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アーサー王の死 [中世文学]

 「アーサー王の死」 マロリー著 厨川文夫・圭子訳 (ちくま文庫)


 アーサー王の誕生から死までと、円卓の騎士たちの活躍を描いた物語集です。
 フランスで出回った本を、マロリーが英訳し、キャクストンが印刷しました。

 ちくま文庫から、「中世文学集Ⅰ」として出ました。初訳は1971年です。
 訳は分かりやすいのですが、収録されているのは全体の一部にすぎません。


アーサー
王の死 (ちくま文庫―中世文学集)

アーサー王の死 (ちくま文庫―中世文学集)

  • 作者: トマス・マロリー
  • 出 版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1986/09
  • メディア: 文庫



 英国初の印刷業者キャクストンが、マロリーの翻訳を全21巻にまとめました。
 ちくま文庫版に収められたのは、1・5・11・12・18・19・20・21巻です。

 物語としては、アーサー王とランスロットが中心となっています。
 訳者によると、アーサー王物語の劇的構想は、ここから読み取れると言います。

 ところがランスロットの物語は、本国を離れてフランスで加えられたものです。
 つまり、アーサー王の物語は、主にフランスで成立したということらしい。

 そう考えて読むと、なるほど、ランスロットの物語はフランス的です。
 というのも、王妃グウィネヴィアとの恋愛(不倫)物語が含まれるので。

 宮廷的愛を逸脱して、激しく愛し合い、しまいには王国を破滅に向かわせる、
 そういうところに、フランス独特の美意識(?)を感じてしまいました。

 さて、本書ではアーサー王の最後の戦いから死までが、詳しく描かれています。
 円卓の騎士たちの絆が崩壊し、戦いに引きずり込まれていく場面は実に悲しい。

 アーサー王と円卓の騎士たち活躍し、ヨーロッパを征服するまでの場面よりも、
 築き上げた王国が内部から崩壊していく過程の方が、なぜか印象に残りました。

 特に、アーサー王の死の場面は哀切です。
 名剣エクスカリバーを水の中に投げ込むと・・・

 ところで本書では、トリストラムとイズーや、聖杯探求が省略されています。
 ガウェインやパーシヴァルの逸話も省略されていて、物足りない気がします。

 ブルフィンチの「中世騎士物語」を併せても、まだ充分ではありません。
 「中世騎士物語」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2017-01-23

 そこで、「アーサー王ロマンス」 という入門書も、買ってしまいました。
 この本がなかなか良いのです。次回、紹介したいです。


アーサー
王ロマンス (ちくま文庫)

アーサー王ロマンス (ちくま文庫)

  • 作者: 井村 君江
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1992/04
  • メディア: 文庫



 さいごに。(スピード勝負)

 かつては、トランプの「スピード」で、娘に負けるなんて考えられなかった。
 ところが、現在は3回勝負して、1回勝てるか勝てないか、というていたらく。

 「パパは弱すぎてつまらない」と、娘には言いたいほうだい言われています。
 ああ、腹立つ!

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