2017年1月発売の気になる文庫本 [来月発売の気になる文庫本]
◎ 2016年1月発売予定の文庫本で、気になるものを独断で紹介します。
データは、出版社やamazonの、HPやメールマガジンを参考にしています。
・1/6「宇宙が始まる前には何があったのか?」ローレンス・クラウス(文春文庫)
→ 2013年に出たベストセラーの文庫化。分かりやすい宇宙論。気になる。
・1/7「すばらしい新世界〔新訳版〕」ハクスリー(ハヤカワepi文庫)
→ 以前講談社文庫版で読んだ。ハクスリーの代表作。新訳。気になる。
http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-02-02
・1/10「未開社会における性と抑圧」B.マリノフスキー(ちくま学芸文庫)
→ 文化人類学の古典的名著。大学時代に仲間が読んでいた。気になる。
・1/11「幸福な王子/柘榴の家」ワイルド(古典新訳文庫)
→ ワイルドの傑作短編の新訳。他と読み比べたい。気になる。
◎ おまけ1(岩波文庫12月の重版)
12月の重版に、「エル・シードの歌」が入っていました!
スペインの英雄叙事詩の傑作です。すぐに購入しました。
来年2017年は、中世文学の年にする予定です。
どうしても来年中に読みたいと思っていたので、本当に良かったです。
◎ おまけ2(「世界文学大事典」ゲット!)
「世界文学大事典」は、集英社創業70周年記念事業として作られました。
1998年に完成。全6巻。税込みで11万0099円(!)。現在は絶版。
とても手に入らないものと諦め、時々図書館で眺めていました。
ところが、ヤフーオークションで、落とすことができたのです。
箱無しですが比較的状態が良くて、中のページは新品に近かったです。
そしてなんと、全6巻で7500円でした! ありがたい。
パラパラとページを眺めるだけで楽しいです。
時間があるときに、じっくり読みたいです。(老後の楽しみ?)
◎ おまけ3(消える新刊書店)
今年の1年間で、近所の書店が次々に閉店しました。
とうとう家から一番近い書店が、ブックオフになってしまいました。
仕事帰りにいつも立ち寄る書店は、売り場を大幅に縮小しました。
削られたのは文庫本コーナーで、現在そこで文房具も売られています。
まともな書店は、駅前の繁華街に行かないとありません。
そういえば最近、アマゾンで注文してしまうことが多くなりました。
便宜上アマゾンの本を紹介していますが、私はできるだけ書店で買います。
実際に本を手に取って確かめ、充分納得してからその店舗で買う方がいい。
このままでは新刊書店が無くなってしまうのではないか、と心配になります。
書店に入って本を選ぶ楽しみを、今後も大事にしていきたいです。
◎ さいごに。(今年もありがとうございました)
2016年も終わりになります。皆様ありがとうございました。
今年はこのブログを始めて7年目でした。
ブログを始めたばかりの頃、3歳だった娘は10歳になりました。
ちんまりとかわいらしかった子が、今では生意気盛りです。
年を重ねるごとに、仕事の責任がじわじわと重くなってきました。
人生におけるこのブログの重要性も増し、ライフワークになってきました。
地味なブログですが、読んでくださる皆様のおかげで楽しく続いています。
これからも、よろしくお願いいたします。
データは、出版社やamazonの、HPやメールマガジンを参考にしています。
・1/6「宇宙が始まる前には何があったのか?」ローレンス・クラウス(文春文庫)
→ 2013年に出たベストセラーの文庫化。分かりやすい宇宙論。気になる。
・1/7「すばらしい新世界〔新訳版〕」ハクスリー(ハヤカワepi文庫)
→ 以前講談社文庫版で読んだ。ハクスリーの代表作。新訳。気になる。
http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-02-02
・1/10「未開社会における性と抑圧」B.マリノフスキー(ちくま学芸文庫)
→ 文化人類学の古典的名著。大学時代に仲間が読んでいた。気になる。
・1/11「幸福な王子/柘榴の家」ワイルド(古典新訳文庫)
→ ワイルドの傑作短編の新訳。他と読み比べたい。気になる。
◎ おまけ1(岩波文庫12月の重版)
12月の重版に、「エル・シードの歌」が入っていました!
スペインの英雄叙事詩の傑作です。すぐに購入しました。
来年2017年は、中世文学の年にする予定です。
どうしても来年中に読みたいと思っていたので、本当に良かったです。
◎ おまけ2(「世界文学大事典」ゲット!)
「世界文学大事典」は、集英社創業70周年記念事業として作られました。
1998年に完成。全6巻。税込みで11万0099円(!)。現在は絶版。
とても手に入らないものと諦め、時々図書館で眺めていました。
ところが、ヤフーオークションで、落とすことができたのです。
箱無しですが比較的状態が良くて、中のページは新品に近かったです。
そしてなんと、全6巻で7500円でした! ありがたい。
パラパラとページを眺めるだけで楽しいです。
時間があるときに、じっくり読みたいです。(老後の楽しみ?)
◎ おまけ3(消える新刊書店)
今年の1年間で、近所の書店が次々に閉店しました。
とうとう家から一番近い書店が、ブックオフになってしまいました。
仕事帰りにいつも立ち寄る書店は、売り場を大幅に縮小しました。
削られたのは文庫本コーナーで、現在そこで文房具も売られています。
まともな書店は、駅前の繁華街に行かないとありません。
そういえば最近、アマゾンで注文してしまうことが多くなりました。
便宜上アマゾンの本を紹介していますが、私はできるだけ書店で買います。
実際に本を手に取って確かめ、充分納得してからその店舗で買う方がいい。
このままでは新刊書店が無くなってしまうのではないか、と心配になります。
書店に入って本を選ぶ楽しみを、今後も大事にしていきたいです。
◎ さいごに。(今年もありがとうございました)
2016年も終わりになります。皆様ありがとうございました。
今年はこのブログを始めて7年目でした。
ブログを始めたばかりの頃、3歳だった娘は10歳になりました。
ちんまりとかわいらしかった子が、今では生意気盛りです。
年を重ねるごとに、仕事の責任がじわじわと重くなってきました。
人生におけるこのブログの重要性も増し、ライフワークになってきました。
地味なブログですが、読んでくださる皆様のおかげで楽しく続いています。
これからも、よろしくお願いいたします。
古代文学のベスト20を選びました [古代文学]
「文学全集 第Ⅶ集 古代編」
文庫本で自分だけの文学全集をそろえることが、私のライフワークです。
例によって独断と偏見で、第Ⅶ集の古代編を決定したいと思います。
すでに、第Ⅰ集から第Ⅵ集は完成しています。
以下のページを参照してください。
第Ⅰ集「19世紀フランス編」(20作)
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-10-23
第Ⅱ集「19世紀イギリス編」(20作)
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-08-04
第Ⅲ集「19世紀ロシア編」(20作)
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-12-22
第Ⅳ集「19世紀ドイツ北欧編」(20作)
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-11-09
第Ⅴ集「19世紀アメリカ編」(10作)
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2014-08-06-1
第Ⅵ集「18世紀編」(10作)
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2015-09-25-2
まず、古代文学で取り上げた作品を、登場順にリストアップしてみます。
解説本や、二次創作は省きました。それでも、結構ありました。
「ギルガメシュ叙事詩」 ・ 「ソクラテスの弁明・クリトン」 プラトン
「ギリシア悲劇 アイスキュロス」 ・ 「サテュリコン」ペトロニウス
「旧約聖書 天地創造 創世の書」 ・ 「ギリシア悲劇 ソポクレス」
「黄金の驢馬」アプレイウス ・ 「ギリシア哲学者列伝」ディオゲネス
「女の平和」アリストパネス ・ 「ダフニスとクロエー」ロンゴス
「シュメール神話集成」 ・ 「ギリシア神話」アポロドーロス
「神統記」ヘシオドス ・ 「仕事と日」ヘシオドス
「変身物語」オウィディウス ・ 「イリアス」ホメロス
「トロイア戦記」クイントゥス ・ 「オデュッセイア」ホメロス
「ギリシア・ローマ抒情詩選」 ・ 「ギリシア悲劇 エウリピデス」
「ナラ王物語」 ・ 「歴史」ヘロドトス
「バガヴァッド・ギーター」 ・ 「インド神話」
「シャクンタラー姫」カーリダーサ ・ 「歴史」ツキディデス
「饗宴」プラトン ・ 「ソクラテスの思い出」クセノポン
「アナバシス」クセノポン ・ 「英雄伝」プルタルコス
「ガリア戦記」カエサル ・ 「ローマ建国史」リウィウス
「史記」司馬遷 ・ 「アレクサンドロス大王東征記」アッリアノス
「年代記」タキトゥス ・ 「ローマ皇帝伝」 スエトニウス
取り上げなかったけど、ウェルギリウスの「アエネーイス」は外せない。
ここからベスト20を選び、「文学全集 第Ⅶ集 古代編」を完成!
年代順に並べ、それぞれ、選択した理由を簡単に記しました。
1 「ギルガメシュ叙事詩」(メソポタミア)●前1500年~前1000年
現存する最古の文学。すべてはここから始まった。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-08-27
2 「イリアス」ホメロス(ギリシア)●前8世紀
西洋文学の古典中の古典。アキレウスとヘクトルの宿命に涙する。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-04-11
http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-04-17
3 「オデュッセイア」ホメロス(ギリシア)●前8世紀
西洋文学の古典中の古典。オデュッセウスの冒険に胸躍る。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-05-14
http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-05-17
4 「ギリシア悲劇 アイスキュロス」(ギリシア)●前5世紀
アテナイ三大悲劇詩人の1人目。ギリシア悲劇の確立者。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-04-21
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-05-14
5 「ギリシア悲劇 ソポクレス」(ギリシア)●前5世紀
アテナイ三大悲劇詩人の2人目。なんといってもオイディプス。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-12-16
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-12-20
6 「ギリシア悲劇 エウリピデス」(ギリシア)●前5世紀
アテナイ三大悲劇詩人の3人目。ギリシア悲劇の革新者。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-06-01
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-06-04
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-06-06
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-06-13
7 「歴史」ヘロドトス(ギリシア)●前5世紀
歴史の父による最古の歴史書。物語性が豊かで文学的。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-07-04
8 「歴史」ツキディデス(ギリシア)●前5世紀
ペロポネソス戦争の歴史を、凝った文体でつづる。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-08-01
http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-08-01
9 「ソクラテスの弁明・クリトン」 プラトン(ギリシア)●前4世紀
ソクラテスの命がけの訴え。気迫のこもった文章。生き方の書。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-08-31
10 「ガリア戦記」カエサル(ローマ)●前1世紀
軍人らしく簡潔に分かりやすく記した戦記。ラテン語の名文。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-10-09
11 「アエネーイス」ウェルギリウス(ローマ)●全1世紀
ローマ文学の傑作。この作品だけ読めなかった。復刊を期待。
12 「史記」司馬遷(中国)●前1世紀
中国最初の正史。多くの英雄たちのドラマティックな物語。
「本記」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-11-18
「列伝1」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-11-27
「列伝2」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-12-09
13 「変身物語」オウィディウス(ローマ)●1世紀
ギリシア・ローマ神話の集大成。西洋における教養の書。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-03-03
14 「サテュリコン」ペトロニウス(ローマ)●1世紀
現存するのはわずかだが、悪漢小説の元祖として重要。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-12-02
15 「黄金の驢馬」アプレイウス(ローマ)●2世紀
完全な形で現存する最古の小説。しかもハチャメチャ。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-10-06
16 「年代記」タキトゥス(ローマ)●2世紀
著者独自の味付けがされている歴史書。緊張感ある文体。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-12-13
http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-12-21
17 「ダフニスとクロエー」ロンゴス(ギリシア)●2世紀
恋愛小説の古典的傑作。後世に与えた影響は大きい。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2015-09-25-1
18 「英雄伝」プルタルコス(ギリシア)●2世紀
ギリシアとローマの英雄たちのドラマティックな物語。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-09-24
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-09-27
19 「トロイア戦記」クイントゥス(ギリシア)●4世紀
「イリアス」と「オデュッセイア」の懸け橋として重要。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-05-02
20 「シャクンタラー姫」カーリダーサ(インド)●4世紀
サンスクリット文学の古典的傑作。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-07-26
* 古典編は「ギリシア悲劇集」「史記」などの大作が多かったです。
全20作集めると、何ページになるのか、また、いくらになるのか。
1年を振り返ると、本に結構な金額をつぎ込んでいました。(あーあ)
ちくまの「プルタルコス英雄伝」のような選集が、もっと出てほしい。
さいごに。(クリぼっち)
クリスマスをひとりぼっちで過ごすことを「クリぼっち」と言うらしい。
ヘンな言葉を作ったもんだ。
「将来クリぼっちになりたくない」と、小4の娘が今から心配しています。
「毎年うちに帰ってくればいい」と言ったら、すぐに安心していました。
ちなみに今年のクリスマスは、昨年に続いてチーズフォンデュ大会でした。
ケーキは、シャトレーゼ。庶民的な味ですが、安くておいしかったです。


文庫本で自分だけの文学全集をそろえることが、私のライフワークです。
例によって独断と偏見で、第Ⅶ集の古代編を決定したいと思います。
すでに、第Ⅰ集から第Ⅵ集は完成しています。
以下のページを参照してください。
第Ⅰ集「19世紀フランス編」(20作)
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-10-23
第Ⅱ集「19世紀イギリス編」(20作)
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-08-04
第Ⅲ集「19世紀ロシア編」(20作)
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-12-22
第Ⅳ集「19世紀ドイツ北欧編」(20作)
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-11-09
第Ⅴ集「19世紀アメリカ編」(10作)
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2014-08-06-1
第Ⅵ集「18世紀編」(10作)
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2015-09-25-2
まず、古代文学で取り上げた作品を、登場順にリストアップしてみます。
解説本や、二次創作は省きました。それでも、結構ありました。
「ギルガメシュ叙事詩」 ・ 「ソクラテスの弁明・クリトン」 プラトン
「ギリシア悲劇 アイスキュロス」 ・ 「サテュリコン」ペトロニウス
「旧約聖書 天地創造 創世の書」 ・ 「ギリシア悲劇 ソポクレス」
「黄金の驢馬」アプレイウス ・ 「ギリシア哲学者列伝」ディオゲネス
「女の平和」アリストパネス ・ 「ダフニスとクロエー」ロンゴス
「シュメール神話集成」 ・ 「ギリシア神話」アポロドーロス
「神統記」ヘシオドス ・ 「仕事と日」ヘシオドス
「変身物語」オウィディウス ・ 「イリアス」ホメロス
「トロイア戦記」クイントゥス ・ 「オデュッセイア」ホメロス
「ギリシア・ローマ抒情詩選」 ・ 「ギリシア悲劇 エウリピデス」
「ナラ王物語」 ・ 「歴史」ヘロドトス
「バガヴァッド・ギーター」 ・ 「インド神話」
「シャクンタラー姫」カーリダーサ ・ 「歴史」ツキディデス
「饗宴」プラトン ・ 「ソクラテスの思い出」クセノポン
「アナバシス」クセノポン ・ 「英雄伝」プルタルコス
「ガリア戦記」カエサル ・ 「ローマ建国史」リウィウス
「史記」司馬遷 ・ 「アレクサンドロス大王東征記」アッリアノス
「年代記」タキトゥス ・ 「ローマ皇帝伝」 スエトニウス
取り上げなかったけど、ウェルギリウスの「アエネーイス」は外せない。
ここからベスト20を選び、「文学全集 第Ⅶ集 古代編」を完成!
年代順に並べ、それぞれ、選択した理由を簡単に記しました。
1 「ギルガメシュ叙事詩」(メソポタミア)●前1500年~前1000年
現存する最古の文学。すべてはここから始まった。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-08-27
2 「イリアス」ホメロス(ギリシア)●前8世紀
西洋文学の古典中の古典。アキレウスとヘクトルの宿命に涙する。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-04-11
http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-04-17
3 「オデュッセイア」ホメロス(ギリシア)●前8世紀
西洋文学の古典中の古典。オデュッセウスの冒険に胸躍る。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-05-14
http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-05-17
4 「ギリシア悲劇 アイスキュロス」(ギリシア)●前5世紀
アテナイ三大悲劇詩人の1人目。ギリシア悲劇の確立者。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-04-21
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-05-14
5 「ギリシア悲劇 ソポクレス」(ギリシア)●前5世紀
アテナイ三大悲劇詩人の2人目。なんといってもオイディプス。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-12-16
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-12-20
6 「ギリシア悲劇 エウリピデス」(ギリシア)●前5世紀
アテナイ三大悲劇詩人の3人目。ギリシア悲劇の革新者。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-06-01
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-06-04
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-06-06
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-06-13
7 「歴史」ヘロドトス(ギリシア)●前5世紀
歴史の父による最古の歴史書。物語性が豊かで文学的。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-07-04
8 「歴史」ツキディデス(ギリシア)●前5世紀
ペロポネソス戦争の歴史を、凝った文体でつづる。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-08-01
http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-08-01
9 「ソクラテスの弁明・クリトン」 プラトン(ギリシア)●前4世紀
ソクラテスの命がけの訴え。気迫のこもった文章。生き方の書。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-08-31
10 「ガリア戦記」カエサル(ローマ)●前1世紀
軍人らしく簡潔に分かりやすく記した戦記。ラテン語の名文。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-10-09
11 「アエネーイス」ウェルギリウス(ローマ)●全1世紀
ローマ文学の傑作。この作品だけ読めなかった。復刊を期待。
12 「史記」司馬遷(中国)●前1世紀
中国最初の正史。多くの英雄たちのドラマティックな物語。
「本記」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-11-18
「列伝1」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-11-27
「列伝2」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-12-09
13 「変身物語」オウィディウス(ローマ)●1世紀
ギリシア・ローマ神話の集大成。西洋における教養の書。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-03-03
14 「サテュリコン」ペトロニウス(ローマ)●1世紀
現存するのはわずかだが、悪漢小説の元祖として重要。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-12-02
15 「黄金の驢馬」アプレイウス(ローマ)●2世紀
完全な形で現存する最古の小説。しかもハチャメチャ。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-10-06
16 「年代記」タキトゥス(ローマ)●2世紀
著者独自の味付けがされている歴史書。緊張感ある文体。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-12-13
http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-12-21
17 「ダフニスとクロエー」ロンゴス(ギリシア)●2世紀
恋愛小説の古典的傑作。後世に与えた影響は大きい。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2015-09-25-1
18 「英雄伝」プルタルコス(ギリシア)●2世紀
ギリシアとローマの英雄たちのドラマティックな物語。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-09-24
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-09-27
19 「トロイア戦記」クイントゥス(ギリシア)●4世紀
「イリアス」と「オデュッセイア」の懸け橋として重要。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-05-02
20 「シャクンタラー姫」カーリダーサ(インド)●4世紀
サンスクリット文学の古典的傑作。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-07-26
* 古典編は「ギリシア悲劇集」「史記」などの大作が多かったです。
全20作集めると、何ページになるのか、また、いくらになるのか。
1年を振り返ると、本に結構な金額をつぎ込んでいました。(あーあ)
ちくまの「プルタルコス英雄伝」のような選集が、もっと出てほしい。
さいごに。(クリぼっち)
クリスマスをひとりぼっちで過ごすことを「クリぼっち」と言うらしい。
ヘンな言葉を作ったもんだ。
「将来クリぼっちになりたくない」と、小4の娘が今から心配しています。
「毎年うちに帰ってくればいい」と言ったら、すぐに安心していました。
ちなみに今年のクリスマスは、昨年に続いてチーズフォンデュ大会でした。
ケーキは、シャトレーゼ。庶民的な味ですが、安くておいしかったです。


2016年のベスト5 [来月発売の気になる文庫本]
◎ 今年もあと1週間です。今回は、恒例の年末企画です。
2016年に私が読んだ文庫本の、ベスト5を勝手に決めて紹介します。
今年私が、初めて読んだ本だけを対象にします。
昔出た本でもOKですが、昔読んだ本は対象外です。
(今年紹介した本でも、「星と祭り」など昔読んだものは対象外です。)
・ 第1位 「イリアス」「オデュッセイア」 ホメロス (岩波文庫)
この二つはセットです。人類の古典、人類の宝です。文句なく第1位。
これを読んでいる間、頭は古代ギリシア世界にトリップしていました。
「イリアス」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-04-11
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-04-17
「オデュッセイア」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-05-14
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-05-17
・ 第2位 「ギリシア悲劇 エウリピデス(上・下)」 (ちくま文庫)
「メディア」「ヘカベ」「イピゲネイア」「エレクトラ」・・・
強烈な女たちを描かせたら、エウリピデスはピカイチでした。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-06-01
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-06-04
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-06-06
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-06-13
・ 第3位 「プルタルコス英雄伝」 (ちくま学芸文庫)
テミストクレス、アルキビアデス、アレクサンドロス、そしてカエサル!
古代ギリシア・ローマの男たちのドラマがいっぱい詰まっていました。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-09-24
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-09-27
・ 第4位 「史記」 司馬遷 (ちくま学芸文庫)
数多くの英雄たちのドラマが、これでもかこれでもかと登場します。
これを読んでいる間、頭は古代中国世界にトリップしていました。
「本記」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-11-18
「列伝1」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-11-27
「列伝2」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-12-09
・ 第5位 「ガラスの鍵」 ハメット (古典新訳文庫)
読み始めたら、なかなか本が置けなくなりました。傑作です。
主人公の小悪党ボーモントが、とてもクールで魅力的でした。
「ガラスの鍵」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-10-06
◎ ほか、次の5点がベスト5入りの候補でした。
順位はつけませんでしたが、これらが今年トップ10入りの作品です。
どの本も、できればベスト5に入れたかった!
しかし、ベスト5の中で外していい作品はひとつもなかったのです。
・ 「楽園のカンヴァス」 原田マハ (新潮文庫)
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-1-14
・ 「夜のピクニック」 恩田陸 (新潮文庫)
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-07-17
・ 「歴史」 トゥキュディデス (ちくま学芸文庫)
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-08-01
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-08-04
・ 「年代記」 タキトゥス (岩波文庫)
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-12-13
・ 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」 村上春樹 (文春文庫)
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-06-22
◎ 続いて、登場人物ベスト5です。
今年読んだ本の登場人物のうち、最も印象的だった7人を選びました。
・ 第1位 ルソー
「楽園のカンヴァス」に出てきた、画家のルソーです。
私はこの作品を読んでいる間、ルソーに会うのが楽しみで楽しみで・・・
・ 第2位 アルキビアデス
「プルタルコス英雄伝」「歴史」「ソクラテスの思い出」に登場しました。
今年の8月から9月にかけては、アルキビアデスのマイ・ブームでした。
・ 第3位 アキレウスとオデュッセイア
この二人はセット。ホメロスの叙事詩で、圧倒的な存在感を示しました。
・ 第4位 項羽と劉邦
この二人もセット。「史記」で圧倒的な存在感を示しました。
・ 第5位 ボーモント
「ガラスの鍵」の主人公です。今年一番カッコ良かった男です。
◎ さいごに。(娘は絶好調)
冬休みに入って、娘は絶好調です。テンションが、高い高い。
うるさくてどうしようもない。ま、不機嫌でいられるよりはいいのですが。
2016年に私が読んだ文庫本の、ベスト5を勝手に決めて紹介します。
今年私が、初めて読んだ本だけを対象にします。
昔出た本でもOKですが、昔読んだ本は対象外です。
(今年紹介した本でも、「星と祭り」など昔読んだものは対象外です。)
・ 第1位 「イリアス」「オデュッセイア」 ホメロス (岩波文庫)
この二つはセットです。人類の古典、人類の宝です。文句なく第1位。
これを読んでいる間、頭は古代ギリシア世界にトリップしていました。
「イリアス」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-04-11
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-04-17
「オデュッセイア」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-05-14
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-05-17
・ 第2位 「ギリシア悲劇 エウリピデス(上・下)」 (ちくま文庫)
「メディア」「ヘカベ」「イピゲネイア」「エレクトラ」・・・
強烈な女たちを描かせたら、エウリピデスはピカイチでした。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-06-01
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-06-04
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-06-06
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-06-13
・ 第3位 「プルタルコス英雄伝」 (ちくま学芸文庫)
テミストクレス、アルキビアデス、アレクサンドロス、そしてカエサル!
古代ギリシア・ローマの男たちのドラマがいっぱい詰まっていました。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-09-24
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-09-27
・ 第4位 「史記」 司馬遷 (ちくま学芸文庫)
数多くの英雄たちのドラマが、これでもかこれでもかと登場します。
これを読んでいる間、頭は古代中国世界にトリップしていました。
「本記」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-11-18
「列伝1」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-11-27
「列伝2」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-12-09
・ 第5位 「ガラスの鍵」 ハメット (古典新訳文庫)
読み始めたら、なかなか本が置けなくなりました。傑作です。
主人公の小悪党ボーモントが、とてもクールで魅力的でした。
「ガラスの鍵」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-10-06
◎ ほか、次の5点がベスト5入りの候補でした。
順位はつけませんでしたが、これらが今年トップ10入りの作品です。
どの本も、できればベスト5に入れたかった!
しかし、ベスト5の中で外していい作品はひとつもなかったのです。
・ 「楽園のカンヴァス」 原田マハ (新潮文庫)
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-1-14
・ 「夜のピクニック」 恩田陸 (新潮文庫)
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-07-17
・ 「歴史」 トゥキュディデス (ちくま学芸文庫)
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-08-01
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-08-04
・ 「年代記」 タキトゥス (岩波文庫)
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-12-13
・ 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」 村上春樹 (文春文庫)
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-06-22
◎ 続いて、登場人物ベスト5です。
今年読んだ本の登場人物のうち、最も印象的だった7人を選びました。
・ 第1位 ルソー
「楽園のカンヴァス」に出てきた、画家のルソーです。
私はこの作品を読んでいる間、ルソーに会うのが楽しみで楽しみで・・・
・ 第2位 アルキビアデス
「プルタルコス英雄伝」「歴史」「ソクラテスの思い出」に登場しました。
今年の8月から9月にかけては、アルキビアデスのマイ・ブームでした。
・ 第3位 アキレウスとオデュッセイア
この二人はセット。ホメロスの叙事詩で、圧倒的な存在感を示しました。
・ 第4位 項羽と劉邦
この二人もセット。「史記」で圧倒的な存在感を示しました。
・ 第5位 ボーモント
「ガラスの鍵」の主人公です。今年一番カッコ良かった男です。
◎ さいごに。(娘は絶好調)
冬休みに入って、娘は絶好調です。テンションが、高い高い。
うるさくてどうしようもない。ま、不機嫌でいられるよりはいいのですが。
年代記2(タキトゥス) [古代文学]
「年代記 ティベリウス帝からネロ帝へ(下)」 タキトゥス (岩波文庫)
初代ローマ皇帝アウグストゥスの死から、五代皇帝ネロまでの年代記です。
岩波文庫から出ています。下巻は「第二部 クラウディウスとネロ」です。
原典の一部が欠落しているため、下巻はクラウディウス帝とネロ帝の治世です。
二人の治世を彩るのは、告発と毒殺。不名誉で破廉恥な時代です。
誠実な人間は、卑怯な人間の不当な告発によって、破滅させられてしまいます。
偉大な人間は、つまらない人間による謀略によって、毒殺されてしまいます。
元首は悪党の親玉と化し、お追従しか言わない連中だけが生き残っていきます。
読んでいて、げんなりしてきました。時々タキトゥス自身のぼやきも入ります。
クラウディウス帝の3人目の妻はメッサリナ、4人目の妻はアグリッピナ。
彼は体の不具合のせいか、この妻たちにみごとなぐらい尻に敷かれました。
そして、王のようにふるまった妻たちが、政治をめちゃくちゃにしました。
彼女たちは、情夫と不倫の関係を結んで、道徳もめちゃくちゃにしました。
メッサリナに毒され、その情夫となったシリウスの一言が、とても印象的です。
「おおっぴらに破廉恥を犯した者は、厚顔無恥な手段で身を救うべきだ。」(P40)
しかし、なんといっても抜群の存在感を示したのは、女傑アグリッピナでしょう。
ネロを命懸けで皇帝の座に就かせ、そのネロに自分の命を奪われていく・・・
「占星師は、『ネロは政権をとるだろう、そして母親を殺すだろう』と答え、それを
聞いて彼女は、『ネロが天下をとれば、私を殺してもよい』と言っていた」(P181)
五代皇帝ネロについては説明不要でしょう。母を殺し、弟を殺し、師を殺し・・・
ローマに火を放ち、キリスト教徒のせいにして、残酷な方法で殺し・・・
「ネロは自然、不自然を問わず、あらゆる淫行でもって身を汚し、もうこれ以上堕落
のしようがあるまいと思えるほどに悖徳(はいとく)の限りを尽くした。」(P263)
ネロの暴虐の犠牲者のひとりが、その師であるセネカです。
セナカの最期は胸に染みます。彼が、最後に友人たちに贈ったものは・・・
セネカは、当時数少ない正義の人でした。
彼の「生の短さについて」は、読んでみたい本のひとつです。
最後の最後に、ペトロニウスが登場。記述は少ないけど、鮮烈な印象を残します。
私は「クオ・ワディス」で、「美の審判者」ペトロニウスのファンになりました。
「クオ・ワディス」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-10-09
「クオ・ワディス2」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-10-12
さいごに。(私だけEメール)
陸上仲間の忘年会がありました。私以外は全員、LINEでつながっていてビックリ。
Eメールで連絡が来たのは私だけ。幹事は私一人のために2度手間になっていた!
私がタブレットを持っているというと、LINEをやるように皆から勧められました。
私はどうもLINEが好きになれない。年に数回のことだし、勘弁してもらおうか。
初代ローマ皇帝アウグストゥスの死から、五代皇帝ネロまでの年代記です。
岩波文庫から出ています。下巻は「第二部 クラウディウスとネロ」です。
原典の一部が欠落しているため、下巻はクラウディウス帝とネロ帝の治世です。
二人の治世を彩るのは、告発と毒殺。不名誉で破廉恥な時代です。
誠実な人間は、卑怯な人間の不当な告発によって、破滅させられてしまいます。
偉大な人間は、つまらない人間による謀略によって、毒殺されてしまいます。
元首は悪党の親玉と化し、お追従しか言わない連中だけが生き残っていきます。
読んでいて、げんなりしてきました。時々タキトゥス自身のぼやきも入ります。
クラウディウス帝の3人目の妻はメッサリナ、4人目の妻はアグリッピナ。
彼は体の不具合のせいか、この妻たちにみごとなぐらい尻に敷かれました。
そして、王のようにふるまった妻たちが、政治をめちゃくちゃにしました。
彼女たちは、情夫と不倫の関係を結んで、道徳もめちゃくちゃにしました。
メッサリナに毒され、その情夫となったシリウスの一言が、とても印象的です。
「おおっぴらに破廉恥を犯した者は、厚顔無恥な手段で身を救うべきだ。」(P40)
しかし、なんといっても抜群の存在感を示したのは、女傑アグリッピナでしょう。
ネロを命懸けで皇帝の座に就かせ、そのネロに自分の命を奪われていく・・・
「占星師は、『ネロは政権をとるだろう、そして母親を殺すだろう』と答え、それを
聞いて彼女は、『ネロが天下をとれば、私を殺してもよい』と言っていた」(P181)
五代皇帝ネロについては説明不要でしょう。母を殺し、弟を殺し、師を殺し・・・
ローマに火を放ち、キリスト教徒のせいにして、残酷な方法で殺し・・・
「ネロは自然、不自然を問わず、あらゆる淫行でもって身を汚し、もうこれ以上堕落
のしようがあるまいと思えるほどに悖徳(はいとく)の限りを尽くした。」(P263)
ネロの暴虐の犠牲者のひとりが、その師であるセネカです。
セナカの最期は胸に染みます。彼が、最後に友人たちに贈ったものは・・・
セネカは、当時数少ない正義の人でした。
彼の「生の短さについて」は、読んでみたい本のひとつです。
最後の最後に、ペトロニウスが登場。記述は少ないけど、鮮烈な印象を残します。
私は「クオ・ワディス」で、「美の審判者」ペトロニウスのファンになりました。
「クオ・ワディス」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-10-09
「クオ・ワディス2」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-10-12
さいごに。(私だけEメール)
陸上仲間の忘年会がありました。私以外は全員、LINEでつながっていてビックリ。
Eメールで連絡が来たのは私だけ。幹事は私一人のために2度手間になっていた!
私がタブレットを持っているというと、LINEをやるように皆から勧められました。
私はどうもLINEが好きになれない。年に数回のことだし、勘弁してもらおうか。
マイナス・ゼロ [日本の現代文学]
「マイナス・ゼロ」 広瀬正 (集英社)
昭和を舞台に、タイムマシンとタイムパラドックスを扱ったSF長編小説です。
広瀬正の代表作で名作中の名作です。日本のタイムトラベル小説の金字塔です。
長い間、入手困難な本でしたが、2008年に改定新版が出ました。
2008年本屋大賞の「この文庫を復刊せよ!」で、1位の票を得たためです。
昭和20年に浜田俊夫少年は東京空襲に遭い、隣家の伊沢邸は爆弾でやられました。
「18年後の今日、ここに来てほしい」伊沢は俊夫にそう言い残して絶命しました。
18年後、32歳の俊夫が旧伊沢邸を訪れると、そこに不思議な球体がありました。
そして突然、18年間行方不明だった教授の娘の啓子が、当時の姿で現れたのです。
この球体は、もちろんタイムマシン。俊夫はすぐに確信しました。
二人はこのタイムマシンを使って、昭和9年に戻ろうとしますが・・・
先が気になって気になって、ぐいぐい読み進みました。
先へ行けば行くほど、時間を超えて様々な事件が絡まり合い、頭が混乱しました。
しかし、最後は驚きの真相によって、すべてがすっきりと解決されます。
それにしても、ここで扱うタイムパラドックスは、あまりにも不可思議です。
啓子の母は、〇〇で・・・啓子の娘は、〇〇で・・・(!)
この小説の熱狂的なファンがいるというのも、よく分かります。
ところで、私が広瀬正の「タイムマシンのつくり方」を読んだのは1996年でした。
タイムトラベルものばかりの、ショートショート集で、とても面白かったです。
次に代表作「マイナス・ゼロ」を読もうと思ったら、もう店頭から消えていました。
その後、2008年に復刊されるまで、私はこの本と出合えなかったのでした。
だから私は、「タイムマシンのつくり方」は旧版で、本書は新版で持っています。
現在は、広瀬正小説全集(全6巻)が、文庫本で手に入ります。嬉しいです。
タイムトラベルもので、多くのファンを持つのが、ハイラインの「夏への扉」です。
「夏への扉」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-06-01
さいごに。(ラスコーとコラボ)
人気ドラマ「逃げ恥」第10回が、国立科学博物館「ラスコー展」とコラボしました。
来週末に家族3人で行く予定ですが、とても混みそうです。やれやれ。
昭和を舞台に、タイムマシンとタイムパラドックスを扱ったSF長編小説です。
広瀬正の代表作で名作中の名作です。日本のタイムトラベル小説の金字塔です。
長い間、入手困難な本でしたが、2008年に改定新版が出ました。
2008年本屋大賞の「この文庫を復刊せよ!」で、1位の票を得たためです。
昭和20年に浜田俊夫少年は東京空襲に遭い、隣家の伊沢邸は爆弾でやられました。
「18年後の今日、ここに来てほしい」伊沢は俊夫にそう言い残して絶命しました。
18年後、32歳の俊夫が旧伊沢邸を訪れると、そこに不思議な球体がありました。
そして突然、18年間行方不明だった教授の娘の啓子が、当時の姿で現れたのです。
この球体は、もちろんタイムマシン。俊夫はすぐに確信しました。
二人はこのタイムマシンを使って、昭和9年に戻ろうとしますが・・・
先が気になって気になって、ぐいぐい読み進みました。
先へ行けば行くほど、時間を超えて様々な事件が絡まり合い、頭が混乱しました。
しかし、最後は驚きの真相によって、すべてがすっきりと解決されます。
それにしても、ここで扱うタイムパラドックスは、あまりにも不可思議です。
啓子の母は、〇〇で・・・啓子の娘は、〇〇で・・・(!)
この小説の熱狂的なファンがいるというのも、よく分かります。
ところで、私が広瀬正の「タイムマシンのつくり方」を読んだのは1996年でした。
タイムトラベルものばかりの、ショートショート集で、とても面白かったです。
次に代表作「マイナス・ゼロ」を読もうと思ったら、もう店頭から消えていました。
その後、2008年に復刊されるまで、私はこの本と出合えなかったのでした。
だから私は、「タイムマシンのつくり方」は旧版で、本書は新版で持っています。
現在は、広瀬正小説全集(全6巻)が、文庫本で手に入ります。嬉しいです。
タイムトラベルもので、多くのファンを持つのが、ハイラインの「夏への扉」です。
「夏への扉」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-06-01
さいごに。(ラスコーとコラボ)
人気ドラマ「逃げ恥」第10回が、国立科学博物館「ラスコー展」とコラボしました。
来週末に家族3人で行く予定ですが、とても混みそうです。やれやれ。
年代記(タキトゥス) [古代文学]
「年代記(上)ティベリウス帝からネロ帝へ」 タキトゥス (岩波文庫)
初代ローマ皇帝アウグストゥスの死から、五代皇帝ネロまでの年代記です。
タキトゥスは、紀元1世紀から2世紀にかけて活躍した歴史家です。
岩波文庫から二分冊で出ています。古い訳ですが、分かりやすかったです。
原典には欠落している部分があり、いいところで話が途切れたりもします。
「年代記(上)」は、二代皇帝ティベリウスの治世を描いています。
ティベリウス帝の陰険さを反映してか、その時代は全体的に陰鬱です。
「むごたらしい命令、のべつ幕なしの弾劾、いつわれる友情、清廉な人の破滅、
必ず断罪で終る裁判、そういうものにがんじ搦めに縛られ、千篇一律の事件を
見せつけられ、倦怠を覚える。」(P273)と、タキトゥスはぼやいています。
タキトゥスの筆致は辛辣です。彼は帝政をよく思っていなかったらしいです。
そして、共和制を懐かしむような気持ちが、随所に表れています。
たとえば、カエサル暗殺事件を、「奴隷根性のまだ熟していなかったローマが、
自由をとりもどそうとして失敗したあの日」(P23)と表現しています。
さて、ティベリウス帝は、初代皇帝アウグストゥスの継子(ままこ)でした。
アウグストゥスがリウィアと強引に結婚した時、すでにお腹の中にいたのです。
だからアウグストゥスにとって本命は、血のつながりのあるゲルマニクスです。
ティベリウスは中継ぎ。そういう出生の因縁が、彼を陰険にしたのかもしれない。
しかし一方で、ティベリウスは賢帝だったという説もあります。
実際彼は、カプリ島から離れることなく、命令一つでセイヤヌスを倒しました。
(しかしその部分の原典が欠落しています。読みたかった!)
さて、ティベリウスの治世の前半では、ゲルマニクスの活躍が印象的でした。
ゲルマニアでアルミニウスと戦い、栄光に包まれながらも、最後は・・・
後半は、護衛隊長セイヤヌスの野望とその破滅が、印象的でした。
ティベリウスの信頼を得ながら、その陰でとてつもない計略を進めて・・・
平和ゆえに腐敗していたティベリウス治世について、色々と分かりました。
ティベリウスといえば青の洞窟。それしか知らなかった自分が恥ずかしい。
「年代記」の下巻は、「第二部 クラウディウスとネロ」です。
三代皇帝カリグラの巻が、欠落しているのが残念です。
さいごに。(持久走大会)
娘の持久走大会がありました。今年は仕事の関係で、応援に行けませんでした。
順位は昨年の7位からだいぶ落ちて22位。
それでも一生懸命に走って、ラストスパートをしてゴールしたと言います。
なによりも、最後までがんばってくれたことがうれしいです。
初代ローマ皇帝アウグストゥスの死から、五代皇帝ネロまでの年代記です。
タキトゥスは、紀元1世紀から2世紀にかけて活躍した歴史家です。
岩波文庫から二分冊で出ています。古い訳ですが、分かりやすかったです。
原典には欠落している部分があり、いいところで話が途切れたりもします。
「年代記(上)」は、二代皇帝ティベリウスの治世を描いています。
ティベリウス帝の陰険さを反映してか、その時代は全体的に陰鬱です。
「むごたらしい命令、のべつ幕なしの弾劾、いつわれる友情、清廉な人の破滅、
必ず断罪で終る裁判、そういうものにがんじ搦めに縛られ、千篇一律の事件を
見せつけられ、倦怠を覚える。」(P273)と、タキトゥスはぼやいています。
タキトゥスの筆致は辛辣です。彼は帝政をよく思っていなかったらしいです。
そして、共和制を懐かしむような気持ちが、随所に表れています。
たとえば、カエサル暗殺事件を、「奴隷根性のまだ熟していなかったローマが、
自由をとりもどそうとして失敗したあの日」(P23)と表現しています。
さて、ティベリウス帝は、初代皇帝アウグストゥスの継子(ままこ)でした。
アウグストゥスがリウィアと強引に結婚した時、すでにお腹の中にいたのです。
だからアウグストゥスにとって本命は、血のつながりのあるゲルマニクスです。
ティベリウスは中継ぎ。そういう出生の因縁が、彼を陰険にしたのかもしれない。
しかし一方で、ティベリウスは賢帝だったという説もあります。
実際彼は、カプリ島から離れることなく、命令一つでセイヤヌスを倒しました。
(しかしその部分の原典が欠落しています。読みたかった!)
さて、ティベリウスの治世の前半では、ゲルマニクスの活躍が印象的でした。
ゲルマニアでアルミニウスと戦い、栄光に包まれながらも、最後は・・・
後半は、護衛隊長セイヤヌスの野望とその破滅が、印象的でした。
ティベリウスの信頼を得ながら、その陰でとてつもない計略を進めて・・・
平和ゆえに腐敗していたティベリウス治世について、色々と分かりました。
ティベリウスといえば青の洞窟。それしか知らなかった自分が恥ずかしい。
「年代記」の下巻は、「第二部 クラウディウスとネロ」です。
三代皇帝カリグラの巻が、欠落しているのが残念です。
さいごに。(持久走大会)
娘の持久走大会がありました。今年は仕事の関係で、応援に行けませんでした。
順位は昨年の7位からだいぶ落ちて22位。
それでも一生懸命に走って、ラストスパートをしてゴールしたと言います。
なによりも、最後までがんばってくれたことがうれしいです。
もつれっぱなし・他2作 [日本の現代文学]
「もつれっぱなし」 井上夢人 (講談社文庫)
男女の会話だけで成り立っていて、どんどんもつれていく短編ばかりです
井上夢人は、1982年から活躍している推理・SF・ホラー作家です。
「宇宙人の証明」「四十四年後の証明」「呪いの証明」「狼男の証明」「幽霊の証明」
「嘘の証明」の、全6編が収録されています。マイ・ベストは「宇宙人の証明」です。
「・・・あたしね」「うん」「宇宙人、見つけたの」「・・・」
彼女が拾って、小鉢に入れておいた宇宙人とは・・・(「宇宙人の証明」)
「あたし、お祖父ちゃんの孫なの」悪戯かと思ったら・・・(「四十四年後の証明」)
「あたしね・・・ここにいないの」幽霊になったという彼女・・・(「幽霊の証明」)
なにげなく始まった会話が、もつれにもつれて、意外な方向へ進んでいきます。
笑える話、切ない話、ゾッとする話、いろいろあって、とても楽しく読めました。
タイトルは、「もつれている話」と「もつれてばかりいる」との意味を掛けています。
そのもつれ方が実に面白かったです。作者のセンスを感じる1冊です。
さて、男女の会話が中心となる作品で、印象的なものが、ほかに2作あります。
鎌田敏夫「恋愛映画」と、丸谷才一「女性対男性」。どちらも絶版です。残念!
「恋愛映画」は、恋愛映画を見た二人の男女の、会話だけでできている短編集です。
「旅愁」「恋に落ちて」「昼下がりの情事」「マンハッタン」など、全10編です。
マイ・ベストは冒頭の「プリティ・ウーマン」です。
映画「プリティ・ウーマン」は、私がとても好きな恋愛映画です。
どの作品も会話だけで成り立っているので、その会話自体が恋愛映画のようです。
そして、恋愛映画のようにオシャレです。作者のセンスが光ります。
鎌田敏夫といえば、私にとっては、「金曜日の妻たちへ」の脚本家です。
30年以上前、私の高校時代、このドラマは不倫ブーム(!)を巻き起こしました。
明石家さんま主演「男女7人夏物語」や、山口智子主演「29歳のクリスマス」も、
大ヒットしました。今振り返ると、良くも悪くもバブル期のドラマですね。
丸谷才一「女性対男性」も、会話が中心の短編集(エッセイ集?)です。
副題は「会話のおしゃれ読本」。オシャレな会話であふれています。
全50編です。1章が6ページほどですが、中身がギュッと詰まっています。
センスより知性を重視した会話ばかりで、話者の教養の高さを感じます。
また、言葉遣いがとても丁寧で正確で、品のある文章です。さすが丸谷才一。
「パーティーの話からパンティの話になりました」という話さえ、品があります。
さいごに。(「逃げ恥」)
「戦争と平和」ロスから、最近ようやく立ち直りました。
ところで、民放ドラマをよく見ている娘は、「逃げ恥」がイチオシだと言います。
そこで、娘と一緒に見てみたら、これが実にほんわかしていて、良い感じでした。
新垣結衣と星野源の組み合わせが絶妙です。二人とも、良い味を出しています。
男女の会話だけで成り立っていて、どんどんもつれていく短編ばかりです
井上夢人は、1982年から活躍している推理・SF・ホラー作家です。
「宇宙人の証明」「四十四年後の証明」「呪いの証明」「狼男の証明」「幽霊の証明」
「嘘の証明」の、全6編が収録されています。マイ・ベストは「宇宙人の証明」です。
「・・・あたしね」「うん」「宇宙人、見つけたの」「・・・」
彼女が拾って、小鉢に入れておいた宇宙人とは・・・(「宇宙人の証明」)
「あたし、お祖父ちゃんの孫なの」悪戯かと思ったら・・・(「四十四年後の証明」)
「あたしね・・・ここにいないの」幽霊になったという彼女・・・(「幽霊の証明」)
なにげなく始まった会話が、もつれにもつれて、意外な方向へ進んでいきます。
笑える話、切ない話、ゾッとする話、いろいろあって、とても楽しく読めました。
タイトルは、「もつれている話」と「もつれてばかりいる」との意味を掛けています。
そのもつれ方が実に面白かったです。作者のセンスを感じる1冊です。
さて、男女の会話が中心となる作品で、印象的なものが、ほかに2作あります。
鎌田敏夫「恋愛映画」と、丸谷才一「女性対男性」。どちらも絶版です。残念!
「恋愛映画」は、恋愛映画を見た二人の男女の、会話だけでできている短編集です。
「旅愁」「恋に落ちて」「昼下がりの情事」「マンハッタン」など、全10編です。
マイ・ベストは冒頭の「プリティ・ウーマン」です。
映画「プリティ・ウーマン」は、私がとても好きな恋愛映画です。
どの作品も会話だけで成り立っているので、その会話自体が恋愛映画のようです。
そして、恋愛映画のようにオシャレです。作者のセンスが光ります。
鎌田敏夫といえば、私にとっては、「金曜日の妻たちへ」の脚本家です。
30年以上前、私の高校時代、このドラマは不倫ブーム(!)を巻き起こしました。
明石家さんま主演「男女7人夏物語」や、山口智子主演「29歳のクリスマス」も、
大ヒットしました。今振り返ると、良くも悪くもバブル期のドラマですね。
丸谷才一「女性対男性」も、会話が中心の短編集(エッセイ集?)です。
副題は「会話のおしゃれ読本」。オシャレな会話であふれています。
全50編です。1章が6ページほどですが、中身がギュッと詰まっています。
センスより知性を重視した会話ばかりで、話者の教養の高さを感じます。
また、言葉遣いがとても丁寧で正確で、品のある文章です。さすが丸谷才一。
「パーティーの話からパンティの話になりました」という話さえ、品があります。
さいごに。(「逃げ恥」)
「戦争と平和」ロスから、最近ようやく立ち直りました。
ところで、民放ドラマをよく見ている娘は、「逃げ恥」がイチオシだと言います。
そこで、娘と一緒に見てみたら、これが実にほんわかしていて、良い感じでした。
新垣結衣と星野源の組み合わせが絶妙です。二人とも、良い味を出しています。
史記・列伝2 [古代文学]
「史記・列伝」 司馬遷著 小竹文夫・小竹武夫訳 (ちくま学芸文庫)
列伝は、国に仕えて時代を動かした人物の一代記を、年代順にまとめたものです。
ちくま学芸文庫から4分冊で出ています。1971年の訳です。
列伝は第七十巻まであります。ちくま学芸文庫版では4分冊になっています。
3冊目、4冊目と進むうちに、登場人物が多すぎて、頭が混乱してきます。
3冊目は、第四十巻から第五十七巻までで、呉楚七国の乱が中心となります。
乱を起こした呉王濞(ひ)、対処した袁盎(えんおう)と鼂錯(ちょうそ)・・・
この乱に絡んで、多くの個性的な武将や政治家が登場します。
そのほとんどが、一時はもてはやされますが、やがて滅んでいきます。
どの人物も、賢明さの裏には愚かさがあり、勇敢さの裏には臆病さがあります。
そして、成功のあとには失敗があり、幸運のあとには不幸が待ち構えています。
時代が変わっても、最後まで変わらず我が身を守り通すことは、とても困難です。
うまくいっている時こそ、気を付けなければいけない。これは普遍的な真理か。
その他、匈奴と戦った「李将軍列伝」と、続く「匈奴列伝」が興味深かったです。
特に、「匈奴列伝」の中の冒頓(ぼくとつ)のエピソードが面白かったです。
冒頓は部下たちに、自分と同じものを射るように命じ、自分の良馬を射ました。
躊躇して射なかった者たちがいましたが、その者たちを容赦なく斬りました。
次に冒頓は、なんと自分の愛妻を射て、射なかった部下たちを斬りました。
そして、そのあと冒頓が射たものは・・・すごいというか、ひどいというか・・・
列伝の4冊目に入ると、いろんな人物が登場しすぎて、もうわけが分かりません。
特に第六十二巻以降は、一つの列伝の中に、何人もの人物が入り混じっています。
その中でもひときわ目を引いたのは、カメの話です。第六十八巻「亀策列伝」。
古代に、カメが神の使いとして、いかに尊ばれていたのかが分かります。
ところで、列伝をいくら読んでも、張良や陳平等の一部の功臣が出てきません。
そこで調べてみて、初めて知ったのですが、彼らは「世家」に入っているのです。
「世家(せいか)」とは何かというと、それは、諸侯に関する伝記だと言います。
ということは、「列伝」より上ではないか。(ああ、恥ずかしい)
史記といったら紀伝体。紀伝体といったら本紀(帝)と列伝(家臣)。
だから私は、本紀と列伝以外は、ただのおまけだと、思い込んでいました。
私は、「本紀と列伝を読めば史記はOK」と思っていました。
しかし、「世家」について知った今、それを読まないわけにはいきません。
ちくま学芸文庫の第3巻と第4巻が、世家にあてられています。
なお、ほかに「書」と「表」があり、合わせて第2巻に入っています。
「世家」の登場は想定外でした。(ホントはただの知識不足)
ほかにも、岩波文庫から出ている「春秋左氏伝」を読んでおきたいです。
さいごに。(「保育園落ちた日本死ね」確かにいっとき流行はしたが)
あのような汚い言葉を、政治に持ち込んだのは、いかがなものだろうか。
民〇党は、国会の品位を損なうと同時に、自らをも貶めたのではないか。
しかし、それを選んで表彰する人がいる! 喜んで賞を受ける人もいる!
選ぶなら「汚言大賞」でしょう。 (万智さんだけは反対したと信じたい)
列伝は、国に仕えて時代を動かした人物の一代記を、年代順にまとめたものです。
ちくま学芸文庫から4分冊で出ています。1971年の訳です。
列伝は第七十巻まであります。ちくま学芸文庫版では4分冊になっています。
3冊目、4冊目と進むうちに、登場人物が多すぎて、頭が混乱してきます。
3冊目は、第四十巻から第五十七巻までで、呉楚七国の乱が中心となります。
乱を起こした呉王濞(ひ)、対処した袁盎(えんおう)と鼂錯(ちょうそ)・・・
この乱に絡んで、多くの個性的な武将や政治家が登場します。
そのほとんどが、一時はもてはやされますが、やがて滅んでいきます。
どの人物も、賢明さの裏には愚かさがあり、勇敢さの裏には臆病さがあります。
そして、成功のあとには失敗があり、幸運のあとには不幸が待ち構えています。
時代が変わっても、最後まで変わらず我が身を守り通すことは、とても困難です。
うまくいっている時こそ、気を付けなければいけない。これは普遍的な真理か。
その他、匈奴と戦った「李将軍列伝」と、続く「匈奴列伝」が興味深かったです。
特に、「匈奴列伝」の中の冒頓(ぼくとつ)のエピソードが面白かったです。
冒頓は部下たちに、自分と同じものを射るように命じ、自分の良馬を射ました。
躊躇して射なかった者たちがいましたが、その者たちを容赦なく斬りました。
次に冒頓は、なんと自分の愛妻を射て、射なかった部下たちを斬りました。
そして、そのあと冒頓が射たものは・・・すごいというか、ひどいというか・・・
列伝の4冊目に入ると、いろんな人物が登場しすぎて、もうわけが分かりません。
特に第六十二巻以降は、一つの列伝の中に、何人もの人物が入り混じっています。
その中でもひときわ目を引いたのは、カメの話です。第六十八巻「亀策列伝」。
古代に、カメが神の使いとして、いかに尊ばれていたのかが分かります。
ところで、列伝をいくら読んでも、張良や陳平等の一部の功臣が出てきません。
そこで調べてみて、初めて知ったのですが、彼らは「世家」に入っているのです。
「世家(せいか)」とは何かというと、それは、諸侯に関する伝記だと言います。
ということは、「列伝」より上ではないか。(ああ、恥ずかしい)
史記といったら紀伝体。紀伝体といったら本紀(帝)と列伝(家臣)。
だから私は、本紀と列伝以外は、ただのおまけだと、思い込んでいました。
私は、「本紀と列伝を読めば史記はOK」と思っていました。
しかし、「世家」について知った今、それを読まないわけにはいきません。
ちくま学芸文庫の第3巻と第4巻が、世家にあてられています。
なお、ほかに「書」と「表」があり、合わせて第2巻に入っています。
「世家」の登場は想定外でした。(ホントはただの知識不足)
ほかにも、岩波文庫から出ている「春秋左氏伝」を読んでおきたいです。
さいごに。(「保育園落ちた日本死ね」確かにいっとき流行はしたが)
あのような汚い言葉を、政治に持ち込んだのは、いかがなものだろうか。
民〇党は、国会の品位を損なうと同時に、自らをも貶めたのではないか。
しかし、それを選んで表彰する人がいる! 喜んで賞を受ける人もいる!
選ぶなら「汚言大賞」でしょう。 (万智さんだけは反対したと信じたい)
ローマ建国史 [古代文学]
「ローマ建国史(上)」 リウィウス著 鈴木一州(かずくに)訳 (岩波文庫)
建国から紀元前二世紀頃までの、ローマの歴史を記した142巻の著書です。
ローマ文学の黄金時代である紀元前17年に書かれ、35巻が現存しています。
岩波文庫から2007年に上巻だけ出ました。中巻と下巻はいつ出るのか。
この本に収録されているのは、現存するうちの第一巻と第二巻のみです。
第一巻は、ロムルスによるローマ建設から、伝説の七王の治世244年間。
その間、さまざまな伝説的なできごとがありました。
ザビニ族の女の略奪、ロムルスの最期、ホラティウス三兄弟の戦い、
頭から炎を出したセルウィウス、貞女ルクレーティアの悲劇・・・
第二巻からは共和制ローマの歴史です。前509年から前468年まで。
国外での戦いや、国内での闘争など、さまざまな試練が続きます。
立役者のブルータス、その相棒プーブリウス、ポルセンナ王による侵略、
元老院と平民の闘争、ファビウス一族の活躍、コリオラヌスの反乱・・・
私は本書をローマ正史だと思っていて、堅苦しい内容を想像していました。
しかし、正史というより神話・伝説で、予想以上に読みやすかったです。
また、聞いたことのあるエピソードが意外とたくさんありました。
ロムルスの最期やザビニ女の略奪など、絵画で知っている話もありました。
この書物が書かれたのは、ローマ帝政期の初期で、ローマの黄金期でした。
当時の状況が、序言に記されています。この記述が、興味深い。
「まこと、財物が少なければ、それだけ欲望も小さかった。
最近は、富が貪欲を招き寄せ、漲る欲望が、逸楽と放埓に耽ってわが身も亡び、
かつはすべてを亡ぼしつくすことを憧れさせている。」
リウィウスは当時のローマを、あまりよく思っていなかったようです。
だからこそ、建国以来の歴史を振り返ってみようと思ったのですね。
さて、この岩波文庫版で読めるのは、最初の二巻のみです。
そのほかの現存の巻は、京都大学学術出版界から、単行本で出ています。

いつかは塩野七生の「ローマ人の物語」を、通して読みたいです。
少しずつ買い集めているので、全45冊のうち35冊ほどが揃いました。

さいごに。(サンタに財布を頼む)
うちの娘は、今年のクリスマスに、サンタに財布を頼むのだそうです。
最近持ち物にこだわるようになったので、プレゼント選びが大変です。
建国から紀元前二世紀頃までの、ローマの歴史を記した142巻の著書です。
ローマ文学の黄金時代である紀元前17年に書かれ、35巻が現存しています。
岩波文庫から2007年に上巻だけ出ました。中巻と下巻はいつ出るのか。
この本に収録されているのは、現存するうちの第一巻と第二巻のみです。
第一巻は、ロムルスによるローマ建設から、伝説の七王の治世244年間。
その間、さまざまな伝説的なできごとがありました。
ザビニ族の女の略奪、ロムルスの最期、ホラティウス三兄弟の戦い、
頭から炎を出したセルウィウス、貞女ルクレーティアの悲劇・・・
第二巻からは共和制ローマの歴史です。前509年から前468年まで。
国外での戦いや、国内での闘争など、さまざまな試練が続きます。
立役者のブルータス、その相棒プーブリウス、ポルセンナ王による侵略、
元老院と平民の闘争、ファビウス一族の活躍、コリオラヌスの反乱・・・
私は本書をローマ正史だと思っていて、堅苦しい内容を想像していました。
しかし、正史というより神話・伝説で、予想以上に読みやすかったです。
また、聞いたことのあるエピソードが意外とたくさんありました。
ロムルスの最期やザビニ女の略奪など、絵画で知っている話もありました。
この書物が書かれたのは、ローマ帝政期の初期で、ローマの黄金期でした。
当時の状況が、序言に記されています。この記述が、興味深い。
「まこと、財物が少なければ、それだけ欲望も小さかった。
最近は、富が貪欲を招き寄せ、漲る欲望が、逸楽と放埓に耽ってわが身も亡び、
かつはすべてを亡ぼしつくすことを憧れさせている。」
リウィウスは当時のローマを、あまりよく思っていなかったようです。
だからこそ、建国以来の歴史を振り返ってみようと思ったのですね。
さて、この岩波文庫版で読めるのは、最初の二巻のみです。
そのほかの現存の巻は、京都大学学術出版界から、単行本で出ています。

ローマ建国以来の歴史〈1〉伝承から歴史へ1 (西洋古典叢書)
- 作者: リウィウス
- 出版社/メーカー: 京都大学学術出版会
- 発売日: 2008/10
- メディア: 単行本
いつかは塩野七生の「ローマ人の物語」を、通して読みたいです。
少しずつ買い集めているので、全45冊のうち35冊ほどが揃いました。

塩野七生『ロ-マ人の物語』の旅 コンプリ-トセット 全43巻
- 作者: 塩野七生
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011
- メディア: 文庫
さいごに。(サンタに財布を頼む)
うちの娘は、今年のクリスマスに、サンタに財布を頼むのだそうです。
最近持ち物にこだわるようになったので、プレゼント選びが大変です。
星と祭 [日本の近代文学]
「星と祭」 井上靖 (角川文庫)
琵琶湖で娘を亡くした男が、湖北の十一面観音を巡り、心の平安を得る物語です。
この作品で、湖北の十一面観音たちは、全国的に知られるようになりました。
以前は角川文庫から出ていましたが、現在は絶版。私は20年ほど前に読みました。
解説は、角川文庫の発刊者である故・角川源義。ぜひこの本を復刊してほしい。
貿易会社社長の架山は、七年前に先妻との間にできた娘を亡くしていました。
娘のみはるは、琵琶湖でボート遊びをしていて、転覆事故に遭ったのです。
みはるも、同乗していた年上の青年も、亡きがらは湖面に上がりませんでした。
架山は悲嘆にくれ、青年の父親である大三浦に対して、憤りを感じていました。
7年後、事故後初めて琵琶湖を訪れた架山は、偶然大三浦と再会しました。
大三浦に連れられて、琵琶湖周辺の十一面観音を巡ってみると・・・
この本を紹介してくれたのは、前の職場にいた、仏像仲間の同僚でした。
彼は、奈良と京都ばかりを訪れてきた自分に、湖北の魅力を教えてくれました。
この本を持って、渡岸寺や石道寺などを巡ったのは、20年近く前のことです。
もちろん独身時代のことです。あのような贅沢はもう二度とできないでしょう。
さて、小説の最初では、娘の死によって苦悩する架山の様子が描かれています。
みはるの死を、古代の殯(もがり=仮葬)と見なすところは、さすが井上靖。
みはるが生者でも死者でもないことに、意味を求めようとする・・・
古代の人が挽歌を歌ったように、架山はみはると心の中で言葉を交わし・・・
手元の角川文庫版202ぺージの「宝冠」の章から、琵琶湖古寺巡りが始まります。
ここから、十一面観音巡礼がスタートします。仏像ファンにはたまらない!
この小説の中で、主人公の架山が拝んだ十一面観音は、以下の13体だと思います。
私が拝んだのは、その中で三体か四体です。いつか全て拝みたいです。
渡岸寺、石道寺、福林寺、赤後寺、盛安寺、宗正寺、充満寺、医王寺、善隆寺、
蓮長寺、円満寺、鶏足寺、長命寺。
小説の最後で、架山と大三浦が、出会った十一面観音を一体一体現前させます。
そして、長かった仮葬の期間は終わります。とても印象に残る場面でした。
「つらなる星のように、十一面観音は湖を取り巻いて置かれ、一人の若者と
一人の少女の霊は祀られたのである。」(P601)

湖北を旅した時、「湖北 佛めぐり」という文庫サイズの写真集も携えました。
序文を井上靖が書いています。モノクロですが、美しい仏像写真集です。
さいごに。(スタバのチョコプリン)
スタバに行って、新作のプリンを食べようとしましたが、売り切れていました。
そのお店に聞いたところ、開店と同時に売り切れてしまうのだそうです。
ちなみに、開店と同時に行ったとしても、買えないらしい。
開店前から並んでいる人が、買い占めてしまうという。そこまでしなくても!
琵琶湖で娘を亡くした男が、湖北の十一面観音を巡り、心の平安を得る物語です。
この作品で、湖北の十一面観音たちは、全国的に知られるようになりました。
以前は角川文庫から出ていましたが、現在は絶版。私は20年ほど前に読みました。
解説は、角川文庫の発刊者である故・角川源義。ぜひこの本を復刊してほしい。
貿易会社社長の架山は、七年前に先妻との間にできた娘を亡くしていました。
娘のみはるは、琵琶湖でボート遊びをしていて、転覆事故に遭ったのです。
みはるも、同乗していた年上の青年も、亡きがらは湖面に上がりませんでした。
架山は悲嘆にくれ、青年の父親である大三浦に対して、憤りを感じていました。
7年後、事故後初めて琵琶湖を訪れた架山は、偶然大三浦と再会しました。
大三浦に連れられて、琵琶湖周辺の十一面観音を巡ってみると・・・
この本を紹介してくれたのは、前の職場にいた、仏像仲間の同僚でした。
彼は、奈良と京都ばかりを訪れてきた自分に、湖北の魅力を教えてくれました。
この本を持って、渡岸寺や石道寺などを巡ったのは、20年近く前のことです。
もちろん独身時代のことです。あのような贅沢はもう二度とできないでしょう。
さて、小説の最初では、娘の死によって苦悩する架山の様子が描かれています。
みはるの死を、古代の殯(もがり=仮葬)と見なすところは、さすが井上靖。
みはるが生者でも死者でもないことに、意味を求めようとする・・・
古代の人が挽歌を歌ったように、架山はみはると心の中で言葉を交わし・・・
手元の角川文庫版202ぺージの「宝冠」の章から、琵琶湖古寺巡りが始まります。
ここから、十一面観音巡礼がスタートします。仏像ファンにはたまらない!
この小説の中で、主人公の架山が拝んだ十一面観音は、以下の13体だと思います。
私が拝んだのは、その中で三体か四体です。いつか全て拝みたいです。
渡岸寺、石道寺、福林寺、赤後寺、盛安寺、宗正寺、充満寺、医王寺、善隆寺、
蓮長寺、円満寺、鶏足寺、長命寺。
小説の最後で、架山と大三浦が、出会った十一面観音を一体一体現前させます。
そして、長かった仮葬の期間は終わります。とても印象に残る場面でした。
「つらなる星のように、十一面観音は湖を取り巻いて置かれ、一人の若者と
一人の少女の霊は祀られたのである。」(P601)

湖北を旅した時、「湖北 佛めぐり」という文庫サイズの写真集も携えました。
序文を井上靖が書いています。モノクロですが、美しい仏像写真集です。
さいごに。(スタバのチョコプリン)
スタバに行って、新作のプリンを食べようとしましたが、売り切れていました。
そのお店に聞いたところ、開店と同時に売り切れてしまうのだそうです。
ちなみに、開店と同時に行ったとしても、買えないらしい。
開店前から並んでいる人が、買い占めてしまうという。そこまでしなくても!