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トロイアの女 [古代文学]

 「ギリシア悲劇Ⅲ エウリピデス上」(ちくま文庫)


 「トロイアの女」は、トロイア陥落後に残されたトロイアの女たちの悲劇です。
 ギリシアに対する批判的な言辞が見られるところが特徴です。

 ちくま文庫「ギリシア悲劇Ⅲ エウリピデス上」に収録されています。
 訳は、1965年刊行の「世界古典文学全集9」のものです。


ギリシア悲劇〈3〉エウリピデス〈上〉 (ちくま文庫)

ギリシア悲劇〈3〉エウリピデス〈上〉 (ちくま文庫)

  • 作者: エウリピデス
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1986/03
  • メディア: 文庫



ギリシア悲劇〈4〉/エウリピデス〈下〉 (ちくま文庫)

ギリシア悲劇〈4〉/エウリピデス〈下〉 (ちくま文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1986/05
  • メディア: 文庫



 十年もの長きにわたったトロイア戦争は、トロイア城陥落によって終結しました。
 トロイアに残された女たちは、勝利したギリシア軍によって捕らえられました。

 トロイアの女王ヘカベが目にしたのは・・・娘カッサンドラは連れ去られ、
 ヘクトルの妻アンドロマケも連れ去られ、生き残った幼い王子は殺され・・・

 「ああギリシア人らよ、そなたらの槍の誉れは高くとも、心ばえはとてもそれには
 及ばぬと見える」(P696)

 敵国トロイア側から、ギリシアの残虐な行為を描いている所に特徴があります。
 特に王女ヘカベは、終始舞台で王家の悲惨な末路を見て、ギリシアを批判します。

 多くのアテナイ人の観客を前にして、「ああギリシア人らよ」と嘆くヘカベ。
 このような批判の背景には、メロス島の虐殺という歴史的事件があったという。

 ペロポネソス戦争時、中立を保とうとするメロス島に、アテナイ軍が侵攻しました。
 心ある市民によるアテナイへの批判が、へカベの言葉で代弁されているようです。

 一方、「イオン」はロマン劇に分類され、この本の中では異彩を放つ作品でした。
 ギリシア悲劇というよりは、シェークスピア劇のような印象でした。

 イオンは、アポロン神が、アテナイの王女クレウサに産ませた子供です。
 彼は両親を知らず、神殿で養われて、今は一青年として神に仕えています。

 クレウサの夫が、神託によってイオンをわが子と認め、連れ帰りました。
 クレウサは、それを夫の隠し子だと考え、イオンを殺そうとして・・・

 いったい、この後の展開はどうなるのかと、ハラハラドキドキします。
 他の作品のような深刻さは無くて、とても楽しめる作品でした。

 さて、ちくま文庫「ギリシア悲劇Ⅲ エウリピデス上」は、税込み1620円です。
 それでも、私は安いと思います。というのも、全10作収録されているからです。

 もし、バラで復刊されたらどうか。岩波文庫「ヒッポリュトス」は454円です。
 単純に10をかけると4540円。そう考えると絶対お得。オススメです。

 さいごに。(発熱)

 一昨日娘は38度の熱を出して、学校を休みました。医者の診断は、ただの風邪。
 昨日は元気に登校できて、ほっとしました。今日が、小学校の運動会なので。

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