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アウリスのイピゲネイア タウリケのイピゲネイア [古代文学]

 「ギリシア悲劇Ⅳ エウリピデス(下)」 (ちくま文庫)


 父アガメムノンの手で生贄にされかかった、イピゲネイアを主人公にした悲劇です。
 「アウリス」で殺されかかった彼女は、女神に救われ「タウリケ」に送られました。

 二つのイピゲネイアは、ちくま文庫「ギリシア悲劇Ⅳ」で読むことができます。
 どちらも呉茂一訳で、少しとっつきにくい文章です。


ギリシア悲劇〈4〉/エウリピデス〈下〉 (ちくま文庫)

ギリシア悲劇〈4〉/エウリピデス〈下〉 (ちくま文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1986/05
  • メディア: 文庫



 イピゲネイアは、トロイア遠征軍総大将であるアガメムノンの長女です。
 ところが彼女は、アルテミス女神への生贄として捧げられることになりました。

 何も知らないイピゲネイアは、英雄アキレウスとの婚儀の名目で呼ばれ・・・
 父アガメムノンは、なんとか我が娘を助けようとしましたが・・・

 結局アガメムノンは、総大将の務めを貫徹するため、愛する娘を犠牲にします。
 強い男? いえいえ、そんなの本当の強さではありませんよ。

 本当に強い男だったら、なにがなんでも娘を生贄なんかにしないものだと思う。
 占いがどう出ようが、神々がどんなお告げをしようが、絶対に娘を救うはず。

 むしろ、ほんとうに強い人間は、娘のイピゲネイアです。
 迷う父と嘆く母を尻目に、自分の宿命を受け入れるさまは、まさに英雄的です。

 「アルテミスが私の体をお望みなら、死なねばならぬ人間であるこの私が、
 神さまの邪魔をしていいものでしょうか。それはなりませぬ。私の体はヘラ
 スのためにお捧げします。」(P593)

 イピゲネイアのこのけなげな言葉は、神聖ですらあります。
 イピゲネイアは、アルテミス女神の分身であるとも言われているようです。

 さて、「アウリス」から数年後、彼女は「タウリケ」で巫女をしていました。
 「タウリケのイピゲネイア」は、「アウリスのイピゲネイア」の後日譚です。

 タウリケにやってきた二人の異国の若者。
 それが弟のオレステスと知らず、彼女は彼を生贄として捧げようとして・・・

 この悲劇は、「エレクトラ」「オレステス」などの完結編的な作品です。
 悲劇でありながら、結末が悲劇的でないところがいいです。

 トロイア戦争モノでも、イピゲネイアのエピソードはとても印象的でした。
 しかし、エウリピデスのこの二つの悲劇で、さらに強烈な印象を刻まれました。

 さいごに。(システム手帳製作)

 システム手帳を、自分で設計して自分で作りたいと、ずっと思っていました。
 その夢をかなえるため、1月から隔週でレザークラフト講座に通っています。

 いよいよ夢の製作に入りました。絶対に妥協しない方針で作っています。
 少しでも気に入らないとやり直すので、ちっとも先に進みません。

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