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ガラスの街 [20世紀アメリカ文学]

 「ガラスの街」 ポール・オースター作 柴田元幸訳 (新潮文庫)


 ある男の尾行をすることになった男が、自分自身を見失っていく物語です。
 オースターの小説の第一作で、「ニューヨーク三部作」の一つです。

 新潮文庫から出ています。カバーイラストが、オシャレでカッコいいです。
 訳は新しくて分かりやすく、原文の透明感が伝わってきます。名訳です。


ガラスの街 (新潮文庫)

ガラスの街 (新潮文庫)

  • 作者: ポール オースター
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2013/08/28
  • メディア: 文庫



 ある日の夜中、ミステリ作家クインの部屋に、間違い電話がありました。
 「ポール・オースターですか?」・・・「番号違いでしょう」

 その電話がきっかけで、クインは自ら事件に巻き込まれていきます。
 スティルマン老教授という、奇妙な人物を監視することになりました。

 「ニューヨークは尽きることのない空間、無限の歩みから成る一個の迷路だ
 った。どれだけ遠くまで歩いても、どれだけ街並や通りを詳しく知るように
 なっても、彼はつねに迷子になったような思いに囚われた。」(P6)

 そして、クインは実際に、「自分のなかでも迷子」になっていき・・・
 やがて、自分自身の存在さえ疑うようになり・・・

 探偵小説ならば、読んでいるうちに真相がしだいに明らかになるものです。
 しかしこの小説は、かえってこんがらがっていきます。

 読者は、主人公と一緒にふわふわとして、どこかに迷い込みそうな感じです。
 読み終わったときには、最初よりもっとずっと混乱した状態になりました。

 「ニューヨーク三部作」の次作「幽霊たち」も、オースターらしい作品です。
 こちらは、向かい宅の男を監視する、私立探偵の奇妙な体験の物語です。

 新潮文庫から柴田訳で出ています。リズムがあって読みやすい訳文です。
 「ガラスの街」よりも前の、1995年に出ています。


幽霊たち (新潮文庫)

幽霊たち (新潮文庫)

  • 作者: ポール・オースター
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1995/03/01
  • メディア: 文庫



 1947年2月3日、私立探偵ブルーのところに、ある依頼がありました。
 それは、ブラックという男を見張り、週に1度報告書を送れというものです。

 ブルーは依頼人が提供したアパートに籠り、ブラックの監視を始めました。
 ところが相手は、いつまでたっても動き出そうとしないのです。

 ブラックとは何者か? この監視にどんな意味があるのか?
 何も起こらず何も分からないままに、時間だけがたっていき・・・

 「事件の起こらない探偵小説であり、犯人のいない推理小説である。」
 「ガラスの街」同様、何も起こらないゆえに、とても不気味で刺激的でした。

 「幽霊」まで読んだら、第三作「鍵のかかった部屋」も読みたくなります。
 こちらも、柴田訳が出ています。ただし、白水Uブックス(新書版)です。


鍵のかかった部屋 (白水Uブックス―海外小説の誘惑)

鍵のかかった部屋 (白水Uブックス―海外小説の誘惑)

  • 作者: ポール・オースター
  • 出版社/メーカー: 白水社
  • 発売日: 1993/10
  • メディア: 新書



 オースターの代表作は、青春小説の「ムーン・パレス」(新潮文庫)でしょうか。
 放浪小説(?)の「偶然の音楽」も評判がいいです。どちらも読んでみたいです。


ムーン・パレス (新潮文庫)

ムーン・パレス (新潮文庫)

  • 作者: ポール・オースター
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1997/09/30
  • メディア: 文庫



偶然の音楽 (新潮文庫)

偶然の音楽 (新潮文庫)

  • 作者: ポール オースター
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2001/11/28
  • メディア: 文庫



 さいごに。(ミカドコーヒー)

 鎌倉旅行で一番おいしかったのは、散歩中にミカド珈琲で食べた一品。
 「小倉deエスプ」です。エスプレッソをかけて食べます。鎌倉店限定。

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