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なんとなく、クリスタル [日本の現代文学]

 「なんとなく、クリスタル」 田中康夫 (新潮文庫)


 東京で暮らす女子大生「由利」の奔放な生活を、442の注釈とともに描いた小説です。
 1980年の最先端の風俗を盛り込み、ブランド小説と呼ばれ、一世を風靡しました。


新装版 なんとなく、クリスタル (河出文庫)

新装版 なんとなく、クリスタル (河出文庫)

  • 作者: 田中 康夫
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2013/11/06
  • メディア: 文庫



なんとなく、クリスタル (新潮文庫)

なんとなく、クリスタル (新潮文庫)

  • 作者: 田中 康夫
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1985/12/01
  • メディア: 文庫



 女子大生兼モデルの由利は、大學生兼ミュージシャンの淳一と同棲しています。
 由利は、ある日気晴らしで、ディスコで知り合った学生とデートして・・・

 「結局、私は、”なんとなくの気分”でいきているらしい。」
 「クリスタルなのよ、きっと生活が。なにも悩みなんて、ありゃしない」

 ストーリーはたわいない。学校さぼって、デートして、ホテルに入って・・・
 しかし、この作品を、唯一無二のものとしているのは、442にわたる注釈です。

 私が読んだ新潮文庫版は、右ページが本文、左ページは注釈となっています。
 註には、当時最先端だった、機器、ブランド、お店、流行等が書かれています。

 ところが、当時の最先端が今では懐かしい。レコードとか、電話(固定)とか。
 「ターンテーブル」は、現代では古すぎて、別の意味で、注釈が必要でしょう。

 この作品は、一橋大学4年だった田中のデビュー作で、芥川賞候補になりました。
 「皮膚感覚を頼りに行動する、今の若者たちが登場する小説」を目指したという。

 そのため、登場人物が身につけているブランドが、次から次に出てきます。
 中村うさぎはこの小説を読んで、シャネルの似合う女になりたいと思ったとか。

 その後、田中は政治家に転身。2000年に長野県知事になり脱ダム宣言をしました。
 当時、私は北アルプスに頻繁に通っていたので、勝手に親近感を抱いていました。

 ところが、田中康夫の作品を読んだことが、一度も無かったのです。
 今回初めてこの作品を読んで、現在の田中康夫とのギャップを楽しめました。

 3年前の2014年には、「33年後のなんとなく、クリスタル」が書かれていました。
 河出書房新社から単行本で出ています。文庫化されたら読んでみたいです。


33年後のなんとなく、クリスタル

33年後のなんとなく、クリスタル

  • 作者: 田中 康夫
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2014/11/26
  • メディア: 単行本



 さいごに。(あいさつ名人)

 娘のクラスでは毎日、一番あいさつが良かった人を、当番が決めるのだそうです。
 それを、「あいさつ名人」と言います。

 当番になるのが嫌だ、あいさつ名人を決めなければならないから、と言っています。
 なにかと気を使うのだとか。適当に指名すればいいと思うのだけど。

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