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エレクトラ オレステス [古代文学]

 「ギリシア悲劇Ⅳ エウリピデス(下)」 (ちくま文庫)


 「エレクトラ」は、エレクトラと弟オレステスが、父殺しの母に復讐する物語です。
 「オレステス」は、オレステスと姉エレクトラが、母殺しの罪を裁かれる物語です。

 どちらも「ギリシア悲劇Ⅳ エウリピデス(下)」に収録されています。
 訳は古いのですが、これらの作品が文庫で読めるということに喜びを感じます。


ギリシア悲劇〈4〉/エウリピデス〈下〉 (ちくま文庫)

ギリシア悲劇〈4〉/エウリピデス〈下〉 (ちくま文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1986/05
  • メディア: 文庫



 アガメムノン殺害の数年後、娘のエレクトラは農夫と結婚し、王宮を出ていました。
 そこへ、弟のオレステスと、その親友ピュラデスがやってきました。

 久しぶりの再会、そして復讐の計略・・・
 母の殺害の前に、心が揺らぐオレステ スだったが・・・(「エレクトラ」)

 オレステスは、父の復讐を果たすために、生まれ故郷に帰ってきました。
 そして敵であるアイギストスを倒しますが、母を前にしてひるんでしまいます。

 思うに、オレステスにとって復讐の対象は、アイギストス1人だったのではないか。
 故郷に戻ったとき、彼は母殺しを明確にはイメージできていなかったのではないか。

 そんなオレステスを叱咤激励するのが、姉であるエレクトラです。
 母クリュタイムネストラをおびき寄せる計略も、彼女は瞬時に打ち出しました。

 おそらく彼女の頭には、だいぶ前から母殺害のイメージが出来上がっていました。
 そして、何が何でもやり遂げようという強い意思もあった ように思えます。

 主犯はエレクトラです。彼女もまた、エウリピデスが生んだ恐ろしい女の一人です。
 迷い悩んだあげく、母を手にかけ、その罪を負うのは、弟のオレステスなのですが。

 さて、復讐を果たした後、オレステスとエレクトラは、母殺しの罪を問われました。
 ミュケナイの民衆によって、二人は死刑が確定しましたが・・・(「オレステス」)

 「オレステス」で重要な役割を果たすのも、エレクトラです。
 死を免れるためにエレクトラは、ヘレナとヘルミオネを巻き込んで・・・

 オレステスとピュラデスの友情が、心に染み入る「オレステス」。
 しかし、最も強烈な印象を残したのは、この作品でもエレクトラでした。

 「メディア」を筆頭に、エウリピデスは、男を破滅させる女性を多く描きました。
 彼はなぜ、このような強烈な個性を発揮する女性ばかりを描いたのでしょうか。

 一説によると、エウリピデスが女性にコンプレックスを抱いていたからだとも言う。
 彼は2人の妻を持ち、その2人に裏切られ、女嫌いになったのだそうです。

 しかし、本当にそれだけだったのでしょうか。
 エウリピデスは、女性の役割の重要性を、社会に訴えたかったのではないか。

 当時はまだ、アテナイ市民といえば、成人男子だけを指していた時代でした。
 そんな社会に、女性が男性以上に英雄的であることを、示したかったのではないか。

 「ギリシア悲劇Ⅳ  エウリピデス(下)」には「バッコスの信女」も入っています。
 松平訳は岩波文庫版に比べて古いですが、これはこれで味わいがあって良いです。
 「バッカイ」(岩波文庫)→http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2014-08-06

 さいごに。(先生1週間ダウン)

 娘のクラスの担任の先生が、先週1週間ずっと熱が下がらず、休んでいました。
 今年度で退職になるおじいさん先生なので、とても心配です。

 担任がいないため宿題がほとんど出ないので、娘は少しだけ喜んでいましたが。
 今日月曜日、先生が復帰していることを願っています。

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