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海の向こうで戦争が始まる [日本の現代文学]

 「海の向こうで戦争が始まる」 村上龍 (講談社文庫)


 海の向こうの街で生きる人々の、怒りの爆発や破壊的衝動を描いた小説です。
 処女作「限りなく透明に近いブルー」に続く作品です。


海の向こうで戦争が始まる

海の向こうで戦争が始まる

  • 作者: 村上 龍
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1980/11/12
  • メディア: 文庫



 「僕」は海辺で、フィニーという水着の女性に出会います。
 フィニーは「僕」に、「あなたの目に町が映っているわ。」と言いました。

 それは、海の向こうにある街。そこには、ごみ漁り少年たち、大佐と愛人、
 衛兵の家族、洋服屋と入院中の母など、様々な境遇の人間がいますが・・・

 この街は本物だろうか? いや、もちろん違うだろう。
 大佐がいたり衛兵がいたり、最後はとんでもないことになるし。

 おそらく、「僕」の目に映るその町は、僕の心が作り上げたものでしょう。
 そして、そこに生きる人々は、「僕」の分身でしょうか。

 彼ら(=「僕」)にあるのは、怒り、お祭り、暴力、破壊、狂気、破滅など。
 「戦争が始まればいい。一度全てを切開して破壊して殺してしまうのだ。」

 では、フィニーはどうか? おそらく彼女も、「僕」の作り上げた存在です。
 結局「僕」は海辺でコカインをやって、幻想にとりつかれているだけなのでは?

 さて、「海の向こうで戦争が始まる」は、意外と高い評価を得ている作品です。
 しかし、私は苦手です。はっきり言って、気持ちが悪い。

 たとえば少年たちと犬の場面。たとえば衛兵の妻の災難の場面・・・
 これを、「美しい」「詩情豊かだ」と言っている人たちには、教えを請いたい。

 この作品は、「コインロッカー・ベイビーズ」につながる作品として重要です。
 次はぜひ、村上龍の代表作「コインロッカーズ・ベイビーズ」を読みたいです。


新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)

新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)

  • 作者: 村上 龍
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/07/15
  • メディア: 文庫



 さいごに。(ルービックキューブ)

 娘は、現在ルービックキューブがブームです。すでに二面揃えることができます。
 娘は私に、色の揃え方を教えてくれるのですが、まったく理解できません。

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イソップ寓話集 [古代文学]

 「イソップ寓話集」 塚崎幹夫訳 (中公文庫)


 古代ギリシアのアイソーポスが語ったと伝えられる、様々な寓話を集めたものです。
 時代を経るに従って、多くの寓話が加えられ、世界中に広まっていきました。

 現在「イソップ寓話集」の決定版は、1999年刊の岩波文庫新訳版でしょう。
 411ページに471話を収録しています。訳はとても分かりやすいです。


イソップ寓話集 (岩波文庫)

イソップ寓話集 (岩波文庫)

  • 作者: イソップ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1999/03/16
  • メディア: 文庫



 私が学生のときは、1987年刊の中公文庫版が「新訳決定版」とされていました。
 358話を細かく分類して収録しています。しかし、現在は絶版です。


新訳 イソップ寓話集 (中公文庫)

新訳 イソップ寓話集 (中公文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 中央公論社
  • 発売日: 1987/09
  • メディア: 文庫



 「カメとウサギ」「キツネとブドウ」「肉をくわえた犬」「アリとハト」
 「セミとアリ」「ライオンと恩返ししたネズミ」「野ネズミと家のネズミ」
 「悪ふざけをする羊飼い」「北風と太陽」「塩を運ぶロバ」・・・

 これらの寓話は、一度は聞いた事がある話ばかりだと思います。
 が、それはイソップ寓話のほんの一部。初めて聞く話が次から次に出てきます。

 358話もあるので、最初からひとつひとつ読んでいくと、飽きてしまいます。
 気まぐれにぱらぱらページをめくりながら、気まぐれに読んでいくのが正しい。

 ちなみにマイ・ベストは「守銭奴」(P60)です。
 わずか12行の物語ですが、ちょっとした小説になりそうです。

 「守銭奴が全財産を金に換え、金塊を作り、ある場所にうずめた。彼はそれと
 同時に心も気力もそこにうずめたのであった。・・・」

 金塊を盗まれた守銭奴が嘆くのを見て、ある人は何と言ったか?
 そしてその人は、どのような提案をしたのか?

 ついでながら、「ビーバー」(P49)も面白いです。
 人々はなぜビーバーを追うのか? ビーバーはいかにして逃げのびるのか?

 さて、中公文庫版の特徴は、明らかにイソップ作でない話を排除している点です。
 訳者はイソップに対するこだわりが強い。その思いが「はじめに」に出ています。

 作者は、「イソップ寓話」は、奴隷であったイソップの、反抗の書であると言う。
 そして、管理社会で生きる我々自身もまた奴隷である、と・・・
 (そう言われると、なんかイソップに親近感を持ってしまいます。)

 さいごに。(4×100mリレーチーム銅メダル)

 世界陸上が終って楽しみが無くなりましたが、寝不足も無くなりました。
 最も感動したのは、4×100Mリレーの日本チーム銅メダル獲得です。
 
 ケンブリッジを外して、タイムで劣る藤光を入れた。この判断がスゴイ!
 藤光はベテラン。ぎりぎりのバトンをやってのけ、3位に食い込みました。

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野心のすすめ・ルンルンを買っておうちに帰ろう [日本の現代文学]

 「野心のすすめ」 林真理子 (講談社現代新書)
 「ルンルンを買っておうちに帰ろう」 林真理子 (角川文庫)


 「野心のすすめ」は数年前に出ました。「野心」の大切さを訴えて評判になりました。
 「ルンルンを買っておうちに帰ろう」は作者の最初のエッセイで、出世作です。


野心のすすめ (講談社現代新書)

野心のすすめ (講談社現代新書)

  • 作者: 林 真理子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/04/18
  • メディア: 新書



 林真理子に興味がある、と話したら、友人が「野心のすすめ」を勧めてくれました。
 彼いわく、「これを読めば林真理子のことがたいてい分かる」とのことです。

 本当にその通りでした。しかも、面白かったです。
 特に「第三章 野心の履歴書」では、林真理子の半生がつづられていて興味深い。

 容姿に対するコンプレックス、いじめられていた少女時代、不採用通知の束・・・
 どん底から這い上がって、「ルンルンを買っておうちへ帰ろう」で成功するまで・・・

 人生の紆余曲折を乗り越える原動力となったのが、彼女の「野心」です。
 「野心」をもって、とにかくなんでもやってみなければ!

 「やってしまった過去を悔やむ心からはちゃんと血が出て、かさぶたができて治って
 いくけど、やらなかった取り返しのつかなさを悔やむ心には、切り傷とはまた違う、
 内出血のような痛みが続きます。」(P25 )(この表現は素敵すぎる)

 私的に面白かったのは、「野心」と「時間の観念」を結びつけているところです。
 将来の自分を想像し、与えられた時間を意識していることが、大事だと言います。

 逆に現在は、将来の自分が想像できず、与えられた時間が意識できないと言います。
 その背景には、飢え死にせずになんとか生きていける社会がある、と分析しています。

 また、「野心」と「強運」の関係に触れた個所は、自己啓発本以上に面白かったです。
 実体験に基づいているから、とても説得力がありました。

 「自分でちゃんと努力をして、野心と努力が上手く回ってくると、運という大きな輪
 がガラガラと回り始めるのです。一度、野心と努力のコツをつかむと、生き方も人生
 もガラっと変わってくる。」(P63)

 こういう文章を読むうちに、知らず知らず元気になってきます。
 下手な成功本を読むよりも、はるかに多くのエネルギーをもらいました。

 さて、林真理子の人生の転換点が、1982年の「ルンルンを買って」の成功でした。
 とても興味が湧いたので、「ルンルンを買って」も勢いで読んでみました。

 その目次を見ると、「ベッドは、男と女のゴールデンリング」「ブスはやはり差別
 されても仕方ない」「美少年は公共のものです」等、魅力的なタイトルばかりです。

 たとえば、う〇こに向かって「ありがとう、Aさん」と、過去の恋人の名を呼ぶなど、
 とても素敵なお話もありました。林真理子のセンスの良さ(?)を感じます。

 ところが全体的に見ると意外にフツーです。1982年当時はとても新鮮でしたが。
 実は、1999年刊の「美女入門」(角川文庫)も買いましたが、まだ読んでいません。


美女入門 (角川文庫)

美女入門 (角川文庫)

  • 作者: 林 真理子
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2002/03/01
  • メディア: 文庫


 女性のエッセイの中で強烈なのは、中村うさぎの「パリのトイレで・・・」。
 ゲロを吐いたり、うんこをもらしたり、この人は本当にすごい。

 中村うさぎ「パリのトイレでシルブプレ〜〜!」
 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-11-08

 さいごに。(おのれ、ウィンドウズよ) 

 せっかくのお盆休みなのに、タブレットが故障してたいへんでした。
 ウィンドウズが勝手に更新されて、その直後に画面が消えて、電源が入りません。

 修理屋は休みだし、メーカーには電話がつながらないし・・・
 メーカー送りで結構な金額がかかるらしいので、買い替えようかとも・・・

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地霊・パンドラの箱 [19世紀ドイツ北欧文学]

 「地霊・パンドラの箱 ルル二部作」 ヴェデキント作 岩淵達治訳 (岩波文庫)


 世紀末を生きる奔放な女ルルが、男たちを破滅させてゆくさまを描いた戯曲です。
 「地霊」と続編の「パンドラの箱」を合わせて、ルル二部作となっています。

 1984年に岩波文庫から出ていますが、品切れになっていることが多い本です。
 今年復刊されたので、手に入れるチャンス。正直に言って、読みにくかったです。


地霊・パンドラの箱――ルル二部作 (岩波文庫 赤 429-1)

地霊・パンドラの箱――ルル二部作 (岩波文庫 赤 429-1)

  • 作者: F.ヴェデキント
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1984/12/17
  • メディア: 文庫



 「地霊」は、衛星顧問官ゴル、画家シュバルツ、編集長シェーンを渡り歩きながら、
 彼らを次々と破滅させてゆき、最後は自分自身をも破滅させてしまう悲劇です。

 ルルの周りには、多くの男が集まっていますが、彼らとの関係がよくわかりません。
 場面が展開するに従って、人間関係が明かされ、ルルの出生の秘密も分かります。

 ところが私は、その目まぐるしい展開に、なかなかついていけませんでした。
 なんで?なんで? と思っているうちに、一人死に、二人死に・・・

 そういう意味で、読みにくい戯曲でした。
 しかし、次のような気の利いたやり取りが随所にあって、楽しかったです。

 ルル  :あの人はわたしを愛してるわ。
 シェーン:なるほどそいつは致命的だ。
 ルル  :わたしを愛している・・・
 シェーン:越えがたい溝だね。

 ルルを愛することは、男にとって致命的で、二人にとって越えがたい溝になる!
 ルルはまさに「地霊」です。我々に恵みをもたらすと同時に災厄ともなります。

 「地霊」が男どもを破滅させる物語だとしたら、「パンドラの箱」はルル自身が
 破滅してゆく物語です。ルルの脱獄から始まり、さらに多彩な人物が登場します。

 愛人の力士、レズの令嬢、詐欺師、極めつけは切り裂きジャック・・・
 「パンドラの箱」をぶちまけたような、ごちゃごちゃした話で読みにくかったです。

 さて、作者の代表作「春のめざめ」は、今年の4月に岩波文庫から出ました。
 性の目覚めを描いた戯曲です。2009年に出た訳か。読みやすさを期待したい。


春のめざめ (岩波文庫)

春のめざめ (岩波文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2017/04/15
  • メディア: 文庫



 さいごに。(川内、サニブラウン、よくやった)

 男子マラソンで最後に猛追したものの、入賞を3秒差で逃し9位に終わった川内。
 瀬古さんも「引退することはない」と、めずらしく暖かい言葉をかけていました。

 それから男子200mで、サニブラウンが決勝進出したことを忘れてはいけない。
 18歳ながら、世界の強豪と堂々と渡り合った姿は、本当にすばらしかった!

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レキシントンの幽霊 [日本の現代文学]

 「レキシントンの幽霊」 村上春樹 (文春文庫)


 国語教科書に載った表題作、読書会用の本となった「沈黙」等、全7編の短編集です。
 少し怖い話ばかりが集められています。文春文庫から出ています。


レキシントンの幽霊 (文春文庫)

レキシントンの幽霊 (文春文庫)

  • 作者: 村上 春樹
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 1999/10/01
  • メディア: 文庫



 「レキシントンの幽霊」は、タイトル通りレキシントンの屋敷に現れる幽霊の話です。
 「僕」は友人に頼まれて、レキシントンの古い屋敷で留守番をすることになりました。

 「僕」は深夜に、階下から楽しげな音楽や笑い声が聞こえてくるのに気づきました。
 しかし、この屋敷には今は誰もいないはずです。いったい、あの音は何なのか?・・・

 「沈黙」は、職場の先輩が、同級生との間で起こった苦い出来事を語った話です。
 人生でたった一度、中学二年生の時に殴ってしまった相手が、同級生の青木でした。

 そして、高校3年生の時にある事件が起こり、「僕」は青木に陥れられて・・・
 身に覚えのないことで、多くの人に疑われた「僕」は・・・実にひどい話です。

 「めくらやなぎと、眠る女」は、幻想的で怖い感じの話でオススメです。
 いとこの耳鼻科に付き合って、バスに乗っている間、「僕」は昔を思い出して・・・

 「めくらやなぎには強い花粉があって、その花粉をつけた小さな蠅が耳から潜り込ん
 で、女を眠らせるの」・・・
 「それで・・・・・その蠅は何をするの?」
 「女のからだの中で、その肉を食べるのよ、もちろん」(P200)

 ほか、「緑色の獣」「氷男」「トニー滝谷」「七番目の男」等、全7編収録です。
 いずれも1990年代に発表された短編です。

 さいごに。(ガトリン、おめでとう。ボルト、ありがとう。)

 世界陸上を早朝見るため、最近寝不足気味です。ボルトのラストランも見ました。
 ガトリンはドーピングの過去があるものの、あのブーイングはひどいと思います。

 しかし、敗れてゴールしたボルトは、1位のガトリンと健闘を讃え合っていました。
 さすが、ボルト。彼は、あらゆる意味でスーパースターです。感動をありがとう!

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デカメロン2 [中世文学]

 「デカメロン(中巻)」 ボッカッチョ作 平川祐弘訳 (河出文庫)


 ペストから逃れた男女10人が、交代で10日間にわたって全100話を物語ったものです。
 河出文庫の平川訳が、分かりやすくてリズム感のある名訳で、オススメです。


デカメロン 中 (河出文庫)

デカメロン 中 (河出文庫)

  • 作者: ジョヴァンニ ボッカッチョ
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2017/04/06
  • メディア: 文庫



 河出文庫「デカメロン」中巻には、第四日から第七日までの40話が収録されています。
 それぞれのテーマは以下の通り。特に第七日が傑作ぞろいです。

 第四日は「恋が不幸な結末で終わる話」、第五日は「恋がめでたい結末で終わる話」。
 第六日は「とっさの機転をきかした話」、第七日は「妻が夫をだました話」・・・

 第四日の1話は、田辺聖子による解説がとても印象的だった物語です。
 ある名門の娘が、父の従者に恋してしまったことによって、引き起こされる悲劇です。

 娘の恋心を醒まそうとして、父親が娘に与えたものは? そして娘はどうしたか?
 ヒロインのギスムンダは、「デカメロン」の中で最も強烈な人物のひとりです。

 第四日の5話は、恋人たちの悲劇です。
 殺された恋人は、愛する彼女の夢枕に立ち、遺体の埋められた場所を教えて・・・

 第五日は第四日とは一転して、恋する人々が不幸の後に、幸せな結末を迎える話。
 皮肉なことに、幸せな結末は、悲惨な結末に比べて、あまり面白みがありません。

 その中で、第五日の9話の鷹の話は、しみじみした趣のある物語です。
 全財産を失った男に、昔愛した婦人が訪れたが、手元にあるのは鷹だけで・・・

 第六日の「機転をきかした話」では、10話のチポㇽラ修道士の話が印象的でした。
 大事な天使の羽(本当はオウムの羽)を、友人に隠された時、機転をきかせて・・・

 第七日の「妻が夫をだました話」は、十日間中で最も面白いテーマです。
 どの話もみな面白いのですが、特に次の6話がオススメです。

 2話。恋人とお楽しみ中、急に夫が帰ってきたので、恋人を樽の中に隠して・・・
 4話。浮気をして締め出された妻が、井戸へ大石を投げ込み、夫を勘違いさせて・・・

 5話。妻が浮気を懺悔しに行くと、司祭様に変装した夫が出てきたので・・・
 6話。妻が恋人と過ごしていると、もう一人の男が来て、さらに夫が帰ってきて・・・

 7話。恋人と安心して過ごすために、妻は思い切った策略を用いて・・・
 8話。浮気がばれた妻は、とっさに侍女を身代わりにして・・・

 さて、次の「デカメロン(下巻)」は、いよいよ最終巻です。
 第八日から最後までが収められています。


デカメロン 下 (河出文庫)

デカメロン 下 (河出文庫)

  • 作者: ジョヴァンニ ボッカッチョ
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2017/05/08
  • メディア: 文庫



 さいごに。(プールに通う)

 娘は午後になると、片道30分かけて、友達と一緒に学校のプールに通っています。
 プールでは1時間半ほど遊んでいます。子供のエネルギーには、本当に感心します。

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白蓮れんれん [日本の現代文学]

 「白蓮れんれん」 林真理子 (集英社文庫)


 筑紫の女王「白蓮」が再婚してから、白蓮事件を起こすまでを描いた伝記小説です。
 2014年の連ドラ「花子とアン」では、仲間由紀恵が白蓮を演じて話題になりました。


白蓮れんれん (集英社文庫)

白蓮れんれん (集英社文庫)

  • 作者: 林 真理子
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2005/09/16
  • メディア: 文庫



 1911年、柳原燁子(あきこ)は、九州の炭坑王・伊藤伝右衛門のもとに嫁ぎました。
 この不釣り合いな結婚は、「華族の令嬢が売り物に出た」と、話題になりました。

 燁子は、出戻りとはいえ、大正天皇の従妹で、まだ26歳。
 伝右衛門は、大富豪とはいえ、労働者上がりでもう51歳。

 九州に着くと燁子は、伊藤家の複雑な事情を知り、次々と希望を失っていきました。
 そして、自身の苦悩を短歌に託し、白蓮と名乗って、雑誌に発表し続けるのでした。

 1919年に発表した戯曲「指鬘外道」(しまんげどう)が、文学界で注目されました。
 翌年、その戯曲のことで白蓮のもとにきたのは、27歳の宮崎龍介。運命の出会い!

 二人はいかにして、禁断の愛におぼれていったのか?
 そしていかにして、白蓮事件を起こしたのか?

 事件当時、白蓮は36歳、宮崎龍介は29歳。世間を大きく騒がせました。
 ひょっとしたら白蓮は、こういう形で、社会に復讐をしたかったのではないか。

 さてこの小説は、白蓮事件が起こるまでの、九州における10年ほどを描いています。
 東洋英和女学校時代のことは出てきません。村岡花子もほとんど出てきません。

 だから、2014年にNHKで放送した「花子とアン」は貴重でした。見ておきたかった!
 しかも、白蓮役は仲間由紀恵だったというではないか。(ドラマでは「葉山蓮子」役)

 また、この小説は、「不機嫌な果実」とは全く違いました。
 「不倫小説」と呼ぶのは不適切でした。ジャンルは「伝記小説」でしょうか。

 さいごに。(水泳補習が楽しみだった)

 娘はある程度泳げるため、水泳の補習はわずか1日で終わりました。
 1日目で合格したことで、娘はとてもがっかりしています。

 補習は人が少なくて、楽しく泳げたといいます。
 今、自由プールに行っていますが、人が多すぎてあまり泳げないのだそうです。

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2017年8月発売の気になる文庫本 [来月発売の気になる文庫本]

◎ 2017年8月発売予定の文庫本で、気になるものを独断で紹介します。
  データは、出版社やamazonの、HPやメールマガジンを参考にしています。


・8/8   「ヒューマン・コメディ」 サローヤン (光文社古典新訳文庫)
 → 作者の代表作。以前ちくま文庫で出ていたが現在絶版。新訳歓迎。買い。

・8/10 「ヘンリー・ジェイムズ傑作選」 H・ジェイムズ (講談社文芸文庫)
 → 2052円らしい。傑作中短編を集めたというが高い。収録作品が気になる。


◎ おまけ1(夏の文庫フェア)

 集英社文庫は40周年です。恒例の「ナツイチ」には、猫の「よまにゃ」が登場。
 フェアの文を買うと、その場で「よまにゃ」のブックカバーがもらえます。

 うちの娘は猫好きなので、「これ、ほしい!」と言っていました。
 中野京子の「はじめてのルーブル」を、このタイミングで買っておこうか。


はじめてのルーヴル (集英社文庫)

はじめてのルーヴル (集英社文庫)

  • 作者: 中野 京子
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2016/10/20
  • メディア: 文庫



 新潮文庫の「新潮文庫の100冊」では、ロボットの「キュンタ」が活躍。
 フェアの本を買うと、その場で「二つ折りキュンタしおり」がもらえます。

 さらに、抽選で100名に、「純金キュンタしおり」が当たります。
 また、「銀の匙」の銀カバーなど、プレミアムカバーが8種類登場しました。

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 角川文庫の「カドフェス」では、犬の「ハッケンくん」が今年も登場。
 フェアの本を買うと、その場でブックカバー(6種類)がもらえます。

 また、フェアの対象本には、オリジナルのしおりがはさまっています。
 フェアの本に話題作が多いのが、今年の「カドフェス」の特徴です。

 「鹿の王」「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」
 「メアリと魔女の花」「ナミヤ雑貨店の奇蹟」などなど・・・


鹿の王 1 (角川文庫)

鹿の王 1 (角川文庫)

  • 作者: 上橋 菜穂子
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/06/17
  • メディア: 文庫



打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? (角川文庫)

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? (角川文庫)

  • 作者: 大根 仁
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/06/17
  • メディア: 文庫



新訳 メアリと魔女の花 (角川文庫)

新訳 メアリと魔女の花 (角川文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/06/17
  • メディア: 文庫



ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫)

ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫)

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2014/11/22
  • メディア: 文庫




◎ おまけ2(久々に新刊本屋に行ってみて)

 最近時間が無くて、本があまり読めないので、本屋に行かなくなりました。
 4月の転勤で、帰り道に寄れる本屋も、無くなってしまったし。

 また、家に本がたまっているので、新しい本にはあまり興味がわきません。
 ところが、先日久しぶりに本屋に寄ったら、突然血が騒ぎ始めました。

 あれも読みたい、これも読みたいと、気がついたら10冊以上欲しい本が!
 しかし読み切る自信がないので、その中の1冊だけを買うことにしました。

 10冊の中から選んだのは、ヴェデキントの「地霊・パンドラの箱」です。
 4月に重版された本で、そのうち手に入らなくなるおそれがあるので。


地霊・パンドラの箱――ルル二部作 (岩波文庫 赤 429-1)

地霊・パンドラの箱――ルル二部作 (岩波文庫 赤 429-1)

  • 作者: F.ヴェデキント
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1984/12/17
  • メディア: 文庫




◎ おまけ3(100分de名著「高慢と偏見」)

 「100分de名著」の今月のテーマは、オースティンの「高慢と偏見」でした。
 誰にでも勧められる名作です。作品自体も、番組の内容もすばらしかった。

 私は、エリザベスの高慢さも偏見も、彼女の欠点だとばかり思っていました。
 しかし、高慢さも偏見も、成り上がるための戦略だというのです。面白い!

 「高慢と偏見」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-11-13
 ついでに「エマ」も→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-05-28-1


◎ さいごに。(そんなヒロシのおかげです)

 「ちびまる子ちゃん」に出てくる父ヒロシは、毎回失敗してばかりいます。
 このあいだ、お姉ちゃんのアイスを、勝手に他人にあげてしまっていました。

 「ほらね、どこのお父さんも同じようなまちがいをしているんだよ」と、私。
 時々まちがって、娘のおやつを食べてしまう私は、ひろしに救われています。

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カンガルー日和 [日本の現代文学]

 「カンガルー日和」 村上春樹 (講談社文庫)


 「カンガルー日和」「鏡」など全18編を収録した、村上春樹の初期の短編集です。
 所々に佐々木マキのイラストが入っていて、おシャレです。


カンガルー日和 (講談社文庫)

カンガルー日和 (講談社文庫)

  • 作者: 村上 春樹
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1986/10/15
  • メディア: 文庫



 冒頭の「カンガルー日和」は、彼女と二人でカンガルーの子どもを見に行く話です。
 わずか8ページですが、村上春樹特有の味わいがあります。

 カンガルーの赤ん坊の誕生を知って1カ月。ようやくやってきたカンガルー日和。
 僕と彼女が楽しみにしていた赤ん坊は、しかしすでに大きく成長していて・・・

 ありふれた日常の一コマを描きながら、どこか不思議でイミシンな感じがします。
 だから、何かほかに深い意味があるのではないかと、深読みしたくなる作品です。

 僕と彼女は同棲しているのに、「僕」「彼女」と呼んでいて、夫婦ではなさそう。
 彼女はなぜかピリピリしていて、カンガルーの赤ん坊に異常にごだわっている。

 彼女は妊娠しているのでは? と、誰でも考えるでしょう。
 カンガルーの赤ん坊は、自分の胎内の子を暗示しているように思えます。

 ひょっとして、月曜日の朝に二人が行ったのは、動物園ではなく婦人科なのでは?
 考えすぎかもしれないけど、月曜日はたいていの動物園が閉まっているので。

 ところで、この作品は最近、高校の国語の教科書にも載っています。
 学校で教えるには、少し微妙な問題を含んでいると思いますが・・・

 「鏡」も高校の国語の教科書に載っている作品です。この作品もイミシンです。
 鏡は何だったのか? 鏡の中の僕は何だったのか? 様々な解釈ができて面白い。

 「図書館奇譚」と「1963/1982年のイパネマ娘」は、幻想的で印象に残ります。
 特に「図書館奇譚」には羊男が出てくるので、興味深いです。

 以上、タイトルを紹介した4編が私のオススメです。
 正直に言って、この短編集には「だから、なに?」という作品も入っています。

 さいごに。(アマゴをさばく)

 宿泊研修では、全員がアマゴを自分でさばいて、塩焼きにしたのだそうです。
 アマゴをデコピンで気絶させ、ハサミで腹を切って内臓を出したのだそうです。

 しかし娘のアマゴは気絶しなくて、クネクネと動くアマゴの腹を裂いたという。
 そのアマゴはとてもおいしかったとのこと。貴重な体験をしたと思います。

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不機嫌な果実 [日本の現代文学]

 「不機嫌な果実」 林真理子 (文春文庫)


 32歳の美しき人妻が、結婚6年目にして不倫に走り、人生を転換する物語です。
 「不倫小説の最高傑作」として有名で、石田ゆりこ主演でドラマ化されました。


不機嫌な果実 (文春文庫)

不機嫌な果実 (文春文庫)

  • 作者: 林 真理子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2001/01/10
  • メディア: 文庫



 水越麻也子は、32歳の美しい人妻です。結婚6年目で、まだ子供がいません。
 夫に対する不満から、ある日かつての恋人の野村に連絡を取りました。

 野村は、広告代理店に勤める中年の男で、すでに結婚しています。
 彼との不倫なら、いつでも引き返すことができる。

 しかし、独身の若き音楽評論家の通彦(みちひこ)と出会ってしまいました。
 彼との不倫は、野村とはまったく違う・・・

 あのみずみずしい青春小説「葡萄が目にしみる」と、なんと違うことか。
 「葡萄が目にしみる」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-11-24

 しかし、内容は違うものの、文章はやはりうまい、と思いました。
 次のような名文が、数ページおきに、さりげなく登場します。

 「可能性というのは、違う道もあり得るのだというやさしい示唆だ。が、それが
 失くなってしまった今、麻也子の前にあるのはのっぺりとした一本の日常である。」

 また、女性から見た男性観察が、とても鋭くて面白いです。
 次のような文は、男にはなかなか書けないと思います。

 「過去について、具体的なことを口にし始めるのは、男が欲情している証拠である。」
 「買い被りは、男の気持ちが既に愛情すれすれのところまで来ている何よりの証だ。」

 さて、この物語の結末は・・・やっぱりね。どうして麻也子は気付かなかったのか。
 いい歳をして「高等遊民になりたい」なんて言ってる男を、信じてはいけない!

 それにしても、この本を読んで、不倫に憧れてしまう人もいるのでは?
 女性にはあまり読んでほしくない小説です。

 ところで林真理子には、もうひとつ不倫小説「白蓮れんれん」があります。
 この勢いに乗って、読んでみたいです。


白蓮れんれん (集英社文庫)

白蓮れんれん (集英社文庫)

  • 作者: 林 真理子
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2005/09/16
  • メディア: 文庫



 さいごに。(宿泊研修)

 2泊3日の宿泊研修から、娘が帰ってきました。「楽しかった!」とのこと。
 行く前は少し憂鬱そうでしたが、元気に帰ってきてよかったです。

 学校からは、こまめに一斉メールが来ました。便利な世の中になりましたね。
 「現地到着。車酔いはいませんでした」などと知らされて、ほっとしました。

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