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史記1本紀 [古代文学]

 「史記」 司馬遷 (ちくま学芸文庫)


 本紀は、五帝から夏、殷、周、秦を経て、漢の武帝に至るまでの帝王の系譜です。
 前1世紀の武帝の時代に、司馬遷によって完成された、中国の最初の正史です。

 ちくま学芸文庫から出ています。1971年の「筑摩世界文学大系6・7」の訳です。
 注釈が文章の途中に(  )で挿入されているため、読みやすかったです。


史記〈1〉本紀 (ちくま学芸文庫)

史記〈1〉本紀 (ちくま学芸文庫)

  • 作者: 司馬 遷
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1995/04
  • メディア: 文庫



 本記は、皇帝や王など、天下を支配した者たちと、その時代を描いています。
 全12巻で、構成は以下の通りです。

 1 五帝(黄帝から禹まで) 2 夏 3 殷 4 周 5秦 6 始皇帝 
 7 項羽 8 高祖(劉邦) 9 呂后 10 文帝 11 景帝 12 武帝

 夏末、殷末、周末など、時代の変わり目の混乱期が、特に興味深かったです。
 全体的には、始皇帝の後半ぐらいから呂后までが、とても面白かったです。

 史記本紀のクライマックスは、なんといっても項羽と劉邦の戦いでしょう。
 秦を倒すためにともに戦いながら、最後は天下の支配を賭けて対決した二人!

 今から30年以上前に、高校の漢文の教科書を、ワクワクしながら読みました。
 当時は、負けると知っていながら、「項羽負けるな」と思っていました。

 かつて「項羽本紀」で読んだ場面を、今回は「高祖本記」からも読みました。
 両方の視点で読めるところが、紀伝体という記述法の良いところです。

 「項羽本紀」を読むと、項羽の敗因は、劉邦の卑劣さにあるように思えます。
 劉邦は約束を守らずに、東へ帰る項羽を背後から攻撃して、追い込みました。

 しかし「高祖本記」を読むと、項羽の敗因は、項羽自身にあるように思えます。
 項羽は敵の離間の計に引っかかり、参謀の范増を失って、勢いを失いました。

 范増は項羽にとって、重要な参謀である以上に、ツキを呼ぶ人物だったようです。
 項羽は范増に見放されると同時に、ツキにも見放されたのではないでしょうか。

 范増が出ていった時に、項羽の運命はほぼ決まったのだと思います。
 項羽は「天がわしを滅ぼそうとする」とか言っていますが、そんなことはない。

 項羽は優勢に立ちながら、傲慢で人心を得ることができず最後は敗北しました。
 欠点だらけの将軍ですが、しかし、なぜか、勝利者の劉邦よりもファンが多い。

 特に男子は項羽びいきです。強い男に憧れるから? でも結局彼は負けた!
 強いにもかかわらず負けてしまうからこそ、我々は惹かれるのかもしれません。

 さて、史記の中で最も面白いのが「列伝」だと言われています。
 列伝は、ちくま学芸文庫はもちろん、岩波文庫からも出ています。

 さいごに。(ごんぎつね)

 小学校4年の娘は、時々家で「ごんぎつね」を音読しています。懐かしい!
 私が小学校の頃、クラスみんなで泣きながら読んだことを思い出しました。

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