘシオドス ・ 「仕事と日」ヘシオドス
 「変身物語」オウィディウス ・ 「イリアス」ホメロス
 「トロイア戦記」クイントゥス ・ 「オデュッセイア」ホメロス
 「ギリシア・ローマ抒情詩選」 ・ 「ギリシア悲劇 エウリピデス」
 「ナラ王物語」 ・ 「歴史」ヘロドトス
 「バガヴァッド・ギーター」 ・ 「インド神話」
 「シャクンタラー姫」カーリダーサ ・ 「歴史」ツキディデス
 「饗宴」プラトン ・ 「ソクラテスの思い出」クセノポン
 「アナバシス」クセノポン ・ 「英雄伝」プルタルコス
 「ガリア戦記」カエサル ・ 「ローマ建国史」リウィウス
 「史記」司馬遷 ・ 「アレクサンドロス大王東征記」アッリアノス
 「年代記」タキトゥス ・ 「ローマ皇帝伝」 スエトニウス
 取り上げなかったけど、ウェルギリウスの「アエネーイス」は外せない。

 ここからベスト20を選び、「文学全集 第Ⅶ集 古代編」を完成!
 年代順に並べ、それぞれ、選択した理由を簡単に記しました。

 1 「ギルガメシュ叙事詩」(メソポタミア)●前1500年~前1000年
   現存する最古の文学。すべてはここから始まった。
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-08-27

 2 「イリアス」ホメロス(ギリシア)●前8世紀
   西洋文学の古典中の古典。アキレウスとヘクトルの宿命に涙する。
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-04-11
     http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-04-17

 3 「オデュッセイア」ホメロス(ギリシア)●前8世紀
   西洋文学の古典中の古典。オデュッセウスの冒険に胸躍る。
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-05-14
     http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-05-17

 4 「ギリシア悲劇 アイスキュロス」(ギリシア)●前5世紀
   アテナイ三大悲劇詩人の1人目。ギリシア悲劇の確立者。
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-04-21
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-05-14

 5 「ギリシア悲劇 ソポクレス」(ギリシア)●前5世紀
   アテナイ三大悲劇詩人の2人目。なんといってもオイディプス。
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-12-16
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-12-20

 6 「ギリシア悲劇 エウリピデス」(ギリシア)●前5世紀
   アテナイ三大悲劇詩人の3人目。ギリシア悲劇の革新者。
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-06-01
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-06-04
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-06-06
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-06-13

 7 「歴史」ヘロドトス(ギリシア)●前5世紀
   歴史の父による最古の歴史書。物語性が豊かで文学的。
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-07-04

 8 「歴史」ツキディデス(ギリシア)●前5世紀
   ペロポネソス戦争の歴史を、凝った文体でつづる。
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-08-01
     http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-08-01

 9 「ソクラテスの弁明・クリトン」 プラトン(ギリシア)●前4世紀
   ソクラテスの命がけの訴え。気迫のこもった文章。生き方の書。
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-08-31

10 「ガリア戦記」カエサル(ローマ)●前1世紀
   軍人らしく簡潔に分かりやすく記した戦記。ラテン語の名文。
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-10-09

11 「アエネーイス」ウェルギリウス(ローマ)●全1世紀
   ローマ文学の傑作。この作品だけ読めなかった。復刊を期待。

12 「史記」司馬遷(中国)●前1世紀
   中国最初の正史。多くの英雄たちのドラマティックな物語。
   「本記」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-11-18
   「列伝1」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-11-27
   「列伝2」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-12-09

13 「変身物語」オウィディウス(ローマ)●1世紀
   ギリシア・ローマ神話の集大成。西洋における教養の書。
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-03-03

14 「サテュリコン」ペトロニウス(ローマ)●1世紀
   現存するのはわずかだが、悪漢小説の元祖として重要。
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-12-02

15 「黄金の驢馬」アプレイウス(ローマ)●2世紀
   完全な形で現存する最古の小説。しかもハチャメチャ。
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-10-06

16 「年代記」タキトゥス(ローマ)●2世紀
   著者独自の味付けがされている歴史書。緊張感ある文体。
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-12-13
     http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-12-21

17 「ダフニスとクロエー」ロンゴス(ギリシア)●2世紀
   恋愛小説の古典的傑作。後世に与えた影響は大きい。
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2015-09-25-1

18 「英雄伝」プルタルコス(ギリシア)●2世紀
   ギリシアとローマの英雄たちのドラマティックな物語。
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-09-24
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-09-27

19 「トロイア戦記」クイントゥス(ギリシア)●4世紀
   「イリアス」と「オデュッセイア」の懸け橋として重要。
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-05-02

20 「シャクンタラー姫」カーリダーサ(インド)●4世紀
   サンスクリット文学の古典的傑作。
   → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-07-26

* 古典編は「ギリシア悲劇集」「史記」などの大作が多かったです。
  全20作集めると、何ページになるのか、また、いくらになるのか。

  1年を振り返ると、本に結構な金額をつぎ込んでいました。(あーあ)
  ちくまの「プルタルコス英雄伝」のような選集が、もっと出てほしい。


 さいごに。(クリぼっち)

 クリスマスをひとりぼっちで過ごすことを「クリぼっち」と言うらしい。
 ヘンな言葉を作ったもんだ。

 「将来クリぼっちになりたくない」と、小4の娘が今から心配しています。
 「毎年うちに帰ってくればいい」と言ったら、すぐに安心していました。

 ちなみに今年のクリスマスは、昨年に続いてチーズフォンデュ大会でした。
 ケーキは、シャトレーゼ。庶民的な味ですが、安くておいしかったです。

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2016年のベスト5 [来月発売の気になる文庫本]

◎ 今年もあと1週間です。今回は、恒例の年末企画です。
  2016年に私が読んだ文庫本の、ベスト5を勝手に決めて紹介します。

  今年私が、初めて読んだ本だけを対象にします。
  昔出た本でもOKですが、昔読んだ本は対象外です。
  (今年紹介した本でも、「星と祭り」など昔読んだものは対象外です。)

・ 第1位 「イリアス」「オデュッセイア」 ホメロス (岩波文庫)

  この二つはセットです。人類の古典、人類の宝です。文句なく第1位。
  これを読んでいる間、頭は古代ギリシア世界にトリップしていました。

 「イリアス」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-04-11
       → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-04-17

 「オデュッセイア」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-05-14
          → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-05-17

・ 第2位 「ギリシア悲劇 エウリピデス(上・下)」 (ちくま文庫)

  「メディア」「ヘカベ」「イピゲネイア」「エレクトラ」・・・
  強烈な女たちを描かせたら、エウリピデスはピカイチでした。

  → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-06-01
  → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-06-04
  → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-06-06
  → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-06-13

・ 第3位 「プルタルコス英雄伝」 (ちくま学芸文庫)

  テミストクレス、アルキビアデス、アレクサンドロス、そしてカエサル!
  古代ギリシア・ローマの男たちのドラマがいっぱい詰まっていました。

  → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-09-24
  → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-09-27

・ 第4位 「史記」 司馬遷 (ちくま学芸文庫)

  数多くの英雄たちのドラマが、これでもかこれでもかと登場します。
  これを読んでいる間、頭は古代中国世界にトリップしていました。

  「本記」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-11-18
  「列伝1」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-11-27
  「列伝2」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-12-09

・ 第5位 「ガラスの鍵」 ハメット (古典新訳文庫)

  読み始めたら、なかなか本が置けなくなりました。傑作です。
  主人公の小悪党ボーモントが、とてもクールで魅力的でした。

  「ガラスの鍵」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-10-06


◎ ほか、次の5点がベスト5入りの候補でした。
  順位はつけませんでしたが、これらが今年トップ10入りの作品です。

  どの本も、できればベスト5に入れたかった!
  しかし、ベスト5の中で外していい作品はひとつもなかったのです。

・ 「楽園のカンヴァス」 原田マハ (新潮文庫)
  → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-1-14

・ 「夜のピクニック」 恩田陸 (新潮文庫)
  → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-07-17

・ 「歴史」 トゥキュディデス (ちくま学芸文庫)
  → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-08-01
  → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-08-04

・ 「年代記」 タキトゥス (岩波文庫)
  → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-12-13

・ 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」 村上春樹 (文春文庫)
  → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-06-22


◎ 続いて、登場人物ベスト5です。
  今年読んだ本の登場人物のうち、最も印象的だった7人を選びました。

・ 第1位 ルソー
  「楽園のカンヴァス」に出てきた、画家のルソーです。
  私はこの作品を読んでいる間、ルソーに会うのが楽しみで楽しみで・・・

・ 第2位 アルキビアデス
  「プルタルコス英雄伝」「歴史」「ソクラテスの思い出」に登場しました。
  今年の8月から9月にかけては、アルキビアデスのマイ・ブームでした。

・ 第3位 アキレウスとオデュッセイア
  この二人はセット。ホメロスの叙事詩で、圧倒的な存在感を示しました。

・ 第4位 項羽と劉邦
  この二人もセット。「史記」で圧倒的な存在感を示しました。

・ 第5位 ボーモント
  「ガラスの鍵」の主人公です。今年一番カッコ良かった男です。


◎ さいごに。(娘は絶好調)

 冬休みに入って、娘は絶好調です。テンションが、高い高い。
 うるさくてどうしようもない。ま、不機嫌でいられるよりはいいのですが。

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年代記2(タキトゥス) [古代文学]

 「年代記 ティベリウス帝からネロ帝へ(下)」 タキトゥス (岩波文庫)


 初代ローマ皇帝アウグストゥスの死から、五代皇帝ネロまでの年代記です。
 岩波文庫から出ています。下巻は「第二部 クラウディウスとネロ」です。


年代記〈下〉ティベリウス帝からネロ帝へ (岩波文庫)

年代記〈下〉ティベリウス帝からネロ帝へ (岩波文庫)

  • 作者: タキトゥス
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1981/04/16
  • メディア: 文庫



 原典の一部が欠落しているため、下巻はクラウディウス帝とネロ帝の治世です。
 二人の治世を彩るのは、告発と毒殺。不名誉で破廉恥な時代です。

 誠実な人間は、卑怯な人間の不当な告発によって、破滅させられてしまいます。
 偉大な人間は、つまらない人間による謀略によって、毒殺されてしまいます。

 元首は悪党の親玉と化し、お追従しか言わない連中だけが生き残っていきます。
 読んでいて、げんなりしてきました。時々タキトゥス自身のぼやきも入ります。

 クラウディウス帝の3人目の妻はメッサリナ、4人目の妻はアグリッピナ。
 彼は体の不具合のせいか、この妻たちにみごとなぐらい尻に敷かれました。

 そして、王のようにふるまった妻たちが、政治をめちゃくちゃにしました。
 彼女たちは、情夫と不倫の関係を結んで、道徳もめちゃくちゃにしました。

 メッサリナに毒され、その情夫となったシリウスの一言が、とても印象的です。
 「おおっぴらに破廉恥を犯した者は、厚顔無恥な手段で身を救うべきだ。」(P40)

 しかし、なんといっても抜群の存在感を示したのは、女傑アグリッピナでしょう。
 ネロを命懸けで皇帝の座に就かせ、そのネロに自分の命を奪われていく・・・

 「占星師は、『ネロは政権をとるだろう、そして母親を殺すだろう』と答え、それを
 聞いて彼女は、『ネロが天下をとれば、私を殺してもよい』と言っていた」(P181)

 五代皇帝ネロについては説明不要でしょう。母を殺し、弟を殺し、師を殺し・・・
 ローマに火を放ち、キリスト教徒のせいにして、残酷な方法で殺し・・・

 「ネロは自然、不自然を問わず、あらゆる淫行でもって身を汚し、もうこれ以上堕落
 のしようがあるまいと思えるほどに悖徳(はいとく)の限りを尽くした。」(P263)

 ネロの暴虐の犠牲者のひとりが、その師であるセネカです。
 セナカの最期は胸に染みます。彼が、最後に友人たちに贈ったものは・・・

 セネカは、当時数少ない正義の人でした。
 彼の「生の短さについて」は、読んでみたい本のひとつです。


生の短さについて 他2篇 (岩波文庫)

生の短さについて 他2篇 (岩波文庫)

  • 作者: セネカ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2010/03/17
  • メディア: 文庫



 最後の最後に、ペトロニウスが登場。記述は少ないけど、鮮烈な印象を残します。
 私は「クオ・ワディス」で、「美の審判者」ペトロニウスのファンになりました。

 「クオ・ワディス」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-10-09
 「クオ・ワディス2」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-10-12

 さいごに。(私だけEメール)

 陸上仲間の忘年会がありました。私以外は全員、LINEでつながっていてビックリ。
 Eメールで連絡が来たのは私だけ。幹事は私一人のために2度手間になっていた!

 私がタブレットを持っているというと、LINEをやるように皆から勧められました。
 私はどうもLINEが好きになれない。年に数回のことだし、勘弁してもらおうか。

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マイナス・ゼロ [日本の現代文学]

 「マイナス・ゼロ」 広瀬正 (集英社)


 昭和を舞台に、タイムマシンとタイムパラドックスを扱ったSF長編小説です。
 広瀬正の代表作で名作中の名作です。日本のタイムトラベル小説の金字塔です。

 長い間、入手困難な本でしたが、2008年に改定新版が出ました。
 2008年本屋大賞の「この文庫を復刊せよ!」で、1位の票を得たためです。


マイナス・ゼロ (集英社文庫)

マイナス・ゼロ (集英社文庫)

  • 作者: 広瀬 正
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2008/07
  • メディア: 文庫



 昭和20年に浜田俊夫少年は東京空襲に遭い、隣家の伊沢邸は爆弾でやられました。
 「18年後の今日、ここに来てほしい」伊沢は俊夫にそう言い残して絶命しました。

 18年後、32歳の俊夫が旧伊沢邸を訪れると、そこに不思議な球体がありました。
 そして突然、18年間行方不明だった教授の娘の啓子が、当時の姿で現れたのです。

 この球体は、もちろんタイムマシン。俊夫はすぐに確信しました。
 二人はこのタイムマシンを使って、昭和9年に戻ろうとしますが・・・

 先が気になって気になって、ぐいぐい読み進みました。
 先へ行けば行くほど、時間を超えて様々な事件が絡まり合い、頭が混乱しました。

 しかし、最後は驚きの真相によって、すべてがすっきりと解決されます。
 それにしても、ここで扱うタイムパラドックスは、あまりにも不可思議です。

 啓子の母は、〇〇で・・・啓子の娘は、〇〇で・・・(!)
 この小説の熱狂的なファンがいるというのも、よく分かります。

 ところで、私が広瀬正の「タイムマシンのつくり方」を読んだのは1996年でした。
 タイムトラベルものばかりの、ショートショート集で、とても面白かったです。

 次に代表作「マイナス・ゼロ」を読もうと思ったら、もう店頭から消えていました。
 その後、2008年に復刊されるまで、私はこの本と出合えなかったのでした。

 だから私は、「タイムマシンのつくり方」は旧版で、本書は新版で持っています。
 現在は、広瀬正小説全集(全6巻)が、文庫本で手に入ります。嬉しいです。


タイムマシンのつくり方 (集英社文庫)

タイムマシンのつくり方 (集英社文庫)

  • 作者: 広瀬 正
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2008/12/16
  • メディア: 文庫



 タイムトラベルもので、多くのファンを持つのが、ハイラインの「夏への扉」です。
 「夏への扉」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-06-01

 さいごに。(ラスコーとコラボ)

 人気ドラマ「逃げ恥」第10回が、国立科学博物館「ラスコー展」とコラボしました。
 来週末に家族3人で行く予定ですが、とても混みそうです。やれやれ。

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年代記(タキトゥス) [古代文学]

 「年代記(上)ティベリウス帝からネロ帝へ」 タキトゥス  (岩波文庫)


 初代ローマ皇帝アウグストゥスの死から、五代皇帝ネロまでの年代記です。
 タキトゥスは、紀元1世紀から2世紀にかけて活躍した歴史家です。

 岩波文庫から二分冊で出ています。古い訳ですが、分かりやすかったです。
 原典には欠落している部分があり、いいところで話が途切れたりもします。


年代記〈上〉ティベリウス帝からネロ帝へ (岩波文庫)

年代記〈上〉ティベリウス帝からネロ帝へ (岩波文庫)

  • 作者: タキトゥス
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1981/03/16
  • メディア: 文庫



 「年代記(上)」は、二代皇帝ティベリウスの治世を描いています。
 ティベリウス帝の陰険さを反映してか、その時代は全体的に陰鬱です。

 「むごたらしい命令、のべつ幕なしの弾劾、いつわれる友情、清廉な人の破滅、
 必ず断罪で終る裁判、そういうものにがんじ搦めに縛られ、千篇一律の事件を
 見せつけられ、倦怠を覚える。」(P273)と、タキトゥスはぼやいています。

 タキトゥスの筆致は辛辣です。彼は帝政をよく思っていなかったらしいです。
 そして、共和制を懐かしむような気持ちが、随所に表れています。

 たとえば、カエサル暗殺事件を、「奴隷根性のまだ熟していなかったローマが、
 自由をとりもどそうとして失敗したあの日」(P23)と表現しています。

 さて、ティベリウス帝は、初代皇帝アウグストゥスの継子(ままこ)でした。
 アウグストゥスがリウィアと強引に結婚した時、すでにお腹の中にいたのです。

 だからアウグストゥスにとって本命は、血のつながりのあるゲルマニクスです。
 ティベリウスは中継ぎ。そういう出生の因縁が、彼を陰険にしたのかもしれない。

 しかし一方で、ティベリウスは賢帝だったという説もあります。
 実際彼は、カプリ島から離れることなく、命令一つでセイヤヌスを倒しました。
 (しかしその部分の原典が欠落しています。読みたかった!)

 さて、ティベリウスの治世の前半では、ゲルマニクスの活躍が印象的でした。
 ゲルマニアでアルミニウスと戦い、栄光に包まれながらも、最後は・・・

 後半は、護衛隊長セイヤヌスの野望とその破滅が、印象的でした。
 ティベリウスの信頼を得ながら、その陰でとてつもない計略を進めて・・・

 平和ゆえに腐敗していたティベリウス治世について、色々と分かりました。
 ティベリウスといえば青の洞窟。それしか知らなかった自分が恥ずかしい。

 「年代記」の下巻は、「第二部 クラウディウスとネロ」です。
 三代皇帝カリグラの巻が、欠落しているのが残念です。

 さいごに。(持久走大会)

 娘の持久走大会がありました。今年は仕事の関係で、応援に行けませんでした。
 順位は昨年の7位からだいぶ落ちて22位。

 それでも一生懸命に走って、ラストスパートをしてゴールしたと言います。
 なによりも、最後までがんばってくれたことがうれしいです。

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もつれっぱなし・他2作 [日本の現代文学]

 「もつれっぱなし」 井上夢人 (講談社文庫)


 男女の会話だけで成り立っていて、どんどんもつれていく短編ばかりです
 井上夢人は、1982年から活躍している推理・SF・ホラー作家です。


もつれっぱなし (講談社文庫)

もつれっぱなし (講談社文庫)

  • 作者: 井上 夢人
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/04/14
  • メディア: 文庫



 「宇宙人の証明」「四十四年後の証明」「呪いの証明」「狼男の証明」「幽霊の証明」
 「嘘の証明」の、全6編が収録されています。マイ・ベストは「宇宙人の証明」です。

 「・・・あたしね」「うん」「宇宙人、見つけたの」「・・・」
 彼女が拾って、小鉢に入れておいた宇宙人とは・・・(「宇宙人の証明」)

 「あたし、お祖父ちゃんの孫なの」悪戯かと思ったら・・・(「四十四年後の証明」)
 「あたしね・・・ここにいないの」幽霊になったという彼女・・・(「幽霊の証明」)

 なにげなく始まった会話が、もつれにもつれて、意外な方向へ進んでいきます。
 笑える話、切ない話、ゾッとする話、いろいろあって、とても楽しく読めました。

 タイトルは、「もつれている話」と「もつれてばかりいる」との意味を掛けています。 
 そのもつれ方が実に面白かったです。作者のセンスを感じる1冊です。

 さて、男女の会話が中心となる作品で、印象的なものが、ほかに2作あります。
 鎌田敏夫「恋愛映画」と、丸谷才一「女性対男性」。どちらも絶版です。残念!


恋愛映画 (新潮文庫)

恋愛映画 (新潮文庫)

  • 作者: 鎌田 敏夫
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1994/10
  • メディア: 文庫



 「恋愛映画」は、恋愛映画を見た二人の男女の、会話だけでできている短編集です。
 「旅愁」「恋に落ちて」「昼下がりの情事」「マンハッタン」など、全10編です。

 マイ・ベストは冒頭の「プリティ・ウーマン」です。
 映画「プリティ・ウーマン」は、私がとても好きな恋愛映画です。

 どの作品も会話だけで成り立っているので、その会話自体が恋愛映画のようです。
 そして、恋愛映画のようにオシャレです。作者のセンスが光ります。

 鎌田敏夫といえば、私にとっては、「金曜日の妻たちへ」の脚本家です。
 30年以上前、私の高校時代、このドラマは不倫ブーム(!)を巻き起こしました。

 明石家さんま主演「男女7人夏物語」や、山口智子主演「29歳のクリスマス」も、
 大ヒットしました。今振り返ると、良くも悪くもバブル期のドラマですね。


女性対男性 (文春文庫)

女性対男性 (文春文庫)

  • 作者: 丸谷 才一
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 1976/02/25
  • メディア: 文庫



 丸谷才一「女性対男性」も、会話が中心の短編集(エッセイ集?)です。
 副題は「会話のおしゃれ読本」。オシャレな会話であふれています。

 全50編です。1章が6ページほどですが、中身がギュッと詰まっています。
 センスより知性を重視した会話ばかりで、話者の教養の高さを感じます。

 また、言葉遣いがとても丁寧で正確で、品のある文章です。さすが丸谷才一。
 「パーティーの話からパンティの話になりました」という話さえ、品があります。

 さいごに。(「逃げ恥」)

 「戦争と平和」ロスから、最近ようやく立ち直りました。
 ところで、民放ドラマをよく見ている娘は、「逃げ恥」がイチオシだと言います。

 そこで、娘と一緒に見てみたら、これが実にほんわかしていて、良い感じでした。
 新垣結衣と星野源の組み合わせが絶妙です。二人とも、良い味を出しています。

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史記・列伝2 [古代文学]

 「史記・列伝」 司馬遷著 小竹文夫・小竹武夫訳 (ちくま学芸文庫)


 列伝は、国に仕えて時代を動かした人物の一代記を、年代順にまとめたものです。
 ちくま学芸文庫から4分冊で出ています。1971年の訳です。


史記〈7〉―列伝〈3〉 (ちくま学芸文庫)

史記〈7〉―列伝〈3〉 (ちくま学芸文庫)

  • 作者: 司馬 遷
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1995/07
  • メディア: 文庫



史記〈8〉―列伝〈4〉 (ちくま学芸文庫)

史記〈8〉―列伝〈4〉 (ちくま学芸文庫)

  • 作者: 司馬 遷
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1995/08
  • メディア: 文庫



 列伝は第七十巻まであります。ちくま学芸文庫版では4分冊になっています。
 3冊目、4冊目と進むうちに、登場人物が多すぎて、頭が混乱してきます。

 3冊目は、第四十巻から第五十七巻までで、呉楚七国の乱が中心となります。
 乱を起こした呉王濞(ひ)、対処した袁盎(えんおう)と鼂錯(ちょうそ)・・・

 この乱に絡んで、多くの個性的な武将や政治家が登場します。
 そのほとんどが、一時はもてはやされますが、やがて滅んでいきます。

 どの人物も、賢明さの裏には愚かさがあり、勇敢さの裏には臆病さがあります。
 そして、成功のあとには失敗があり、幸運のあとには不幸が待ち構えています。

 時代が変わっても、最後まで変わらず我が身を守り通すことは、とても困難です。
 うまくいっている時こそ、気を付けなければいけない。これは普遍的な真理か。

 その他、匈奴と戦った「李将軍列伝」と、続く「匈奴列伝」が興味深かったです。
 特に、「匈奴列伝」の中の冒頓(ぼくとつ)のエピソードが面白かったです。

 冒頓は部下たちに、自分と同じものを射るように命じ、自分の良馬を射ました。
 躊躇して射なかった者たちがいましたが、その者たちを容赦なく斬りました。

 次に冒頓は、なんと自分の愛妻を射て、射なかった部下たちを斬りました。
 そして、そのあと冒頓が射たものは・・・すごいというか、ひどいというか・・・

 列伝の4冊目に入ると、いろんな人物が登場しすぎて、もうわけが分かりません。
 特に第六十二巻以降は、一つの列伝の中に、何人もの人物が入り混じっています。

 その中でもひときわ目を引いたのは、カメの話です。第六十八巻「亀策列伝」。
 古代に、カメが神の使いとして、いかに尊ばれていたのかが分かります。

 ところで、列伝をいくら読んでも、張良や陳平等の一部の功臣が出てきません。
 そこで調べてみて、初めて知ったのですが、彼らは「世家」に入っているのです。

 「世家(せいか)」とは何かというと、それは、諸侯に関する伝記だと言います。
 ということは、「列伝」より上ではないか。(ああ、恥ずかしい)

 史記といったら紀伝体。紀伝体といったら本紀(帝)と列伝(家臣)。
 だから私は、本紀と列伝以外は、ただのおまけだと、思い込んでいました。

 私は、「本紀と列伝を読めば史記はOK」と思っていました。
 しかし、「世家」について知った今、それを読まないわけにはいきません。

 ちくま学芸文庫の第3巻と第4巻が、世家にあてられています。
 なお、ほかに「書」と「表」があり、合わせて第2巻に入っています。


史記〈3〉―世家〈上〉 (ちくま学芸文庫)

史記〈3〉―世家〈上〉 (ちくま学芸文庫)

  • 作者: 司馬 遷
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1995/09
  • メディア: 文庫



史記〈4〉―世家〈下〉 (ちくま学芸文庫)

史記〈4〉―世家〈下〉 (ちくま学芸文庫)

  • 作者: 司馬 遷
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1995/10
  • メディア: 文庫



 「世家」の登場は想定外でした。(ホントはただの知識不足)
 ほかにも、岩波文庫から出ている「春秋左氏伝」を読んでおきたいです。


春秋左氏伝〈上〉 (岩波文庫)

春秋左氏伝〈上〉 (岩波文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1988/11/16
  • メディア: 文庫



春秋左氏伝〈中〉 (岩波文庫)

春秋左氏伝〈中〉 (岩波文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1989/02/16
  • メディア: 文庫



春秋左氏伝〈下〉 (岩波文庫)

春秋左氏伝〈下〉 (岩波文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1989/05/16
  • メディア: 文庫



 さいごに。(「保育園落ちた日本死ね」確かにいっとき流行はしたが)

 あのような汚い言葉を、政治に持ち込んだのは、いかがなものだろうか。
 民〇党は、国会の品位を損なうと同時に、自らをも貶めたのではないか。

 しかし、それを選んで表彰する人がいる! 喜んで賞を受ける人もいる!
 選ぶなら「汚言大賞」でしょう。 (万智さんだけは反対したと信じたい)

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ローマ建国史 [古代文学]

 「ローマ建国史(上)」 リウィウス著 鈴木一州(かずくに)訳 (岩波文庫)


 建国から紀元前二世紀頃までの、ローマの歴史を記した142巻の著書です。
 ローマ文学の黄金時代である紀元前17年に書かれ、35巻が現存しています。

 岩波文庫から2007年に上巻だけ出ました。中巻と下巻はいつ出るのか。
 この本に収録されているのは、現存するうちの第一巻と第二巻のみです。


ローマ建国史〈上〉 (岩波文庫)

ローマ建国史〈上〉 (岩波文庫)

  • 作者: リーウィウス
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2007/04/26
  • メディア: 文庫



 第一巻は、ロムルスによるローマ建設から、伝説の七王の治世244年間。
 その間、さまざまな伝説的なできごとがありました。

 ザビニ族の女の略奪、ロムルスの最期、ホラティウス三兄弟の戦い、
 頭から炎を出したセルウィウス、貞女ルクレーティアの悲劇・・・

 第二巻からは共和制ローマの歴史です。前509年から前468年まで。
 国外での戦いや、国内での闘争など、さまざまな試練が続きます。

 立役者のブルータス、その相棒プーブリウス、ポルセンナ王による侵略、
 元老院と平民の闘争、ファビウス一族の活躍、コリオラヌスの反乱・・・

 私は本書をローマ正史だと思っていて、堅苦しい内容を想像していました。
 しかし、正史というより神話・伝説で、予想以上に読みやすかったです。

 また、聞いたことのあるエピソードが意外とたくさんありました。
 ロムルスの最期やザビニ女の略奪など、絵画で知っている話もありました。

 この書物が書かれたのは、ローマ帝政期の初期で、ローマの黄金期でした。
 当時の状況が、序言に記されています。この記述が、興味深い。

 「まこと、財物が少なければ、それだけ欲望も小さかった。
 最近は、富が貪欲を招き寄せ、漲る欲望が、逸楽と放埓に耽ってわが身も亡び、
 かつはすべてを亡ぼしつくすことを憧れさせている。」

 リウィウスは当時のローマを、あまりよく思っていなかったようです。
 だからこそ、建国以来の歴史を振り返ってみようと思ったのですね。

 さて、この岩波文庫版で読めるのは、最初の二巻のみです。
 そのほかの現存の巻は、京都大学学術出版界から、単行本で出ています。


ローマ建国以来の歴史〈1〉伝承から歴史へ1 (西洋古典叢書)

ローマ建国以来の歴史〈1〉伝承から歴史へ1 (西洋古典叢書)

  • 作者: リウィウス
  • 出版社/メーカー: 京都大学学術出版会
  • 発売日: 2008/10
  • メディア: 単行本



 いつかは塩野七生の「ローマ人の物語」を、通して読みたいです。
 少しずつ買い集めているので、全45冊のうち35冊ほどが揃いました。


塩野七生『ロ-マ人の物語』の旅 コンプリ-トセット 全43巻

塩野七生『ロ-マ人の物語』の旅 コンプリ-トセット 全43巻

  • 作者: 塩野七生
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2011
  • メディア: 文庫



 さいごに。(サンタに財布を頼む)

 うちの娘は、今年のクリスマスに、サンタに財布を頼むのだそうです。
 最近持ち物にこだわるようになったので、プレゼント選びが大変です。

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星と祭 [日本の近代文学]

 「星と祭」 井上靖 (角川文庫)


 琵琶湖で娘を亡くした男が、湖北の十一面観音を巡り、心の平安を得る物語です。
 この作品で、湖北の十一面観音たちは、全国的に知られるようになりました。

 以前は角川文庫から出ていましたが、現在は絶版。私は20年ほど前に読みました。
 解説は、角川文庫の発刊者である故・角川源義。ぜひこの本を復刊してほしい。


星と祭 (角川文庫 い 5-4)

星と祭 (角川文庫 い 5-4)

  • 作者: 井上 靖
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 1975/03
  • メディア: 文庫



 貿易会社社長の架山は、七年前に先妻との間にできた娘を亡くしていました。
 娘のみはるは、琵琶湖でボート遊びをしていて、転覆事故に遭ったのです。

 みはるも、同乗していた年上の青年も、亡きがらは湖面に上がりませんでした。
 架山は悲嘆にくれ、青年の父親である大三浦に対して、憤りを感じていました。

 7年後、事故後初めて琵琶湖を訪れた架山は、偶然大三浦と再会しました。
 大三浦に連れられて、琵琶湖周辺の十一面観音を巡ってみると・・・

 この本を紹介してくれたのは、前の職場にいた、仏像仲間の同僚でした。
 彼は、奈良と京都ばかりを訪れてきた自分に、湖北の魅力を教えてくれました。

 この本を持って、渡岸寺や石道寺などを巡ったのは、20年近く前のことです。
 もちろん独身時代のことです。あのような贅沢はもう二度とできないでしょう。

 さて、小説の最初では、娘の死によって苦悩する架山の様子が描かれています。
 みはるの死を、古代の殯(もがり=仮葬)と見なすところは、さすが井上靖。

 みはるが生者でも死者でもないことに、意味を求めようとする・・・
 古代の人が挽歌を歌ったように、架山はみはると心の中で言葉を交わし・・・

 手元の角川文庫版202ぺージの「宝冠」の章から、琵琶湖古寺巡りが始まります。
 ここから、十一面観音巡礼がスタートします。仏像ファンにはたまらない!

 この小説の中で、主人公の架山が拝んだ十一面観音は、以下の13体だと思います。
 私が拝んだのは、その中で三体か四体です。いつか全て拝みたいです。

 渡岸寺、石道寺、福林寺、赤後寺、盛安寺、宗正寺、充満寺、医王寺、善隆寺、
 蓮長寺、円満寺、鶏足寺、長命寺。

 小説の最後で、架山と大三浦が、出会った十一面観音を一体一体現前させます。
 そして、長かった仮葬の期間は終わります。とても印象に残る場面でした。

 「つらなる星のように、十一面観音は湖を取り巻いて置かれ、一人の若者と
 一人の少女の霊は祀られたのである。」(P601)

渡岸寺十一面観音頭部左.jpg

 湖北を旅した時、「湖北 佛めぐり」という文庫サイズの写真集も携えました。
 序文を井上靖が書いています。モノクロですが、美しい仏像写真集です。


湖北 佛めぐり (京都書院アーツコレクション)

湖北 佛めぐり (京都書院アーツコレクション)

  • 作者: 駒澤 〓道
  • 出版社/メーカー: 京都書院
  • 発売日: 1999/11
  • メディア: 文庫



 さいごに。(スタバのチョコプリン)

 スタバに行って、新作のプリンを食べようとしましたが、売り切れていました。
 そのお店に聞いたところ、開店と同時に売り切れてしまうのだそうです。

 ちなみに、開店と同時に行ったとしても、買えないらしい。
 開店前から並んでいる人が、買い占めてしまうという。そこまでしなくても!

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