So-net無料ブログ作成

源氏物語 [日本の古典文学]

 「源氏物語」 紫式部


 光源氏の物語です。それだけで、説明は充分でしょう。
 約1000年前の平安時代に作られた、古典の名作中の名作です。

 現在、様々な訳が出ていて、どれを選ぶかは悩ましい問題です。
 どれもよくできていて、ほとんど外れはありません。
 私の本棚にある円地訳は、丁寧で分かりやすい訳です。


源氏物語 1 (新潮文庫 え 2-16)

源氏物語 1 (新潮文庫 え 2-16)

  • 作者: 紫式部
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2008/08
  • メディア: 文庫



 全54帖の中で、「夕顔」「若紫」「葵」などが、とても人気があります。
 私が好きなのは、断然「須磨」です。
 光源氏が、一人前の男へと、大きく成長する場面だからです。

 「須磨」では、26歳の光源氏が、人生で初めて挫折を味わいます。
 時の権力者である、右大臣家の怒りを、買ったためです。
 都を離れ、わずかな従者と、静かな侘び住まいを始めます。

 光源氏の元には、訪れる人はほとんどありません。
 人々は、右大臣を恐れているからです。

 そこを敢えて訪れたのが、旧友の頭中将(すでに宰相の中将)。
 この場面の頭中将は、本当にかっこいい。
 右大臣家側でありながら、世間の目を恐れず、慰問にやってきます。

 二人は一晩中、酒を飲み、詩を作って過ごしました。
 「酔ひの悲しび涙を灌(そそ)ぐ 春の盃の裏(うち)」(P59)
 と、白楽天の詩を、声をそろえて歌います。(絶妙な引用!)

 ここで、紫式部が描いたのは、何でしょうか。
 男同士の友情? いえいえ、そんな軽いものではありません。
 紫式部がここで描いたのは、「本物の男」です。

 「本物の男」はどう行動すべきか。
 「本物の男」にとって何が大事か。
 そして、「本物の男」とは何か。

 これらの深遠な問題の答えが、「須磨」の中に凝縮されています。
 光源氏が、頭中将から学んだことは、計り知れないと思います。
 私にとっても、「須磨」の巻は、人生の教科書のひとつです。

 ただし、紫式部が描く二人は、ちょっと泣きすぎか。
 その点、「あさきゆめみし」の方が、男らしく描かれています。
 この場面、わずか4ページほどですが、大和和紀は本当にうまい。

 ところで、私が30代で読んだ円地訳本は、すでにぼろぼろです。
 しかも、いつからか、第5巻が見当たりません。
 40代のうちに、再読したいので、買い直さなければ。

 田辺聖子の「新源氏物語」は、まだ20代の頃、読みました。
 実に面白くすらすらと読めました。
 原作に抵抗があるという人には、とてもオススメです。


新源氏物語 (上) (新潮文庫)

新源氏物語 (上) (新潮文庫)

  • 作者: 田辺 聖子
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1984/05
  • メディア: 文庫



 また、橋本治の「窯変源氏物語」は、気になります。
 源氏の一人称で、語られているようです。


窯変 源氏物語〈1〉

窯変 源氏物語〈1〉

  • 作者: 橋本 治
  • 出版社/メーカー: 中央公論社
  • 発売日: 1995/11
  • メディア: 文庫



 さいごに。

 このあいだの朝、娘に言われました。
 「パパは、私が寝ている間に、お菓子を食べているんだよね」

 「ちがう、そんなことはない、何かのまちがいだ!」
 と、慌てて否定しましたが、私はかなり動揺していました。

 テーブルにあった、お菓子の包み紙を、見たのでしょうか。
 女の子は、目ざといです。気をつけなければ。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。