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文学のレッスン [日本の現代文学]

 「文学のレッスン」 丸谷才一・湯川豊 (新潮文庫)


 気の置けない相手と、文学の8つのジャンルについて語った対談集です。
 2012年に他界した氏の、晩年の記録です。

 今年の10月に文庫化されて、新潮文庫から出たばかりです。
 語りかけるように書かれているので、分かりやすくて読みやすいです。


文学のレッスン (新潮文庫)

文学のレッスン (新潮文庫)

  • 作者: 丸谷 才一
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2013/09/28
  • メディア: 文庫



 ジャンルは、短編、長編、伝記・自伝、歴史、批評、エッセイ、戯曲、詩。
 対談は、2007年1月から2009年の8月まで、8回行われました。

 対談なので、時々話が飛びます。
 しかし、飛んでいながらも、話はちゃんとつながっています。

 ざっくばらんに対談しているようでいて、構成はとても計算されています。
 あとがきによると、事前の打ち合わせを、とても綿密に行っていたらしい。

 私にとって参考になったのは、文学史をざっくり鷲づかみにした部分です。
 たとえば、次のような言葉は、目からウロコでした。(要約しました)

 十八世紀のイギリスの長編小説が世に広まって、フランスに渡って啓蒙思想と
 結びついて発展して、辺境のロシアにまで達したとき、ロシアの大小説という
 大騒ぎになり、そこから全世界に広がり、小説が文学の支配的な形式となった。

 こういう大きな捕らえ方を示す一方で、細かな薀蓄がさりげなく披露されます。
 たとえば・・・

 短編は形式美が大事だからフランスで発展した。イギリス人は形式美が苦手とか。
 短編はかつてスケッチと呼ばれた。これが日本に入り、写生文となったとか。
 こういった含蓄に富む言葉が、惜しげもなく、次から次に現れます。

 ところで、戯曲を扱った章で、マキャヴェリの「マンドラゴーラ」が登場。
 とても楽しそうな喜劇です。読みたいです。新訳で文庫化してほしい。

 この本を読むと、丸谷の「日本文学史早わかり」も読みたくなります。
 ただし、講談社文芸文庫です。 (ああ、どうして?)


日本文学史早わかり (講談社文芸文庫)

日本文学史早わかり (講談社文芸文庫)

  • 作者: 丸谷 才一
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2004/08/10
  • メディア: 文庫



 同じく湯川を聞き手にした、「思考のレッスン」という対談集もあります。
 表紙イラストが、「文学のレッスン」と同じ和田誠。姉妹編っぽくて良いです。

 この中で面白かったのは、「レッスン4 本を読むコツ」。
 本は各自が読みやすいように読むべきなので、ページをばらばらにしてもいい、
 というような、少しばかり乱暴なことも言っています。


思考のレッスン (文春文庫)

思考のレッスン (文春文庫)

  • 作者: 丸谷 才一
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2002/10/10
  • メディア: 文庫



 さいごに。(サザエさん)

 サザエさんの始まりの歌の背景が、最近、我々の地元の名所になっています。
 うちの近くの動物園が出てくるので、近所ではちょっと話題になっています。

 ロッシーという、地元で人気の白熊が出てくるので。
 ちなみに、ロシアから来たので、ロッシーと言います。

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