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山椒魚 [日本の近代文学]

 「山椒魚(さんしょううお)」 井伏鱒二 (新潮文庫)


 岩屋から出られなくなってしまった山椒魚を、ユーモラスに描いた短篇です。
 中学校の頃、国語の教科書に載っていたように思います。

 現在、新潮文庫、岩波文庫、小学館文庫などで読むことができます。
 私の本棚には、新潮文庫版が並んでいます。

 新潮文庫は、昨年改版されて、活字が読みやすくなりました。
 カバーもオシャレになっていたので、旧版を持っているのに、また買ってしまいました。


山椒魚 (新潮文庫)

山椒魚 (新潮文庫)

  • 作者: 井伏 鱒二
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1948/01/19
  • メディア: 文庫



 頭が大きくなりすぎて、すみかである岩屋から、出ることができなくなった山椒魚。
 彼は、岩屋の出入り口から、外の世界を眺めるしかありません。
 ところがあるとき、その岩屋に、一匹の蛙が迷い込んできて…

 ユーモラスに描かれていますが、なんとも言えない悲哀を感じる作品です。
 最後の蛙の言葉は、妙に悲しい。
 「今でもべつにお前のことをおこってはいないんだ」

 おそらく蛙は、山椒魚のことを、ずっと怒ってはいなかったのでしょう。
 二匹は、ちょっとこじれただけだったのです。それなのに、意地を張り通して。
 それを悟ったのは、死ぬ間際だった。ばからしく、また悲しい物語です。

 新潮文庫版には、合計12編の短篇が収録されています。
 中には、「屋根の上のサワン」も名作で、これもいつだったか、教科書で読みました。
 自分の気持ちを伝えられないうちに、サワンが旅立ってしまうのが、悲しかったです。

 ほか「女人来訪」「寒山拾得(かんざんじっとく)」「夜ふけと梅の花」等は捨てがたい。
 しかし、私にとってのベストは、「へんろう宿」です。

 「へんろう宿」はわずか9ページ。しかし、限りない哀感が込められています。
 舞台は土佐。それにしても、変わった宿があったものです。旅に出たくなる一編です。

 岩波文庫の短編集では、新潮文庫版では読めない名作が、収録されています。
 タイトルの「遙拝隊長」などは外せません。
 重複する作品がありますが、ぜひ、岩波文庫版も読みたい。


山椒魚・遙拝隊長 他7編 (岩波文庫 緑 77-1)

山椒魚・遙拝隊長 他7編 (岩波文庫 緑 77-1)

  • 作者: 井伏 鱒二
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1969/12/16
  • メディア: 文庫



 しかし、かつては新潮文庫から、「遥拝隊長・本日休診」が出ていたのです。
 私は買いそびれました。ぜひ、改版を出してほしい。


遥拝隊長・本日休診 (新潮文庫)

遥拝隊長・本日休診 (新潮文庫)

  • 作者: 井伏 鱒二
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1955/06
  • メディア: 文庫



 ところで、「山椒魚戦争」というSF小説があります。
 アンチ・ユートピア小説の、古典的名作なのだそうです。ちょっと気になります。


山椒魚戦争 (岩波文庫)

山椒魚戦争 (岩波文庫)

  • 作者: カレル チャペック
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2003/06/13
  • メディア: 文庫



 さいごに。(45歳)

 先日、誕生日を迎えて、また一つ年をとりました。45歳です。
 気持ちだけは35歳のつもりで、と思うのですが…

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吾輩は猫である [日本の近代文学]

 「吾輩は猫である」 夏目漱石 (角川文庫)


 「動物農場」のほか、動物を主人公にした作品は色々あります。
 しかし私のオススメは、なんと言っても「吾輩は猫である」です。 

 名の無い一匹の猫の視点で、人間世界をユーモラスに描いた小説です。
 夏目漱石の処女作として有名です。

 名作中の名作ですから、あらゆる出版社から出されています。
 現在、新潮文庫、岩波文庫、角川文庫、集英社文庫、文春文庫などから出ています。

 私は20年近く前に、ちくま文庫の夏目漱石全集で読みました。
 当時は、「漱石ぐらいは全集で読みたいものだ」と思ったのですが…

 しかし、漱石とはいえ、中にはさほど好きではない作品もあります。
 例えば、2巻の初期短篇の一部、4巻の「抗夫」、10巻の評論などです。


夏目漱石全集〈1〉 (ちくま文庫)

夏目漱石全集〈1〉 (ちくま文庫)

  • 作者: 夏目 漱石
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1987/09
  • メディア: 文庫



 もちろん、全集を読むことは、その作家を深く知る上で、意味があると思います。
 しかし、全集を本棚に並べておくことは、私はあまり好きではありません。

 今では、ちくま文庫版の全集は、押入れの中で眠っています。
 そして、漱石のお気に入りの作品だけが、お気に入りの文庫で、本棚に並んでいます。 

 私にとって、「吾輩は猫である」の決定版は、角川文庫版です。
 角川文庫版だけに、初版本の表紙イラストや扉絵などが、収められているからです。
 また、数枚の挿し絵も差し込まれていて、当時の雰囲気が味わえる本になっています。

 角川文庫版の最後には、漱石自身の「処女作追懐談」があります。
 こういう付録こそ、本当に価値がある。

 やや活字が小さくて読みにくいのが難点。ぜひ改版を出してほしい。
 なお、カバーはリンクのものとは違い、美しいイラストになっています。


吾輩は猫である (角川文庫)

吾輩は猫である (角川文庫)

  • 作者: 夏目 漱石
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 1962/09
  • メディア: 文庫



 現在出ている文庫の中で、一番活字が大きくて読みやすいのは、新潮文庫版です。
 リンクの本は期間限定版で、実際のカバーは、ノスタルジックな猫のイラストです。


吾輩は猫である (新潮文庫)

吾輩は猫である (新潮文庫)

  • 作者: 夏目 漱石
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2003/06
  • メディア: 文庫



 岩波文庫も捨てがたいです。
 このカバーを見ると、全作品を岩波文庫で揃えたくなるような誘惑にかられます。

 岩波文庫は、漱石の評論や俳句やさらに書簡までも出しています。さすが。
 ちくま文庫版の全集よりも、徹底しています。
 ちなみに岩波書店は、漱石没後いちはやく全集を出して、躍進した出版社です。


吾輩は猫である (岩波文庫)

吾輩は猫である (岩波文庫)

  • 作者: 夏目 漱石
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1990/04/16
  • メディア: 文庫



 さて、久しぶりに「吾輩は猫である」を、パラパラめくってみたら…
 おもしろい、おもしろい。結局最初から読み返しています。

 ドラマチックな展開は無いものの、クスリと笑えるような所が多いです。
 迷亭君がサイコーです。トチメンボーの話、首くくりの松の話などは、傑作です。
 毎日、ちびりちびりと、味わいながら読みたいです。

 さいごに。(母の日、妻に)

 母の日、妻に、「生活の木」のコーディアルを贈りました。
 ローズとローズヒップのセットです。

 「生活の木」は、妻が大好きなお店です。
 (リンクはイングリッシュ・エルダーフラワーのコーディアル)




 夫婦仲検定というやつを、やってみました。
 私は、かろうじて合格でした。
 → http://minna.cert.yahoo.co.jp/cjwkg/364866

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動物農場 [20世紀イギリス文学]

 「動物農場」 オーウェル作 川端康雄訳 (岩波文庫)


 動物たちが、人間に対して反乱を起こし、自分たちのための農場を作る物語です。
 「一九八四」と並ぶオーウェルの傑作です。
 「一九八四」 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-04-17

 現在、岩波文庫と角川文庫から出ています。
 岩波文庫の川端訳の方が新しいです。カバーも、渋くてカッコイイです。

 岩波文庫版の欠点は、本文のあとの文章が長いこと。
 本文の後、訳注・付録・解説がえんえん80ページ続きます。読まないって。


動物農場―おとぎばなし (岩波文庫)

動物農場―おとぎばなし (岩波文庫)

  • 作者: ジョージ オーウェル
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2009/07/16
  • メディア: 文庫



 農場の動物たちは、自分たちが人間のみじめな奴隷であることに、気付きました。
 彼らは団結し、動物主義を掲げ、反乱を企てます。

 あるとき、エサをもらえなかった動物たちが、食料庫を破ったことがきっかけで、
 反乱が偶然にも実行され、人間たちを追い出し、「動物農場」を立ち上げました。

 「すべての動物は平等である」という原則のもと、最初はうまくいっていました。
 しかし、やがて、ぶたたちの独裁が始まり…

 副題が「おとぎばなし」とある通り、とても易しくて読みやすい寓話です。
 そして出版当時、誰にでも分かるソ連批判の物語だったのだそうです。

 例えば、ぶたの独裁者ナポレオンは、スターリンをモデルにしています。
 ナポレオンに追放されるぶたスノーボールは、その政敵トロツキーです。

 第七章では、粛清裁判など、恐怖政治の実態が、描かれています。
 そして、最終章の第十章は、とても暗示的です。
 実に、興味深く読むことができました。

 ところで、私はうかつにも、「動物農場」と「ガラスの動物園」を混同していました。
 タイトルだけは、似ていますが。
 ついでながら、T・ウィリアムズの「ガラスの動物園」もまた、間違いなく傑作です。


ガラスの動物園 (新潮文庫)

ガラスの動物園 (新潮文庫)

  • 作者: テネシー ウィリアムズ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1988/03
  • メディア: 文庫



 さいごに。(うんてい)

 逆上がりができるようになった娘は、今度は、うんていにチャレンジしています。
 幼稚園で練習していて、手に豆を作っています。
 最近、最後まで行けるようになったとか。

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1Q84 BOOK2 [日本の現代文学]

 「1Q84 BOOK2」 村上春樹 (新潮文庫)


 「1Q84の世界」における、青豆と天吾の物語の続きです。
 BOOK1 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-04-09
 2009年に出た超話題作です。

 今年の4月末に、新潮文庫からBOOK2が前編と後編の二分冊で出ました。
 5月末にはBOOK3が出る予定です。


1Q84 BOOK2〈7月‐9月〉前編 (新潮文庫)

1Q84 BOOK2〈7月‐9月〉前編 (新潮文庫)

  • 作者: 村上 春樹
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2012/04/27
  • メディア: 文庫



1Q84 BOOK2〈7月‐9月〉後編 (新潮文庫)

1Q84 BOOK2〈7月‐9月〉後編 (新潮文庫)

  • 作者: 村上 春樹
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2012/04/27
  • メディア: 文庫



 青豆はいよいよ、「リーダー」暗殺という最後の仕事を、実行に移します。
 ところが、その「リーダー」から、天吾のことや1Q84のことを聞かされます。
 そして … ああ! 意外な展開!

 一方、天吾は、ふかえり失踪事件に巻き込まれていきます。
 あるとき突然、天吾のもとに、失踪中のふかえりが現れました。
 そして、二人は … あーあ、いつもの展開。

 さて、「リーダー」が青豆に語る話から、教団の謎が解けていきます。
 また、小説「空気さなぎ」の内容から、さらに色々な謎が解けていきますが…

 で、いったい、1Q84の世界って、何だったのか?
 リトル・ピープルって、何だったのか? 
 空気さなぎって、何だったのか? 結局よく分かりません。

 BOOK2でも、様々な謎が、謎のまま残ります。
 それに、この終りかたは … いったい、青豆は … どうして?

 しかし、さすが村上春樹。BOOK1同様、一度読み出したら、止まりません。
 これを読んでいたGW中、ずっと寝不足でした。

 それにしても、先が気になります。BOOK3発売の月末が待ち遠しいです。
 ついつい書評などを読みたくなりますが、我慢しています。

 ところで、BOOK3では、ちゃんと完結するのでしょうか。
 今まで以上にボリュームのある本になっていると、聞いていますが。

 さいごに。(逆上がり成功)

 GW中に、娘は逆上がりができるようになりました。
 ここ数ヶ月ほど、ずっと練習していました。本当によくがんばりました。
 本人は嬉しくて、会う人ごとに、逆上がりを披露しています。

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虐げられた人びと [19世紀ロシア文学]

 「虐げられた人びと」 ドストエフスキー作 小笠原豊樹訳 (新潮文庫)


 ある陰謀家によって、引き離された恋と、虐げられた人々の物語です。
 ドストエフスキーの最初の本格的小説です。

 現在、新潮文庫から出ています。


虐げられた人びと (新潮文庫)

虐げられた人びと (新潮文庫)

  • 作者: ドストエフスキー
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/10
  • メディア: 文庫



 語り手は若き作家のイワンです。
 彼の養父は潔癖の身でありながら、屈辱的な訴訟に巻き込まれています。
 その養父には、ナターシャという愛娘がいて、イワンは彼女を愛しています。

 しかしナターシャが愛したのは、あろうことか訴訟相手の息子アリョーシャでした。
 しかも二人は、駆け落ちしてしまったのです。
 アリョーシャの父ワルコフスキーは、ある陰謀から、二人の仲を裂こうとします。

 一方、語り手のイワンは、偶然から一人の老人の死に立ち会いました。
 やがて、その老人の孫娘ネリーと出会い、深くかかわっていくのですが…

 この二つの異なったストーリーが、やがて一つにつながっていきます。
 それにしても、ネリーが最後に語る話が、泣けて泣けて。(P600~)

 さてこの小説は、ドストエフスキーの他の大長編に隠れて、あまり知られていません。
 期待していなかったのですが、予想以上に面白かったです。間違いなく傑作です。

 登場人物は、例によって、濃い人間ばかり。
 中でもアリョーシャとワルコフスキー公爵は、異色の親子です。

 アリョーシャは、純粋で無邪気で罪の無い人間です。
 しかし一方、何一つ判断できず責任も取れない男で、要するに大きな赤ちゃんです。

 子どもっぽさゆえに女性から好かれ、何をしても彼女たちから全く憎まれません。
 でも、私は憎みました。アリョーシャは、優柔不断で軽薄なダメ男ですよ。

 その父親のワルコフスキーは、正真正銘の極悪人です。
 それなのに何度か、「この人、良い人じゃない?」と、私は騙されそうになりました。

 こういう人間は、実にタチが悪い。と同時に、悪魔的な魅力に満ちています。
 小説中、最も印象に残るのが、この悪党です。かげの主役ですね。

 ところで、イワンの旧友マスロボエフは、最初、悪人かと思っていましたが、しかし!
 彼のおかげで、この作品がミステリー仕立てになり、面白さが倍増しています。

 さいごに。(娘にしかられたこと)

 朝、新聞を読んでいると、背後から厳しい声が飛んできました。
 「パパ! 指をなめて新聞をめくらないで!」
 いつのまにか、妻に似てきてしまった。

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銀の匙 [日本の近代文学]

 「銀の匙」 中勘助 (岩波文庫)


 純粋で詩的な味わいのある、少年時代の哀切で美しい追憶記です。
 もと灘高の名物教師橋本氏が、授業で活用して話題になりました。

 現在、岩波文庫と角川文庫から出ています。
 なぜか両方とも家にありますが、岩波文庫版の方がカバーが渋いです。


銀の匙 (岩波文庫)

銀の匙 (岩波文庫)

  • 作者: 中 勘助
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1999/05/17
  • メディア: 文庫



 主人公の「私」の、書斎の引き出しには、銀の小匙があります。
 この匙の由来を、子どもの頃、母から聞きました…
 こうして、作者の少年時代の回想が始まります。 

 最初に読んだ時、「ただの、おセンチな思い出話だな」と、思いました。
 当時、私はまだ若くて、この作品の美しさが、分からなかったのです。

 「ああいうのは、センチメンタルっていうんじゃない」と言ったのは漱石です。
 漱石はまた、「描写が細かく、きれいで、独創性がある」と、激賞しました。

 二度目に読んだとき、その魅力がようやく理解できました。(ああ、恥ずかしい)
 「私」が「お国さん」と会うあたりから、ストーリーが急速に面白くなります。

 前編53段のおけいちゃんとの別れの場面、後編16~17段の伯母を訪ねる場面、
 後編21~22段の友人の姉との別れの場面などは、哀切きわまりない。

 なんともいえない純粋で美しい味わいがあると、今では思います。
 人生の神秘みたいなものを感じさせるほどです。

 さて、もと灘高校の橋本武氏は、「銀の匙」を使って、効果的な授業を行いました。
 橋本氏は今年100歳。今また、その授業が話題になっています。


〈銀の匙〉の国語授業 (岩波ジュニア新書)

〈銀の匙〉の国語授業 (岩波ジュニア新書)

  • 作者: 橋本 武
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2012/03/23
  • メディア: 新書



灘中 奇跡の国語教室 - 橋本武の超スロー・リーディング (中公新書ラクレ)

灘中 奇跡の国語教室 - 橋本武の超スロー・リーディング (中公新書ラクレ)

  • 作者: 黒岩 祐治
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2011/08/10
  • メディア: 新書



 さいごに。(バレエ教室見学)

 先日、娘のバレエ教室の見学日がありました。
 一生懸命練習している子どもたちみんな、とてもかわいらしかったです。

 しかし、終わった後、娘は落ち込んでいました。
 妻が理由を聞くと、「私が間違えた時に、パパが笑っていたから」とのこと。
 そういうつもりはなかったのですが。でも、気をつけなければ。

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2012年5月発売の気になる文庫本 [来月発売の気になる文庫本]

 2012年5月発売予定の文庫本で、気になるものを独断で紹介します。
 情報源は → http://www.taiyosha.co.jp/bunko/bunko1205_date1.html


 ・文学関係で、気になる文庫本は、次の5冊です。

 5/09 「ガルガンチュアとルタグリュエル 第五の書」 ラブレー (ちくま文庫)
 → ガルガンチュア物語全5巻の最終巻。よくぞ完結させてくれました。拍手。

 5/09 「和訳 聊斎志異」 松田齢 (ちくま学芸文庫)
 → 新訳か。岩波文庫版と比べたい。

 5/10 「愚管抄 全現代語訳・注」 大隅和雄 (講談社学術文庫)
 → 大僧正慈円が記した歴史書。平清盛ブームの今、注目。

 5/25 「天地明察(上)(下)」 沖方丁 (角川文庫)
 → 数年前に本屋大賞を取り、大流行し、映画化もされた本。

 5/29 「1Q84 BOOK3〈10月-12月〉前編・後編」 村上春樹 (新潮文庫)
 → 待ち遠しい。まずは最近出たばかりのBOOK2を読まなければ。


 ・文学以外で、気になる文庫本は、次の4冊です。

 5/09 「快楽としての読書 海外篇」 丸谷才一 (ちくま文庫)
 → 「日本篇」の本のセレクトにはがっかりしたが…「海外篇」はどうか。

 5/10 「逸楽と飽食の古代ローマ」 青柳正規 (講談社学術文庫)
 → 副題は「『トリマルキオの饗宴』を読む」。「サテュリコン」の世界!

 5/21 「一瞬で自分を変える法」 アンソニー・ロビンズ (知的生きかた文庫)
 → 本田健が訳した名著。待望の文庫化。絶対買い。

 5/25 「三色ボールペン読み直し名作塾」 齋藤孝 (角川文庫)
 → 齋藤孝の読書関係の一冊。「三色ボールペンで読む日本語」の姉妹本。


 ・岩波文庫の4月の重版

 林芙美子「下駄で歩いた巴里」が、重版再開されていました。
 私の声が届いたか?(そんなはずはない) ともかく、読まなければ。
 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-03-09


 ・岩波書店のランキングから → http://www.iwanami.co.jp/best/index.html

 岩波書店では、中勘助の「銀の匙」が関係が売れています。
 岩波文庫の4/9~4/15の売り上げ1位が、「銀の匙」。
 岩波ジュニア新書の4/9~4/15の売り上げ1位が、橋本武著「〈銀の匙〉の国語授業」。

 橋本武氏は、もと灘高の名物国語教師。
 この人の、「銀の匙」を使った授業が話題となり、「銀の匙」が注目を集めています。


 ・おまけ。4月に最も失望した文庫本。

 古典新訳文庫「サロメ」は、ひどかったです。訳はいいのですけど。
 ページ数は、225ページ。しかし、本文はわずか81ページ。
 本文のあと、註とあとがきと解説が、えんえんと続きます。読まないって。


 ・さいごに。(オトキソ)

 NHKのEテレの、「おとなの基礎英語」(略してオトキソ)が、とても面白いです。
 毎回必ず、講師の先生が、だじゃれを言うのです。

 今まで一番面白かったのは、次のようなもの。
 「Could you(くじゅう) を使うか Can you を使うかは、苦渋(くじゅう)の選択」
 いつも、どこでどんなだじゃれを言うか、わくわくしながら見ています。

 ところで、テキストの4月号は、どこの書店でも売り切れでした。
 私は4月の第1週に買いに行きましたが、結局手に入らなかったです。
 (NHKのホームページで買えるそうですが、そこまでして買う気はありません。)

 テキストの5月号は、発売と同時に買いに行きました。平積みされていました。
 人気があるのですね。ひょっとしたら、だじゃれ効果?

 オトキソ → http://www.nhk.or.jp/gogaku/english/otokiso/

NHK テレビ おとなの基礎英語 2012年 05月号 [雑誌]

NHK テレビ おとなの基礎英語 2012年 05月号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2012/04/18
  • メディア: 雑誌



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スペードの女王 [19世紀ロシア文学]

 「スペードの女王・ベールキン物語」 プーシキン作 神西清訳 (岩波文庫)


 ロシア国民詩人プーシキンの、傑作短篇集です。
 「スペードの女王」は有名です。

 現在、岩波文庫で読むことができます。


スペードの女王・ベールキン物語 (岩波文庫)

スペードの女王・ベールキン物語 (岩波文庫)

  • 作者: プーシキン
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2005/04/15
  • メディア: 文庫



 青年ゲルマンは、ある老婦人から、カルタの秘伝を授かろうとしました。
 しかし、ゲルマンに驚いた老婦人は、あっけなく亡くなってしまいます。
 葬儀の夜、老婦人の幽霊がやってきて、カルタの秘伝を教えてくれたのですが…

 「スペードの女王」は、ホフマンを思わせるような、怪談っぽい作品です。
 気がついていたら異界に迷い込んでいた、みたいな感じです。

 どれが現実で、どれが幻覚なのか、何が本当で、何が冗談だったのか…
 スペードの女王の不気味な笑みが、いつまでも頭から離れません。

 文体は簡潔で無駄がありません。
 小品ながら傑作でしょう。

 「ベールキン物語」は、5編の短篇から成っています。
 特に印象に残ったのは、「吹雪」と「百姓令嬢」。
 どちらも、人生の妙味を感じる作品です。

 さて、神西清(じんざいきよし)氏の訳は、名訳と言われています。
 たしかに、詩的で味わい深い訳です。
 しかし、今ではもう古くなったようにも思いました。そろそろ新訳がほしいところ。

 また、本の3分の1近く(約90ページ)が、注釈と解説に充てられていますが…
 読まないって!

 さいごに。(青菜に塩をふったら、どうなるか)

 職場で、若い人に、「青菜に塩をふったら、どうなるか知ってる?」と聞いたら、
 すかさず、「おいしくなる!」という返事が、返ってきました。
 ジョークで言ったのか、本気で言ったのか…

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ノルウェイの森 [日本の現代文学]

 「ノルウェイの森」 村上春樹 (講談社文庫)


 日本の恋愛小説を代表する大傑作です。それ以上、どんな説明がいるでしょうか。
 1987年に出て、大ベストセラーになりました。

 現在、講談社文庫から、上下二分冊で出ています。


ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

  • 作者: 村上 春樹
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2004/09/15
  • メディア: ペーパーバック



ノルウェイの森 下 (講談社文庫)

ノルウェイの森 下 (講談社文庫)

  • 作者: 村上 春樹
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2004/09/15
  • メディア: ペーパーバック



 大学1年生のワタナベは、高校時代の同級生の直子に、東京で偶然に出会いました。
 直子の20歳の誕生日に、ワタナベは直子と一度だけ結ばれます。

 しかし、直子の心の中には、暗い闇の部分がありました。
 直子はワタナベに何も告げずに、アパートを引き払い、消息不明になってしまいます。

 その後、ワタナベは緑という活発な女性と出会い、お互いにひかれていきます。
 しばらくして、直子からの手紙が届き、阿美寮という施設にいることを知ります。
 ワタナベは直子に会いに行きますが…

 この小説が出た1987年、私は大学2年生でした。
 学生協の書籍部にも、赤い上巻と緑の下巻が、並んで平積みされていたのを思い出します。

 当時は、ほとんどの大学生が、読んでいたのではないでしょうか。
 「ノルウェイの森って、なに?」なんて言ったら、とても恥ずかしい思いをしたでしょう。 

 こういう私は、「まだ読んでないの?」と友人に言われて、仕方なく読み始めたのでした。
 最初は気乗りしなかったのだけど、読み出すと止まらなくなりました。

 最後は、せつなくて、せつなくて…
 物語の余韻にどっぷり浸って、なかなか現実世界に復帰できませんでした。
 読み終わると同時に、もう一度、最初から最後まで読み返しました。

 今までに、5~6回は読み返しています。
 「ノルウェイの森」は、当時も今も、私にとってバイブルです。

 それから、この小説がきっかけで、ビートルズを聴き始めました。
 「ラバーソウル」は、いつのまにか愛聴盤になっていました。

 さて、この小説は映画化されています。先日、TV放映されましたね。
 原作にだいたい忠実で、映像もきれいで、良かったです。

 松山ケンイチの「ワタナベ」は、雰囲気がよく出ていました。
 菊池凛子の「直子」も、ほぼ私のイメージ通りでした。

 ただ「緑」については、もっとブッ飛んだイメージにしてほしかった。
 それから、レイコさん。原作にも言えることですが、最後のあの場面はいらない。

 さいごに。(給料日にうどん屋へ)

 給料が入ったら、久々に家族で外食しようと考えていました。
 ところが、給料の下げ幅が、とても大きくて…
 手当てが削られることは、聞いてはいたのですが、まさかここまでとは。

 結局、うどん屋に行きました。もちろん、セルフのうどん屋です。
 それでも娘は、とても喜んでくれましたが。

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一九八四年 [20世紀イギリス文学]

 「一九八四年」 ジョージ・オーウェル作 高橋和久訳 (ハヤカワepi文庫)


 ビッグ・ブラザーによって統制された、全体主義国家を描くアンチ・ユートピア小説です。
 世界中でベストセラーになり、20世紀文学の傑作の一つだと言われています。

 「1Q84」のブームによって、再び注目されています。
 2009年に、ハヤカワepi文庫から新訳が出ました。とても読みやすかったです。


一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

  • 作者: ジョージ・オーウェル
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2009/07/18
  • メディア: 文庫



 舞台は1984年のロンドン。これが書かれた1948年から見ると、近未来世界でした。
 国家は、ビッグ・ブラザーと呼ばれる男によって、統治されています。

 国民生活は、テレスクリーンによってすべて監視されて、自由な行動ができません。
 言語は、ニュースピークという簡潔な言語にまとめられ、自由な思考を許しません。

 最も根本的な罪は、党の体制に疑問を持つことであり、それを「思考犯罪」と呼びます。
 思考犯罪を取り締まるために、「思考警察」が国民をスパイしています。
 そして思考警察は、怪しい人物を次々に「蒸発」(!)させてしまうのです。

 主人公は、ウィンストン・スミス。39歳。
 職場は「真理省」。しかしその仕事は、歴史の改変です。
 ウィンストンは、自分の仕事とこの社会のあり方に、疑問を持っています。

 あるときウィンストンは、ジュリアという若い女性と、深く愛し合うようになります。
 そして、党中枢部が腐敗していることを知ります。
 やがて二人は、反政府組織の「ブラザー同盟」に加わりますが…

 ビッグ・ブラザーはスターリンを、全体主義国家は旧ソ連を、イメージしているようです。
 冷戦下で、この小説は売れに売れて、反全体主義のバイブルとなりました。

 それにしても、めちゃくちゃですよ。特に、第三部のオブライエン! 
 四本出した指を、「五本」と言わせたり、2+2を5だと言わせたり。(P386~)
 実にばかばかしくて面白かったです。

 ところで、ジョージ・オーウェルには、「動物農場」という傑作もあります。
 こちらも、面白そうです。

 さいごに。(宝さがしゲーム)

 娘のマイブームが、「宝さがしゲーム」です。
 宝物(例えばおもちゃのブレスレット)を、娘が隠して、私が探すというものです。

 最近は、なかなか巧妙に隠します。例えば、TVの裏側だとか。
 でも時々、自分で隠した場所を忘れて、見付からなくなってしまうことも…

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