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年代記2(タキトゥス) [古代文学]

 「年代記 ティベリウス帝からネロ帝へ(下)」 タキトゥス (岩波文庫)


 初代ローマ皇帝アウグストゥスの死から、五代皇帝ネロまでの年代記です。
 岩波文庫から出ています。下巻は「第二部 クラウディウスとネロ」です。


年代記〈下〉ティベリウス帝からネロ帝へ (岩波文庫)

年代記〈下〉ティベリウス帝からネロ帝へ (岩波文庫)

  • 作者: タキトゥス
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1981/04/16
  • メディア: 文庫



 原典の一部が欠落しているため、下巻はクラウディウス帝とネロ帝の治世です。
 二人の治世を彩るのは、告発と毒殺。不名誉で破廉恥な時代です。

 誠実な人間は、卑怯な人間の不当な告発によって、破滅させられてしまいます。
 偉大な人間は、つまらない人間による謀略によって、毒殺されてしまいます。

 元首は悪党の親玉と化し、お追従しか言わない連中だけが生き残っていきます。
 読んでいて、げんなりしてきました。時々タキトゥス自身のぼやきも入ります。

 クラウディウス帝の3人目の妻はメッサリナ、4人目の妻はアグリッピナ。
 彼は体の不具合のせいか、この妻たちにみごとなぐらい尻に敷かれました。

 そして、王のようにふるまった妻たちが、政治をめちゃくちゃにしました。
 彼女たちは、情夫と不倫の関係を結んで、道徳もめちゃくちゃにしました。

 メッサリナに毒され、その情夫となったシリウスの一言が、とても印象的です。
 「おおっぴらに破廉恥を犯した者は、厚顔無恥な手段で身を救うべきだ。」(P40)

 しかし、なんといっても抜群の存在感を示したのは、女傑アグリッピナでしょう。
 ネロを命懸けで皇帝の座に就かせ、そのネロに自分の命を奪われていく・・・

 「占星師は、『ネロは政権をとるだろう、そして母親を殺すだろう』と答え、それを
 聞いて彼女は、『ネロが天下をとれば、私を殺してもよい』と言っていた」(P181)

 五代皇帝ネロについては説明不要でしょう。母を殺し、弟を殺し、師を殺し・・・
 ローマに火を放ち、キリスト教徒のせいにして、残酷な方法で殺し・・・

 「ネロは自然、不自然を問わず、あらゆる淫行でもって身を汚し、もうこれ以上堕落
 のしようがあるまいと思えるほどに悖徳(はいとく)の限りを尽くした。」(P263)

 ネロの暴虐の犠牲者のひとりが、その師であるセネカです。
 セナカの最期は胸に染みます。彼が、最後に友人たちに贈ったものは・・・

 セネカは、当時数少ない正義の人でした。
 彼の「生の短さについて」は、読んでみたい本のひとつです。


生の短さについて 他2篇 (岩波文庫)

生の短さについて 他2篇 (岩波文庫)

  • 作者: セネカ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2010/03/17
  • メディア: 文庫



 最後の最後に、ペトロニウスが登場。記述は少ないけど、鮮烈な印象を残します。
 私は「クオ・ワディス」で、「美の審判者」ペトロニウスのファンになりました。

 「クオ・ワディス」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-10-09
 「クオ・ワディス2」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-10-12

 さいごに。(私だけEメール)

 陸上仲間の忘年会がありました。私以外は全員、LINEでつながっていてビックリ。
 Eメールで連絡が来たのは私だけ。幹事は私一人のために2度手間になっていた!

 私がタブレットを持っているというと、LINEをやるように皆から勧められました。
 私はどうもLINEが好きになれない。年に数回のことだし、勘弁してもらおうか。

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