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イン ザ・ミソスープ [日本の現代文学]

 「イン・ザ・ミソスープ」 村上龍 (幻冬舎文庫)


 性風俗ガイドの青年が奇怪なアメリカ人と、恐怖の3日間を過ごした物語です。
 1997年に読売新聞で連載中、神戸連続児童殺傷事件があって話題となりました。


イン ザ・ミソスープ (幻冬舎文庫)

イン ザ・ミソスープ (幻冬舎文庫)

  • 作者: 村上 龍
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 1998/08
  • メディア: 文庫



 ケンジは、外国人を相手に、新宿で性風俗ガイドをしている二十歳の青年です。
 フランクというアメリカ人に、12月29日から31日までのガイドを依頼されました。

 フランクは35歳で、顔の皮膚はどこか人工的で、奇妙な印象でした。
 また、彼の話はつじつまが合わず、嘘ばかり言っているようでした。

 ケンジはなぜか、前日発見された女子高生のバラバラ死体を思い出しました。
 不安に駆られたまま、ケンジはフランクを新宿歌舞伎町に案内しますが・・・

 なるほど、村上龍がホラーを書くとこうなるのか、と妙に納得しました。
 殺人鬼は怖いけど、それ以上にむなしさや寂しさを感じました。

 それは、殺される側が持っていた、むなしさや寂しさのせいかもしれません。
 そして死んでいく彼らは、現代の日本を象徴しています。

 「みんな誰かに命令されて、ある種類の人間を演じているだけのようだった。
 おれはあの連中と接しながら、こいつらのからだには血や肉ではなくて、ぬい
 ぐるみのようにおがくずとビニールの切れ端がつまっているのではないかと思
 って、ずっと苛立っていた。」(P211)

 そういう奴隷のような生き方をしている連中が、新宿に集まっていました。
 掃きだめと化したこの街は、それを一掃する誰かを必要としていました。

 その役割をむりやり担わされたのが、フランクだったのかもしれません。
 彼らを殺戮するフランクは、日本が招いた悲しいモンスターかもしれません。

 殺戮の後、フランクが自分のことを切々と語る場面は、寂しい感じがしました。
 そのときのフランクは、殺人鬼というよりも、ただの孤独な人間でした。

 ひょっとしたら、異常なのはフランクではなく、日本人の方かもしれません。
 お見合いパブにいた人々(特にマキ)は、確かに歪んでいたと思います。

 そのほかにも、この作品の随所から、日本批判の言葉が聞こえてきます。
 次のような言葉が、私には印象に残りました。

 「普通に生きていくのは簡単ではない。親も教師も国も奴隷みたいな退屈な生
 き方は教えてくれるが、普通の生き方というものがどういうものかは教えてく
 れないからだ。」(P93)

 さいごに。(不審者現る)

 小学校から不審者情報が回ってきました。この寒い中、現れたのは露出狂です。
 うちの近所にも出没したので、昨日はママが娘を迎えに行きました。

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