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舟を編む [日本の現代文学]

 「船を編む」 三浦しをん (光文社文庫)


 新しい辞書を作ることにひたすら情熱を傾ける、編集部の人々を描いた小説です。
 2012年の本屋大賞に輝いた作品で、翌年に映画化されました。

 昨年2015年に光文社文庫から出ました。
 本の雑誌「ダヴィンチ」の、2015年の文庫ランキング第1位でした。


舟を編む (光文社文庫)

舟を編む (光文社文庫)

  • 作者: 三浦 しをん
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2015/03/12
  • メディア: 文庫



 「玄武書房」入社3年目の馬締(まじめ)が、辞書編集部に引き抜かれました。
 馬締は空気を読まない変人ですが、辞書編纂に不可欠な感性を持っていました。

 辞書の名は「大渡海(だいとかい)」。20万語以上を収録する大きな辞書です。
 定年の荒木や宣伝部に移る西岡から、馬締がその編纂を受け継ぎました。

 馬締ら編集部は、辞書の完成を目指して、情熱を燃やしますが・・・
 しかし仕事は困難で、さまざまな障害もあって・・・

 さすが、本屋大賞受賞作です。とても楽しく読めました。
 辞書の編纂という渋い仕事に、こだわりを持って取り組む人々の姿がいいです。

 「ひとは辞書という舟に乗り、暗い海面に浮かびあがる小さな光を集める。」
 「海を渡るにふさわしい舟を編む」(P34~P35)

 「言葉というものをイメージするたび、(中略)木製の東京タワーのごときもの
 が浮かぶ。互いに補いあい、支えあって、絶妙のバランスで建つ揺らぎやすい塔。」
 (P79)

 ところでこの作品は、3章と4章の間に十数年の時間的ギャップがあります。
 ちょうど真ん中ぐらいで、前半と後半にくっきり分かれているように感じました。

 後半は違う物語になってしまったような気がして、私は少し物足りなかったです。
 あれほど印象的だった香具矢(かぐや)ちゃんが、奥に引っ込んでしまったし。

 それから西岡の登場する場面も、後半めっきり減ってしまって寂しかったです。
 西岡と馬締の二人のかみ合わない所が、読んでいてとても楽しかったのですが。

 余談ですが、私の辞書は、1991年に出た「新明解国語辞典・第四版・第四刷」です。
 この辞書の「動物園」に、「(動物を)飼い殺しにする、人間中心の施設」とある。

 実に主観的で面白い。ただし、多くの批判にさらされたようです。
 その証拠に、この項目は改版を待たずに修正され、第五刷では違う説明になりました。

 さて、「舟を編む」は間違いなく、三浦しをんの代表作のひとつでしょう。
 そしてこの時期、箱根駅伝を見ながら読みたくなるのが、「風が強く吹いている」。


風が強く吹いている (新潮文庫)

風が強く吹いている (新潮文庫)

  • 作者: 三浦 しをん
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2009/06/27
  • メディア: 文庫



 さいごに。(娘のお年玉)

 おかげさまで、娘は多くのお年玉をいただきました。
 その大半は「進学資金」として、そのまま預金。10年後に生かします。

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