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悲しみよ こんにちは [20世紀フランス文学]

 「悲しみよ こんにちは」 サガン作 河野万里子訳 (新潮文庫)


 大好きな父親の再婚を阻む、17歳の少女セシルの物語です。

 セシルは、遊び人の父と、その恋人エルザと三人で、別荘暮らしをしています。
 そこへ、父の女友達アンヌがやってきて、三人の気ままな暮らしが変わります。
 父がアンヌとの再婚を考え始めると、セシルはそれを阻止する計画を立てて・・・

 現在、「悲しみよ こんにちは」は、新潮文庫で読むことができます。

悲しみよこんにちは (新潮文庫)
 この改版は、昨年に出たばかりです。
 訳は分かりやすくて読みやすいです。
 それに、表紙のデザインもなかなか良い。





 私は高校時代に読んで(30年近く前!)、少しも本書が理解できませんでした。
 第一、夏休みを別荘で過ごすということがイメージできませんでした。
 しかも、父親とその恋人たちと、一緒に生活しているなんて!

 17歳のセシルは、父に連れられてカジノにも行くし、ウイスキーも飲みます。
 勉強は全くしなくて、恋人には体をまかせ、そして父親の再婚阻止を企みます。
 高校時代の私には、どうしようもなくふしだらな不良娘としか思えませんでした。

 悲しいことに、おじさんとなった現在は、セシルの妖しい魅力がよく分かります。
 策略の黒幕となって自在に動くセシルが、小悪魔的で魅惑的に見えるのです。
 なんと言っても、この小説の魅力は、セシルの魅力でしょう!

 小説中、セシルの傷つきやすい内面と、感情の起伏が丁寧に描かれています。
 そして、青春時代独特の、無思慮と残酷さも、容赦なく描いています。
 それは、今の私には過ぎ去ったものなので、なおさら妖しく魅力的なのです。

 この小説が書かれたとき、サガン自身もまだ19歳の少女でした。
 しかしそのデビューと同時に、一瞬にして富と名声を得たのです。
 と同時に、いっきに青春を過ぎ去ってしまったのではないかと思います。

 その後は、スキャンダラスな生活と派手な男性関係で、何かと話題になります。
 それは、失った青春への渇望であるように感じます。

 その人生は、2年ほど前に映画化された仏映画「サガン」で見られます。

サガン-悲しみよ こんにちは- [DVD]
 私はまだ見ていません。
 でも、とても興味があります。
 亡くなったのは、6年ほど前です。
 まさに、現代の作家ですね。




 さて驚いたことに、現在サガンは、本書と「ブラームスはお好き」しか出てないです。
 少し前までは、朝吹登水子氏の訳で、新潮文庫から12冊ぐらい出ていたのですが。
 今後、河野万里子訳で、少しずつ出るのでしょうか。期待したいです。

 さいごに。
 父の日には、娘が幼稚園で作ってきてくれたメダルを、もらいました。
 ところで、娘の風邪の症状はおさまったものの、次は「幼稚園行きたくない病」です。
 今日は週明けなので、きっと普段以上に、ぐずぐず言うのではないでしょうか。
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コメント 2

若松若水

もの凄く素直でわかりやすい文章ですね。

私は、
河野万里子訳の方が、多分、いい翻訳なのだろうと読み比べて思いましたが、やはり青春時代の思い出がある朝吹さんの訳が好きですね。

拙ブログでも8月26日にこの作品にまつわる思い出を公開しています。よろしければお読みください。
by 若松若水 (2017-08-26 04:37) 

ike-pyon

若松若水さん、コメントありがとうございます。
ちょっとせつなくて、素敵な思い出ですね。
また、中島みゆきの教育実習の記事も、興味深かったです。
by ike-pyon (2017-08-27 19:54) 

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