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赤光 [日本の近代文学]

 「赤光」 斎藤茂吉 (新潮文庫)


 「死にたまふ母」の連作を含む、斎藤茂吉の処女歌集で、彼の代表作です。
 茂吉23歳から31歳までの、834首を収録しています。1913年に出ました。


赤光 (新潮文庫)

赤光 (新潮文庫)

  • 作者: 斎藤 茂吉
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2000/02/29
  • メディア: 文庫



 斎藤茂吉と言えば、連作「死にたまふ母」59歌でしょう。
 「死に近き」や「のど赤き」の名歌は、様々な教科書に載っています。

 「みちのくの母のいのちを一目見ん一目みんとぞいそぐなりけれ」
 「死に近き母に添い寝のしんしんと遠田のかはづ天に聞こゆる」
 「我が母よ死にたまひゆく我が母よ我(わ)を生まし乳(ち)足らひし母よ」
 「のど赤き玄鳥(つばくらめ)ふたつ屋梁(はり)にゐて足乳ねの母は死にたまふなり」
 「わが母を焼かねばならぬ火を持てり天(あま)つ空には見るものもなし」

 歌をたどることで、母の危篤から葬儀の後までを、追体験することができます。
 斎藤茂吉の連作は、まるでドラマのように味わうことができます。

 ただし、自分の思いが先走りすぎたのか、所々に文法的な間違いがあります。
 「みちのくの」の歌もそう。「ぞ」の結びに「いそぐなりけれ」はおかしい。

 のちに改定されて、「ただにいそげる」になりましたが、少し物足りないです。
 間違いのある初版の方が世評が高い、というのも分かる気がします。

 「赤光」には、ほかにも良い歌がたくさんあります。
 全ては紹介しきれません。マイ・ベスト1だけを紹介しましょう。

 「この心葬(ほふ)り果てんと秀(ほ)の光る錐(きり)を畳にさしにけるかも」
 何があったか知らないけど(失恋?)、錐を畳に刺してどうする?

 ところで「赤光」というと、夕陽の赤い光を連想します。
 しかしそれはまた、「阿弥陀経」では浄土の蓮の光を表しているそうです。

 「赤光のなかの歩みはひそか夜の細きかほそきこころにか似む」
 赤い夕陽の中を、孤独な心を抱えて、ひとり寂しく歩いている姿が見えます。

 さて、第2歌集「あらたま」には、次の名歌があります。ただし絶版です。
 「あかあかと一本の道とほりたりたまきはる我が命なりけり」


茂吉秀歌『あらたま』百首 (講談社学術文庫)

茂吉秀歌『あらたま』百首 (講談社学術文庫)

  • 作者: 塚本 邦雄
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1993/10
  • メディア: 文庫



 さいごに。(ジュニア県展)

 娘の絵が、ジュニア県展で銅賞になったので、県立美術館に展示されました。
 さっそく見に行きました。うまいというより、かわいい絵でした。

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