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山椒魚 [日本の近代文学]
「山椒魚(さんしょううお)」 井伏鱒二 (新潮文庫)
岩屋から出られなくなってしまった山椒魚を、ユーモラスに描いた短篇です。
中学校の頃、国語の教科書に載っていたように思います。
現在、新潮文庫、岩波文庫、小学館文庫などで読むことができます。
私の本棚には、新潮文庫版が並んでいます。
新潮文庫は、昨年改版されて、活字が読みやすくなりました。
カバーもオシャレになっていたので、旧版を持っているのに、また買ってしまいました。
頭が大きくなりすぎて、すみかである岩屋から、出ることができなくなった山椒魚。
彼は、岩屋の出入り口から、外の世界を眺めるしかありません。
ところがあるとき、その岩屋に、一匹の蛙が迷い込んできて…
ユーモラスに描かれていますが、なんとも言えない悲哀を感じる作品です。
最後の蛙の言葉は、妙に悲しい。
「今でもべつにお前のことをおこってはいないんだ」
おそらく蛙は、山椒魚のことを、ずっと怒ってはいなかったのでしょう。
二匹は、ちょっとこじれただけだったのです。それなのに、意地を張り通して。
それを悟ったのは、死ぬ間際だった。ばからしく、また悲しい物語です。
新潮文庫版には、合計12編の短篇が収録されています。
中には、「屋根の上のサワン」も名作で、これもいつだったか、教科書で読みました。
自分の気持ちを伝えられないうちに、サワンが旅立ってしまうのが、悲しかったです。
ほか「女人来訪」「寒山拾得(かんざんじっとく)」「夜ふけと梅の花」等は捨てがたい。
しかし、私にとってのベストは、「へんろう宿」です。
「へんろう宿」はわずか9ページ。しかし、限りない哀感が込められています。
舞台は土佐。それにしても、変わった宿があったものです。旅に出たくなる一編です。
岩波文庫の短編集では、新潮文庫版では読めない名作が、収録されています。
タイトルの「遙拝隊長」などは外せません。
重複する作品がありますが、ぜひ、岩波文庫版も読みたい。
しかし、かつては新潮文庫から、「遥拝隊長・本日休診」が出ていたのです。
私は買いそびれました。ぜひ、改版を出してほしい。
ところで、「山椒魚戦争」というSF小説があります。
アンチ・ユートピア小説の、古典的名作なのだそうです。ちょっと気になります。
さいごに。(45歳)
先日、誕生日を迎えて、また一つ年をとりました。45歳です。
気持ちだけは35歳のつもりで、と思うのですが…
岩屋から出られなくなってしまった山椒魚を、ユーモラスに描いた短篇です。
中学校の頃、国語の教科書に載っていたように思います。
現在、新潮文庫、岩波文庫、小学館文庫などで読むことができます。
私の本棚には、新潮文庫版が並んでいます。
新潮文庫は、昨年改版されて、活字が読みやすくなりました。
カバーもオシャレになっていたので、旧版を持っているのに、また買ってしまいました。
頭が大きくなりすぎて、すみかである岩屋から、出ることができなくなった山椒魚。
彼は、岩屋の出入り口から、外の世界を眺めるしかありません。
ところがあるとき、その岩屋に、一匹の蛙が迷い込んできて…
ユーモラスに描かれていますが、なんとも言えない悲哀を感じる作品です。
最後の蛙の言葉は、妙に悲しい。
「今でもべつにお前のことをおこってはいないんだ」
おそらく蛙は、山椒魚のことを、ずっと怒ってはいなかったのでしょう。
二匹は、ちょっとこじれただけだったのです。それなのに、意地を張り通して。
それを悟ったのは、死ぬ間際だった。ばからしく、また悲しい物語です。
新潮文庫版には、合計12編の短篇が収録されています。
中には、「屋根の上のサワン」も名作で、これもいつだったか、教科書で読みました。
自分の気持ちを伝えられないうちに、サワンが旅立ってしまうのが、悲しかったです。
ほか「女人来訪」「寒山拾得(かんざんじっとく)」「夜ふけと梅の花」等は捨てがたい。
しかし、私にとってのベストは、「へんろう宿」です。
「へんろう宿」はわずか9ページ。しかし、限りない哀感が込められています。
舞台は土佐。それにしても、変わった宿があったものです。旅に出たくなる一編です。
岩波文庫の短編集では、新潮文庫版では読めない名作が、収録されています。
タイトルの「遙拝隊長」などは外せません。
重複する作品がありますが、ぜひ、岩波文庫版も読みたい。
しかし、かつては新潮文庫から、「遥拝隊長・本日休診」が出ていたのです。
私は買いそびれました。ぜひ、改版を出してほしい。
ところで、「山椒魚戦争」というSF小説があります。
アンチ・ユートピア小説の、古典的名作なのだそうです。ちょっと気になります。
さいごに。(45歳)
先日、誕生日を迎えて、また一つ年をとりました。45歳です。
気持ちだけは35歳のつもりで、と思うのですが…
吾輩は猫である [日本の近代文学]
「吾輩は猫である」 夏目漱石 (角川文庫)
「動物農場」のほか、動物を主人公にした作品は色々あります。
しかし私のオススメは、なんと言っても「吾輩は猫である」です。
名の無い一匹の猫の視点で、人間世界をユーモラスに描いた小説です。
夏目漱石の処女作として有名です。
名作中の名作ですから、あらゆる出版社から出されています。
現在、新潮文庫、岩波文庫、角川文庫、集英社文庫、文春文庫などから出ています。
私は20年近く前に、ちくま文庫の夏目漱石全集で読みました。
当時は、「漱石ぐらいは全集で読みたいものだ」と思ったのですが…
しかし、漱石とはいえ、中にはさほど好きではない作品もあります。
例えば、2巻の初期短篇の一部、4巻の「抗夫」、10巻の評論などです。
もちろん、全集を読むことは、その作家を深く知る上で、意味があると思います。
しかし、全集を本棚に並べておくことは、私はあまり好きではありません。
今では、ちくま文庫版の全集は、押入れの中で眠っています。
そして、漱石のお気に入りの作品だけが、お気に入りの文庫で、本棚に並んでいます。
私にとって、「吾輩は猫である」の決定版は、角川文庫版です。
角川文庫版だけに、初版本の表紙イラストや扉絵などが、収められているからです。
また、数枚の挿し絵も差し込まれていて、当時の雰囲気が味わえる本になっています。
角川文庫版の最後には、漱石自身の「処女作追懐談」があります。
こういう付録こそ、本当に価値がある。
やや活字が小さくて読みにくいのが難点。ぜひ改版を出してほしい。
なお、カバーはリンクのものとは違い、美しいイラストになっています。
現在出ている文庫の中で、一番活字が大きくて読みやすいのは、新潮文庫版です。
リンクの本は期間限定版で、実際のカバーは、ノスタルジックな猫のイラストです。
岩波文庫も捨てがたいです。
このカバーを見ると、全作品を岩波文庫で揃えたくなるような誘惑にかられます。
岩波文庫は、漱石の評論や俳句やさらに書簡までも出しています。さすが。
ちくま文庫版の全集よりも、徹底しています。
ちなみに岩波書店は、漱石没後いちはやく全集を出して、躍進した出版社です。
さて、久しぶりに「吾輩は猫である」を、パラパラめくってみたら…
おもしろい、おもしろい。結局最初から読み返しています。
ドラマチックな展開は無いものの、クスリと笑えるような所が多いです。
迷亭君がサイコーです。トチメンボーの話、首くくりの松の話などは、傑作です。
毎日、ちびりちびりと、味わいながら読みたいです。
さいごに。(母の日、妻に)
母の日、妻に、「生活の木」のコーディアルを贈りました。
ローズとローズヒップのセットです。
「生活の木」は、妻が大好きなお店です。
(リンクはイングリッシュ・エルダーフラワーのコーディアル)

夫婦仲検定というやつを、やってみました。
私は、かろうじて合格でした。
→ http://minna.cert.yahoo.co.jp/cjwkg/364866
「動物農場」のほか、動物を主人公にした作品は色々あります。
しかし私のオススメは、なんと言っても「吾輩は猫である」です。
名の無い一匹の猫の視点で、人間世界をユーモラスに描いた小説です。
夏目漱石の処女作として有名です。
名作中の名作ですから、あらゆる出版社から出されています。
現在、新潮文庫、岩波文庫、角川文庫、集英社文庫、文春文庫などから出ています。
私は20年近く前に、ちくま文庫の夏目漱石全集で読みました。
当時は、「漱石ぐらいは全集で読みたいものだ」と思ったのですが…
しかし、漱石とはいえ、中にはさほど好きではない作品もあります。
例えば、2巻の初期短篇の一部、4巻の「抗夫」、10巻の評論などです。
もちろん、全集を読むことは、その作家を深く知る上で、意味があると思います。
しかし、全集を本棚に並べておくことは、私はあまり好きではありません。
今では、ちくま文庫版の全集は、押入れの中で眠っています。
そして、漱石のお気に入りの作品だけが、お気に入りの文庫で、本棚に並んでいます。
私にとって、「吾輩は猫である」の決定版は、角川文庫版です。
角川文庫版だけに、初版本の表紙イラストや扉絵などが、収められているからです。
また、数枚の挿し絵も差し込まれていて、当時の雰囲気が味わえる本になっています。
角川文庫版の最後には、漱石自身の「処女作追懐談」があります。
こういう付録こそ、本当に価値がある。
やや活字が小さくて読みにくいのが難点。ぜひ改版を出してほしい。
なお、カバーはリンクのものとは違い、美しいイラストになっています。
現在出ている文庫の中で、一番活字が大きくて読みやすいのは、新潮文庫版です。
リンクの本は期間限定版で、実際のカバーは、ノスタルジックな猫のイラストです。
岩波文庫も捨てがたいです。
このカバーを見ると、全作品を岩波文庫で揃えたくなるような誘惑にかられます。
岩波文庫は、漱石の評論や俳句やさらに書簡までも出しています。さすが。
ちくま文庫版の全集よりも、徹底しています。
ちなみに岩波書店は、漱石没後いちはやく全集を出して、躍進した出版社です。
さて、久しぶりに「吾輩は猫である」を、パラパラめくってみたら…
おもしろい、おもしろい。結局最初から読み返しています。
ドラマチックな展開は無いものの、クスリと笑えるような所が多いです。
迷亭君がサイコーです。トチメンボーの話、首くくりの松の話などは、傑作です。
毎日、ちびりちびりと、味わいながら読みたいです。
さいごに。(母の日、妻に)
母の日、妻に、「生活の木」のコーディアルを贈りました。
ローズとローズヒップのセットです。
「生活の木」は、妻が大好きなお店です。
(リンクはイングリッシュ・エルダーフラワーのコーディアル)

生活の木 ロックス&トゥリー 有機コーディアル イングリッシュ エルダーフラワー 360ml
- 出版社/メーカー: 生活の木
- メディア: 食品&飲料
夫婦仲検定というやつを、やってみました。
私は、かろうじて合格でした。
→ http://minna.cert.yahoo.co.jp/cjwkg/364866
動物農場 [20世紀イギリス文学]
「動物農場」 オーウェル作 川端康雄訳 (岩波文庫)
動物たちが、人間に対して反乱を起こし、自分たちのための農場を作る物語です。
「一九八四」と並ぶオーウェルの傑作です。
「一九八四」 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-04-17
現在、岩波文庫と角川文庫から出ています。
岩波文庫の川端訳の方が新しいです。カバーも、渋くてカッコイイです。
岩波文庫版の欠点は、本文のあとの文章が長いこと。
本文の後、訳注・付録・解説がえんえん80ページ続きます。読まないって。
農場の動物たちは、自分たちが人間のみじめな奴隷であることに、気付きました。
彼らは団結し、動物主義を掲げ、反乱を企てます。
あるとき、エサをもらえなかった動物たちが、食料庫を破ったことがきっかけで、
反乱が偶然にも実行され、人間たちを追い出し、「動物農場」を立ち上げました。
「すべての動物は平等である」という原則のもと、最初はうまくいっていました。
しかし、やがて、ぶたたちの独裁が始まり…
副題が「おとぎばなし」とある通り、とても易しくて読みやすい寓話です。
そして出版当時、誰にでも分かるソ連批判の物語だったのだそうです。
例えば、ぶたの独裁者ナポレオンは、スターリンをモデルにしています。
ナポレオンに追放されるぶたスノーボールは、その政敵トロツキーです。
第七章では、粛清裁判など、恐怖政治の実態が、描かれています。
そして、最終章の第十章は、とても暗示的です。
実に、興味深く読むことができました。
ところで、私はうかつにも、「動物農場」と「ガラスの動物園」を混同していました。
タイトルだけは、似ていますが。
ついでながら、T・ウィリアムズの「ガラスの動物園」もまた、間違いなく傑作です。
さいごに。(うんてい)
逆上がりができるようになった娘は、今度は、うんていにチャレンジしています。
幼稚園で練習していて、手に豆を作っています。
最近、最後まで行けるようになったとか。
動物たちが、人間に対して反乱を起こし、自分たちのための農場を作る物語です。
「一九八四」と並ぶオーウェルの傑作です。
「一九八四」 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-04-17
現在、岩波文庫と角川文庫から出ています。
岩波文庫の川端訳の方が新しいです。カバーも、渋くてカッコイイです。
岩波文庫版の欠点は、本文のあとの文章が長いこと。
本文の後、訳注・付録・解説がえんえん80ページ続きます。読まないって。
農場の動物たちは、自分たちが人間のみじめな奴隷であることに、気付きました。
彼らは団結し、動物主義を掲げ、反乱を企てます。
あるとき、エサをもらえなかった動物たちが、食料庫を破ったことがきっかけで、
反乱が偶然にも実行され、人間たちを追い出し、「動物農場」を立ち上げました。
「すべての動物は平等である」という原則のもと、最初はうまくいっていました。
しかし、やがて、ぶたたちの独裁が始まり…
副題が「おとぎばなし」とある通り、とても易しくて読みやすい寓話です。
そして出版当時、誰にでも分かるソ連批判の物語だったのだそうです。
例えば、ぶたの独裁者ナポレオンは、スターリンをモデルにしています。
ナポレオンに追放されるぶたスノーボールは、その政敵トロツキーです。
第七章では、粛清裁判など、恐怖政治の実態が、描かれています。
そして、最終章の第十章は、とても暗示的です。
実に、興味深く読むことができました。
ところで、私はうかつにも、「動物農場」と「ガラスの動物園」を混同していました。
タイトルだけは、似ていますが。
ついでながら、T・ウィリアムズの「ガラスの動物園」もまた、間違いなく傑作です。
さいごに。(うんてい)
逆上がりができるようになった娘は、今度は、うんていにチャレンジしています。
幼稚園で練習していて、手に豆を作っています。
最近、最後まで行けるようになったとか。
1Q84 BOOK2 [日本の現代文学]
「1Q84 BOOK2」 村上春樹 (新潮文庫)
「1Q84の世界」における、青豆と天吾の物語の続きです。
BOOK1 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-04-09
2009年に出た超話題作です。
今年の4月末に、新潮文庫からBOOK2が前編と後編の二分冊で出ました。
5月末にはBOOK3が出る予定です。
青豆はいよいよ、「リーダー」暗殺という最後の仕事を、実行に移します。
ところが、その「リーダー」から、天吾のことや1Q84のことを聞かされます。
そして … ああ! 意外な展開!
一方、天吾は、ふかえり失踪事件に巻き込まれていきます。
あるとき突然、天吾のもとに、失踪中のふかえりが現れました。
そして、二人は … あーあ、いつもの展開。
さて、「リーダー」が青豆に語る話から、教団の謎が解けていきます。
また、小説「空気さなぎ」の内容から、さらに色々な謎が解けていきますが…
で、いったい、1Q84の世界って、何だったのか?
リトル・ピープルって、何だったのか?
空気さなぎって、何だったのか? 結局よく分かりません。
BOOK2でも、様々な謎が、謎のまま残ります。
それに、この終りかたは … いったい、青豆は … どうして?
しかし、さすが村上春樹。BOOK1同様、一度読み出したら、止まりません。
これを読んでいたGW中、ずっと寝不足でした。
それにしても、先が気になります。BOOK3発売の月末が待ち遠しいです。
ついつい書評などを読みたくなりますが、我慢しています。
ところで、BOOK3では、ちゃんと完結するのでしょうか。
今まで以上にボリュームのある本になっていると、聞いていますが。
さいごに。(逆上がり成功)
GW中に、娘は逆上がりができるようになりました。
ここ数ヶ月ほど、ずっと練習していました。本当によくがんばりました。
本人は嬉しくて、会う人ごとに、逆上がりを披露しています。
「1Q84の世界」における、青豆と天吾の物語の続きです。
BOOK1 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-04-09
2009年に出た超話題作です。
今年の4月末に、新潮文庫からBOOK2が前編と後編の二分冊で出ました。
5月末にはBOOK3が出る予定です。
青豆はいよいよ、「リーダー」暗殺という最後の仕事を、実行に移します。
ところが、その「リーダー」から、天吾のことや1Q84のことを聞かされます。
そして … ああ! 意外な展開!
一方、天吾は、ふかえり失踪事件に巻き込まれていきます。
あるとき突然、天吾のもとに、失踪中のふかえりが現れました。
そして、二人は … あーあ、いつもの展開。
さて、「リーダー」が青豆に語る話から、教団の謎が解けていきます。
また、小説「空気さなぎ」の内容から、さらに色々な謎が解けていきますが…
で、いったい、1Q84の世界って、何だったのか?
リトル・ピープルって、何だったのか?
空気さなぎって、何だったのか? 結局よく分かりません。
BOOK2でも、様々な謎が、謎のまま残ります。
それに、この終りかたは … いったい、青豆は … どうして?
しかし、さすが村上春樹。BOOK1同様、一度読み出したら、止まりません。
これを読んでいたGW中、ずっと寝不足でした。
それにしても、先が気になります。BOOK3発売の月末が待ち遠しいです。
ついつい書評などを読みたくなりますが、我慢しています。
ところで、BOOK3では、ちゃんと完結するのでしょうか。
今まで以上にボリュームのある本になっていると、聞いていますが。
さいごに。(逆上がり成功)
GW中に、娘は逆上がりができるようになりました。
ここ数ヶ月ほど、ずっと練習していました。本当によくがんばりました。
本人は嬉しくて、会う人ごとに、逆上がりを披露しています。
虐げられた人びと [19世紀ロシア文学]
「虐げられた人びと」 ドストエフスキー作 小笠原豊樹訳 (新潮文庫)
ある陰謀家によって、引き離された恋と、虐げられた人々の物語です。
ドストエフスキーの最初の本格的小説です。
現在、新潮文庫から出ています。
語り手は若き作家のイワンです。
彼の養父は潔癖の身でありながら、屈辱的な訴訟に巻き込まれています。
その養父には、ナターシャという愛娘がいて、イワンは彼女を愛しています。
しかしナターシャが愛したのは、あろうことか訴訟相手の息子アリョーシャでした。
しかも二人は、駆け落ちしてしまったのです。
アリョーシャの父ワルコフスキーは、ある陰謀から、二人の仲を裂こうとします。
一方、語り手のイワンは、偶然から一人の老人の死に立ち会いました。
やがて、その老人の孫娘ネリーと出会い、深くかかわっていくのですが…
この二つの異なったストーリーが、やがて一つにつながっていきます。
それにしても、ネリーが最後に語る話が、泣けて泣けて。(P600~)
さてこの小説は、ドストエフスキーの他の大長編に隠れて、あまり知られていません。
期待していなかったのですが、予想以上に面白かったです。間違いなく傑作です。
登場人物は、例によって、濃い人間ばかり。
中でもアリョーシャとワルコフスキー公爵は、異色の親子です。
アリョーシャは、純粋で無邪気で罪の無い人間です。
しかし一方、何一つ判断できず責任も取れない男で、要するに大きな赤ちゃんです。
子どもっぽさゆえに女性から好かれ、何をしても彼女たちから全く憎まれません。
でも、私は憎みました。アリョーシャは、優柔不断で軽薄なダメ男ですよ。
その父親のワルコフスキーは、正真正銘の極悪人です。
それなのに何度か、「この人、良い人じゃない?」と、私は騙されそうになりました。
こういう人間は、実にタチが悪い。と同時に、悪魔的な魅力に満ちています。
小説中、最も印象に残るのが、この悪党です。かげの主役ですね。
ところで、イワンの旧友マスロボエフは、最初、悪人かと思っていましたが、しかし!
彼のおかげで、この作品がミステリー仕立てになり、面白さが倍増しています。
さいごに。(娘にしかられたこと)
朝、新聞を読んでいると、背後から厳しい声が飛んできました。
「パパ! 指をなめて新聞をめくらないで!」
いつのまにか、妻に似てきてしまった。
ある陰謀家によって、引き離された恋と、虐げられた人々の物語です。
ドストエフスキーの最初の本格的小説です。
現在、新潮文庫から出ています。
語り手は若き作家のイワンです。
彼の養父は潔癖の身でありながら、屈辱的な訴訟に巻き込まれています。
その養父には、ナターシャという愛娘がいて、イワンは彼女を愛しています。
しかしナターシャが愛したのは、あろうことか訴訟相手の息子アリョーシャでした。
しかも二人は、駆け落ちしてしまったのです。
アリョーシャの父ワルコフスキーは、ある陰謀から、二人の仲を裂こうとします。
一方、語り手のイワンは、偶然から一人の老人の死に立ち会いました。
やがて、その老人の孫娘ネリーと出会い、深くかかわっていくのですが…
この二つの異なったストーリーが、やがて一つにつながっていきます。
それにしても、ネリーが最後に語る話が、泣けて泣けて。(P600~)
さてこの小説は、ドストエフスキーの他の大長編に隠れて、あまり知られていません。
期待していなかったのですが、予想以上に面白かったです。間違いなく傑作です。
登場人物は、例によって、濃い人間ばかり。
中でもアリョーシャとワルコフスキー公爵は、異色の親子です。
アリョーシャは、純粋で無邪気で罪の無い人間です。
しかし一方、何一つ判断できず責任も取れない男で、要するに大きな赤ちゃんです。
子どもっぽさゆえに女性から好かれ、何をしても彼女たちから全く憎まれません。
でも、私は憎みました。アリョーシャは、優柔不断で軽薄なダメ男ですよ。
その父親のワルコフスキーは、正真正銘の極悪人です。
それなのに何度か、「この人、良い人じゃない?」と、私は騙されそうになりました。
こういう人間は、実にタチが悪い。と同時に、悪魔的な魅力に満ちています。
小説中、最も印象に残るのが、この悪党です。かげの主役ですね。
ところで、イワンの旧友マスロボエフは、最初、悪人かと思っていましたが、しかし!
彼のおかげで、この作品がミステリー仕立てになり、面白さが倍増しています。
さいごに。(娘にしかられたこと)
朝、新聞を読んでいると、背後から厳しい声が飛んできました。
「パパ! 指をなめて新聞をめくらないで!」
いつのまにか、妻に似てきてしまった。
銀の匙 [日本の近代文学]
「銀の匙」 中勘助 (岩波文庫)
純粋で詩的な味わいのある、少年時代の哀切で美しい追憶記です。
もと灘高の名物教師橋本氏が、授業で活用して話題になりました。
現在、岩波文庫と角川文庫から出ています。
なぜか両方とも家にありますが、岩波文庫版の方がカバーが渋いです。
主人公の「私」の、書斎の引き出しには、銀の小匙があります。
この匙の由来を、子どもの頃、母から聞きました…
こうして、作者の少年時代の回想が始まります。
最初に読んだ時、「ただの、おセンチな思い出話だな」と、思いました。
当時、私はまだ若くて、この作品の美しさが、分からなかったのです。
「ああいうのは、センチメンタルっていうんじゃない」と言ったのは漱石です。
漱石はまた、「描写が細かく、きれいで、独創性がある」と、激賞しました。
二度目に読んだとき、その魅力がようやく理解できました。(ああ、恥ずかしい)
「私」が「お国さん」と会うあたりから、ストーリーが急速に面白くなります。
前編53段のおけいちゃんとの別れの場面、後編16~17段の伯母を訪ねる場面、
後編21~22段の友人の姉との別れの場面などは、哀切きわまりない。
なんともいえない純粋で美しい味わいがあると、今では思います。
人生の神秘みたいなものを感じさせるほどです。
さて、もと灘高校の橋本武氏は、「銀の匙」を使って、効果的な授業を行いました。
橋本氏は今年100歳。今また、その授業が話題になっています。

さいごに。(バレエ教室見学)
先日、娘のバレエ教室の見学日がありました。
一生懸命練習している子どもたちみんな、とてもかわいらしかったです。
しかし、終わった後、娘は落ち込んでいました。
妻が理由を聞くと、「私が間違えた時に、パパが笑っていたから」とのこと。
そういうつもりはなかったのですが。でも、気をつけなければ。
純粋で詩的な味わいのある、少年時代の哀切で美しい追憶記です。
もと灘高の名物教師橋本氏が、授業で活用して話題になりました。
現在、岩波文庫と角川文庫から出ています。
なぜか両方とも家にありますが、岩波文庫版の方がカバーが渋いです。
主人公の「私」の、書斎の引き出しには、銀の小匙があります。
この匙の由来を、子どもの頃、母から聞きました…
こうして、作者の少年時代の回想が始まります。
最初に読んだ時、「ただの、おセンチな思い出話だな」と、思いました。
当時、私はまだ若くて、この作品の美しさが、分からなかったのです。
「ああいうのは、センチメンタルっていうんじゃない」と言ったのは漱石です。
漱石はまた、「描写が細かく、きれいで、独創性がある」と、激賞しました。
二度目に読んだとき、その魅力がようやく理解できました。(ああ、恥ずかしい)
「私」が「お国さん」と会うあたりから、ストーリーが急速に面白くなります。
前編53段のおけいちゃんとの別れの場面、後編16~17段の伯母を訪ねる場面、
後編21~22段の友人の姉との別れの場面などは、哀切きわまりない。
なんともいえない純粋で美しい味わいがあると、今では思います。
人生の神秘みたいなものを感じさせるほどです。
さて、もと灘高校の橋本武氏は、「銀の匙」を使って、効果的な授業を行いました。
橋本氏は今年100歳。今また、その授業が話題になっています。

灘中 奇跡の国語教室 - 橋本武の超スロー・リーディング (中公新書ラクレ)
- 作者: 黒岩 祐治
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2011/08/10
- メディア: 新書
さいごに。(バレエ教室見学)
先日、娘のバレエ教室の見学日がありました。
一生懸命練習している子どもたちみんな、とてもかわいらしかったです。
しかし、終わった後、娘は落ち込んでいました。
妻が理由を聞くと、「私が間違えた時に、パパが笑っていたから」とのこと。
そういうつもりはなかったのですが。でも、気をつけなければ。
2012年5月発売の気になる文庫本 [来月発売の気になる文庫本]
2012年5月発売予定の文庫本で、気になるものを独断で紹介します。
情報源は → http://www.taiyosha.co.jp/bunko/bunko1205_date1.html
・文学関係で、気になる文庫本は、次の5冊です。
5/09 「ガルガンチュアとルタグリュエル 第五の書」 ラブレー (ちくま文庫)
→ ガルガンチュア物語全5巻の最終巻。よくぞ完結させてくれました。拍手。
5/09 「和訳 聊斎志異」 松田齢 (ちくま学芸文庫)
→ 新訳か。岩波文庫版と比べたい。
5/10 「愚管抄 全現代語訳・注」 大隅和雄 (講談社学術文庫)
→ 大僧正慈円が記した歴史書。平清盛ブームの今、注目。
5/25 「天地明察(上)(下)」 沖方丁 (角川文庫)
→ 数年前に本屋大賞を取り、大流行し、映画化もされた本。
5/29 「1Q84 BOOK3〈10月-12月〉前編・後編」 村上春樹 (新潮文庫)
→ 待ち遠しい。まずは最近出たばかりのBOOK2を読まなければ。
・文学以外で、気になる文庫本は、次の4冊です。
5/09 「快楽としての読書 海外篇」 丸谷才一 (ちくま文庫)
→ 「日本篇」の本のセレクトにはがっかりしたが…「海外篇」はどうか。
5/10 「逸楽と飽食の古代ローマ」 青柳正規 (講談社学術文庫)
→ 副題は「『トリマルキオの饗宴』を読む」。「サテュリコン」の世界!
5/21 「一瞬で自分を変える法」 アンソニー・ロビンズ (知的生きかた文庫)
→ 本田健が訳した名著。待望の文庫化。絶対買い。
5/25 「三色ボールペン読み直し名作塾」 齋藤孝 (角川文庫)
→ 齋藤孝の読書関係の一冊。「三色ボールペンで読む日本語」の姉妹本。
・岩波文庫の4月の重版
林芙美子「下駄で歩いた巴里」が、重版再開されていました。
私の声が届いたか?(そんなはずはない) ともかく、読まなければ。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-03-09
・岩波書店のランキングから → http://www.iwanami.co.jp/best/index.html
岩波書店では、中勘助の「銀の匙」が関係が売れています。
岩波文庫の4/9~4/15の売り上げ1位が、「銀の匙」。
岩波ジュニア新書の4/9~4/15の売り上げ1位が、橋本武著「〈銀の匙〉の国語授業」。
橋本武氏は、もと灘高の名物国語教師。
この人の、「銀の匙」を使った授業が話題となり、「銀の匙」が注目を集めています。
・おまけ。4月に最も失望した文庫本。
古典新訳文庫「サロメ」は、ひどかったです。訳はいいのですけど。
ページ数は、225ページ。しかし、本文はわずか81ページ。
本文のあと、註とあとがきと解説が、えんえんと続きます。読まないって。
・さいごに。(オトキソ)
NHKのEテレの、「おとなの基礎英語」(略してオトキソ)が、とても面白いです。
毎回必ず、講師の先生が、だじゃれを言うのです。
今まで一番面白かったのは、次のようなもの。
「Could you(くじゅう) を使うか Can you を使うかは、苦渋(くじゅう)の選択」
いつも、どこでどんなだじゃれを言うか、わくわくしながら見ています。
ところで、テキストの4月号は、どこの書店でも売り切れでした。
私は4月の第1週に買いに行きましたが、結局手に入らなかったです。
(NHKのホームページで買えるそうですが、そこまでして買う気はありません。)
テキストの5月号は、発売と同時に買いに行きました。平積みされていました。
人気があるのですね。ひょっとしたら、だじゃれ効果?
オトキソ → http://www.nhk.or.jp/gogaku/english/otokiso/
![NHK テレビ おとなの基礎英語 2012年 05月号 [雑誌] NHK テレビ おとなの基礎英語 2012年 05月号 [雑誌]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51J7hBMjALL._SL160_.jpg)
情報源は → http://www.taiyosha.co.jp/bunko/bunko1205_date1.html
・文学関係で、気になる文庫本は、次の5冊です。
5/09 「ガルガンチュアとルタグリュエル 第五の書」 ラブレー (ちくま文庫)
→ ガルガンチュア物語全5巻の最終巻。よくぞ完結させてくれました。拍手。
5/09 「和訳 聊斎志異」 松田齢 (ちくま学芸文庫)
→ 新訳か。岩波文庫版と比べたい。
5/10 「愚管抄 全現代語訳・注」 大隅和雄 (講談社学術文庫)
→ 大僧正慈円が記した歴史書。平清盛ブームの今、注目。
5/25 「天地明察(上)(下)」 沖方丁 (角川文庫)
→ 数年前に本屋大賞を取り、大流行し、映画化もされた本。
5/29 「1Q84 BOOK3〈10月-12月〉前編・後編」 村上春樹 (新潮文庫)
→ 待ち遠しい。まずは最近出たばかりのBOOK2を読まなければ。
・文学以外で、気になる文庫本は、次の4冊です。
5/09 「快楽としての読書 海外篇」 丸谷才一 (ちくま文庫)
→ 「日本篇」の本のセレクトにはがっかりしたが…「海外篇」はどうか。
5/10 「逸楽と飽食の古代ローマ」 青柳正規 (講談社学術文庫)
→ 副題は「『トリマルキオの饗宴』を読む」。「サテュリコン」の世界!
5/21 「一瞬で自分を変える法」 アンソニー・ロビンズ (知的生きかた文庫)
→ 本田健が訳した名著。待望の文庫化。絶対買い。
5/25 「三色ボールペン読み直し名作塾」 齋藤孝 (角川文庫)
→ 齋藤孝の読書関係の一冊。「三色ボールペンで読む日本語」の姉妹本。
・岩波文庫の4月の重版
林芙美子「下駄で歩いた巴里」が、重版再開されていました。
私の声が届いたか?(そんなはずはない) ともかく、読まなければ。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-03-09
・岩波書店のランキングから → http://www.iwanami.co.jp/best/index.html
岩波書店では、中勘助の「銀の匙」が関係が売れています。
岩波文庫の4/9~4/15の売り上げ1位が、「銀の匙」。
岩波ジュニア新書の4/9~4/15の売り上げ1位が、橋本武著「〈銀の匙〉の国語授業」。
橋本武氏は、もと灘高の名物国語教師。
この人の、「銀の匙」を使った授業が話題となり、「銀の匙」が注目を集めています。
・おまけ。4月に最も失望した文庫本。
古典新訳文庫「サロメ」は、ひどかったです。訳はいいのですけど。
ページ数は、225ページ。しかし、本文はわずか81ページ。
本文のあと、註とあとがきと解説が、えんえんと続きます。読まないって。
・さいごに。(オトキソ)
NHKのEテレの、「おとなの基礎英語」(略してオトキソ)が、とても面白いです。
毎回必ず、講師の先生が、だじゃれを言うのです。
今まで一番面白かったのは、次のようなもの。
「Could you(くじゅう) を使うか Can you を使うかは、苦渋(くじゅう)の選択」
いつも、どこでどんなだじゃれを言うか、わくわくしながら見ています。
ところで、テキストの4月号は、どこの書店でも売り切れでした。
私は4月の第1週に買いに行きましたが、結局手に入らなかったです。
(NHKのホームページで買えるそうですが、そこまでして買う気はありません。)
テキストの5月号は、発売と同時に買いに行きました。平積みされていました。
人気があるのですね。ひょっとしたら、だじゃれ効果?
オトキソ → http://www.nhk.or.jp/gogaku/english/otokiso/
![NHK テレビ おとなの基礎英語 2012年 05月号 [雑誌] NHK テレビ おとなの基礎英語 2012年 05月号 [雑誌]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51J7hBMjALL._SL160_.jpg)
NHK テレビ おとなの基礎英語 2012年 05月号 [雑誌]
- 作者:
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2012/04/18
- メディア: 雑誌
スペードの女王 [19世紀ロシア文学]
「スペードの女王・ベールキン物語」 プーシキン作 神西清訳 (岩波文庫)
ロシア国民詩人プーシキンの、傑作短篇集です。
「スペードの女王」は有名です。
現在、岩波文庫で読むことができます。
青年ゲルマンは、ある老婦人から、カルタの秘伝を授かろうとしました。
しかし、ゲルマンに驚いた老婦人は、あっけなく亡くなってしまいます。
葬儀の夜、老婦人の幽霊がやってきて、カルタの秘伝を教えてくれたのですが…
「スペードの女王」は、ホフマンを思わせるような、怪談っぽい作品です。
気がついていたら異界に迷い込んでいた、みたいな感じです。
どれが現実で、どれが幻覚なのか、何が本当で、何が冗談だったのか…
スペードの女王の不気味な笑みが、いつまでも頭から離れません。
文体は簡潔で無駄がありません。
小品ながら傑作でしょう。
「ベールキン物語」は、5編の短篇から成っています。
特に印象に残ったのは、「吹雪」と「百姓令嬢」。
どちらも、人生の妙味を感じる作品です。
さて、神西清(じんざいきよし)氏の訳は、名訳と言われています。
たしかに、詩的で味わい深い訳です。
しかし、今ではもう古くなったようにも思いました。そろそろ新訳がほしいところ。
また、本の3分の1近く(約90ページ)が、注釈と解説に充てられていますが…
読まないって!
さいごに。(青菜に塩をふったら、どうなるか)
職場で、若い人に、「青菜に塩をふったら、どうなるか知ってる?」と聞いたら、
すかさず、「おいしくなる!」という返事が、返ってきました。
ジョークで言ったのか、本気で言ったのか…
ロシア国民詩人プーシキンの、傑作短篇集です。
「スペードの女王」は有名です。
現在、岩波文庫で読むことができます。
青年ゲルマンは、ある老婦人から、カルタの秘伝を授かろうとしました。
しかし、ゲルマンに驚いた老婦人は、あっけなく亡くなってしまいます。
葬儀の夜、老婦人の幽霊がやってきて、カルタの秘伝を教えてくれたのですが…
「スペードの女王」は、ホフマンを思わせるような、怪談っぽい作品です。
気がついていたら異界に迷い込んでいた、みたいな感じです。
どれが現実で、どれが幻覚なのか、何が本当で、何が冗談だったのか…
スペードの女王の不気味な笑みが、いつまでも頭から離れません。
文体は簡潔で無駄がありません。
小品ながら傑作でしょう。
「ベールキン物語」は、5編の短篇から成っています。
特に印象に残ったのは、「吹雪」と「百姓令嬢」。
どちらも、人生の妙味を感じる作品です。
さて、神西清(じんざいきよし)氏の訳は、名訳と言われています。
たしかに、詩的で味わい深い訳です。
しかし、今ではもう古くなったようにも思いました。そろそろ新訳がほしいところ。
また、本の3分の1近く(約90ページ)が、注釈と解説に充てられていますが…
読まないって!
さいごに。(青菜に塩をふったら、どうなるか)
職場で、若い人に、「青菜に塩をふったら、どうなるか知ってる?」と聞いたら、
すかさず、「おいしくなる!」という返事が、返ってきました。
ジョークで言ったのか、本気で言ったのか…
ノルウェイの森 [日本の現代文学]
「ノルウェイの森」 村上春樹 (講談社文庫)
日本の恋愛小説を代表する大傑作です。それ以上、どんな説明がいるでしょうか。
1987年に出て、大ベストセラーになりました。
現在、講談社文庫から、上下二分冊で出ています。
大学1年生のワタナベは、高校時代の同級生の直子に、東京で偶然に出会いました。
直子の20歳の誕生日に、ワタナベは直子と一度だけ結ばれます。
しかし、直子の心の中には、暗い闇の部分がありました。
直子はワタナベに何も告げずに、アパートを引き払い、消息不明になってしまいます。
その後、ワタナベは緑という活発な女性と出会い、お互いにひかれていきます。
しばらくして、直子からの手紙が届き、阿美寮という施設にいることを知ります。
ワタナベは直子に会いに行きますが…
この小説が出た1987年、私は大学2年生でした。
学生協の書籍部にも、赤い上巻と緑の下巻が、並んで平積みされていたのを思い出します。
当時は、ほとんどの大学生が、読んでいたのではないでしょうか。
「ノルウェイの森って、なに?」なんて言ったら、とても恥ずかしい思いをしたでしょう。
こういう私は、「まだ読んでないの?」と友人に言われて、仕方なく読み始めたのでした。
最初は気乗りしなかったのだけど、読み出すと止まらなくなりました。
最後は、せつなくて、せつなくて…
物語の余韻にどっぷり浸って、なかなか現実世界に復帰できませんでした。
読み終わると同時に、もう一度、最初から最後まで読み返しました。
今までに、5~6回は読み返しています。
「ノルウェイの森」は、当時も今も、私にとってバイブルです。
それから、この小説がきっかけで、ビートルズを聴き始めました。
「ラバーソウル」は、いつのまにか愛聴盤になっていました。
さて、この小説は映画化されています。先日、TV放映されましたね。
原作にだいたい忠実で、映像もきれいで、良かったです。
松山ケンイチの「ワタナベ」は、雰囲気がよく出ていました。
菊池凛子の「直子」も、ほぼ私のイメージ通りでした。
ただ「緑」については、もっとブッ飛んだイメージにしてほしかった。
それから、レイコさん。原作にも言えることですが、最後のあの場面はいらない。
さいごに。(給料日にうどん屋へ)
給料が入ったら、久々に家族で外食しようと考えていました。
ところが、給料の下げ幅が、とても大きくて…
手当てが削られることは、聞いてはいたのですが、まさかここまでとは。
結局、うどん屋に行きました。もちろん、セルフのうどん屋です。
それでも娘は、とても喜んでくれましたが。
日本の恋愛小説を代表する大傑作です。それ以上、どんな説明がいるでしょうか。
1987年に出て、大ベストセラーになりました。
現在、講談社文庫から、上下二分冊で出ています。
大学1年生のワタナベは、高校時代の同級生の直子に、東京で偶然に出会いました。
直子の20歳の誕生日に、ワタナベは直子と一度だけ結ばれます。
しかし、直子の心の中には、暗い闇の部分がありました。
直子はワタナベに何も告げずに、アパートを引き払い、消息不明になってしまいます。
その後、ワタナベは緑という活発な女性と出会い、お互いにひかれていきます。
しばらくして、直子からの手紙が届き、阿美寮という施設にいることを知ります。
ワタナベは直子に会いに行きますが…
この小説が出た1987年、私は大学2年生でした。
学生協の書籍部にも、赤い上巻と緑の下巻が、並んで平積みされていたのを思い出します。
当時は、ほとんどの大学生が、読んでいたのではないでしょうか。
「ノルウェイの森って、なに?」なんて言ったら、とても恥ずかしい思いをしたでしょう。
こういう私は、「まだ読んでないの?」と友人に言われて、仕方なく読み始めたのでした。
最初は気乗りしなかったのだけど、読み出すと止まらなくなりました。
最後は、せつなくて、せつなくて…
物語の余韻にどっぷり浸って、なかなか現実世界に復帰できませんでした。
読み終わると同時に、もう一度、最初から最後まで読み返しました。
今までに、5~6回は読み返しています。
「ノルウェイの森」は、当時も今も、私にとってバイブルです。
それから、この小説がきっかけで、ビートルズを聴き始めました。
「ラバーソウル」は、いつのまにか愛聴盤になっていました。
さて、この小説は映画化されています。先日、TV放映されましたね。
原作にだいたい忠実で、映像もきれいで、良かったです。
松山ケンイチの「ワタナベ」は、雰囲気がよく出ていました。
菊池凛子の「直子」も、ほぼ私のイメージ通りでした。
ただ「緑」については、もっとブッ飛んだイメージにしてほしかった。
それから、レイコさん。原作にも言えることですが、最後のあの場面はいらない。
さいごに。(給料日にうどん屋へ)
給料が入ったら、久々に家族で外食しようと考えていました。
ところが、給料の下げ幅が、とても大きくて…
手当てが削られることは、聞いてはいたのですが、まさかここまでとは。
結局、うどん屋に行きました。もちろん、セルフのうどん屋です。
それでも娘は、とても喜んでくれましたが。
一九八四年 [20世紀イギリス文学]
「一九八四年」 ジョージ・オーウェル作 高橋和久訳 (ハヤカワepi文庫)
ビッグ・ブラザーによって統制された、全体主義国家を描くアンチ・ユートピア小説です。
世界中でベストセラーになり、20世紀文学の傑作の一つだと言われています。
「1Q84」のブームによって、再び注目されています。
2009年に、ハヤカワepi文庫から新訳が出ました。とても読みやすかったです。
舞台は1984年のロンドン。これが書かれた1948年から見ると、近未来世界でした。
国家は、ビッグ・ブラザーと呼ばれる男によって、統治されています。
国民生活は、テレスクリーンによってすべて監視されて、自由な行動ができません。
言語は、ニュースピークという簡潔な言語にまとめられ、自由な思考を許しません。
最も根本的な罪は、党の体制に疑問を持つことであり、それを「思考犯罪」と呼びます。
思考犯罪を取り締まるために、「思考警察」が国民をスパイしています。
そして思考警察は、怪しい人物を次々に「蒸発」(!)させてしまうのです。
主人公は、ウィンストン・スミス。39歳。
職場は「真理省」。しかしその仕事は、歴史の改変です。
ウィンストンは、自分の仕事とこの社会のあり方に、疑問を持っています。
あるときウィンストンは、ジュリアという若い女性と、深く愛し合うようになります。
そして、党中枢部が腐敗していることを知ります。
やがて二人は、反政府組織の「ブラザー同盟」に加わりますが…
ビッグ・ブラザーはスターリンを、全体主義国家は旧ソ連を、イメージしているようです。
冷戦下で、この小説は売れに売れて、反全体主義のバイブルとなりました。
それにしても、めちゃくちゃですよ。特に、第三部のオブライエン!
四本出した指を、「五本」と言わせたり、2+2を5だと言わせたり。(P386~)
実にばかばかしくて面白かったです。
ところで、ジョージ・オーウェルには、「動物農場」という傑作もあります。
こちらも、面白そうです。
さいごに。(宝さがしゲーム)
娘のマイブームが、「宝さがしゲーム」です。
宝物(例えばおもちゃのブレスレット)を、娘が隠して、私が探すというものです。
最近は、なかなか巧妙に隠します。例えば、TVの裏側だとか。
でも時々、自分で隠した場所を忘れて、見付からなくなってしまうことも…
ビッグ・ブラザーによって統制された、全体主義国家を描くアンチ・ユートピア小説です。
世界中でベストセラーになり、20世紀文学の傑作の一つだと言われています。
「1Q84」のブームによって、再び注目されています。
2009年に、ハヤカワepi文庫から新訳が出ました。とても読みやすかったです。
舞台は1984年のロンドン。これが書かれた1948年から見ると、近未来世界でした。
国家は、ビッグ・ブラザーと呼ばれる男によって、統治されています。
国民生活は、テレスクリーンによってすべて監視されて、自由な行動ができません。
言語は、ニュースピークという簡潔な言語にまとめられ、自由な思考を許しません。
最も根本的な罪は、党の体制に疑問を持つことであり、それを「思考犯罪」と呼びます。
思考犯罪を取り締まるために、「思考警察」が国民をスパイしています。
そして思考警察は、怪しい人物を次々に「蒸発」(!)させてしまうのです。
主人公は、ウィンストン・スミス。39歳。
職場は「真理省」。しかしその仕事は、歴史の改変です。
ウィンストンは、自分の仕事とこの社会のあり方に、疑問を持っています。
あるときウィンストンは、ジュリアという若い女性と、深く愛し合うようになります。
そして、党中枢部が腐敗していることを知ります。
やがて二人は、反政府組織の「ブラザー同盟」に加わりますが…
ビッグ・ブラザーはスターリンを、全体主義国家は旧ソ連を、イメージしているようです。
冷戦下で、この小説は売れに売れて、反全体主義のバイブルとなりました。
それにしても、めちゃくちゃですよ。特に、第三部のオブライエン!
四本出した指を、「五本」と言わせたり、2+2を5だと言わせたり。(P386~)
実にばかばかしくて面白かったです。
ところで、ジョージ・オーウェルには、「動物農場」という傑作もあります。
こちらも、面白そうです。
さいごに。(宝さがしゲーム)
娘のマイブームが、「宝さがしゲーム」です。
宝物(例えばおもちゃのブレスレット)を、娘が隠して、私が探すというものです。
最近は、なかなか巧妙に隠します。例えば、TVの裏側だとか。
でも時々、自分で隠した場所を忘れて、見付からなくなってしまうことも…
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